とにかくフランス語を勉強する

フランス語に加えてイタリア語もダラダラ勉強しているダメリーマンの記録

休戦(La tregua)を踏破する

 

イタリア文学シリーズ8作目、プリモ・レーヴィの「休戦(La tregua)」も踏破しました。35日かかりました。

アウシュヴィッツでの受難を描いた前作「これが人間か(Se questo è un uomo)()」の続編にあたります。

ソ連軍によって絶滅収容所から解放された後、ソ連領内のキャンプをたらい回しにされ続け、結局9か月後に特別列車でイタリアに戻るまでの9か月を描いた作品です。

アウシュヴィッツの生き残りの方々が、解放後にどんな形で帰還したかなんて、勿論全然知らない世界だったので、興味深く読みました。

各地で色々なルーツの色々な立場の方との交流を通じて、作者の心の回復を少しユーモラスに描いています。一種の人間観察記録でもありますね。

 

(以下、ネタバレを含む)

ですが、主題はシリアスです。

アウシュヴィッツから解放され、新しい環境に適用するのに夢中になっていたこの期間こそは、結局アウシュヴィッツのトラウマを深く考えずに済んだ「休戦」期間であって・・

無事にトリノの実家に帰って家族と再開したところで、平穏を取り戻すかと思いきや、アウシュヴィッツの悪夢が頭から離れずに(PTSD?)、苦しみ続けることを暗示して話は終わります。

 

作者の本業は科学者ですが、この後文壇に進み、数々の作品を残し、1979年にはイタリア随一の文学賞ストレーガ賞を受賞するに至ります。

文化人としても強い影響力を持っていたようですが、1987年4月、自宅マンションから飛び降り67歳で命を絶ちました(事故死説も根強いが)

自死によって作品を本当の意味で完成させてしまったのではないかと思うと、本当に心が痛みます(パヴェーゼもそんな感じでした)

 

・・

今回は日本語訳なしで読み進んだので道中しんどかったですが、どうしても分からない部分はDeeplにテキストを突っ込んだら、それで何とかなりました。

しばらく復習しますが、懸案の産業カウンセラー筆記試験まであと4週、そろそろこっちをメインにしないと。。

 

La tregua

La tregua

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フランス語/イタリア語/スペイン語/ポルトガル語で同じ意味を指すのに語源が異なる単語を探す

「蚊」はフランス語だと"Moustique"、イタリア語だと"Zanzara"

「蛙」はフランス語だと"Grenouil"、イタリア語だと”Rana"

「雀」はフランス語だと"Moineau"、イタリア語だと"Passero"

 

フランス語とイタリア語。よく似た言語な筈なのに、同じ意味を表わすために全く異なるルーツから形成されている単語が結構あります。

そこで、ふと疑問がわいてきました。

スペイン語ポルトガル語も含めたロマンス諸語4兄弟の間で、同じ意味を指すために、言葉の成り立ちが4つともバラバラに異なる単語はあるんだろうか?

 

我ながら暇人だなと思いつつ探してみました。。が、全然見つかりませんでした。

恣意的に似た単語を並べて別系統だと言い張ることが簡単にできてしまうケースや、同一言語内に同じ意味を示す複数の語彙が流通しているケースも多く、そういうのは載せにくいです。

 

・・以下に付いている説明は語源です。Wikinatoryや仏和大辞典で調べています。

中世以降に生まれた概念とか、地域によって生息域の異なる動物などは、ラテン語で統一的に運用できなかったことで、語源がバラバラになりやすいのかなと思いました。

 

スカート

jupe(フランス語)・・アラビア語juppa(ゆったりしたウェア)⇒イタリア南部方言jupa(※日本に伝わったのは「襦袢」という言葉の祖になった)

gonna(イタリア語)・・後期ラテン語gunna(毛皮の衣服)

faldaスペイン語)・・古フランク語falda(包むもの)

saiaポルトガル語)・・ラテン語Sagum(外套)⇒古ポルトガル語saya

※ちなみに、英語ではskirtルーマニア語ではfustaと呼ぶらしいです。

 

キツネ

renard(フランス語)・・Roman de Renart(狐物語/12世紀後半成立)の主人公の名Renart(元々は、古フランス語goupilという単語があったが取って代わられた)

volpes(イタリア語)・・ラテン語vulpēs(キツネ)

zorroスペイン語)・・不明。perro(犬)と関係あるという説も

raposaポルトガル語)・・古スペイン語rabo(尾)ラテン語rāpum(カブ)に由来する。アストゥリアス語のrapiega(狐)の影響も

 

リボン

ruban(フランス語)・・ゲルマン祖語ringh(輪)+Banda(バンド)⇒中世オランダ語ringhband(首飾り)

nastro(イタリア語)・・西ゲルマン語群nastilu(ベルト/ストラップ)⇒古高ドイツ語nastila

cintaスペイン語)・・後期ラテン語cinctus(ベルト/帯)(イタリア語でも同綴りの言葉はあるが、帯域(エリアとしての)、壁、城壁の意味になる)

fitaポルトガル語)・・不明。ラテン語のVitta(バンド/リボン)という説あり。

 

・・他に見つかったら追加しておきます。

 

ラテンアメリカ文学の名著にあこがれる

 

百年の孤独」という小説の文庫版が来月末に出ます。

これは文学界では大事件なのだそうですね。絶対に文庫化されないとされていた本がされたということなので。

文学音痴の自分は、あまり知らなかったのですが、この作品はラテンアメリカ文学の至宝とされているのだそうです。

以下はあらすじ。

蜃気楼の村マコンド。その草創、隆盛、衰退、ついには廃墟と化すまでのめくるめく百年を通じて、村の開拓者一族ブエンディア家の、一人からまた一人へと受け継がれる運命にあった底なしの孤独は、絶望と野望、苦悶と悦楽、現実と幻想、死と生、すなわち人間であることの葛藤をことごとく呑み尽しながら…。20世紀が生んだ、物語の豊潤な奇蹟。

 

日本の文庫版で672ページというボリュームには眩暈がしますが、小説外国語学習派としてスペイン語の原著”Cien años de soledad”を読んでみたいですね。

スペイン語の小説が読めるような実力が身につくのはいつになるのか分かりませんが・・・

 

ちなみに、スペイン語学習のDuolingoを気が向いたときにたまにやっています。今のペースだと語学に習熟して読めるようになるのは70年後くらいだな。

馬名で古文単語を学ぶ

古文単語も結構出てきたので、並べてみます。

※1 まだまだたくさん確認漏れがあります。(現状、見つけては追加している)

※2 冠名付きの馬は含みません(「ヒシ」アケボノとか、「マチカネ」チコウヨレとか)。Weblio古語辞典にあるものを中心に掲載しています。

※3 単語の成立年代は古代から江戸までバラバラです。今の時代も普通に使われている言葉、地名、場所は極力取り除いています。

※3 JRA・地方登録馬を含みますが、70年代以前の登録馬および、海外の登録馬は含みません。そこまでカウントするとキリがないため。名前が同じ馬は一頭だけ掲載します。

※4 ★はGⅠ競争の勝利馬、☆はGⅡ、GⅢ競争の勝利馬(いずれも海外、交流競走含む)を指します。

 

アオカチ(Aokachi,2016)・・(名詞)青褐。色の名前で黒に近い藍色を指す。『正倉院文書』の中に記載がある

アサキユメミシ(Asakiyumemishi,2008)・・(成句)いろは歌の構成要素。「色は匂へど散りぬるを  我が世誰ぞ常ならむ有為の奥山今日越えて浅き夢見し酔ひもせず」。直訳すると「浅はかな夢を見ていた」

イザヨイ(Izayoi,2022)・・(名詞)十六夜の月、陰暦16日。また転じて躊躇うこと、躊躇すること

エタリオウ(Etario,2015)・・(感動詞)うまく仕留めたとき、また、それ来たと応戦するときに発する語。動詞過去形「得たり」に感動助詞「や」と感動詞「おう」が繋がったもの

カガリビ(Kagaribi,1982)・・(名詞)夜間の警護・照明や漁猟などのために炊く火。『源氏物語』の巻名にもあり、光源氏と玉鬘の贈答歌「篝火にたちそふ恋の煙こそ世には絶えせぬほのほなりけれ」「行く方なき空に消ちてよ篝火のたよりにたぐふ煙とならば」に因む

カジャ(Kaja,2008)・・(名詞)若者。若輩(元服して冠をつけた少年の意味が転じたものとされる)

カブキモノ(Kabukimono,2010)・・(名詞)江戸時代前期,江戸その他の都市を舞台に反体制的行動を展開した武士,奉公人などを指す(傾きという言葉はかたよった異様な風俗や行動をいう)

カラクレナイ(Karakurenai,2014)・・(名詞)鮮やかな濃い紅色(唐紅、韓紅と書き、舶来品の紅色のことを指した)

シノノメ(Shinonome,2021)・・(名詞)太陽が昇り始める前に茜色に染まる空および、明け方に東の空にたなびく雲。江東区をはじめ、日本の各所に同名の地名が存在する

タカミクラ(Takamikura,1989)・・(名詞)高御座。即位や朝賀などの重大な儀式のとき、大極殿または紫宸殿の中央の一段高い所にある天皇の座所。玉座

タマユラ(Tamayura,2011)・・(副詞)しばらくの間、わずかな間、しばし(玉響と書く。勾玉同士が触れ合ってたてる微かな音が転じて副詞になった)

バサラ(Basara,2020)・・(名詞)婆娑羅。人目を驚かすような派手で華美を競った出で立ち、振舞(室町時代初期に流行し、後の戦国時代における下克上の風潮を形作った)

ハルハアケボノ(Haruwa Akebono,2017)・・(成句)清少納言の随筆「枕草子」の書き出し。「やうやう白くなりゆく山際、少し明かりて、紫だちたる雲の細くたなびきたる」と続く

マスラオ(Masurao,2014)・・(名詞)立派な男。勇気のある強い男。ますらたけおは転化したもので「益荒男」と書く

ムメ(Mume,2021)・・(名詞)梅、梅の実(季語は春)

モノノフ(Mononofu,2014)・・(名詞)朝廷に勤める官人、武士

ユウヅツ(Yuzutsu,2012)・・(名詞)夕星。西の空に見える金星。 宵の明星

 

追加で、いにしえの名馬や刀などの固有名詞も挙げておきます。

イケヅキ(Ikezuki,2015)・・(名詞)池月(諸説あり)。源頼朝が所有した伝説の名馬の名前。宇治川の合戦でスルスミと先陣争いをした逸話などで有名

クロクモ(Kurokumo,2009)・・(名詞)黒雲。武田信玄の愛馬。気性が非常に荒く信玄以外騎乗できなかったといわれる

シロイシカゲ(Shiroishi Kage,2015)・・(名詞)白石鹿毛伊達輝宗から織田信長に送られた奥州一と謳われた名馬の名前

ソーササモンジ(Soza Samonji,2014)・・(名詞)宗三左文字南北朝時代に作られたとされる日本刀。三好宗三、武田信虎今川義元を経て、織田信長も所蔵した。京都市北区建勲神社に収蔵

シシオウ(Shishiou,2014)・・(名詞)獅子王平安時代に作られたとされる日本刀の名前。鵺を仕留めた恩賞として天皇から源頼政に下賜されたとものとされる。東京国立博物館に収蔵

スルスミ(Surusumi,2002)・・(名詞)磨墨。源頼朝が所有した伝説の名馬の名前。宇治川の合戦でイケヅキと先陣争いをした逸話などで有名

セイガイハ(Seigaiha,2016)・・(名詞)青海波。源義経の愛馬。元々は雅楽の装束の名前で、同心円を互い違いに重ね、同心円の一部が扇状に重なり合った幾何文様を指す

ソハヤ(Sohaya,2021)・・(名詞)騒速。坂上田村麻呂が所有した刀の名前。日本刀のルーツになったともされる。兵庫県加東市にある御嶽山清水寺に収蔵。

ランジャタイ(Ranjatai,2010)・・(名詞)蘭奢待聖武天皇のときに唐から献上された名香。極上の伽羅の香で、東大寺にも納められた

産業カウンセラー筆記試験対策に移る

 

いつまでもイタリア語に浸っていたい。小説を読んでいたい。。

というわけにもいかず、産業カウンセラーの試験が6月23日に迫ってきました。あと6週間です。

面接実技は免除されましたが、筆記試験対策に動き出さないといけません・・筆記は2つの科目に分かれます。

 

学科1:知識問題。テキスト上下巻(合わせて700ページほど)に書いてある事柄の正誤を択一で選択するもの。合格得点率は8割。

学科2:会話問題。逐語記録(カウンセリングのスクリプト)の虫食い部分について、ふさわしい流れを択一で選択するもの。合格得点率は7割。

 

それぞれしっかり勉強しないと点が取れません。ということで以下のテキストを購入しました。

両問題集ともに250ページ分の問題を収録していますが、若干問題形式が違うようです。

下記にAmazonのリンク貼ってるけど、協会から直接買った方が安いです(Amazonはボールペンが付いてるけど協会で買うより倍くらいの値段がするのは何でだ)

 

さらには養成講座の時に受講したWebラーニングの〇×問題600問の問題、解答、開設のページを全部PDF化して繋げました。

これも一通りやるだけで相当に力になりそうです。でもこれだけで130ページもあるよ・・

 

以下は1ページ目の見本です。

 

・・試験に落ちてしまうと、費用を立て替えてくれている会社との約束で、養成講座受講料297,000円および、受験料36,654円、合わせて、333,654円(!!)が自腹扱いになり、給与から戻入されてしまいます。

養成講座の受講料は相応にするんだけど、受験料も法外に高いと思います。面接実技が免除されても同じというのもどうなんだろうか。

まぁ今まで受けた資格試験の中で一番リスクの高い、厳しい挑戦になるけど、覚悟を決めて勉強します。

Larousse2025(仏語辞書)に追加される新しい単語をまとめる

 

毎年5月恒例のLarousse新掲載単語の話題です。今年も新しい単語が色々足されるようですね。面白そうな単語を挙げてみます。

やはりグローバルに膨張し続ける英語と同化しつつある現状が見受けられますね。

 

Afro-descendant・・(名詞)アフリカ起源、祖先の人

Agrotoxique・・(名詞)農産物の害虫を駆除するための農薬

Badiste・・(名詞)バドミントンプレイヤーのこと(バドミントンはフランス語でも”Badminton”と言う)

Collab・・(名詞)2大ブランド、2人のパーソナリティ(アーティスト、インフルエンサーなど)、またはパーソナリティとブランドの間の協業のこと(Collaborationから特化したもの)

Cyberterrorisme・・(名詞)ネットワーク空間に混乱を与える事を目的として計画的に引き起こされる攻撃のこと(アカデミーフランセーズもCyberを用いた言葉のフランス語への置換は断念したよう)

Détox digitale・・(名詞)一定期間、スマートフォンやパソコンなどのデジタルデバイスと距離を置き、現実世界や自然での触れ合いを重視する活動のこと。

Disruptive・・(名詞)これまで一般的に常識として受け入れられていたことを完全に打ち破るようなニュース、新事実や、またはそれを成し遂げた誰かのこと(もともと英語で「破壊的な」を意味する。仏語では"Perturbateur"がよく使われていた)

Écogeste・・(名詞)環境に負荷を掛けない日常的な活動のこと。出勤、料理、洗濯、ガーデニング、買い物などを含む

Empouvoirement・・(名詞)権限付与、能力開花(英語で言う”Enpowerment”の事かな?)

Fast-Fashion・・(名詞)低価格でコスパに優れた品質で提供するファッションブランド。主にユニクロ&GU

Kimchi・・(名詞)野菜(特にキャベツと大根)を唐辛子とともに塩水で味付けし、発酵させた韓国由来の漬物

Kombucha・・(名詞)紅茶キノコのこと。紅茶もしくは緑茶に砂糖を加え、そこに培地で栽培されたキノコにも見えるゲル状の塊を漬け込み発酵させる。日本の「昆布茶」とは定義が異なる

Masculinisme・・(名詞)直訳すると「男性主義」。フェミニズム側からは、反動的かつ女性差別的な、反フェミニズム的な運動と定義されることが多い

Mégabassine・・(名詞)作物を灌漑するために、農閑期に地下水を汲み上げ貯めておくための大規模貯水池のこと

Météo-sensible・・(形容詞)天候にされやすいこと。人の性格や、経済的な実利それぞれに用いられる

Nareux・・(形容詞)食事や、配膳、食器などの不衛生さに嫌悪感を抱く神経質な人(ベルギー由来の言葉らしい)

Platism・・(名詞)何世紀にもわたる科学的コンセンサスにもかかわらず、地球はほぼ球形ではなく平らであると信じること(直訳すると「平ら主義」)

Polluant éternel・・(名詞)分解の難しい化学物質のこと。殆どは人為的に製造されたものを指し、環境や人体への影響が懸念される

Skatepark・・(名詞)スケートボード、アグレッシブインラインスケート、フリースタイルBMX向けに作られた運動施設。舗装面にジャンプ台等の構造物が設置されている。

Taloa・・(名詞)バスク地方の郷土料理。とうもろこしのパンケーキに地元のハムや羊乳チーズを挟むのが一般的

Trotteniste・・(名詞)キックスケーターを使って移動する人(キックスケーターは”Trottinette"と呼ぶ)

Ultra-trail・・(名詞)超長距離の森、平原、山道を走るレースのこと。一般的には80㎞を越えるものはウルトラが付くとされる

Verdir・・(動詞)より自然環境に鋭敏になること(直訳すると「緑になる」)

Webtoon・・(名詞)スマートフォンで閲覧できるフォーマットで制作された韓国の漫画(縦スクロール仕様で、日本特有の横スクロール仕様とは異なる)

Zero-déchet・・(名詞)ごみをゼロにすることを目標に資源の浪費、廃棄物の削減、有害物質の削減をしつつ、循環型経済を目指す環境政策のこと

 

・・未掲載の単語が幾つかあるので、もう少し足してみます。

産業カウンセラー試験の実技免除を奇跡的に得る

 

産業カウンセラー協会から、養成講座の成績を踏まえて、実技試験(面接)が免除される旨、通知がありました。

養成講座で一定の成績を収める必要があるのですが、自分は無理だろうと思っていたので嬉しいです。

養成期間中、自分の実技の技術は、周りの方と比べて、かなり稚拙なもののように感じられていて、本当に苦しかったです。

でもこれで、6月末の筆記試験に合格すれば、産業カウンセラー資格が取得できるのですね(グフフフ・・)

 

結局、自分が所属した7人のグループ内では、4人が免除獲得、3人が免除ならずでした(皆でLINEで報告し合った)

免除率は養成講座受講者の6割くらいって言ってる人がいたけど、本当にそれくらいなのかなぁ。全体見ないと断言はできませんが。

以下、実技免除に何が関与しているのか、適当に考えてみました(妄言なので読み流してください)

 

1)実技の上手さ?・・当然、強い相関があるでしょう。けど自分より上手く実習を進めていても免除されなかった方もいました。

2)受講態度(積極性)?・・自分は実技は良くなかったけど、グループセッション内での発言は協力的、協調的に頑張ったつもり。そこは評価されたかも。

3)課題の点数?・・自分はA,B,C,D評価の中で、Aが1つで後は全部Bでした。作文は自身を内省させるものが多く、自己理解が進んでいるかを見ているのかなと。

4)実習の見立て?・・実習の後半は、自分の見立てや良かったこと良くなかったことを言わされました。先生がいつもガリガリ色々と書いていたのが気になります。

5)先生との相性?・・生徒側から胡散臭い、信用できないっていう態度が出てしまうと不利?中途半端に拘りが出るときついのでは(自分はド素人だったので先生には絶対服従でした)

6)欠席遅刻?・・実習は、欠席は勿論、少しの遅刻や昼食休憩後の戻り遅れでも、欠損時刻をきっちりカウントされます。繰り返すと心証悪くすることもあるかな。

7)課題遅れ?・・Webの理解度確認テストが漏れて注意されている人が結構多かったです。期限のチェックは定期的にしないといけない。

 

実感として影響が大きそうな順に挙げてみましたが・・・ごめんなさい、やっぱり要因は良く分からないです(何だそれ)。これから筆記試験対策に移ります。。

 

(5/12追記 対策に移ります)

 

休戦(La tregua)を読む(「これが人間か」の続き)

イタリア文学踏破シリーズも8作目です。またプリモ・レーヴィを選びます。今度は「休戦(La tregua)」という作品へ。

La tregua

La tregua

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これまで読んでいた、アウシュヴィッツでの囚人経験を描いた「これが人間か(Se Questo è un uomo)」()の後日譚にあたる作品だそうです。

「これが人間か」は、最後に東部戦線でドイツ軍を蹴散らしたソ連兵の斥候がアウシュヴィッツに到着するところで、囚人(著者)の解放を仄めすように終わります。

でも、あれだけ苛烈な体験をしたレーヴィが、どう助けられ、どう回復し、どう帰国して、あの地獄道中記を書くに至ったかまでは明かされませんでした。

そのことに少しモヤモヤしたのですが、レーヴィがその部分を後日譚として別に残してくれていたのは僥倖でした。

「これが人間か」のSideBみたいなものでしょうか。またじっくり読んでいきたいと思います。

 

以下、紹介文です。

アウシュヴィッツを奇跡的に生き延びた主人公=作者(1919-87)が,故郷トリーノに戻るまでの約九カ月の旅の記録.帰還の旅を通して,愛,友情,そして自分自身を再発見し,生きることの素晴らしさ,世界の美しさに気づきはじめる主人公.アウシュヴィッツという死の世界を体験した者は,いかにして一度失った生を新たに獲得できるのか.

 

既に岩波文庫の日本語版は絶版で中古本しか流通していません。これ幸いということで日本語版は買わずに自力で読み進みます。大きなチャレンジになります。

 

さらには、RAI(イタリアの国営ラジオ)で朗読音声があったので、それをポータブルオーディオに取り込みました。

耳からの即訳も試みてみたいと思います(少しディクテっぽい)

 

目標日数40日と見積もります。5月中に終えられたら。

これが人間か(Se questo è un uomo)を踏破する

 

1ヶ月で何とか踏破しました。

イタリア系ユダヤ人である著者が、ナチスによって逮捕され、アウシュヴィッツに連行され、選別(虐殺)、飢餓、病気の中を生き延びて、最後、ソ連侵攻により解放されるまでの体験を記したものです。

とにかく、ユダヤ人囚人に向けられる悪意が終始一貫して凄まじすぎて、感想を形容する言葉が見つかりません。

辛いとか、重いとか、しんどいとか、どんよりするとか、可哀そうとか、悲しいとか、そういう言葉では軽いのです。

この本は世界各国で翻訳されて、イタリアのアンチファシズム文学の古典の1つになっているそうですが、間違いなく読み継がれるべき話ですね。

我々には、後世に語り継ぐ責任があるんだろうと思います。

 

文章自体は、同時期のファシズム下の素材を扱った文学者のパヴェーゼ、カルロ・レーヴィよりも読みやすく感じました。

突飛な比喩は少ないですし、関係副詞や関係代名詞を多用せず、:や;を使って文章をシンプルにまとめてくれています。

感情を殺して生き延びるしかなかった著者による、乾いた情景描写がアウシュヴィッツの寒々とした感じとマッチして何とも言えない雰囲気を醸し出しています。

 

あと蛇足。

作中、セリフも多いのですが、SS(親衛隊)などのドイツ人による命令や罵声のドイツ語と、フランス系ユダヤ人の囚人の話すフランス語が、原語のまま、イタリア語に混じってポロポロ出てきます。

著者が敢えてイタリア語に訳さない場面も多く、ニュアンスで察しろみたいな感じなのですが、さすがにドイツ語は無理でしたね。

日本語本の丁寧な解説なしで進むのは難しかったです。

 

 

(4/23追記 この話の続編を読もうと思います)

 

「言語の力」を読む

 

職場の語学好きの若手()が紹介してくれた本です。350ページほどの分厚い内容ですが、一気に読みました。

簡単に言えば、モノリンガルと比較したマルチリンガルの脳の働きの違い(知能、行動心理学的な優位性など)を説く本です。

論文引用も多く、統計的に優位か、あくまで推測か見込かもしっかり語られ、トンデモにならないようにはなっており、著者の知的誠実さを感じます。

全体的には、語学学習する方を勇気づける構成になっていると思います(モノリンガルに罪悪感を植え付ける構成ともいえるけど・・)

 

自分は長年語学の勉強を続けている割に、全然バイリンガルになれないままなのですが・・

少しずつ、本当に少しずつなんだけど、仕事運が上昇してきている感覚があったのは、語学の勉強を続けてたこともあったのかも知れないと思いました。

具体的に言えば、発想が前向きで豊かになるとか、俯瞰的に物事が見れるようになる部分とか・・うーん強引かなぁ?(あまりピンと来ないし)

まぁ、自分は能力開発とかキャリアアップを目的にフランス語イタリア語を勉強してきたわけではないし、これからも直感的に楽しいと思うことだけ続けていこうと思います。

 

最後にこの本の紹介文だけ貼っておきます。

自分では1つの言語しか話せないと思っていても、実際のところ人間の脳は、複数の言語を操るように設計されている―著者のビオリカ・マリアンは、その事実を明らかにした。スペイン語を話す人もいれば、日本語を話す人いる。それと同じ意味で、「詩」という言語を話す人もいれば、「数学」という言語に堪能な人もいる。しかし、ここでもっとも大切なのは、複数の言語を話す能力によって創造性の扉が開かれ、脳の健康や、認知をコントロールする力も手に入るということだ。そして、複数の言語を話せるようになりたいのなら、今この瞬間に始めることができる。新しい言語を獲得するたびに、情報をどう受け取り、どう解釈するかということが影響を受ける。何を覚えているか、自分自身と周りの世界をどうとらえるかということ、さらには感情、洞察、意思決定、行動も、話す言語から影響を受ける。情報を整理、処理、構築するときも、言語は欠かせないツールであり、だからこそ大きな進歩を起こす力にもなる。『言語の力』は、数多くの科学的な研究を検証し、新しい言語を学ぶことの利点を紹介している。