CEATEC JAPAN 2013に行ってきた

長らくブログの更新が滞っていましたが、
また記事を書きたくなったので、再開することにしました。

再開第一弾の記事はこれ。
2年ぶりにCEATEC JAPANに行ってきました。



前回訪問時(2011年)と比較して電力供給に余裕が出てきていることもあって
節電・省エネを前面に押し出す必死さは無くなっていました。
会場には華やかさと遊びゴコロの雰囲気があふれていたのが印象的でした。

その一方で、「スマート」の意味が変化してきているようにも感じました。

2011年は「電力の使用量の絶対量を下げる」目的のスマートでしたが、
今年は「機械やシステムを知能化して、人間の肩代わりをさせる」目的のスマートに
変容していました。
(同じ手段だけれども、目的が異なる)


最もその雰囲気を出していたのが日産の自動運転車です。
この自動車は東京五輪が開催される2020年には市販されると言われています。

この技術の目的は「自動車事故を減らす」。目標は「事故ゼロ」
現状は事故要因の8割がヒューマンエラー。
課題は「人間が運転していること」
対応方策は「自動車に人間以上の智能と、危険察知能力を与え、
交通ルールの順守と他社を優先させるゆずりあいアルゴリズムに沿って
クルマ自身の判断で走行させる」

それはすなわち、
「わがままで、ルールを忘れ、加齢とともに判断能力が鈍ってくる
 利己的な人間から運転を取り上げ、智能をもった機械を信用する」
ことを意味しています。

このような思想をもった技術プレゼンは、アニメやSFの中では良く目にするのですが、
ほとんどの場合、この後の展開は「機械が反逆して、人類の敵になる」というのが
お約束です。


こんな中二病的なプレゼンをCEATECで聞ける日が来ようとは
夢にも思わなかったので、ある意味感動しました。


それ以外にも良い意味でお祭り感を出していたのは以下のブースです。

NHK----スーパーハイビジョン放映していたのはAKBとモモクロ

ホンダ----ガスエンジンを用いた家庭用コジェネレーションシステム
     キャッチフレーズは「ホンダの熱を御家庭に」

パナソニック----4Kディスプレイの様々な応用事例展示

東芝-----人間の生活パターンをモニタリングして最適制御するスマート家電
     スマート冷蔵庫、スマート洗濯機、スマートエアコン



総じていうと、各メーカーが持っている「強み」を最大限前面に出して
良い意味で「バカなことを全力でやっている」感じがあった。

特に今年は2020年に東京五輪が開催されることが決まった記念すべき年です。
7年後に間違いなくやってくる「未来」に目が向くと、
この国のメーカーはまだこんなワクワクするものを作り出せる力があるのかと
いうことを感じ、かなり希望を持つことができました。

年1回の「熱いお祭り感」がCEATECに再びもどってきました。
この「熱さ」を感じに行くだけでも価値はあると思います。

また、来年も行きたいと思います。

CEATEC JAPAN 2011に行ってきた


幕張メッセで開催されたCEATEC JAPANに行ってきました。

今年のCEATECは震災の影響もあってか、
以前のような大画面、高音質、3D画像を訴えかける展示は目立たなくなっています。

その一方で各社の展示はエネルギーをどう無駄なく使うかという方向に移っていました。


とくに省電力機器蓄電池(家庭用リチウムイオン電池、電気自動車)、
発電装置(太陽電池燃料電池)というモノに加え、スマートグリッド
エネルギーマネジメントシステムような「エネルギをうまく使うための仕組み」
展示されていたことが印象的でした。








中でも私の心をガッチリとつかんだのは、
航空電子のブースに展示されていた電気自動車 SIM-LEIです。

この電気自動車の特長は航続距離が333kmもあることです。
インホイールモータを使用して伝達ロスを減らすと同時に、
車体を細長くして空気抵抗をに小さくしたことが効果が大きいようです。

電気自動車が本質的に抱える課題に正面から取り組み、
絶妙なバランスでクルマという乗り物に仕上げています。

実際に運転席に座らせてもらいましたが
未来感出しまくりのコックピットにテンション上がります。
また想像以上に室内が広く感じました。

幅は軽自動車より少し広いだけなのですが、
モータがホイールの中に入っているためボンネットは小さくて済み、
車内の空間を広く取れるようです。
写真は助手席前方の19インチモニタですが、足元が非常に広いです。

実際にこの攻めた仕様で発売されたなら、
かなり製品競争力のあるクルマになるのではと
考えています。というか私は間違いなく買います。

0-100km/hの加速タイムは4.8秒とのことなので
アクセルを全開にすれば暴力的なまでの加速も味わえるという
ポテンシャルを秘めています。
ぜひ機会を見つけて、実際に公道で走ってみたいです。

市販時期は未定とのことでしたが、楽しみに待っておこうと思います。

【CEATEC 11】レアなクルマ、『SIM-LEI』を見よう
シムドライブ、EV開発プロジェクト1号車「SIM-LEI」発表会
SIM-Driveの試作EV「SIM-LEI」に同乗試乗

起こりうる未来に備える〜未来シナリオ〜

最近私は、「未来シナリオ」という一種のモノサシを利用して

物事を見るようにしています。

「未来シナリオ」というのは、「起こりうる複数の未来の姿」
あらわしたものです。

私が使っている未来シナリオは下のようなものです。
このシナリオでは4つの未来が想定されています。

ちなみにこの資料の出所はこちら。
 ・新日本石油 社会環境報告書2003
 ・シナリオプランニングの実践と理論 <---シナリオの作り方の解説書 


それぞれ、どういう未来なのかということを元資料から
引用してみます。



第1の未来世界は、 「ニュー・フロンティア」シナリオ。

国民意識と社会システムの両方に、環境と経済の両立を目指したサステナビリティ
考え方
が浸透しています。新エネルギーの技術開発や投資が進展し、新技術は実生活
の中にも普及しています。環境規制は十分に整備され、環境意識の高さと相まって、
日本では循環型社会が形成されているでしょう。燃料電池は先進国の一般家庭電源や
自動車に利用されているだけでなく、途上国にも技術移転
が進んでいます。先進国と
途上国の生活レベルの差が縮まり、より少ない環境負荷で、より多くの人が、精神的
に豊かな生活を享受できる社会が実現されるのです。これまでの大量消費型の社会と
は異なった、新たな地平
が広がっています。


第 2の未来世界は、 「テクノファイト」シナリオ。

物質・経済至上主義が卓越し、個人も企業も自分の利益だけを追及する激しい競争社
です。環境規制が強化されることもなく、大量消費型社会が続きます。厳しい競争
は技術の進展をもたらしますが、進展した新エネルギーの技術は先進国の一部で使わ
れるだけ
です。中進国を中心にエネルギー需要が増大するため、結局、地球全体では
化石燃料の消費量が伸びて
しまいます。富める者と貧しい者の格差は急速に拡大し、
世界中が地球の物理的限界に加速度を増して近づきます。心の休まることのない社会
といえます。


第3の未来世界は、 「オールド・ゲーム」シナリオ。

経済最優先で、古いエネルギーに依存した世界です。政府・企業ともに既得権益の拡
に夢中で、大量消費型社会が続きます。衰退してしまった日本経済に代わり、中国
やインドは目覚しい経済発展
を遂げ、主要エネルギーを化石燃料に依存したまま、
ネルギー消費は増大の一途
をたどります。地球温暖化はますます進行し、誰もが自分
だけは勝ち残ろうと激しい競争を続けますが、結局は地球全体が破滅に向かう速度が
加速する結果
となってしまっています。


第 4の未来世界は、 「エコ・ホスピスシナリオ。

政府・企業・国民とも環境意識が高まっています。環境規制も厳しく、日本では循環
型社会が形成
されているでしょう。しかし、新エネルギーの技術開発は遅れており、
リサイクル技術が普及するに留まっています。石油が天然ガスにシフトしていますが、
主要エネルギーは化石燃料です。地球温暖化の進行は緩やかになり、国家間の争いも
減っているのですが、やや閉鎖的な、活気の少ない社会です。いずれ限界に達すると
いう閉塞感が、社会全体を覆っています

2,3,4の未来世界は救いがありません。。。。(汗)

1の未来世界だけが唯一の希望です。


震災後、国内では節電だの原発輸出だの再生エネルギーだの
ニュースの論点が日々めまぐるしく変わっています。

それを受け止める我々は、テレビや新聞に向かって
「アンタは世の中をどちらの方向に進めたいねん!!」
と突っ込んでしまいがちです。

そういう場合にこの「未来シナリオ」を見るようにすれば

「あっ!この人は世の中をこちらの方向に持っていきたいんだ。」

ということが容易に判断できます。


また、「未来シナリオ」をよく見れば、国ごとに目指している方向が

違うこともわかります。

日本は「オールド・ゲーム」→「エコ・ホスピスという縮んでいく方向ですが、

韓国は「テクノ・ファイト」

米国・中国は「オールド・ゲーム」と「テクノ・ファイト」の中間

北欧諸国は「ニューフロンティア」

の方向でしょうか。




念のため私の行動を分析してみると。。。。

1年ほど前は「テクノ・ファイト」と「ニュー・フロンティア」の

間を行ったりきたりしていました。

しかし震災後は

「ニュー・フロンティア」

の方向に向けて全力で走っています。

私の目指す未来はそこにあるからです。


これからもその未来に備えた活動をしていくつもりです。

真夏への備え(3) 〜小型冷却装置の準備〜

いよいよ夏本番になってきました。

夏の家庭の電力消費はクーラー、冷蔵庫が大半を占めます。
停電になった場合にはそれが使えなくなりますので、
ダメージ大です。

もしもの状況になったときに備えておくため、
家庭用蓄電池でも無理なく駆動できそうな機器を
準備しておくことにします。

調達先は近所のホームセンター(カインズホーム)です。


1. 小型扇風機

車内のシガーソケット(DC12V)に接続して使用する
扇風機です。


 

¥980とお買い得だったのですが、
実際に動かしてみると想像以上の風量です。

USB接続(DC5V)タイプの扇風機と比べると
明らかにパワーが違います。

消費電力は弱設定で8.4W, 強設定で10.8Wです。
駆動電圧12Vは伊達ではありません。

しかし、動作中はうるさく、枠の部分がブルブル震えます。
常時使うには結構無理がありそうです。


2.小型冷蔵庫

車内のシガーソケット(DC12V)と家庭用(AC100V)の
両方の電源で駆動できる保冷/保温庫です。

TESS 保冷保温庫24L CZ−24A

価格は¥7980と、このカテゴリの製品の中では一番お買い得なように思います。

この保冷庫はフタの内側に冷却ユニットが組み込まれており、
ファンで冷気を循環する構造になっています。

また冷却によって吸収した熱はペルチェ素子を介して外側に
強制的に排出する仕組みです。


実際に動かしてみましたが、運転中の消費電力は60Wあり、
3時間で庫内は5℃まで冷えました。

ただし今のところ自宅の蓄電池(360Wh)では
6時間しか運転できません。
このため、停電時には冷蔵庫で冷えたものを移し変えて
保冷する使い方になると考えています。

真夏への備え(2)  〜小型太陽光発電システムを自作してみた〜


電力不足の夏にむけた活動は続きます。

先日はピークシフト用の家庭用蓄電池をつくりましたが、
貯める電気は電力会社から供給されたものでした。

「電気が足りないなら自分でつくればいい」ということで
蓄電池を充電するための小型太陽光発電システム
自作することにしました。



1.コンセプト
どこでも折りたたんで持ち運び、必要な場所で太陽光発電が可能なようにする


2.イメージスケッチ

太陽電池パネル、蓄電池、チャージコントローラーの3つを接続したシステムとします。
太陽電池パネルは持ち運びを簡単にするために小型のものを2枚準備し、
それを「蝶つがい」でつなぎ合わせた構造のイメージです。
折りたたむとキャンプ用の机のようになり、
取っ手を持って持ち運ぶことができます

右上のシステムブロック図に示すように、太陽電池の電力を外部に取り出すには
出力側に接続した機器とのバランスを取る必要があります。
このためこの制御を自動的に行ってくれるのがチャージコントローラです。


3.準備するもの

(1)太陽電池パネル

蓄電池を充電するために必要なACアダプタの消費電力(80W)から
逆算し、出力100Wの太陽電池パネルを選択します。

今回はコストパフォーマンスに優れた中国 CINCO SOLAR社のパネルを選択しました。


CINCO SOLAR 100W 12V PV SOLAR PANEL CNCB100W-12

このパネルは出力100Wで$194.85(約\16000)でした。
1キロワットあたりの価格は$1940(\16万円)です。
これは国産メーカーのパネルと比較すると
約3分の1から7分の1の価格です。

広げた時の大きさは108cm×84cmですが、
折り畳んだ時には54cm×84cm×8cmになります。

収納時は一応家具のスキマに入ります。これなら奥さんにも
邪魔扱いされないでしょう。

重量は14kgあり、片手で持ち運ぶにはかなり気合いが必要です。
パネルのフレームに軽量のアルミ材を使っていますが、
太陽電池セル保護用のパネルに重量のあるガラスを使っているため
どうしても重くなるようです。



(2)チャージコントローラー

チャージコントローラーは雨天や夜間に太陽電池の電圧が落ちた際、
バッテリー側の電力が太陽電池側に逆流しないようにする装置です。

太陽電池の出力に合わせて機種選択する必要がありますが、
今後増設のことも視野に入れ、容量に余裕を持たせたものを選定しました。

YMT ENERGY 12V(240W)/24V(480W)システム両用 ソーラーチャージコントローラー
\7980-



(3)接続用ケーブル

12Vの低圧でも10A近くの大電流が流れるため、専用のケーブルを使用します。

\2480-


(4)並列接続用コネクタ

12V系のパネルを並列接続して大出力を得るために使用します。

YMT ENERGY 60W・80W・120Wソーラーパネル用 並列コネクターセット
\2000-


(5)DC/AC変換用インバータ

DC12VをAC100Vに変換するための装置です。
これを使えば家庭用電源が必要な機器を動かせます。

セルスター DC/ACインバーター HG-350/12V DC12V専用

セルスター DC/ACインバーター HG-350/12V DC12V専用

\3460-


(6)12V鉛蓄電池

太陽光パネルで発電した電気を一旦貯めておく蓄電池です。
チャージコントローラーの端子に接続して使用します。

\2680


(7)部品代合計

(1)〜(6)までの合計値
¥34600 



4.製作手順


(1)チャージコントローラを超強力両面テープで太陽電池パネルの裏側に貼り付ける

パネルを折り畳んだ際に内側にスキマができますので、そこを狙って取り付けます。

チャージコントローラーの厚さを確認しながら、パネルを閉じた時に干渉しない位置に両面テープで貼り付けます。


(2)延長ケーブルの両端をチャージコントローラーに接続する。

チャージコントローラーには太陽電池パネルの出力を接続する位置が
アイコンで示されています。そこを狙ってケーブルを接続します。


(3)シガーソケットコネクタをチャージコントローラーに接続する

12Vの電力を取り出すために、チャージコントローラーの
外部出力端子(電球のアイコン)にシガーソケットを接続します。
これで、外部への電力の取り出しが可能になります


(4)太陽電池パネルの出力ケーブルと延長ケーブルを接続する。

パネル1枚あたり50W(12V×4.2V)の電気出力があります。

並列コネクタを介して並列接続すると12V100W、
直列接続すると24V100Wで出力ができますので、
取り出したい電圧に応じてつなぎ方を選択します。

これでシステムの仮組立がが完了しました。


5.試運転


5月の青空の元、自宅近くの平城宮跡でテスト運転を行いました。

パネル電圧、チャージコントローラー電圧は正常に出力されており、
発電システムが正常に動作していることが確認できました。


またシガーソケットにDC/AC変換のインバータを接続すると、
手持ちの家庭用蓄電池や電動アシスト自転車用バッテリーにも
問題なく充電できました。

充電した電気は自宅に持ち帰ってノートPC用電源として利用しました。


6.感想


屋外で太陽の光を浴びながら電気を起こしていると、
大自然の恵みを頂戴しているという
謙虚な気分になります。



また自分が必要な分だけを蓄電して持ち帰ったのですが、
「自分で貯めた電気は大切に使おう」という
強い意識が生まれてくることもわかりました。



上の2つは実際に自ら体験してみて
初めて分かったことです。



今回、システム構築から試運転までを実際に体験してみた結果、
太陽電池+蓄電池」に未来を託してもよいという確信が得られました。



太陽電池と蓄電池の組み合わせは非常にシンプルです。
また今回のように小さいソーラーパネルから始めれば、
家庭菜園や日曜大工のように気軽に試してみることができます。



暮らしに必要なエネルギーを個人レベルで生み出せるようになれば、
自分の暮らしの基盤の部分を自分の力で支えることができるようになります。
またそれが広まれば、個人が国家に依存する比率も減り
社会全体も大きく変わっていくと考えています。



太陽電池+蓄電池」の技術はこの先の社会に非常に大きな変化を
もたらすはずです。

さてこの先にはどんな未来が待っているのでしょうか。
個人的には非常に楽しみです。

真夏への備え(1) 〜家庭用蓄電池〜


中部電力浜岡原発が止まり、
この夏は全国的に電力不足になりそうです。

特に日中の一番暑い時間帯に電力需要のピークがありますので、
それを抑えることが課題です。


世の中の動きは「節電」一辺倒ですが、
個人レベルでできるもう一段の備えとして、
家庭用の小型蓄電システムを作ることにしました。



1.コンセプト
有り合わせのものを組み合わせて低コストで実現する。


2.イメージスケッチ

最近は大手メーカーも蓄電池を販売するようですが、
自動車が買えるくらい高額です。(60万〜200万円)

そんな高価なものを買ったりすると
奥さんの大目玉を食らいますので、
今回は相手にしません。

手近に比較的簡単に手に入る大容量蓄電池といえば、
そうです、電動自転車or電動アシスト自転車用のバッテリーです。

今回はこのバッテリーを使った安価な蓄電システムを考えます。

重要なパーツは、蓄電池の電圧を別の電圧に変換する
変圧器(DC/DCコンバータ)の部分です。


3.準備するもの
(1)大容量蓄電池

以前自作した電動自転車用のリチウムイオン電池を流用します。
この電池は電圧出力は36V。蓄電容量は10Ah (360Wh)です。

100Wの小型冷蔵庫なら3時間半、
60Wの大型扇風機なら6時間、
30WのノートPCなら12時間動かすことができます

この電池は二年前海外から個人輸入で手に入れ、価格は$374でした。
現在なら、同じ容量の電池が$216で入手可能です。

ちなみに電動アシスト自転車用電池も同じように使用可能ですが、
電圧が低く、蓄電容量は約半分になります(DC24V/8Ah)


(2)蓄電用充電器

今回は家庭用電源から給電するため、充電器は電池付属のACアダプタを使用します。


(3)変圧器(DC-DCコンバータ)

蓄電池からは高圧の直流(36V)が出てくるため、
そのままでは利用できる機器が有りません。
このため接続機器に応じて電圧を変換する必要があります。

直流用の変圧器は市販の完成品が見あたらなかったので、
秋月電子通商が販売している「降圧型DC-DCコンバータキット」を
使うことにしました。(\1000)

これで4V〜25Vまでの好きな電圧に変換できるようになります。


(4)各種電源ケーブル

蓄電池から電力を取り出すためのケーブルです。
大電流が流れますので、
余裕を持ってAC100V1500W用のものを用意しました。




4.製作手順

(1)変圧器のキットを組み立てる。

部品一式と組立説明書が入っていますので、
プリント基板上に部品を半田付けしてゆきます。
また、出力側の端子にUSBのコネクタを取り付けました。

これでiPodを始めとする様々なUSB機器が接続できます。



(2)蓄電池を充電する

付属のACアダプタを使って充電します。満充電になるまで約4時間です。



(3)蓄電池の出力端子と変圧器をケーブルでつなぐ


(4)蓄電池側面のキースイッチをON側に回してスイッチを入れる。


(5)準備完了
これで蓄電池からの電力を使える状態になりました。
とりあえず手元にあるもので動作確認してみます。

USB扇風機を接続したところ、勢いよく回転し、正常に動作しました。

この蓄電システムを2、3日実際に使ってみましたが、
いざという時に自由に使える電気があるというのは大きい安心感が得られます。

これで暑い時間帯であっても、
自宅で使う最低限の機器は蓄電システムから駆動できますので、
ピークを抑えるのに役立つと思います。

Androidタブレットのカバーを自作してみた

東日本大震災以降、ブログを更新できていなかったのですが、
ようやく気分的に落ち着いてきたので再開します。


先日手に入れたAndroidタブレットARCHOS70」ですが、
むき出しで使っているとどうも落ち着きません。


この手のタブレットは表面がツルツルで指を引っ掛ける
ところが無いため、手を滑らせて落としてしまう不安感があります。


また、市販のカバーは質感が安っぽかったり、野暮ったかったりして、
どうも「モノ」としての色気が足りません。


というわけで、自分が納得いくクオリティのカバーを
自作することにしました。



1.コンセプト
「文房具としてのタブレットコンピュータ」



2.イメージスケッチ
両開きのノートの左側にタブレット。右側にメモパッド。
タブレットは大量の情報を保存しておき、表示するために使用。
新しい思いつきは紙に直接書き出せることが必要
カバーは合成皮革やビニールではなく、本革製とする。


3.準備するもの
(1)Androidタブレット(7インチ)


(2)色紙ーーカバーの芯紙用。(\100)
(3)合成ゴム系接着剤(\100)
(4)ゴムひも(黒色)(\100)



(5)本革シート(30cm×30cm)ーー手芸店で入手(\600)



(6)カーボンクロス(30cm×30cm)WEBの直販で入手(\1000)



(7)エポキシ接着剤(2液混合型)(\700)



(8)メモ帳(\735)


(9)超強力両面テープ


4.製作手順

(1)カバーの芯となる色紙を切り抜く


(2)切り抜いた色紙を本革シートの上に配置する。

この段階でタブレットとメモ帳も配置してみて
閉じた時に突っ張らないか最終確認する


(3)色紙の外側1cm離れた位置にケガキ線を引き、その線に沿って本革シートを切り抜く。


(4)色紙に合成ゴム系接着剤を塗り、本革シートの上に貼り付ける。
  この時、革にシワが寄らないように注意。

(5)本革シートの端を色紙の上に折り返し、合成ゴム系接着剤で固定する。


(6)本革シートにスリット状の穴を開け、ゴムひもを通す。


(7)ゴムひもの両端を合成ゴム系接着剤で色紙に固定する


(8)カーボンクロスを合成ゴム系接着剤で色紙の上に貼り付ける。


(9)カーボンクロスの上にエポキシ系接着剤を塗り、繊維の中に染み込ませる。


(10)そのまま24時間放置し、エポキシ系接着剤を硬化させる。


(11)タブレットとメモ帳の裏に超強力両面テープを貼り、
  硬化したカーボンクロスの上に貼り付ける。


(12)ようやく完成!!
世界に一つしかないタブレットカバーの出来上がりです。
折りたたんでゴムひもで止めると、モレスキン手帳のようになります。


今回試行錯誤しながら作ったのですが、
イメージスケッチを実際に形にしてみると
本革の質感が良い雰囲気を出してくれています。

また、メモパッドと組み合わせることで、
タブレットコンピュータ」という機械のイメージが遠のき
紙や鉛筆と同等の文房具のイメージに近づいた感じがします。

これなら普段の生活でも全く違和感なく使い込んでいけそうです。