ヴァンパイア:ザ・マスカレードの復活

 Modiphius社から今年8月に「ヴァンパイア:ザ・マスカレード第五版」が発売されるとの告知がありました。
Vampire: The Masquerade - Modiphius Entertainment
 システムは大きく変更される模様。そして、気になる歴史展開ですが、どうやら以前の展開をなんらかの形で引き継ぐらしく、「第二次異端審問」「ゲヘナ戦争」「年代間戦争」といった気になる固有名詞が並んでいます。
 プレオーダーすると8月に発送、一般販売は9月、とのこと。楽しみです。

主要な出来事(時系列順)

 単なる難民の停留場から繁栄する天空港にのしあがった〈カラドロンの天空卿〉は、空に浮かぶ領地を拡大してきた。〈シグマーの時代〉の今、〈カラドロンの天空卿〉はその孤立主義を捨て去って、定命の領域における新勢力としての姿をあらわにしている。

  • 天空国家の誕生 - 最後の大カラクがザルークの戦いで滅亡した。少数の天空港と空に浮かんだデュアーディンの採掘コロニーは、空に逃れた難民たちでふくれあがった。こうした初期の集落が後の天空港の基礎になったのである。続く争乱に満ちた時代は略奪の時代と呼ばれ、相争う天空港が採掘権をめぐって戦った。内戦を回避するために、マドラルタ会議が開催され、〈カラドロン規約〉が制定された。さまざまな天空港を同一の法律のもとで統合する文書である。
  • 余人の目をすりぬけて - エーテルゴールドは魔法による占術や探知では知覚できない。科学的精神を持ったエンドリン技師たちでさえも、この物質を追跡できるような信頼に足る機械を開発できずにいた。しかし、〈カラドロンの天空卿〉のエーテルで駆動する空中艦隊と天空港はこの不可視性を利用した。神々ですら、天空のデュアーディンが広げる居留地を見ることができなかったのである。
  • ラク=ナーの勝利 - 創設者バルワーク・ノルグリムソンに率いられ、バラク=ナーの艦隊はグレート・ガズバグの空中グァーグ!を打ち負かして、〈光り輝く土堤〉を領有した。ここはエーテルゴールドの豊かな鉱脈を擁する地域である。
  • グルンド兵団 - グルンドストック氏族の〈轟雷兵〉を乗せた艦隊がくり返し成功をおさめたことを受けて、砲術総長オルグリム・グルンドストックはグルンドストック氏族をグルンド兵団として組織した。やがて、精鋭戦士を養成する兵学校が主要天空港のそれぞれに設立された。最高のエンドリン技師を雇ったグルンド兵団は〈轟雷兵〉に独自のエーテル駆動兵器とグルンドストック砲撃戦闘機を提供するようになった。まもなく、グルンドストックで養成された戦士が飛空船や採掘業務を護衛することが普通に行われるようになった。
  • 必要な規約修正 - 1ダースもの天空港の間で短いが激しい艦隊戦が何度も発生した。注目すべきはそのほとんどにバラク=ムホーナの艦隊が参加していたことである。こうした内輪もめを抑えるために、バラク=スリンの反発にもかかわらず〈カラドロン規約〉に2つの修正が加えられた。
  • 〈グルングニの鍛冶場〉の伝説 - エーテルゴールドを探していたバラク=ジルフィンの艦隊が、そのかわりに失われた〈グルングニの鍛冶場の都〉につながる手がかりを発見した。しかしそこはネズミに似たスケイブン種族によって荒らされた後であった。七回の探検隊が山頂の宮殿を奪いとるか、それができなければ〈大造物主〉が残した至宝の数々を回収するために派遣された。しかしこの冒険で生き残ったわずかな者たちは、そこで見た恐ろしい光景の記憶を誰にも話そうとしなかった。
  • 連峰戦争 - アズガル山脈を取り巻く雲堤の中に、極めて豊かなエーテルゴールドの鉱脈がいくつも発見された。あらゆる天空港の艦隊がその領有に乗り出した。しかし、グリーンスキンとスケイブンと怪物の大軍もまた、大量の鉱脈から放たれるエーテル・エネルギーに引き寄せられてきた。広大な連峰は、雲に隠された領域を巡って死闘を繰り広げる天空と陸上の軍隊の戦いの巷となった。最終的に、バラク=ナーが最も多くの資源を領有した。彼らはグランドストック砲撃戦闘機とスカイリガー隊の襲撃部隊を使って浮遊する巨石を誘導することで、濃密なエーテル雲の中での戦闘を極めて難しくする作戦をとったのである。
  • 神王の軍勢 - 天空からその戦いぶりを眺めてはいたが、〈カラドロンの天空卿〉はストームキャスト・エターナルたちをできるだけ避けていた。多くのデュアーディンがシグマーの大義に与して渾沌に戦いを挑もうと票を投じたが、同盟を締結できる時機は〈規約〉によって定められていた。彼らはオールポイントを守るアイアンホールドへの攻撃が失敗するのを見ていたが、介入しなかった。天空艦隊がストームキャストと肩を並べて戦うようになったのは、神王に従う者たちが都市を建て始めてからのことである。
  • ムスペルザーの鉱山 - ムスペルザー山脈の貴金属鉱脈を我が物にしようと、アズュルヘイムのアイアンウェルド・アーセナル砲兵隊が、〈小蜘蛛の王侯〉の中で最も偉大なスピンドリクに率いられたグリーンスキンらに蹂躙されようとしているカラドロンの交易基地に遭遇した。襲撃者を追い払った後、両勢力は同盟を締結して、一連の猛爆撃によって高空航路の脅威をとりのぞいた。
  • 〈運命の結晶〉戦争 - バラク=アーバズの秘密の境界門を通って、〈カラドロンの天空卿〉はアキュジー界のファイアスレイヤー同胞らがティーンチのディーモン兵団を追い払う戦いを手助けした。〈火の領域〉にある九つの山脈が攻撃された。というのも、〈変化の主〉の下僕らはこれらの煙をあげる連峰でしか見つけられない奇怪な水晶鉱脈を追い求めていたのである。
  • エーテルの大嵐 - エーテルの嵐を隠れ蓑に使って、渾沌のディーモンがヴィンディカルム上空航路を守る浮遊要塞に襲いかかった。翼持つストームキャスト・エターナルの守備隊は雄々しく戦ったが、暗黒の神々の軍勢に圧倒された。しかしもはや敗北は必至と思われたとき、雲が晴れると〈カラドロンの天空卿〉の天空艦隊が姿を現し、シグマーの聖戦士たちに加勢した。この最初の同盟以来、両勢力はしばしば共闘するようになる。
  • ラク=ゾン封鎖 - カイロス・フェイトウィーバーティーンチの魔軍を率いて、天空港バラク=ゾンを広大な魔法の障壁で取り囲んだ。九十九日の間、このカラドロン都市はディーモンの軍勢に包囲され、それを打ち破ろうとする艦隊の試みも失敗に終わった。救援要請に応えて、全ての天空港の連合艦隊がブロック・グルングソンの指揮のもと、勇敢な全艦突進作戦によって障壁を粉々に打ち砕き、フェイトウィーバーの計画をくつがえした。
  • ティーンチの脅威 - カラドロンは、既知の領域の辺縁近くに水晶でできた天空城の連なりを発見した。〈黄金会議〉が怖れていたティーンチの謀略がその姿を現しつつあった……

六大天空港

  • ラク=ナー:〈初日の出の都〉。先進的な思考と大胆な行動で知られる最大のカラドロン都市。他の種族との貿易を始めた都市であり、光輝灯台をあちこちに建設して交易路を確保した。〈黄金会議〉に最多の議席を有する。
  • ラク=ジルフィン:〈風吹く都〉。造船工と〈風の長〉と呼ばれる水先案内人の優秀さで名高い規模第二の都市。その船の性能は随一であり、最も遠方まで探検を進めている。
  • ラク=ゾン:〈太陽の都〉。最も高い高度に位置する都市で、陽の光に照り輝く規模第三の都市。勇猛な戦士団で名高い尚武の都市。赫赫たる勝利の記念碑が市内に並び立つ。
  • ラク=アーバズ:〈市場の都〉。最も国際色豊かな天空港。チャモン界以外の領域からも秘密の境界門を通ってさまざまな種族が往来する。エーテル化学者を多く擁するこの都は、鉱脈の採掘に優れている。
  • ラク=ムホーナ:〈影なる都〉。仄暗い稼業に手を染めるといわれる海賊都市。〈規約〉を“柔軟に”解釈することでも悪名高い。夜視に優れた眼鏡と奇怪な入れ墨でも知られる。
  • ラク=スリン:〈父祖の都〉。極めて保守的な姿勢で知られる都市。最初期の〈規約〉を墨守し、変革を堕落として排する。都市や船にかかげられる先祖の遺影は全て古代の武器を溶かして作られているという。

組織

 〈カラドロンの天空卿〉社会の中には数多くの組織が見られる。

  • 〈黄金会議〉(ゲルドラード):六大天空港とその他の小さな天空港から派遣される議員が構成するカラドロン社会の最高統治機関。
  • 提督会議:それぞれの天空港はこの評議会によって指導され、各種ギルドを統括する。
  • エーテル化学者ギルドエーテルゴールドの鉱脈を見つけ出す科学者の団体。
  • 案内人連盟:航空測量士らの秘密結社。
  • アルカノート・カンパニー:〈カラドロンの天空卿〉の主力軍隊。
  • 〈グルンドストック轟雷兵〉:船や艦隊を守る海兵隊
  • 〈髭の会議〉(トロンラード):非公式な長老会議。

文化

 古いやり方が失敗に終わった後、このデュアーディンたちは“神々と王侯”を拒絶して、そのかわりに〈カラドロン規約〉を開発した。これは彼らの文化を規定する一連の規則である。〈カラドロン規約〉は名誉のかわりに利益に焦点をあてているため、〈渾沌の時代〉において〈カラドロンの天空卿〉が、利益につながらないかぎり他の種族を無視することにつながった。〈カラドロンの天空卿〉は他のデュアーディン同様に誓約に価値をおいているが、自分の得になるように内容の穴をつきたがる傾向が強い。
 カラドロンの文化は実力主義である。船や氏族、ギルドにおける地位は技量と業績にもとづいて選ばれる。彼らは家族を大切にするが、世襲制は破滅のもとだと考えている。

略史

 渾沌の軍勢の侵略で、デュアーディンの要塞の多くは滅ぼされた。生き残った者たちの一部は、飛空船を使って脱出し、天空に根拠地を築き始めた。そして貿易商、探検家、あるいは空賊になったのである。〈カラドロンの天空卿〉は富をたくわえ、定命の領域のあちこちに天空港を建設した。
 〈シグマーの時代〉の始まりとともに、〈カラドロンの天空卿〉はストームキャスト・エターナルに遭遇した。これを好機と見た〈カラドロンの天空卿〉は、渾沌の軍勢への反撃を開始したのである。

カラドロン・オーバーロード概略

 〈カラドロンの天空卿〉(カラドロン・オーバーロード)は、〈渾沌の時代〉に山岳の住居を捨てて天空に昇ったデュアーディン種族*1のことである。
参考:スタートコレクティング!カラドロン・オーバーロード
参照記事:Kharadron Overlords | Age of Sigmar Wikia | FANDOM powered by Wikia

*1:エイジ・オブ・シグマーにおけるドワーフ