怪異と乙女と神隠し/ダンジョン飯

ダンジョン飯・15話。不思議のダンジョン状態で迷い続けるライオスご一統の前に現れる、本日の魔物はドライアド。植物系のモンスターをどうネタにするのかで「急性的な花粉症を引き起こす」というネタ、相変わらず既存の要素の換骨奪胎が冴えているなあ。その果実がジャックオランタンというか…キモいカボチャというか。この話のアイコンにさえなりえるキモさでよろしい。ぐっだぐだ文句垂れてたマルシルが一口喰って食レポ始める、このバカチンなテンポが定番ギャグですね。

後半はまずライオスが治癒魔法を練習するシーケンス。彼がWizでいうところのロード職とすると、この展開は判りやすくはある。完全に分化したジョブ制じゃなくて個人のスキルビルド次第ってとこもあるだろうけれど。マルシルによる(なんかちょっとフェチい)魔法指南付きってのは面白い。…そのえっちさがセンシの治癒シーンにカブるのはどうかと思いますけどね! 中博史の「触り方…」ってセリフに笑ってしまったよ。

そして登場する魔物にコカトリス三上哲ナレ)。浅層にてバジリスクの話した時のシコミがここで展開されるワケですな。蛇頭サイドのピット器官でインフラレッドモニターしてるネタがバカでいい。あとマルシルの「わあー!」「完」「学校始まって以来の才女 マルシル」(三上哲ナレ)が全部かわいかったのでよし。結局石化してしまうマルシルという流れで、いかにヘンテコなポーズで石化させるか→石化したらどういじるか、というネタの徹底探求ぶりが深くて本当に感心する。ラストのダンジョン飯…ああダンジョン飯三上哲ナレ)まで、完成度の高い回であったと言える。うん、こういう味わいもダンジョン飯だね! いやマジで。

●新番組・怪異と乙女と神隠し。日常と非日常のあわいを映すってなそういう系統の作品だが、とにかく主役の菫子さんに作者の抑えきれないフェチ心を感じる。高身長でかちちでかしり麿眉の文系くすぶり系アラサー女子生娘、お声がファイルーズあい…まあ本気でフェチ解放したらもっとえらいことになるんだろうな、という雰囲気。そこに小柄でこまっしゃくれててなんか知ってそうな人外青年を相方につける。ははあ。

てことでなかなかにエエ感じのオカルトものではある。主人公たちの属性からして文芸方面に偏重したミステリになりそうで、それは割と好みな方向性。とっかかりの「呪の籠った万葉集の和歌」ってギミックもいい雰囲気。あとは原作のマンガに加えてのアニメならではなウリがあるかどうかだけど…ううん、今んとこ第一話だけではまだちょっと判断保留かなあ。初っ端のツカミとしてのケレン味がちょっと弱い気がする。
 
とまれ、面白そうな題材ですんで、継続してみよう。デカいおねーさんというその一点でも嫌いじゃないしねえ。うんまあ。

気になったのだそう

●「だそう」が気になった。テレビや動画なんかでのナレーションで伝聞体のシメとして付される表現であり、別に日本語としてことさらヘンテコでもないが多少違和感はあるなって程度なのだけれども、昨今はほぼ定番みたいに出てくるので違和感を覚えたという次第。こういうケースは私のアンテナが低いだけで、すでに議論も何も済んでるとこにのこのこ私がやってきただけってな状況が大概だが、検索してみたらまあそのまんま。数年前からフッツーに話題になってました。すまんねえ。

それにしても「だそうです」じゃダメな理由って何なんだろうね。いやワシも「だそう」の方がことさら劣ってるとは思えないしそれはそれでいいんだけど、ここまでキレイにシフトしてってる理由がイマイチ判んない。「です」という丁寧語にどんくさいイメージでもあるのかな。この辺包括的に解題した言説がうまいこと見つからなかった。…めんどくさいのは、私自身「だそう」を是とする感覚が言語化の手前レベルでなんとなーく判るって気分があることなんだよねえ。何でしょうね、これ。

 

ダンジョン飯

ダンジョン飯・14話。2クール目ってことでOP・ED更新。なんかすんげえ陽気で陽性で明るくて、まるで1期OPのような2期OPだなと思いました。物語は承前、先週あんなけ高い技量で演出しきったチルチャックたち感動の物語が、なんかぽわぽわエフェクト飛んでるへっぽこシーンになってんの笑ってしまう。こういうとこの抜き方が絶妙なんだよね。やろうと思えば多分、いくらでもシリアスにやれる作者ではあろうけれども。

本編はちょいと巻き戻してカブルー一行。モンスター相手のダンジョンクロールでは二流がいいとこだけど、人間相手にはおっそろしい精度で処理対応をこなせる、カブルーという青年の描写である。実際彼の思考/構築ぶりは処理というのが相応しい、十二分に主役としてイケるくらいのキャラ立ち具合であり、そらまあ一癖もありそうな彼のパーティ連中が「まあカブルーがそう言うなら」で従っちゃうのも肯ける。まさに合理性と適切さのカタマリ…に見えるように話を作ってんのが上手いなあ。

そして些細な出来事やちょっとした誤解によって、ライオス一行の印象がソコハカとなくよろしくない…カブルーたちからすりゃ一発ぶん殴ってやりたい、ってレベルにまでなっちゃってんのがこれまた上手い。なまじライオスたちがグッドネイチャーで素直気味な連中だけに、こういう多面性を見せる展開ってのは新鮮である。実際「ライオスはいい人というより人間に興味が無いだけだ」というカブルーの看破はまあ、正しいワケでねえ。

話のケツでシュローご一統(イヅツミちょっとだけ)と合流。ここでまたシュローをたらし込むヤリクチの鮮やかさたるや、もうね。この朴念仁じゃカブルーの人間力には到底かなわんよな。あとやっぱりタデちゃんの属性モリモリっぷりは凄いと思う。人気出るに値する。出番あんまないけど。あとEDにまた九井先生が大量に絵描いてる。すげえわ。1クール目は前パーティで今回は現パーティの時制って感じですかね。

縦だか横だかわからんステーキ(豚)

●なんばのマロリーでポークステーキ喰ってくる。以前話を聞いた時に「東京はこんな店あってうらやましいなあ」と思ってて、それが大阪に来たってので早速食べに行って満足したという経歴がある。今まで数回行って毎度1ポンド(富士山だっけ)とハイボールをお願いする。塊肉を希望量で切り分けるというサーブ形式なので、毎度肉の形状にはバラエティがあるんだけども…。

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今回の1ポンド塊はまた、とてもいい感じに「縦だか横だかわからないステーキ」になってて感心したので写真撮った次第。ミバはいいけど切りにくいし喰いにくい。そしてそれもこのメニューの楽しみと味わいの一部分である。ごっそさんでした。とまあ、そういう日記。

狼と香辛料

●新番組・狼と香辛料。えー前回のアニメ化って最近だったのにと思ったらもう15年くらい経ってた。新たにアニメ化すると聞いた時はてっきり続編小説の子供世代話をやるのかと思ったが、初っ端からマジでリメイクなのね。アバンで子供世代とか、そういう匂わせはあるようだけれど。

というわけで新たなる本作は、確かに今現在のアニメ技術とデザインだけど全体的な様子には確かに前作の精神的なつながりがある…っつーか、総監督と主役二人がおんなじである。宮野と小清水は15年経って相応に落ち着きと演技力が乗っかってる、んだろうな多分。違和感なさ過ぎてよく判らんが、前作と聞き比べたらかなり違いそうな気がする。

雰囲気も丁寧さも、今後を期待させるに充分な語り起こしと言えるだろう。一応視聴継続しますけど…多分感想は書かないと思います。ぼんやり見てひとりで満足するという、そんな感じの視聴になりそう。