明るい部屋:映画についての覚書

日々の映画鑑賞と研究の記録、最新DVD情報などなど。ときどき書評めいたことも。


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神戸映画資料館「連続講座 20世紀傑作映画再(発)見」第15回
国辱映画『チート』とサイレント時代の知られざるデミル
詳細はここで。

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評価の目安:

★★★★(大傑作、あるいは古典)
★★★(傑作、あるいは必見)
★★(見たほうがいい)
★(興味深い)

(基本的に、興味のない映画はここでは取り上げません。なので、ここで話題にしている時点で、それなりに見る価値はある作品であるといえます。)

マルクス兄弟讃

ダリが描いたハーポ・マルクスの肖像




われわれが見た最初のマルクス兄弟の映画、『けだもの組合』は、私ばかりでなく、誰の眼にも、一つの異常なもの、日常的な語や映像の関係からはふつう生まれ出ない特殊な魔術を、スクリーンという手段によって解放したものと映った。そして、もし、シュールレアリスムと呼ばれる、精神の特徴的な状態、明白な詩的段階があるとしたら、この『けだもの組合』は、まさに完全にそれに加わるものである。

アントナン・アルトー

私の作品に最も影響を与えた人物が3人います。それはグルーチョ、チコ、そしてハーポ・マルクスです。

ウジェーヌ・イヨネスコ

ハルポマルクス神の糞より生まれたり

西東三鬼

あなたの肖像写真が手元に届き、歓喜しております。この写真は、すぐにも額縁に入れて、W・B・イエーツやポール・ヴァレリーなど、他の著名な友人たちの写真と隣り合わせに、我が家の壁に飾られることになるでしょう。

T・S・エリオット(グルーチョ宛の書簡より)

誰もが知っていると思うあの顔、マルクス兄弟4人の中で口のきけないあの男、ハーポの顔を思い浮かべてみればいい。ハーポ・マルクスの微笑みを浮かべた顔以上に、今目の前にある差し迫った一つの問い、人の心を奪い、混乱させ、吐き気を催させ、目前で起きる全てのことを虚無と深淵へと投げ入れる一つの問いを、投げかけるものが他にあるだろうか。その微笑みが、極度の異常を意味するのか、それとも完璧な愚かさを意味するのか、我々には見分けがつかないのである。マルクス兄弟の活動を貴重なものにしている絶え間ないジョークの連続による見事なファルスの横糸であり、題材にもなっている、全てを疑問に付し、過激に否定する空気を維持するには、この口のきけない男一人がいれば十分なのである。

ジャック・ラカン

『我輩はカモである』や『マルクス一番乗り』は最高です。私に言わせれば、これらの作品はどれもドキュメンタリーなのです。

フレデリック・ワイズマン




グルーチョ・マルクスに扮したウディ・アレン





2022年5月1日(日)〜5日(木・祝)
神戸映画資料館にてマルクス兄弟の特集上映が行われます。
その際、5月3日(火・祝)にレクチャーを行います。

予約受付中です。

詳細はこちらで。