シモツケコウホネシンポジウム

シモツケコウホネは関東地方のごく限られた地域に生育するもので、数年前に志賀さんたちによって記載されたものである。ワカメのような沈水葉が、小川のせせらぎに揺らぎ、黄色い花が長期間にわたって咲き続ける。1年中、浅い清流が絶えないことが重要であって、ナガエミクリやバイカモなどもともに生育している。すばらしい環境である。

個体群の存続には予断を許さないこともあり、ユビキタスジェノタイピングプロジェクトの対象種としている。本日は、その成果や、地元で保全に関わってきた方々と、公開シンポジウムを栃木県立博物館・環境省京都大学農学研究科の共催おこなった。大盛況だった。

絶滅危惧植物ヒメコウホネサンプリング

2泊3日で、絶滅危惧植物ヒメコウホネのサンプリング。
日本には数種のコウホネ属植物が分布しているが、互いに交配していて種の識別が困難な個体も多い。そのような、ややこしい形態を示す個体は、ヒメコウホネというゴミ箱のような分類群に放り込んで良しとする事が多かったそうだ。

この状況を解き明かし、交雑していない、狭義のヒメコウホネをしっかり認識されたのが、今回同行させていただいた志賀さん。コウホネの世界では神のような人なのである。

従来、認識されてきたヒメコウホネは、西日本に広く分布しているのだが、交雑していないホンモノのヒメコウホネは、中部に数カ所生育しているだけである。今回の調査では、現在知られているほぼ全ての生育地を訪ね、ユビキタスサンプリングをした。とても充実した3日間だった。

IUFRO Seoul

久しぶりの、近況報告。とはいうものの、今は10月1日。韓国出張からすでに1ヶ月たっている。

8月23日から28日までソウルで行われたIUFRO世界大会に出席。韓国とソウルの社会の活気にあてられた。大会は最後まで出席できず、後半3分の1を残して、博多の会議へと移動するのであった。

中日から参加の日本生態学会大会

phyllos2010-03-17

日本生態学会大会は、そのなが〜い会期をほぼフル出席して、よれよれになってかえってくるというのが毎年春の事なのだが、今年は、中日から参加。
夕方、渋谷駅近くの懇親会会場。立派な建物だ。生態学会大会は年を経るごとに規模が大きくなってきていて、実行委員会では会場探しにさぞや苦労された事だろうなあ。

IUFROクアラルンプールの一週間

phyllos2010-03-10

今週はIUFROの森林遺伝関係の分科会会議がクアラルンプールで行われていて、マレーシアに滞在中。
会場は立派なホテルだ。次々回の本会議は日本で開催となる可能性が高いようだが、こういう会場を日本で用意するのはきついよなあ。
本日は、plenary lectureを40分間行った。研究の事実を細かく述べるよりも、楽しんでもらうことを目的としてパワーポイントを仕上げたのだが、目論んでいたとおり、楽しんでもらえたようで一安心。

熊本で始まる一週間

phyllos2010-02-23

昨日、月曜日から熊本に来ている。月曜日はゼミと研究打ち合わせ。
そして、火曜日の今日は、熊本大のTさん、Fさんとフィールド。希少植物の生育地訪問である。いずれも、超一級の興味深い性質を持った絶滅危惧植物3種であるが、予定通り(というか、うち1種は時間に余裕があるので急遽みることにしたものだが)生育地を見ることができた。貴重な植物を見れたということもあるが、そういった理屈抜きに、野外を歩くのは楽しいものだ。今日見た希少種3種のうち、2種はシダ植物なのだが、昨日、Tさんに伺った興味深い特徴が頭の中を巡っていて、これを何とか生かせないものか考えながら、山道を歩くのも楽しいことだった。
写真もいろいろ撮ったのだが、出張に持参した5年前のパソコンでは、デジカメに入れているSDHC規格のメモリーカードが読めないため、今日はアップできませぬ。残念。
ホテルに戻って、査読を1本すませてレポートを送付。
追記:写真を追加しました。調査地までの道路沿いに広がる豊かな海。

やるときはやるもんだ

今週は、修論発表会と卒論発表会(そしていくつかの書類作成)で過ぎていった。
しかし、例年の事だが、発表会前数日の追い込みはすごい。特に、今日の卒論。数日前とは全然違う高いクオリティーで感動的だった!昨日は、ほとんど徹夜状態だったらしい。
発表の後は、努力をたたえつつ、感動に耽りたいものだが、そうはいっておられぬ。今日が某プロジェクトの電子申請締切なのだ。こういうシステムは管理側は楽になって良いのだろうけれども、申請する側には手間なもののだ。すべての準備ができているのに、送付するファイル中に記述してある、数字やら名前やら、何やらかんやらをもう一度サイトに入力しなければならないのだ。慎重に間違いないように作業をしていると、小一時間かかるのだよなあ。
研究科の締切がお昼だから、くれぐれも遅れないようにとの電話も午前中にあったのだ。しかし、研究室の4年生の発表は11時からで、それが終わったのが11時40分。それから電子申請の作業をはじめると、、、心休まらない一時となるわけです。