チリの風 その1088 2024年3月18日ー24日

今週もいろんな行事がありました。月曜日に大使公邸で天皇誕生日の祝賀会がありました。昨年末に就任の伊藤新大使がチリ・日本の関係の現状を伝えてくれました。チリ側は政府関係者や議員が数多く来ました。いつもテレビに出てくる人たちです。多分、チリは日本を助けるから日本もチリによろしくと言うのでしょうね。ボリッチが中国一辺倒なので、それではいけない日本との友好が必要だとするのかな。大使の後に挨拶したのはチリの外務大臣でした。
それから木曜日に葬式がありました。先月、妻の父親が亡くなりましたが、今週は彼の妹でした。彼女はスペイン系2世です。 彼女のご主人はパレスチナ人1世で、子供の時両親と一緒にチリに移民してきました。彼はチリで商売で大成功しました。彼女はその手伝いと子供の成長を助ける仕事を見事にやりました。つまり現在のチリは世界のどこから来ても自由に力量を発揮することができます。私も日本人ですが、チリの会社で幹部職をしましたし、妻はチリ人ですから、チリ化しています。その葬式にはご主人と同じ苗字のレコレタ区の区長は来ていませんでした。大勢の人の参加で教会での葬式は荘厳に実施されました。
スポーツはいつもの通りです。登山は久しぶりに第4展望台に。その他近くの丘に2回登りました。マラソンは2回、どちらも先週より距離を伸ばしました。
ただサッカー教室は参加希望者が少なく中止になりました。
さぁ、いつまで私のこの元気が続くかな?いつもの通り、幸せです。

(政治)

1)ボリッチ動向
今週は世界水の日になったので水関連の式に二つ参加しました。
先ず北部のロス・ぺランブレス鉱山を訪問しました。海水を軟化して鉱山地区で使用する 仕組みを見学しました。その鉱山が開所したとき、仕事でそこを訪問したのを思い出します。昔の話です。
それから首都圏の南に隣接するオヒギンス州のナビダ区で水源確保のための施設を見学しました。
2)上院議長
共産党議員が議長になるはずでしたが、与党の一部が反対したのでそれが覆り、結局野党の国民改革党RNのガルシアが選ばれました。今年末の地方選挙もそういう風が強く吹くでしょうね。共産党新左翼が落ちこみそうです。
3)PDI新長官
それから私服警察PDI新長官が発表されました。
前長官のムニョスは留置所に収容されました。彼とコンタクトを取っていた弁護士のエルモシジャも調べられますが、政府との契約は全くないとか。
ムニョスとエルモシジャの電話の会話が録音されていて、その一部がテレビのニュースで放送されました。どの情報が、どの仕事に使われたのか少しづつ明らかになるでしょう。しかしPDIのトップが収容されると言うのは国民の間で不信・疑惑が大きくなりますね。
ピニェラ政権時の大臣もこの事件に関連しているか噂されています。
4)アルゼンチン
かなり変わった雰囲気のミレイが大統領になりましたが、彼に任命されてチリに来た大使が次のような発言をして問題になっています。
それは「私たち(アルゼンチン)は農業国として発展してきましたが、皆さん(チリ)はやっと食べられるようになったみたいですね。」どうかな?

(経済)

1)銅価格と為替
銅の価格は3.96ドルと先週より若干下がりました。為替は1ドル972ペソとペソ安がかなり進んでいます。
昨年のGDPはマイナス数字と思われていましたが、意外に、ほんの少しですが0.2%のプラス成長でした。今年の予想も2-3%とプラス成長が見込まれています。もっとも建設業界はかなり厳しい年になりそうです。建設しても売れなければ・・・
2)IPSA株式市場
今週も6525ポイントと新記録を更新しました。いつまで続くのかな?
株と全然関係ありませんが、サンティアゴ国際空港の利用者がコロナ問題以降の新記録を出しました。正常化したわけですね。
3)ワチパト鉄生産工場
鉄の鉱山CAPが持つ製鉄企業のワチパトが生産を中止すると発表しました。チリで生産しても中国からくる鉄に価格で競争できず、常に赤字だと言う理由です。
直接・間接の人員約22000人が失業しそうです。その工場のあるビオビオ州では大問題になっています。
それなら中国産製品に追加関税をすればよいと言う意見もありますが、25%は追加する必要があるらしく上手く行っていません。
政府の最終見解が必要ですね。しかし高い運送費を払っても中国産の鉄はそれほど競争力があるのですね。
同地区の区長が政府は私たちを助けようとしないとクレームしています。

(一般)

1)幸せランキング
世界143か国のランキングが発表されました。いつも北欧の国が上位を占めますが、ラテンアメリカでは、メキシコが25位、ウルグアイが26位でした。チリはその下で38位。それでもアルゼンチンやブラジルより上位でした。もちろんそんな評価に意味があるのかと言われそうですが、いろんな基準で評価されチリが上位に入るのは嬉しいです。ただ日本が51位と言うのは不可解です。
それから同じような世界賃金ランキングで、最低賃金を現行のドルで比較をすると、世界のトップはアイルランドで3505ドル。日本は19位で1693ドル。
なんとアメリカは1257ドルで28位。物価が高いと言われますが、給料は安いのですね。チリは現行の46万ペソでは967ドルで32位ですが、この7月から50万ペソに上がりますから順位も少し上がります。アルゼンチンは753ドル、ブラジルは532ドルと下位低迷です。
2)犯罪
首都圏のメイ地区で60か所以上も家宅捜査が行われました。そして多くの商品が没収されました。薬品の場合、期限が切れているとか偽物とかです。まったく知りませんでしたが、チリで売られているたばこの約半数は不正にチリに入ってきたものらしい。正規の国境を通らず不正に入ってきたものですね。その方が正規の物より安いので消費者は露店で買うとか。
同じく中央市場地区でも大激戦です。それは道路で商品を売る露店同士の争いで、ここは自分の場所だと言い争うとか。

ベネスエラの元軍人の妻がPDIと話し合い
先日、反政府運動をしていたベネスエラ元軍人が殺されたのはベネスエラ政府の指示とするコメントがマスコミに出ますが、犯人が見つからないと結論は出ません。チリの警察の動きが注目されます。
3)山火事
山火事は終わったようですね。延焼中はゼロで、要注意場所が1か所になっています。これから簡易住宅の建設が急がれます。

(スポーツ)

1)サッカー
国際親善試合があり欧州遠征中のチリはアルバニアに3対0で勝ちました。試合をテレビで見ましたが、感激するほどの試合ではなかったです。火曜日にもう1試合がありますが、そのフランス戦に勝てば、次のアメリカ大会に夢がわいてくるでしょう。


以上

チリの風 その1087 2024年3月11日ー17日

夏から秋へ季節の変化が見られます。最高気温は2度ほど下がりました。先週の30度が今週は28度です。街路樹の葉が少し色を変え始めたサンティアゴです。
交通渋滞はひどく、私の住居の前の交差点で朝7時過ぎに、信号が青になっても前の車が止まってしまって動けなくなります。すると後ろの車がクラクションを鳴らして抗議します。毎日です。
スポーツは先週と同じでした。登山は近くの丘歩きが一回と山岳公園の中が一回。もっともアポキンドの滝コースの半分の距離も歩きませんでしたが。
ラソンは3回でした。その内、1回は10キロで先週より早かったです。
月曜日にチリ大学病院に行って血栓症の血液検査をしました。そしてその後、いつものようにレコレタ区にある病院からセントロ(中央部)まで歩きました。大勢の人が張り切って仕事をしていました。依然見かけたホームレスはその日は見ませんでした。仕事をしていたのかな?
そして何と仕事の面接がありました。結論は分かりませんが、そういう話が来るのが嬉しいです。
日曜日は仲間を呼んで、妻が作った食事を楽しみました。
こうして毎日、いろんな楽しみがあって幸せを感じます。

(政治)

1)ボリッチ動向
ボリッチは南のマウレ州に行っていろんな行事に参加しました。例えば、クリコで新しい病院の開所を祝い、タルカで首都圏との間の高速鉄道の開始を祝いました。それからその近くの郊外地区で318家族に新築簡易住宅を渡す式をしました。2022年にその住宅の建設が始まり2年弱で完成したとか。
OECDの調査でボリッチを支持するとしたチリ人は29%でラテンアメリカ諸国の中では4番目に低い国とか。
しかし国内の動きとは別にイスラエル問題が深刻さを増しています。イスラエル大使がチリ政府の考えに抗議しています。
チリ国内ではユダヤ人よりパレスチナ人の方が多く、社会に根付いています。プロのサッカーリーグにパレスチナも入っています。その他にはスペインとイタリアの名前がついたプロチームがあります。日本がそれに入れば侍ハポンと言う名前になるかな?
それからボリッチは外務大臣・農務大臣と共に農産物の輸出関連事項の案件を確認しました。そしてチリ・中国の一層の協力に合意し、他の果物に加えてアーモンドの中国への輸出を拡大することが決まったとか。
新聞の経済特集の記事で、中国だけでなく近い将来にチリにとって重要な相手国はインドだとされています。
しかし世界の政治不安は拡大ですね。台湾有事が発生すれば北朝鮮が日本を攻撃するのは明白でミサイルが日本の原発に当たれば地震津波以上の大災害になるでしょう。人間は学習効果がないと言うのは歴史で証明されていますから、第3次世界大戦は近いかも。もちろんチリにも大きな影響が出るのは明白です。たとえ直接の爆撃は受けなくても銅の輸出が止まれば予算は激減するでしょう。

2)その他
国会でピニェラの追悼式が行われましたが、共産党はそれに出席しませんでした。左右の考え方の違いは当然ですが、亡くなった人の追悼を捧げるのは人間として当然のことで、それをできない共産党はかなり人間のレベルが低いですね。このため共産党員が議会の議長に選ばれそうだったのが疑問視され始めました。そしてサンティアゴ区長など共産党員が区長をしている区の地方選挙の候補者選びが深刻化を増しています。
チリでは警察は制服と私服の2組織に分かれ、同じ組織の一員として共同して働くことはありません。今回、その私服組織のトップが辞任しました。金曜日、彼の事務所に検察官が入り取り調べがありました???以前にその長官は自分の手に入った幾つかの極秘情報を知り合いの弁護士に流していたことがばれたからです。
来週の火曜日からこの件に関し裁判所が動きます。

(経済)

1)銅価格と為替
銅の価格は1ポンド4.04ドルと久しぶりに4ドルの大台に乗りました。このため為替は1ドル946ペソとペソ高になっています。
2)ガソリン価格が新記録
それを新記録とは言わないですよね。最近頻繁に価格が上昇していますが、この1か月で60ペソ上昇し93オクタンで過去最高の1340ペソになりました。
ドルの比較でチリのガソリン価格は南米で最も高いレベルです。これは管理費用が高いのと税金が高いことを表しています。
3)株式市場IPSA
12日に6502ポイントと新記録を更新しました。しかしそれに関与している会社の3分の2は昨年2023年の数字は一年前の2022年の決算より悪かったとか。
それでよく株価IPSAの最高値が更新されるものですね。
4)解雇問題
会社の必要性と言う理由で1月に解雇された従業員の数は52000人になり、2020年4月以降で(コロナ問題以降)の最も高い数字になりました。経済回復が言われますが、それほど安定しているわけではないのですね。
5)物価上昇率IPC
中銀が予想した数字より今年の上昇率は高く3.5%まで上がりそうとか。

(一般)

1)犯罪
 首都圏で犯罪が多い地区になっているマイプ区の区長がモネダ宮殿を訪問し、トア内務大臣と面談しました。彼は大臣に犯罪抑制のため軍隊を使用してほしいと要請しました。そうか、右翼の戦略かと思われますが、違います。そのボダノビッチ区長は新左翼です。ボリッチは軍隊の使用をどのように実現化するか検討しているらしい。もちろん共産党はそれを認めない方向で動きそうです。
ところでそのマイプ区に不法建築の地域があります。その地区の家は公用地か、私用地を不正使用をしたものですが、その場所から先日ベネスエラの元軍人の死体が見つかっています。そしてなんとその区長は軍の投入が決定される前に、区の重機を使って、麻薬やアルコールを売っている幾つもの家屋を壊しました。同じような問題がフロリダ区でもあり、その区長は不法建築の家が多い地区の問題をあげて住居省の大臣を批判しました。大臣は「その違法建築の家の住民は多くが移民で、そこを出てどこに行けるのかわからなければそこから出ていかないだろう」と答えました。首都圏の52地区で一か所でもそうした不法貧民街があるのは32地区とか。その住民はほとんど移民でハイチ・ペルー・べネスエラ人が多いとか。
これらに関してレコレタ区の区長は「自分の同僚の各区の区長の動きが悲しい・見苦しいと感じる。皆さんの安全を私が守ろうとしているのですと言うわけだが、選挙が近づくとそうなるのだろう」とコメントしています。
彼は共産党ですが、不正問題で裁判ですからね。見苦しいです。
 ◆マプチェ問題
 マプチェのグループCAMのリーダーのエクトル・シャイッツの裁判で25年の刑が要請されました。彼は「チリが独立したときアラウカニアはその領土に入っていなかった。その後、一方的にチリ軍がマプチェの領土に侵入し私たちの仲間を殺して土地を取り上げた。チリの森林会社の木材をマプチェが不法に伐採すると言われるが、私たちの森を自分のものとするその会社が間違っているのだ」と言っています。もちろん、歴史的には彼が正しいですね。
 先日オーストラリアで建国記念日があり、お祝いしましたが先住民にすれば、こいつらが俺たちの領土を奪い取ったと考えますね。世界中同じです。
2)山火事
延焼中は5か所で先週より下がりました。
3)ロラパロサ音楽祭
先日のビーニャの音楽祭に続き、この週末の三日間、首都圏でロック音楽祭がありました。大きな公園を会場にしてファンが溢れていました。

(スポーツ)

1)サッカー
 先週コロコロとチリ大学が対戦しましたが、その後両チームのファンが争って、サッカーをするのではなく殴り合って、一人が死亡しました。
 国内リーグ戦の結果は5試合が終わった段階でチリ大学は上位、コロコロは中位、カトリカは下部です。


以上
 

チリの風 その1086 2024年3月4日ー10日

夏休みが終わり、通常生活が戻りました。テレビのニュースで「今まで10分で来たところが今日は25分かかった」「娘を学校に連れて行くのだがこんな渋滞だと遅刻してしまう」とか怒っているドライバーが出ています。数字の上では車の運行量は先週より10%、地下鉄の乗客は13%増えたとか。
もっとも私の場合はずっと休みだし、車もないので今週も先週と同じです。
最高気温は30度くらいですが、朝晩は涼しくなったサンティアゴです。
さてマラソンは2回練習。そのうち1回は10キロ走りました。先週のアポキンドの滝歩きの疲れか、記録は先週より悪かったですが、まぁええやん。
山登りは近くの丘歩きを1回と、遠くのマイプ渓谷に一回行きました。そこまで地下鉄とバスを乗り継いで約2時間かかりますが、もちろんスモッグのない青空は素晴らしいです。
土曜日はサッカー教室。暑い日差しでしたが、親子ともにプレーに熱中しました。
毎週書くように、いろんなことがあってそれを楽しめるなんて最高の幸せです。

(政治)

1)ボリッチ動向
 スペインの大統領サンチェスがチリを訪問しました。スペインはチリに取って最重要貿易国の一つですが、商業以外にも緊密な関係を維持しているとか。
ところで、サンティアゴでもうすぐ航空見本市がありますが、イスラエルの参加はなさそうです。なんでもボリッチがその参加を拒否したと言われます。
それに関して前・元外務大臣がそれを咎める発言をしています。パレスチナ支援の姿勢とイスラエル外しがあまりにも派手だと言うわけですね。
 そしてベネスエラの亡命軍人が殺された事件で、ボリッチはチリ共産党と揉めないようにするため、その件に関してコメントを抑えているとか?その党首カルモナは殺された軍人が悪いと思っているみたいですが、その理由は殺された元軍人はベネスエラで大統領に反対する運動をしていたのだからとします。
 しかしこんなニュースが続けば、世論調査で彼の人気は下がりますね。今週でちょうど任期の前半が終わり後半に入りますが、新聞の特集で彼を支持するが一番高かったのは就任した時の2022年3月で50%、逆に低かったのは25%で、今は29%とか。逆に否定するは就任時20%だったのが最高70%まで上がりました。
 彼は2年間で15回も外国訪問をしています。そのうち4回はアメリカです。確かに旅好きですね。
 ところで共産党の件ですが、レコレタ区の区長(共産党員)は区が運営する薬局で出た利益が誰かの懐に入ったと訴えられ裁判になっています。彼は自分は何も不正はしていないとコメントしていますが、右も左も政治家は同じですね。
 
 さてボリッチは山火事が起きたバルパライソ州のビーニャで小学生に入学式の前に学用品のプレゼントを渡す式をしましたが、そこの市長がクレームしました。「学用品をもらっても、彼らは家の庭のテントの中で寝起きしているんですよ。簡易住宅の建設がどうして遅れているのですか?」その市長は野党でなく新左翼系です。

それから新左翼の政党が他の党と合併することの是非を問う投票が始まりました。さぁどうなるかな?
ところでキリスト教民主党は次の地方選挙に現在の与党グループと合意・同行する事を決定しました
2)ピニェラ死去1か月記念
彼が亡くなって1か月たちました。木曜日にその記念日の式典があり、多くの政治家が参加しました。ピニェラの名前を使って野党の宣伝をしているのでしょうか?ピニェラがいなくなったので野党側の大統領候補はプロビデンシア区区長のマテイが断トツです。もちろん最右翼の共和党はカストを担いで勝負にでるでしょうが。その前の地方選挙は与野党ともに内輪もめしています。ラス・コンデス区は現職が野党統一候補になりますが、共和党が元大臣の女性を候補にして激しい競争になりそうです。
 

(経済)

1)銅価格と為替1ポンド3.88ドルと先週より上がりました。それで為替は1ドル965ペソとかなりペソ高になっています。
銅とリチウムはチリの重要項目です。外国資本はそこに投資をする傾向ですが、チリ資本は逆に引き上げる様子です。もう魅力は無いのかな?
しかしリチウムの件でSQMに投資した中国資本がSQMと何か揉めていると報道されています。
2)株式市場
IPSA先週に続いて今週も新記録を出しました。
3)物価上昇率IPC
2月のIPCは0.6%でした。今年になって1.3%、過去12か月では4.5%です。今年になって1.3%は高いですから、中銀は公定金利を下げるのを渋っている由。
またインフレ問題が戻るのは避けたいですからね。

(一般)

1)犯罪
ブラジルの最大麻薬組織PCCがチリに入りました。今までベネスエラ(アラグアの汽車)など外国の麻薬組織がチリ国内で大きな勢力を持っていましたが、ここに来て南米最大の組織がチリ市場に侵入したわけです。
チリ国内に警察がまるで手が触れられないような地区が存在するが、政府は何をしているのかと言うコメントが出ました。貧民地区などで私服・制服の警官が入れないようなところがあるのでしょうか。

国際女性デー
世界共通ですが、国際女性デーは3月8日です。全国各地で毎年のようにデモがありました。サンティアゴの場合は中心道路のアラメダ通を封鎖してデモ隊が溢れました。政府関係者や議会の女性も多く参加しました。道路がデモ隊で覆われるのを見るのは久しぶりでした。チリの女性の権利はラテンアメリカの中では上位ですが、アルゼンチンやウルグアイより低いとか。このデモで大きな混乱はありませんでした。
2)学習
学力検査は小4と中2を使って検査が行われます。今年の数字はコロナ問題前のレベルに戻りました。学習の通常化が進んでいるわけですね。オンラインで勉強するのが長い間続きましたから。
3)山火事
今日の段階で火事は110か所で起きており、そのうち6か所で延焼中です。問題だったバルパライソ州(第5州)はすべて消えました。今まで燃焼したのは13,155ヘクタールです。
4)センソ(社会調査)
昨日から全国でセンソが始まりました。数か月かけて全家屋を訪問し調査します。
例えば、家に関しては何部屋あるか、自分のものか借り家か、また何人住んでいるかとかです。
そのうち私の所にも来ますね。

(スポーツ)

1)サッカー
国内リーグ戦でスパークラッシクと呼ばれるコロコロ対チリ大学戦が今日ありました。結果は 1対0でチリ大学の勝利でした。ベンチに座って何か読んでいると外の道を通る車が叫んでいます。携帯電話で見るとチリ大学のゴールでした。試合の後、チリ大ファンが集まって喜んでいました。
4試合が終わった段階で首位はイキケ、2位はチリ大学、先週トップのオヒギンスは3位になりました。

2)テニス
先週のチリオープンの結果、ATPランクでジャリーは24位、タビロは39位に位置しています。


以上

チリの風 その1085 2024年2月26日ー3月3日

私にとっていろんな約束事のある希望の3月になりました。夏休みが終わって、車の通行量が目に見えて増えました。
最高気温は30度を超えていますが、朝晩は秋のように涼しくなってきたサンティアゴです。
今まで長い間マラソン練習をしていますが、数回転倒して負傷しました。2週間前も顔・膝に怪我をしましたが、ほとんど治ってきて今週また10キロを走りました。まだ走れるとほっと一安心です。
登山は今年の最高目標のアポキンドの滝に仲間と3人で。7時間歩きを達成して楽しく戻って来ました。
原稿もちゃんと書いています。こうして毎日することがあって幸せです。

(政治)

1)ボリッチ動向
夏休みを終えてこの金曜日からモネダ宮殿に戻りました。最初の会議でこれから政権の後期が始まるが、新しいことを始めるのではなく、今までの公約を全部実行すると言う方針でやっていきたいとしました。
そしてアメリカの財務担当のジャネット・イエレン議長と会議しました。中東問題でアメリカ寄りの国はイスラエル、逆の場合はパレスチナを応援していますがボリッチ政権は明確にパレスチナ側です。さて今回の会議でアメリカはチリに何を要求し何を提供したのでしょう。リチウムなど鉱山関係の事項でしょうか?
市民調査ですが、彼を支持するは少し上がって35%。チリ国民は新聞・テレビのニュースにちゃんと反応しますね。
今、政府内で最も問題になっているのは政府を支える党の中心の社会党共産党の争いです。チリが民主化して以来、社会党は常に政府の中心でしたが、共産党は入れませんでした。しかしボリッチが新左翼共産党をベースに政権を取ったので、現在は社会党共産党は対等の立場で、共産党は自由に自分の意見をボリッチに受け入れさせようとします。
ベネスエラ人殺人事件を含め、共産主義共産党)を批判する声が大きいが、それはいかがなものかと論争を抑える方針の様です。それから与党グループに10月の地方選挙で、仲間を敵のように扱う現行方針を直したいとしました。

2)ベネスエラ問題
ベネスエラの元軍人でチリに政治亡命したオヘダが行方不明になっていましたが、同政府は自分たちはその事件に全く関与していないとコメントしました。
政府の記者会見の時、この件に関し、与党の共産党は仲間のベネスエラを犯人扱いするなと言っているようだが、政府はそれをどう扱うのかと聞かれました。政府の大統領府長は、政府として必要なことはすべて行う。共産党のメンバーがベネスエラ事件についてコメントするのは個人の見解で、共産党として意見を出しているのではないとしました。しかし週末に彼の死体がマイプで発見されました。新聞にはチリの警察力がそれほど高くないと言えると厳しい批判が出ました。さらに彼の書いた文章が見つかりました。遺書ではなく自分が置かれた状況を書いています。彼を殺したのはベネスエラの麻薬組織ではないかと言われています。
3)その他
新左翼の統一運動が始まりました。いくつかの党が新左翼組織を形成していますが、素人の私にはそれらがどう違うのか、どの党に誰がいるのかなどよくわかりません。そして革命民主党など裁判問題になっているところは党の存続も疑問視されます。
ゴンサロ・ウィンテル(CS党議員)は新左翼勢力がなぜ生まれたのか、それをどう伸ばしていくのかボリッチはちゃんと国民に伝える義務があるとコメントしています。金持ちの好きにはさせないぞと4年前の社会騒乱の時に、社会党などの中道左派とは違ったことを叫んで生まれたグループですからね。
アタカマ州の教員組合は学校施設に問題があり、通常授業が出来ないとクレームしていますが、学校の始まる前の今日、教育大臣がすべての工事が終わっているわけではないと批判を受け入れました。ボリッチはどう反応するでしょう。

(経済)

1)銅価格と為替
1ポンド当たり3.81ドルと先週と大きく変わることはありません。為替は1ドル970 ペソと先週より少し良くなり、1000ペソの大台から離れました。
2)経済指数イマセック
先週の予想を大きく上回り、中銀の発表の1月のイマセック指数は2.5%の上昇でした。今年は順調に行けるのかな?もっとも新聞にボリッチは国債軽減のための増税を検討しているが、今がその時期かは疑わしいと書かれています。

3)株式市場IPSA
今週のIPSA指数は過去最高の6482ポイントまで上がりました。日本のケースと同じですね。素人の私には日本とチリが同じ時期に同じように過去最高を記録するのが不思議です。どちらも過去に比べて景気が良くなっているとは思えませんから。

(一般)

1)山火事
 今日、発表された数字ですが、燃えたのは12976 ヘクタールで、現在延焼中は11か所です。
2)犯罪
 毎日、テレビのニュースは犯罪関係が中心で飽きますが、今週のケースです。首都圏の家に泥棒グループが入りました。オーナーは正式に許可を受けた銃を所持していたので、それを犯人に発砲し一人に当たりました。残りの犯人は逃走しましたが、撃たれた犯人は警察に逮捕されました。彼は以前にも同様の犯罪を犯していたとか。一向に良くならない証拠ですね。
3)スーパー月曜日
 夏休みが終わって、学校・会社が正常化しますが、その最初の日が次の月曜日です。そのスーパー月曜日をどうすれば大きな混乱がなく正常に動くかを政府は検討し、交通機関の問題を筆頭に各部門の協力を進めています。今日の日曜日に30万台の車が首都圏に戻ってくるとか。
それらの車は明日から首都圏を走りますからね。交通渋滞は大変でしょう。
4)出生率
チリは1.5人でラテンアメリカの中でコスタ・リカと並んで最小でした。赤ちゃんを持つのは責任・経済に大きな影響を与えると夫婦は考えるのでしょうね。
5)ビーニャ音楽祭
日曜日に始まり金曜日の夜に終了しましたが、連日、1万数千人が会場を埋めました。毎日満席なんてすごいですね。私は毎日、最初の出演者だけ見ていました。

(スポーツ)

1)サッカー
人気3チームの結果はコロコロとカトリカは勝利、チリ大学は明日試合をします。3戦目が終わった段階で3連勝のオヒギンスが首位です。
2)テニス
ATPのチリオープンが開催され、男子個人の決勝はチリのタビロ(世界ランキング51位)とアルゼンチンのバエス(21位)が対戦。残念、バエスの勝利でした。
ダブルスはチリのタビロ・バリオス組が優勝でした。


以上

チリの風 その1084 2024年2月19日ー25日

先週まで最高気温が30度を超える日が続いていたサンティアゴですが、今週は30度以下とかなり涼しくになりました。
もっとも来週はまた高温に戻る予想です。
登山は木曜日に第2展望台を目標に仲間と歩き始めましたが、途中でやめて戻りました???やる気がなくなったのではありません。
天気予報が当たり雨が降り出したからです。雨に弱い私はすぐに反応しました。その日の夕方、雨の中を傘をさして散歩しました。最高気温18度でした。
さて山の中で、私たちと違って、雨の中でも頂上まで登って、そこで一泊すると言う登山者に出会いました。雨の中テントを張ってその中で料理を作るのは大変です。クスコでそういう旅をしていた時代にテントの中に雨が漏れ出したので傘をさして一晩過ごしたことがあります。
さて来週の登山はアポキンドの滝の本番ですから、今からドキドキします。
ラソンは先週の怪我の足の傷が治らず10キロは無理でしたが、短い距離を2回走りました。
それから今の住居の販売のために新不動産屋と契約しました。いつか売れるでしょうね。
昨年と同じく、今年もあちこちで講演させてもらいますが、その原稿を張り切って書いています。
いつものように毎日楽しい日を過ごしています。幸せです。

(政治)

1)犯罪削減委員会
 ボリッチは夏休みでニュースから消えました。
 さてその委員会ですが、内務大臣のトアが野党UDIのコロマ議員と面談しました。
 詳しい内容は発表されていませんが、野党連合の中の最右翼UDIの中心人物をモネダ宮殿に呼んで面談するのは不思議です。今までなら考えられなかったことですが、ここに来てボリッチが中道化してきたので余裕が出来たのかな?
しかし問題です。犯罪対応作戦で考えられるのは軍隊の使用ですが、軍隊は「私たちは警察と同じような作業をする能力はない。また問題が起きた時、警察・裁判所ではなく軍事裁判所で対応したい。」政府はそれを受けるかな?

 新左翼のメンバーの裁判が進んでいますが、政府の金を彼らが抜き取って自分たちのものにしていたら、もちろん有罪で刑務所に行くほかにその個人若しくはその党は与党側グループから追放になるでしょうね。今週は政府の中枢だったクリスピとジャクソンが法廷に呼ばれました。
 ジャクソンは大臣職を辞任していますが(辞めさせられたのか)クリスピは今もモネダ宮殿2階部隊でボリッチ政権の中心人物として働いています。
 彼をどう扱うかが注目されます。新左翼は有罪になれば罷免するのは自由だが、今はそのまま働かせろと要求しています。
 その民主革命党RDの党首にも呼び出しがかかり、党としての姿勢を説明しました。

 チリの民間テレビ局がエクアドルの新大統領と面談したのが報道されました。エクアドルでは犯罪組織が大きな勢力を持ち国の運営に影響を与えていますが、新大統領は軍隊を大量に導入しその組織の壊滅を図っています。チリの記者がボリッチ大統領に何かメッセージをもらえないかと尋ねると、「左右の対立などの問題を優先せず、国の運営をまず考えるべきではないでしょうか?」とコメント。野党の右翼グループはにっこり、与党の共産党新左翼は軍隊を最前線に出すアイデにはイライラするでしょうね。

(経済)

1)銅価格と為替
1ポンド3.83ドルと先週より上がりました。しかし為替は1ドル973ペソとペソ安になっています。1ドル1000ペソが近いと言われます。
2)GDP
 1月の予想はマイナス0.3%から1.6%の間が予想されています。年間では2%になりそうとか。 
3)株式市場IPSA
日本の株は史上最高を記録していますが、チリもそれくらい高いレベルにいます。まだ新記録は出ていませんが。しかし日本やチリで株価が上がるのは不思議な気がしますが???
4)失業率
 2023年の失業率ですが、チリは8.7%で世界6位でした。1位はスペインで12.1%。
 最近、大手銀行のサンタンデル銀行が社員の14%を削減しました。イタウ銀行も10%減少とか。厳しいですね。


(一般)
1)山火事
今年の今までの燃焼した面積は61914ヘクタールと昨年のわずか15%とか。と言うことは今年はまだまだ火事が広がるのか、山火事が民家の近くで始まったので被害が急上昇したかのどちらかですね。延焼中の火事は14か所と少なくなってきています。
2)犯罪
べネスエラの元軍人が行方不明になりました。誘拐の可能性があるとチリ政府も絡んで警察の捜査が始まりました。その人はベネスエラの反政府活動をしていたとか。彼は2018年にチリに政治亡命をしていますが、2010年以来68名のベネスエラ人が政治亡命をチリで認められています。
彼の誘拐に関し、ベネスエラの秘密部隊がチリに不法入国して実行したとか、チリに存在する同国の麻薬組織が政府の要請でその仕事を請け負ったとみられています。
彼は仲間とマドゥロ大統領暗殺を計画したと、ベネスエラ司法が調査している由。チリにいる彼の仲間もチリ政府に身の安全を守ってほしいとを依頼していると言われます。
この件に関してモネダ宮殿で緊急会議があり、何と休暇中のボリッチ大統領も出席した由。ベネスエラのマドゥロ政権が上手く機能しているとは思えませんがチリ共産党などは応援していますから、政府を上げてその人を探す動きは喜ばないでしょうね。ボリッチも少しは大人びてきたのかな?
それから最高裁判所の高級職員に高級車を貸与するのが問題になっていますが、その事務所の事務局長が辞任しました。
何か怪しいことをしていたのでしょうか。
犯罪とは直接関係しませんが、4年前の社会騒乱の時、チリが好きだ・誇りだとしたのは人口の30%、逆に恥だは27%でした。それが今年になって肯定が45%、否定が14%とチリ人がチリを認める方向になっています。確かにラテンアメリカ諸国の中でチリは通常な国だと私は思います。
その社会騒乱の時デモ隊が警察に暴行を加えられ通常生活が出来なくなったとして特別年金が政府から出されていますが、その中の27人は虚偽の申請をしたとしてそれが取り消されました。政府が騙されたことを認めたわけです。
また暴行によって妊娠したので正式許可で妊娠中絶をしたケースが昨年は290件あり、過去に比べると高くなっています。2021年は121件でした。
3)ビーニャ音楽祭
今日からビーニャ・デル・マルで音楽祭が始まりました。今日からそれが終わる金曜日までテレビのニュースはそれが中心になります。昔は、私の好きな歌手・グループが来たら深夜までテレビの前に座って見ました。そして翌日は会社でウトウト。今はそんなことはありません。今年の入場料は一番高いのが25万ペソ、安いのは3.5万ペソです。

(スポーツ)

1)サッカー
チーム別の南米大会リベルタドール杯に参加しているコロコロはアルゼンチンのメンドーサでゴドイ・クルスと対戦。結果は何と敵地でコロコロが1対0の勝利。
しかし興味を引くのは何とコロコロファンが1万人近くも敵地のサッカー場に溢れました。
メンドーサには飛行機で行くだけでなくバスでも行けます。そのファンを乗せたバスが国境を越えてアルゼンチンに入ったところそこの警察がバスの荷物を調べると、麻薬・武器・火薬・花火などが見つかりました。サンティアゴで国立競技場を壊す・燃やす破壊行為をしたグループなのでしょうか。ゲームの前後にそのファンが暴れ、30名が逮捕されたとか。

チリのサッカー場の安全確保のためチリサッカー協会・政府そして警察が討議をしました。その結果、チリ大学の国立競技場の使用が条件付きで認められることになりました。

国内リーグ戦で人気チームの結果はコロコロとカトリカは敗戦、チリ大は念願の国立競技場で勝利を収めました。入場者数は32000人でした。。

以上

チリの風 その1083 2024年2月12日ー18日

今週もいつもと同じ、サンティアゴは最高気温が30度以上の日が続いています。雨は全く降りません。しかし予想では来週、雨が降るとか。
さて今週の山歩きはアポキンドの滝下見その2をしました。前回は4名のグループで歩きましたが、今週は私一人で前回より遠くまで歩きました。
5時間歩いたのでいつものシャワーでなく湯舟につかって疲れを薄めました。他の人が会社で忙しく仕事をして汗をかいているのに私は登山をして自然を楽しんで汗をかきます。運がいいですね。
ラソンは大問題でした。3回走りましたが、今日の練習で事故が起きました。途中の4キロで26分だったので、10キロ60分台は間違いないと思いました。
ところがその後、道に段差があり転倒しました。膝・腕だけでなく顔も打って出血。走るのをやめて家に戻りました。アルコールで消毒しましたが、痛いです。
その前に一度10キロ走っていますが、来週は無理の様です。
それから土曜日のサッカー教室は参加希望者が少なく中止になりました。えっ、何それ。
その他に講演する項目の調査も続けています。
また日本に住むチリ人がバケーションで帰国してきたので面談しました。チリに住む日本人と日本に住むチリ人の話し合いなんて冗談みたいですね。
こうしていろんなことがある毎日を楽しめるのが幸せです。

(政治)

1)ボリッチ動向
バルパライソ州に行って被災者の援助を更に与えると演説しました。
所で先週のピニェラの葬式で彼が自己批判したことを民主革命党など新左翼グループは厳しく咎めています。俺たちデモ隊をピニェラの指示で警察が攻撃したではないかとするわけです。共産党幹部はピニェラの事故を右翼は自分たちの都合の良いように利用しているだけだとしています。
これに関し社会党の党首は同じ与党の中で政府に反対する意見を持つことはありうるが、最終段階では大統領に同行すべきだとしました。つまり左翼の中で中道左翼と新左翼共産党に分裂してきたわけですね。
新聞の読者の投書で他のラテンアメリカ諸国は民主主義が感じられない政治(政府)が多いが、大統領が公式に自己批判するチリはその点立派なものだとされました。ボリッチが社会騒乱で国が乱れたことを反省し、それ以前に戻ることを目標に掲げれば、チリはまたラ米のトップに戻れるかもと思えます。
2)ピニェラ死去
まだ彼に関する記事が新聞に多く掲載されます。前アルゼンチン大統領のマクリがピニェラに関し「自由と民主主義を目標にした政権を作ろうと彼と話し合ったが、これからそのグループをセバスチャン・ピニェラグループと呼ぶことにしたい」とコメントしています。チリの文化賞を受けた歴史学者のセラノは「彼の業績はチリの歴史に大きく残るだろう。カトリック自由主義の世界を統一した新方式を適合したのが素晴らしい」としました。
3)地方選挙
10月の地方選挙で共産党新左翼が大きく減少する可能性がありますね。
前ビタクラ区長が汚職で逮捕され裁判中に刑務所に入っていましたが、今週、刑務所から自宅監禁に変更されました。彼は区長の時代、RN党所属だった右翼ですが右翼も左翼も同じですね。
それより大事なのは次の大統領選挙です。右翼の国民改革党RNは次の選挙にピニェラを推すつもりでしたが、彼の死亡でその夢は消えました。すると候補者はプロビデンシア区長のUDIのマテイになりますが、RNはサンティアゴの他の区長を自党の候補者にするつもりとか。10月の選挙で予想はすっきりします。

2)最高裁判所の新車供与
最高裁判所の高官に貸与する22台の車を1台5700万ペソのレクサスにすると発表されましたが、あまりにも高いのではとクレームが出ました。
多分、もう少し安い他の車にするでしょう。議会でどう承認されたのでしょう。

(経済)

1)銅の価格と為替
銅価格は1ポンド3.77ドルと先週より少し上がりました。
昨年チリの銅生産は前年対比1.4%のマイナスでした。その中でもコデルコは8%のマイナスと不調が目立っています。
ところで鉱物で昨年価格が上がったのは金と銅だけですが、今年も銅の価格は期待できると言われます。
中国がそれほど安定しているのかな?
為替は1ドル973ペソとペソ安が続いています。
2)投資
昨年チリから外国に去った投資額は社会騒乱以降で最少レベルになりました。その意味は4年前から大量に外国に避難していたのがそのレベルが下がってきたと言うことです。投資家の信頼が戻っていると言えますね。もっとも景気後退は変わらず、従業員数を減らしている企業がある由。
TPP11
チリの結果が発表されました。2023年は128億ドルの輸出で2022年に比べると8%の減少とか。3155品目の輸出品の中で果物。ワインが中心です。

(一般)

1)山火事 
出火したのは151か所、延焼中は29か所とまだ収まっていません。
南の第8、9州で山火事が民家に近づいているとか。
まだバルパライソ州の一部の地区で夜間外出禁止令が発令されています。死亡者は133名です。
もちろん復旧に向けて廃材の処理が進んでいます。
チリ復興コンサートが行われ、多くの歌手・グループが参加しました。その収益はバルパライソ州の山火事被災者に贈られます。
さて不法建築が火事で焼けた家屋の一部に入っていますが、同じ州のサン・アントニオ地区で2万人が不法建設の家屋に住んでいます。今週のテレビのニュースでその不法建築が売りに出されているとされました。1軒屋が6百万ペソで売られています。多分プレハブ家屋の費用が3百万ペソだったので、そこで3年住んだ後6百万で売れれば損はないのでしょうね。同じような家を2百万ペソで売っているのはベネスエラ人で、売れたら母国に戻るとか。安く家が買えたらうれしいでしょうが、買った家がその後強制破壊されれば何の値打ちもないです。同じ問題が各地で続いていますが、右翼も左翼政権もそれをどう扱うかはっきりさせないで放置しています。もちろんサンティアゴにも同じ問題はあります。

2月2日の火事が起きる前に注意報が出されていますが、それが市民に上手く届かなかったことが大惨事の原因だと言われます。各地区の州・市役所に問題なかったか調査が始まりました。
放火・失火が火事の原因と言われますが、南部のアラウカニ州で16人が放火で逮捕されました。他地区でもこれから犯人が逮捕されるでしょう。
火災保険の請求が575件出されたそうですが、ちゃんと保険金が払われるかな?その内訳はビーニャが57%、バルパライソが26%、その他が17%とか。

2)犯罪
裁判官が犯人の携帯使用を認めるとして問題になっています。普通囚人は刑務所内で携帯電話の使用を禁じられていますが、今回の場合、犯罪グループの中核に使用権を与えたとか。素人の私には理解できませんが、裁判官組織で彼を抑えるとか罷免するとかできないのでしょうか。3権分立ですから国会では討論できないでしょうが。
3)夏休み
2月の前半グループはバケーションを終了しました。そして最後の2月後半組がこの週末にバスターミナルを埋めました。
26日の月曜日から新学年が始まるので交通状況は大きく変わります。交通省はバスと地下鉄の現在の走り方を変え、乗客が急増してもアテンドできるようにするとしています。
同じようにサンティアゴ空港の利用客は昨年250万人とコロナ問題の起きる前のレベルを越しました。

なんでもボリッチは月曜からまた夏休みに入るとか。

(スポーツ)

1)サッカー
国内リーグ戦が始まりました。人気3チームの中でコロコロは勝利を収めましたが、チリ大学とカトリカは試合が中止になっています。
それから先週日曜日のスーパーカップ戦ですが、90分が終わったところでコロコロが勝っていました。ところが、そのファンが新装国立競技場で暴れ始め、放火が起きて試合は中断し、残りの数分は後日、観戦者のいないサッカー場で実施されるとか。もちろん競技場に大きな被害が出ています。
その国立競技場は通常、チリ大学チームが国内リーグ戦の時、ホームグラウンドに使用していましたが、今年は使わせないとか。チリ大学ファンも暴れますから。
12年前にできた競技場保安条例が一向に機能しないのが悲しい現実とされています。
しかしチリのサッカーレベルは選手もファンもレベルが低いですね。

以上

チリの風 その1082 2024年2月5日ー11日

今週も最高気温が30度を超える日が続いたサンティアゴです。午後に外を歩くのは厳しいです。それでも朝晩は涼しいのが嬉しい。
先週は山火事ニュースばかりでしたが、今週はピニェラの事故の件ばかりでした。
しかし似たようなことが身近にありました。妻の父親が亡くなったのです。お通夜(親せきや友人が集まるお別れ会ですね)・葬式と2日間連続で悲しい雰囲気にひたりました。
それでも今週もマラソン練習を3回して、その内一回は10キロも走ったのは喜びでした。
もちろん、そのうち私も他界するわけですが、その日まで他人に介護の迷惑をかけないで一人で生活を楽しみたいです。今週も幸せでした。

(政治)

1)ボリッチ動向
バルパライソ州を訪問して山火事の悲惨な状況を助ける動きと、亡くなったピニェラを讃える動きが今週の中心でした。
山火事
まだ問題継続で、夜間外出禁止令が一部の地区で出ています。市街地区の火事はおさまっていますが、停電が続き被災市民の生活は厳しいです。一番問題の家屋の建設ですが、そのためには延焼した家屋の中のゴミを捨てる必要があります。政府の見込みでは廃材は5万トンになりそうで大きな機械を導入して実践に当たっています。その家族に政府から支援金が渡されることになりました。
ピニェラの事故
自分が別荘を持つ南部のランコ湖にバケーションに行ったピニェラ前大統領は家族・仲間3名とヘリに乗りましたが、操縦に失敗して湖に墜落。乗客全員は助かりましたが、彼は窒息死しました。事故の原因は調査中です。湖中に沈んだヘリは引き上げられ、今日サンティアゴに着きました。つまり操縦のミスなのか機械に問題があったのか調べられます。
彼の死体はサンティアゴに運ばれ、先ず旧国会議事堂(近年は新憲法委員会の会場)に置かれ、一般市民の挨拶が認められました。
そして金曜日に葬式が実施されました。その場で現・元大統領が、彼の功績を讃えました。ボリッチが「社会騒乱の時、その時のピニェラ大統領を不必要にまた異常に攻撃したことは正常な行動ではなかった」と自己批判しました。共産党はすぐに何を余計なことをコメントしているのか、金持ちの好きなようにはさせないと固く誓ったではないかと批判しました。勿論ボリッチはその批判を考えましたが、それでも正論を吐いたわけです。共産党新左翼に対抗して右翼的行動をする必要はありません。彼が自己批判したように4年前の社会騒乱の前はチリはラテンアメリカの中でトップクラスの社会組織を持っていたのです。それを目標に歩いていこうとするわけです。犯罪抑制委員会が動き出し、山火事被害援助が上手くいけば、ボリッチを支援する層が今の30%から50,60%になるかもしれません。頑張れボリッチとなるのですよ。

その後、近くのカトリックの大聖堂に運び込まれ、ミサが開始。大司教が彼を讃えました。その後、軍の護衛の下にモネダ宮殿へ。そこで、彼は2度大統領として、つまり8年間勤務したのですが、その日は大勢の観衆に見守られて宮殿に最後の挨拶をしました。現憲法を変更して3回目の大統領になりたいとしていたのですが、もちろんその日はモネダ宮殿の前だけで中には入れませんでした。ピニェラの遺体を彼が望んだモネダ宮殿を最後の通過点としたのはボリッチの考えでしょう。
しかし私が想像した以上にピニェラは民衆の拍手を受けました。彼の遺体を乗せた車が通る道に大勢の市民が彼の写真やチリ国旗をもって待ち受け、車が来ると手を振りました。
彼の遺体は「思いで公園」と呼ばれる墓地に運ばれました。
ボリッチ政権としては野党のシンボルのピニェラですが、民衆も政界も彼の冥福を祈りました。ピニェラが大統領選挙に出ていれば、もちろん与党側は批判をしていたのは間違いないですが、死亡した彼を傷つける必要はありませんからね。
新聞の社説に、与野党がピニェラの死を悼む祈りを揃って実施したのはチリ社会が正常だと言う証拠になると書かれました。確かにそうですね。
右翼の中も分裂があり、ピニェラは国民改革党RNでしたが、中道右派でしたから、もっと右のUDI党からはしっかり右翼の政策をとれと批判されていました。今回はUDIもピニェラ賛美でした。
さて次の選挙に右の候補に予想されていたのはピニェラとエベリン・マテイですが、ピニェラが消えたので彼女が最有力候補ですね。マテイは今はUDIですが、最初はRNでピニェラと組んで仕事をしていました。ピニェラは自分は右翼でないとして政治的にキリスト教民主党DCに接近したこともあるとか。もちろん次の選挙には極右の共和党からも候補者は出るでしょうね。
日曜日の新聞に1面広告でRN党がピニェラの写真を載せ、一言だけ「すべてにありがとう」と書かれていました。
彼はラス・コンデス区に住み、選挙の投票所は私と同じところでした。私はいつも投票所に一番早く行くことにしていますが、ピニェラもそうです。昨年9月の時は、彼のそばに行って話しかけようとしましたが、彼は車に乗ってしまいました。12月の時は報道陣が待っていました。私は彼の着くのを待たず家に戻りましたが、10分後に彼は来たとか。
もし会っていれば、私は2度あなたに投票しました。3度目も同じように投票しますと言って握手するつもりだったのですが。

(経済)

1)銅価格と為替
銅価格は1ポンド3.67ドルと先週よりかなり下がりました。中国の動きがかなり行き詰っているので、この先もっと下がる可能性がありますね。
為替は、そのためペソ安になり1ドル969ペソです。1000ペソが近いといわれます。
2)経済成長率
 財務省から今年のGDPは2.5%と予想数字が発表されました。
 事前の推定から下がったのはリチウム関連で、SQM社などからの国庫収入が10%以上、下がりそうとか。もっと下がる可能性があります。
3)物価上昇率IPC
1月のIPCは予想より上の0.7%でした。
確かに公共運送のバスや地下鉄の価格は上がりました。ガソリン価格も上がっています。
4)新車の販売
1月の新車の販売は25117台と前年対比9%のマイナスでした。
売り上げ順位で10位に日本から3社、首位はトヨタでした。

(一般)

1)犯罪 
犯罪を抑える法案を作成する新組織が話題になっています。土曜日にニュニョア区で60歳の女性が強盗に遭い、逆らうと射殺されました。
こんな事故がこれからも毎日ありそうです。
2)山火事
 今シーズンの山火事は今まで137か所で起き、そのうち103か所が消火されています。燃焼したのは16572ヘクタールとか。
死者数は131人、負傷者は1108人。3000軒がまだ停電中。

(スポーツ)

1)テニス
先週の話ですが、デービスカップの南米大会でチリはペルーと対戦し、苦しい状況を何とか乗り越え、3対2で勝利しました。
これで次は世界大会のグループに入ります。
2)ゴルフ
PGAツアーのコロンビアでの試合でチリのデルソラル選手は57打で1ラウンドを廻り、世界記録を破りました。この調子が続くと世界のトップに
なりますね。さぁどこまで行くかな?
3)サッカー
昨年の二つの国内リーグ戦で優勝したワチパトとコロコロがスーパーカップ戦として対戦し、コロコロが90分では勝ったのですが
暴れだし、ゲームは中止になりました????


以上