この歌を聞け

polnareff2007-07-01

カラオケ、ゴルフ、ボーリングというモノホンの不良中年に欠かせぬ3アイテムを紹介する深夜ローカル系のテレビ番組の司会をダンディにこなしつつ、一方では辰兄ィ率いる「不良番長」カポネ団の一員として悪事にもバッチリ活躍なされているオトボケ顔の鉄人、その名を鈴木ヤスシという。ほかに山城新伍、安岡力也、地井武男谷隼人らを擁するカポネ団には、作品のクライマックスに於いてメンバーの数人が死亡するが、次回作では当然のように復活する(役名を多少変えているが)という不文律が存在する。その全ての出演作でキザな台詞を一言吐いてコトリと死に続けた男、それが鈴木ヤスシである。ちなみにモンキーズショーもチンパン探偵ムッシュバラバラの吹替えも、東映アニメ「長靴をはいた猫」の主役ペロの声を担当したのも鈴木ヤスシなのだからと「ビックリしたニャー」なんて思わずテーマ曲のフレーズを言うが易し、更なる一方に持つロカビリー歌手の顔こそ本領で、伸びやかな美声で歌われる唄を聞けばと相成って、今回は70年代初頭にリリースされた幻の名曲「ゴキブリ天国」をご紹介させて頂く次第。ギンギンエレキにキメキメシャウトで、横丁の与太郎が思い付いたような滅亡思想を朗らかに声張り上げて歌うニヒリズムの裏返し。そのさまは「地球に落ちてきた男」を思わせ、コレこそが正統派グラムロックなのだと心刻み付けたという顛末。ではではみなさん、チャオー
鈴木やすし「ゴキブリ天国」
http://www11.axfc.net/uploader/16/so/N16_18874.mp3.html   パス:doku

しまなみとか言うバカは死ねばいいのに

polnareff2007-05-04

NHKBSで3日間連続放映された「怪奇大作戦セカンドファイル」、「ゼウスの鉄爪」「昭和幻燈小路」「人喰い樹」の3つのエピソードで、旧シリーズのエッセンスを凝縮して口開きする試みなのか、しかし恐らく期待は薄いように思える。冗長さを感じさせる半端な尺、テンポが悪く退屈なストーリー展開、パロディのような画面構成、Jホラーの旗手清水崇中田秀夫の起用も無意味に思える凡庸な演出は、以前リメイクされた「ウルトラQ・ダークファンタジー」のいずれのエピソードにも遠く及ばぬ低いクオリティ。大根揃いのミスキャストの内、何とか鑑賞に耐え得るのはココリコ田中(三沢京助)と寺田農(町田警部)のみ、清水紘治堀内正美原知佐子ら実相寺作品の常連が1シーンだけでも顔見せするのに安心すれど、岸辺一徳(的矢所長)と西島秀俊(牧史郎)の勘違い演技が決定的な致命傷を負わせている。彼らの空回りに起因する設定、名称、人間性などからディテールの隅々までの、まさに愚直と呼ぶに相応しい再現こそ「セカンドファイル」を駄作たらしめている原因であろう。共有幻想をリメイクするのではなく、いま一度パスティーシュやオマージュについて考察してもらいたい。さすれば無自覚と惰性のベクトルは作用されなかったであろう。あのテーマをサンプリングしたディーヴァ風のエンディング曲なども生まれなかった筈である。しかし高橋洋佐々木浩久には参加して欲しかった。

NADA

polnareff2007-03-30

今夜半より東京へ。ライブシリーズ「コヤニスカッティ・エコーズ」の二回目は「リヴァーブ・オーヴァーダブ」発売を記念して、大音響システムが噂のアースドムにて、ストラグル・フォー・プライドとDJブッシュマインドという最先鋭のサポートで、さてはおっさん連隊、今回の作戦名は「なしくずし」とならぬように願うのだが、そんな過剰と欠如を進軍するおっさん連帯は、各人それぞれによって曲タイトルの呼称が異なっており、正式題を答える者には小さく感嘆の声が洩れる有様であるリアリティ、そしてこれこそが本質であるというリアリティ。なぞとナナメ歩きも程々に突然語りたくなったので少々。
歴史の野蛮と文明の屍骸を暗示する試みであった「Der Dritte Mann(旧題)」から派生した「UN-T」と「NADA」について語る。「UN-T」とはモンタージュによる解放である。記号は相反する自在を有するゆえに自在である。ゆえに「UN-T」とは「ユビュ王」の略であり、「Untitled」の略であり、伏字された「連帯」であり、または綴りミスであり、そのいづれでもないのだ。だから全てはお前のことなのである。反して副産である「NADA」は、記号のモンタージュによる概念である。記号の自在ゆえに概念も自在である。ゆえに「NADA」とは、まさに「虚無」であり、「虚無」ゆえに「無」であり、「虚無」でしかありえない「実存」であるかもしれぬという概念の自在を意味している。これもまた全てお前のことなのである。つまり、これらの意味不明な言葉の羅列が「NADA」であり、そしてここに至る迄の経緯、及び暗喩が「UN-T」なのだ。  ナンノコッチャ
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