日本でミュージカル映画版の『ミーン・ガールズ』の配信が始まったのと時期を同じくして、『ミーン・ガールズ』のオリジナル版を手掛けていたマーク・ウォーターズの最新監督作『花嫁のママ』もNetflixで配信が開始(『花嫁のパパ』とは無関係)。劇中でゴーゴーズの「We Got The Beat」がフィーチャーされているのが印象的だが、マーク・ウォーターズはゴーゴーズの「Head Over Heels」からタイトルを頂いて同曲をフィーチャーした映画『Head Over Heels(邦題:恋にあこがれて in N.Y.)』を2001年に手掛けているので、おそらくはゴーゴーズのガチなファン。今回の『花嫁のママ』で点と点が繋がった!
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サム・フリークス Vol.29で上映する『マーシャン・チャイルド』の監督であるメノ・メイエスはスピルバーグ版の方の映画『カラーパープル』の脚本家でもあるわけだが、『マーシャン・チャイルド』は彼とジョン・キューザックがタッグを組んだ2作目にあたる。彼等の初タッグ作となった『アドルフの画集』が「血」にこだわり続けたヒトラーを批判的に描いていたことを踏まえると、疑似家族を肯定的に描いた『マーシャン・チャイルド』も作風は全く違えど、本質的には通じるものがあるといえよう。
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『ビートルズ/レット・イット・ビー』がついに配信開始! 『ザ・ビートルズ:Get Back』が世に出た今、改めて観直してみると長尺な『Get Back』の演奏シーンを中心にまとめたダイジェスト版といった趣きもある(『Get Back』は『レット・イット・ビー』と映像ができるだけ被らないように配慮していたらしいが)。つまり今回の『レット・イット・ビー』は『ザ・ビートルズ・アンソロジー』に対する『コンプリート・ビートルズ』のような立ち位置になったわけだ。どちらも定番になった方の作品の邦題に「ザ」が付いているのも面白い。今回のディズニープラスの配信では邦題が 『ビートルズ/レット・イット・ビー』から『ザ・ビートルズ: Let It Be』へと変更になっているんだが、『ザ・ビートルズ:Get Back』と揃えようとした日本側の意向でしかないことは理解しつつも、「ザ」が付いたことで本作もきちんと定着して残っていきそうな気がしてしまう。
ちなみに『コンプリート・ビートルズ』はビートルズのキャリアを2時間でコンパクトに振り返った良質なドキュメンタリーなので、自分は今でも再発を待ち望んでおります。とはいえ製作がアップル社ではなくてMGMであり、現実的に考えると再発は困難だと思われるので、『ザ・ビートルズ〜EIGHT DAYS A WEEK』(これも「ザ」付きだ)のようなビートルズの入門編に相応しい新たなドキュメンタリーの編纂を待ちたいところ。
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マギー・ロジャースの「Lights On」大フィーチャー映画だった『アイデア・オブ・ユー 大人の愛が叶うまで』は『ノッティングヒルの恋人』の男女逆転版というべき内容。原作ありきとはいえ、脚本には『KISSing ジェシカ』(傑作!)のジェニファー・ウェストフェルトが関わってたんすね(監督は『ビッグ・シック』のマイケル・ショウォルター)。