日々の泡。

popholic diary

2024年5月3日~10日の話。

2024/5/3

祝日。7時起床。毎朝の習慣、NHKBSで朝ドラ「オードリー」。若き大竹しのぶ賀来千香子がバリバリと演技するも、藤山直美横綱相撲。で「虎に翼」へ。司法に介入しようとする権力への痛烈な批判を憲法記念日に見事にぶつけてきた。素晴らしい。今、言わなければならないこと、伝えなければならないことをしっかりと、それでいて大層面白くドラマの中で語っている。制作陣の気概を感じるが果たしてNHKの上層部はどう感じるのだろう。ドラマやドキュメンタリーと自分たちの報道との差を。報道部門はますます権力に迎合し政権の広報活動に余念がない。ドラマの作り手たちの気概を踏みにじるような自分たちの報道姿勢をどう思ってるのか。

で今日は一日映画の日だ。いつものごとく角田龍平の「蛤御門のヘン」を聴きながら京都へ向かう。昭和からタイムリープしてきたかのようなプロレス浪漫回。ストロング小林とタイガージェットシンの話が嬉々として語られる。最高!

とりあえず「なか卯」の親子丼で腹ごしらえ。クーポンで50円引きが嬉しい。値打ちあり過ぎの美味しさ。しかし親子丼以外のメニューもたまにはと思いつつ、やっぱり親子丼の誘惑に勝てない。

京都シネマにて濱口竜介監督「悪は存在しない」を観る。参った。何なのこの映画。自然に囲まれた長野県の小さな村。そこにグランピング施設を造る計画が持ち上がる。コロナ禍のあおりを受けた芸能事務所が国からの補助金事業として計画したもので、住民たちへの説明会が行われる。あまりに杜撰で一方的な計画に対して住民たちは反発する。だが、ただ反対しているわけではない。もともと移住者も多く比較的新しい土地であり、話し合いの上、ゆっくりと計画を進めて欲しいという真っ当な意見が。担当者は東京に持ち帰るも補助金事業ゆえ早急に進めたい社長とコンサル会社は聞く耳を持たない。住民側のキーマンと思われる、村の便利屋・巧とコンタクトをとり再び村にやってくる担当者。そして事件が起こる…。石橋英子による音楽とともにカメラは自然の中にある村に入り込んでいく。音楽が止み、物語が自然の中に割り込んでくる。なんとも不思議でどこか不気味。自然との調和、そのバランスの脆さ。唐突にそして衝撃的に展開されるラスト。えっ?と驚き考える隙すら与えずエンドクレジット。そしてエンドクレジットすら余韻を与えず一瞬にして消え去る。寓話にしては生々しく、現実にしては意味深すぎる。危ういバランスが一瞬にして崩れ去る。とにかく凄い映画を観た。

続いて2本目はアンドリュー・ヘイ監督「異人たち」。山田太一の名著「異人たちとの夏」をロンドンを舞台に映画化。大林宣彦の映画版も大名作。鶴ちゃんに泣かされたなー。でこちらの方は、ロンドンで暮らすアダムは40代の脚本家。12歳の時に両親を亡くし、一人孤独に生きてきた。ある日、自分がかって暮らした郊外の家を訪ねてみると、そこには父と母が亡くなった当時の若い姿で暮らしていた…物語の骨格は原作通りだが、そこにゲイである監督自身の物語が重ねられとても個人的な映画になっている。そしてそれ故に、そこにある切実さが胸を打つ。本当の自分のことを伝えられないままに両親は突然いなくなってしまった。深い悲しみを抱え、孤独の中に自分を押し込んできたアダム。両親、そして“恋人”との対話、触れ合いの中で冷たくなった魂は少しづつ温められてゆく。彼は自分を取り戻してゆくのだ。ふと墓参りに行きたくなることがある。今はもういない父に話を聞いてもらいたいと思う。多くの大人は大人のふりをしてるけど本当は子供だ。時々誰かに「大丈夫だよ」と言ってもらいたい。その一言を求めておっさんは墓参りするのだ。そんなわけで涙腺崩壊の見事な「墓参り」映画だった。

3本目までは2時間ほど時間が空くのでゼンデイヤじゃなくてサイゼリヤで一休み。ピザとティラミスとドリンクバー。しめて900円!コーラとピザを腕白に、ティラミスとエスプレッソでアダルトに。父さん、こんな大人になってしまいました。

サイゼリヤで一休みしつつradikoで「爆笑問題カーボーイ」。ウエストランド河本の謝罪。そういえば「いぐチンランド」事件の時も「爆笑問題カーボーイ」で報告だったな。あれは笑った。でこういう時の太田さんは最高。理想の上司だな。笑いにしつつ、叱るところは叱って、「むしろ俺らなんか、お前らにいい思いしかさしてもらってないからね。」の一言。優しいなぁ。

で本日の3本目は小路紘史監督「辰巳」を観る。組織の末端、裏稼業に生きる男、辰巳。元恋人・京子の殺害現場に居合わし、同じく現場にいた京子の妹・葵とともに逃げることに。生意気な葵と反目し合いながらも、姉の復讐を誓い犯人を追う葵に協力することになっていく。とにかく面構えがいい映画。役者陣はもちろん映画そのものの面構えが良い。ざらついた画、ハードな描写、容赦ない暴力と痛みがスクリーンから噴き出してくる、ひと時も目が離せない凶暴で切ない復讐劇。孤独な二人が死への道行きの中で疑似家族となっていく。例え辿り着いた先が地獄であったとしても、変化していく二人の関係がそれぞれに光をもたらす。血が滾り、胸焦がす、文句なしの傑作アクションノワールであった。主演の遠藤雄弥、森田想(主演女優賞物の熱き名演!)をはじめ、佐藤五郎、後藤剛範、やばすぎる悪役を演じる倉本朋幸と「いい顔」が詰まっている。傑作「ケンとカズ」から8年。待った甲斐がある大傑作!ガツンと強烈な映画だった。嬉しくなるな。

2024/5/4

土曜。今日も休みだ。妻が買ってきたちょっといい食パンを軽く焼いて朝食。美味しい。妻とリビングの掃除。マットを夏用のものに変えてヒーターとコタツを片付け扇風機を出す。で今日もまた映画。京阪電車に揺られ三条まで出る。映画まで少し時間があったので丸善で本を眺める。近所唯一の本屋は本棚スペースが縮小され、ほぼ雑貨屋になってしまった。子供の頃からきれいに本が並んだ本棚を観て歩くのが好きだった。中学生の頃なんかは休みの日は本屋でずらり並んだ文庫本やコミックの背表紙を端から端まで眺めたもんだ。本棚からはみ出して床に積み上げられた本を見て、いつかこれをずらっと本棚に並べたいという願望がいまだにある。残念ながらかないそうにないけれど。

でMOVIX京都にてイ・ハン監督「マイ・スイート・ハニー」観る。天才的な味覚を持つお菓子会社の研究員チホ。家と会社の往復、決まりきったルーチンで過ごす生真面目すぎる45歳。そんな彼が明るく前向きなシングルマザーとイルヨンと出会う。少々変わり者だが、心優しいチホに惹かれるイルヨン、そして恋を知らないチホもまたイルヨンに惹かれていく。そんな二人のロマンティックラブコメディ。チホを演じるのは我らがユ・ヘジン。今やその個性派フェイスで人情味あふれる庶民派親父から冷徹で重厚な悪役までをこなす国民的俳優ユ・ヘジンが生真面目純情男を演じる。「犯罪都市」での強烈な悪役で注目を集め「エクストリームジョブ」でお茶目な一面を披露した強面のチン・ソンギュが自信過剰でちょっとズレたお菓子会社の御曹司を、そんな彼と恋に落ちの元Secretのソナ。イ・ジュニョクやキム・ギチョンといった韓国映画お馴染みの脇役俳優たちが大いに笑わせてくれる。そんな中、カメオ出演するとある超大物イケメン俳優が一番の爆笑をかっさらっていく!白目剥いての熱演、さすがに笑ったなー。楽しく笑えて心温まる映画。ベタではあるんだが、名優たちが技術を駆使して演じるラブコメ、ちょっと深みを感じる軽演劇で満足度高し。

radikoで「ホンモノラジオ」「東京ポッド許可局」などを。そして江口寿史ゲストの「TOKYO M.A.A.D SPIN」を聴く。Dr.マシリトこと鳥嶋和彦氏との対談で、江口先生が最も影響を受けた漫画家「ちばてつや」論に。キャラクターを役者のように使い神の視点で物語を構築していく手塚作品、物語の登場人物たちに密着し、彼らの生活をドキュメンタリーのように描いていくちば作品。そんな手塚治虫ちばてつやの違いへの言及など興味深い。

ですぐに大津に戻り、商店街の床屋で散髪。髪を切ると心まですっきりするな。のんびり歩いて帰宅。昼ご飯食べてなかったので結局またトーストを。つくづく安上がりな男だぜ。天気も良いので少し散歩。100均とか覗く。

玉袋筋太郎著「美しく枯れる」を読み進める。言葉の一つ一つ、行間から滲み出る想いをじっくり嚙みしめるように読む。感想はまたちゃんと書きたい。

2024/5/5

8時起床。昼前に妻と娘夫妻といっしょに義母宅へ。スーパーでお寿司などを買って皆で食事。お祭りがあるGWに妻の実家で食事するのは結婚以来毎年の恒例。娘も小さいときは法被着て子供神輿といっしょに歩いたもんだ。そんな娘も結婚して夫婦で顔出してくれている。ありがたいことだ。のんびり楽しく過ごす。

NHKサカナクション山口一郎のドキュメンタリー。うつ病を発症してからの壮絶な日々。簡単なことは言えない。ただ息をのんで観た。誰にでも可能性がある病気だ。

2024/5/6

7時には起きられず、8時起床で「虎に翼」。SNSで「ドラマに政治を持ち込むな」と「虎に翼」を批判する記事が話題になっている。ここまでトンチンカンな奴がいるのだなぁと思うが、書いたのは現Abemaのプロデューサーだとか。さもありなん。「××に政治を持ち込むな」ほど政治的な発言はない。その矛盾にすら気づかない。ま、それぐらいにアレだからこそのトンチキ記事なんだろうけど。しかし「虎に翼」。家父長制万歳なクソ親父たちが一斉に攻撃ということは素晴らしい最高のドラマだってこと。

朝から妻といっしょに近所のお寺でやってるヨガ体験に参加。目指せ!鶴ちゃん。という訳ではないが。駅前を中心に出店が出たり、高校生がライブやってたりと地域のイベントの一環らしい。1時間ばかりヨガ体験。自分でも笑っちゃうぐらいに身体ガチガチ。前屈などはもはや90度が限界点。50肩で手は上がらんわで情けないったらない。でもたまにはこうして体を動かさないとな。

昼からちょいと仕事で会社へ。1時間ばかしで終了。GW中だしなんか食べたいものを食べようと、バーガーキングへ。先にアプリでモバイル注文してたんだけど、混みあっていて結局1時間近く待たされ持ち帰り。3時になっての昼食になってしまった。しかしチーズワッパー大満足のボリュームと味。美味しかった。

NETFLIXで「寄生獣」残り3話を。寄生獣大阪万博のミャクミャクに見えてきた。国民に寄生し血税を吸い上げる寄生獣。維新ともども駆除しないと大変なことになるぜ。でドラマはホン・サンス監督作でお馴染みのクォン・ヘヒョが渋い演技で物語をグッと締める。続編作る気満々のラストも気になる。

夜は久々にスパイスカレー作り。相変わらず味が決まらない。料理は気晴らしになるし、楽しいから好き。最近は帰宅も早いから週の半分以上は作ってるけど、イマイチ才能は無い。

2024/5/7

休み明け。ゆっくり仕事。

2024/5/8

営業で湖西方面に行ったのでついでに小野神社へ。先祖が祭られているというわけでもないけど、近くに行ったら寄るようにしている。境内の「パワーの木」でプラシーボ効果を得よう。…仕事の成果は上がらず。

TVerでドラマ「アンメット」観る。面白い。最初はやな奴かと思っていた岡山天音が回ごとに良くなっていくなー。もちろん杉咲花若葉竜也も素晴らしい。脚本が良く、俳優陣の演技が巧いと安心して観られるな。観応えあり。

2024/5/9

NHK+でドラマ「燕は戻ってこない」。ますます地獄味が出てきた。石橋静河内田有紀双方に襲い掛かる地獄。ますます娘を持つ身としては胸がつぶれる思い。こっちが泣きそう。「アンメット」でも嫌な親父を演じている酒向芳の絶妙すぎる嫌な親父っぷりが最低で最高。殴りつけてやりたい。

2024/5/10

「虎に翼」今日の回も素晴らしかった。弁護士試験に受かった寅子。周りから祝福されるも素直に喜べない。そのモヤモヤを言葉にする。それは現在にもつながる世界中の女性たちや虐げられている人たちの怒りだ。「まずは私を踏みつけているその足をどけろ。話はそれからだ」そんな強い想いが伝わってくる。意志を持っては論外だが、無自覚に誰かを踏みつけていやしないか。自分も含めて中高年男性はそこを常に考えておかなければいけない。自分も過去には男らしさの呪縛に囚われていたり、誤った不公平感からミソジニー的な行動や態度をとってしまっていたこともある。今もなお途上だろうけれど、しっかり意識していたいとは思っている。

昼はいっしょに外出していた上司とラーメン。義姉宅の近所に住んでいて義姉一家のことも知っているということが判明。世間は狭い。

夜は早めに風呂に入って、部屋で美酢のソーダ割を飲みながらゆっくり。金曜夜のこの時間が一番リラックスできるな。TVerでドラマ「滅相も無い」。タイムリーなことに「辰巳」で葵を演じた森田想さん主役回。言われなきゃ同じ俳優とは思えない真逆の演技で脱帽。素晴らしい。

2024年4月27日~5月2日の話。

2024/4/27

8時起床。玉子チーズのホットサンド。韓国風にフライパン一つで作る。トースターとは違う感じでパンが焼けて美味しい。朝日新聞の土曜版、松本隆さんのコラムではIU主演ドラマ「マイ・ディア・ミスター」のロケ地巡りした話を。松本隆すらも虜にする我らがIU。

いつものごとくradikoで角田龍平「蛤御門のヘン」聴きながら京都まで。大槻ケンヂが「蛤御門のヘン」スタン・ハンセンゲスト回についてライブで言及した話。ファンとしてこっちまで嬉しくなる。

で映画の前に丸善書店に寄って本を一冊。玉袋筋太郎著「美しく枯れる。」やっと購入。地元の本屋には売ってなかったので。

でMOVIX京都でチャン・ハンジュン監督「リバウンド」を観る。部員僅か6名の弱小高校バスケ部が全国大会に進出した奇跡の実話を映画化。廃部寸前の釜山中央高校バスケ部のコーチに抜擢されたのは元バスケ選手だが指導経験のないヤンヒョン。なんとか廃部を免れようとかき集めたメンバーたちは、身長が伸び悩みスランプ中の元スター選手、足首のけがで一度はバスケを諦めた元天才プレイヤーなどの寄せ集め集団。初試合を散々な結果で終わらせ部はバラバラに。だがヤンヒョンは独りよがりだった自分の指導を反省、もう一度立ち上がる=リバウンドを誓い、選手一人ひとりを再び呼び寄せるのだった。でもうここからはみんな大好き「がんばれベアーズ」方式で一度は挫折し、バラバラになった者たちがお互いのことを理解し信頼し合うことでもう一度立ち上がるのだ。こんなん、きらいなわけないでしょ。リアルなバスケシーン、笑いあり涙ありの王道の青春もの、そしてこれが実際の物語であるということ。ラスト、俳優たちが演じるシーンがストップしそのまま実際の写真に切り替わり、現在の彼らがどうなっているかがクレジットされるというノンフィクションもの定番の演出がバシバシに決まって大団円。すっきり爽やか気持ちよい映画だった。

市バスで移動して出町座まで。豆大福で有名なフタバは今日も大行列。商店街の餃子屋で少し遅めの昼食。出町で有名だった王将元店主の新たなお店。餃子と唐揚げ美味し。定食じゃなくて今度はビールのセットにしよう。

で本日二本目は青柳拓監督「フジヤマコットントン」。山梨県甲府盆地のど真ん中にある障碍者福祉サービス事業所「みらいファーム」。そこに集う人々、その日常を映すドキュメンタリー。青柳監督のお母さんが働いていて監督は子供の頃からよく出入りしていたのだという。それもあって青柳監督のカメラはごく自然ととけ込み、映される人たちも監督とカメラを当たり前のように受け入れている。「みらいファーム」では障害を持つ人たちが、農作物や花を育て販売したり、育てた綿花で糸を紡ぎ織物にし製品を作ったり、なかには絵を描いて個展を開いたりと、それぞれが自分たちの手でできることをしながら活動を広げている。思慮深く、丁寧にはたを織るめぐさん、お喋りでテキパキと仕事をこなすゆかさん、心優しく花を愛でるケンちゃん、ひたすらペンを走らせ一心に絵を描き続けるたけしさん、玄関の横でコツコツと綿繰り作業をしながら全てを観ているいちろうさんは森の賢者のよう。出てくる人たちはそれぞれに個性があり、それぞれに悩みや事情がある。仲の良かった職員さんがいなくなり一人ふさぎこむおおもりくん、そして最高なのがたつのりさん。「希望の花、咲かせてもいい?」などなど名言連発、恋に破れ一人泣いたりと魅力にあふれている。また彼が撮る写真がどれも素晴らしいのだ。カメラは優しく愛おしく彼らの暮らしを見つめる。そこには詩があり、絵があり、歌がある。育てた綿花を摘んで、糸を紡ぐ。糸の太さは均一にはならない。その糸を機織機でコットントン、コットントンとめぐさんとゆかさんが織り上げていく。ゆっくりと丁寧に織り上げられた綿布の風合い、その美しさ。柔らかで優しい手触りがスクリーンからも伝わってくる。そしてその感触がそのまま映画になっていた。なんだかちょっと泣けてくる。気持ちの良い涙が溢れる。大好きで大切な映画だと思った。

もう一つ観ている間に考えてたことがある。「仕事」について。僕は彼らのように「仕事」してるのだろうかと。彼らが手を動かし、身体を動かし、何かを生み出すように自分は仕事してるだろうか。口先三寸で金儲けしてるだけじゃないか。「仕事」ってなんだろう?そんな風に頭を巡らせていたらラストでたつのりさんがカメラを持つ青柳監督に問いかける「仕事って何?」と。うーんと悩みながら答える青柳監督。それにかぶせるようにたつのりさんが「仕事とは…」と語りだす。そこには明快かつ完璧な答えがあった。心が震えた。

日々の営み、そこで生まれる感情や想い、繋がり。彼らの日常を観ながら自分自身の生活や仕事を考える。「生きる」ということを足元から考えさせてくれる映画でもある。大傑作。多くの人に観ていただきたい。


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2024/4/28

朝から、妻と娘、義母と義姉宅へ。姪っ子が赤ちゃんを産んで里帰り中というので。赤ちゃんの頃から知っている姪がお母さんになって赤ちゃんを抱いている。目をくりくりとさせた小さな赤ちゃん。可愛くてすっかり和む。近所に住む甥っ子家族も合流。小学生と幼稚園児の男の子二人も、いとこになる赤ちゃんと初対面で興味津々。しっかり者の長男とのんびりした次男。この次男坊がなんとも言えないナイスキャラで楽しい。義母は3人の曾孫と一同に会えて嬉しそうだ。娘も赤ちゃんを恐る恐る抱かせてもらう。その姿を写真に撮る。レンズ越しに赤ちゃんを抱く娘を見てると胸がギュッとなる。ひとしきり赤ちゃんを愛でて帰宅。途中、皆で「和食のさと」でランチ。天丼と蕎麦のセット。安定感あり。義母宅で一休みして自宅。運転疲れでひと眠り。夜は娘も一緒にご飯。最近は家族と過ごす時間の大切さが身に染みる。

2024/4/29

祝日。フレンチトーストの朝食。朝から妻と庭木の剪定。夏が来る前にやっとかないと大変なことになる。さび付いたノコギリで必死に枝を切っていくが所詮素人。思うようにはいかない。3時間ばかりでゴミ袋7杯分の枝葉を切り落とし、クタクタ。

スパゲティナポリタンの昼食の後、妻と買い物。帰宅してNETFLIXでドラマ「寄生獣」観始める。まずは3話まで。このクオリティにこの面白さ、たまらんなぁ。しかしドラマは時間をとられすぎるのでなかなか観られない。妻は夜な夜なNETFLIXで韓国ドラマを観ている。TVer駆使して日本のドラマも相当チェックしてるし、僕よりもはるかにドラマ通だ。

2024/4/30

休み明け、火曜。月末で諸々処理。これからは幸せの為に真面目にやるのだ。といいつつ数字眺め胃を痛める日々。

2024/5/1

5月。もう5月か。radikoでスカート澤部さんの「NICE POP RADIO」聴く。ちなみにこの番組のディレクター氏は、昔「Saturday Night Culture Club」という深夜番組をいっしょに作っていたのだった。番組後半、ムーンライダーズ岡田徹氏追悼として「ダイナマイトとクールガイ」「さよならは夜明けの夢に」「涙は悲しさだけで出来てるんじゃない」の3曲を弾き語り。ムーンライダーズの曲としても、岡田さん作曲の曲としても大好きな3曲。美しく洒落てるけど人懐っこくポップな必殺の岡田メロディ。魂の継承を感じさせる素晴らしい弾き語り。沁みた。

2024/5/2

今日も一日働いた。まだまだ自分の理想とは程遠いけど。

で明日から休みなのでボンクラモードに切り替え。帰りにネットカフェで吉田豪斉木しげるインタビューを。掲載紙がなかなかの雑誌で、ま、おっさんだからもういいのだけど本屋で手にするにはハードル高し。ネットカフェならPCで読めるので、ここんとこのはずっとチェックしてる。マギー司郎からホープ中村ゆうじと「田端グループ」と続いたインタビューは中村ゆうじからの斉木しげるとラジカル人脈へ。シティボーイズショーは20年近く通ったが、斉木さんはシティボーイズショーではまさにスター担当だった。舞台映えする大芝居で、斉木さんが出てくると舞台は爆笑に包まれたもんだ。で飄々と大雑把、異常なほどの凝り性で捉えどころがない斉木さんにたっぷりインタビュー。しかし自己破産までしてる波乱の人生すらもさらっとあっさり。「自分は運が良かった」と語るなんというか大物ぶりが面白い。

NHK+で「燕は戻ってこない」を観る。もう胃がキリキリするようなドラマ。貧困にあえぎ生き辛さの中でこれでもかと追い詰められていく石橋静河演じる主人公。同世代の娘を持つ父としては見ていて辛いが惹きこまれる。くーっ。それからTVerでドラマ「アンメット」を。杉咲花若葉竜也岡山天音が絡んでと若き名優たち共演が素晴らしい。

2024年4月20日~26日の話。

2024/4/20

朝のうちに少し日記を書く。お昼前に家を出て大阪の上本町まで。かって務めていた会社のOB・OG会に参加する。新卒から10年務めた会社で退社して20年になる。その会社は数年前に倒産したものの人の繋がりは強く60人以上のOB・OGが参加。僕も久々にかっての上司や先輩、後輩と会って旧交を温める。美味しい中華を食べつつ、話をしているとまぁ皆年はとっているが出会った時の関係性にふと戻る。会合は苦手なクチだが、さすがに今日ばかりは懐かしく楽しかったな。きついことも多く、最後は逃げ出すように辞めたが、良い人に恵まれた会社だった。と、今だから言えるのかな。最後の抽選会ではお米が当たる。クジ運が悪くこういうのに当たったことないのに珍しいことだ。会が終わって、仲良しの後輩と喫茶店で久々にゆっくりK-POP談義。楽しかったなー。夕方には解散していい気分で電車に揺られて帰宅。働いてた頃は、大阪の会社から滋賀の家までの距離は遠く、疲れ切って歩く梅田の地下街は地獄のようだったのにな。

2024/4/21

いつものごとく妻と買い物へ。自販機で使えるアプリの引き換えクーポンの使用期限が今日までというので引き換えようとするもいくらやってもうまくいかず。老夫婦二人でスマホ片手に悪戦苦闘。結局探し回って4台目の自販機でやっとスマホと通信出来る。ペットボトル一本の為にどれだけもたついてるのか。先が思いやられるがこうして妻と二人でどーなってんのこれとか言いながらあたふたするのは楽しくもある。

レトルトカレーの昼食の後、「マルコポロリ」観つつウトウトと20分ほど午睡。

午後の映画劇場はアマプラでコード・ジェファーソン監督「アメリカン・フィクション」を観る。セロニアス・エリソンは小説家。「黒人」らしくない彼の小説は売れない。その上、母は認知症になり介護が必要。あてにしていた姉は急死し、兄は疎遠で頼れない。半ばやけくそで、黒人脱獄犯という設定で書いたステレオタイプな「黒人小説」がベストセラーに。自身が審査員を務める文学賞にノミネートまでされて…ってなお話。皮肉を込めた風刺コメディということになるのだろうが、複雑な入れ子状態もあり一筋縄ではいかない。アメリカにおける黒人差別の状況やリアルを知らないとなかなかわかり辛い面もあるのだろうと思う。映画は皮肉なコメディであると同時に今まで目を背けてきた家族や自分の現実に、目を向けざるを得なくなった男の悲喜劇でもある。ステレオタイプな黒人像を押し付けられ困惑する中で、自分もまた恋人やゲイである兄に対して自分の価値観を押し付けていたことに気付く。結局人は自分というフィルターを通してしか人を見られない。そんな矛盾がやるせない。

2024/4/22

水道橋博士×角田陽一郎×コトブキツカサの配信「博士と教授と寿司(コトブキ)と Vol.2」を観る。前回がかなり面白かったので今回も購入。某大物プロデューサー氏のことをなぜ嫌いなのか、その理由をきっちりはっきり話す角田教授は今回もキレキレ。博士は田原総一郎卒寿パーティーに潜入した話をたっぷりと。政治家、文化人、左右構わずいじって茶化してが出来る人はそうはいない。博士はやっぱり徹底的に「人間」に興味がある人なんだな。怒りんぼや威張りんぼの懐に飛び込んで、その発火点を探しに行く。なんなら時々点火しちゃう。ただのジャーナリストでもないし、ただの芸人でもない。極めて特異で危険なジャーナリストであり、藝人なのだ。

でそんな二人に挟まれ、進行を務めるコトブキツカサさんが素晴らしいのだ。すべてのボケや小ネタを拾い的確にツッコんでいくので、博士が安心してゆだねてるのがわかる。お見事。


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2024/4/23

久々に猫の話。ここ最近、庭先にやってくる2匹。ニャーニャーとうるさかったニャー坊は今ではすっかりおとなしくあまり鳴くことはない。随分図々しくなって、窓を開けると一目散に部屋に飛び込んでくる。お気に入りの爪とぎの上でひとしきり爪を研いで昼寝。家猫のおばあちゃん猫、クロの餌を盗み食いしては妻に叱られ庭に飛び出していく。

もう一匹。最近ふらりとやってくるようになったのは身体が茶色だからチャー坊。ニャー坊がおとなしくなったと思ったら、次はこっちがニャーニャーと餌をねだりにやってくる。ニャー坊とは特に喧嘩するでもなく、お互い何となくけん制し合いながらベランダの端と端に置かれた段ボールハウスで一休み。で喰うだけ喰ったらまたふらりとどこかに消えていく。

2024/4/24

YouTubeで「東野山里のインプット」紅しょうが、熊元プロレスが漫画「ドカベン」を語る回が面白かった。ドカベンリアタイ世代の東野幸治にほぼほぼ語られてしまう熊元プロレスに笑った。

最近は部屋にいるときはYouTubeを流しっぱなし。かれこれ10年以上、毎日のように韓国の音楽番組やらレーベルの更新をチェックしては「後で観る」に保存してたら、その数がMAXの5000に達してしまっていた。ということで消化すべく古い順からずっと流してんだが、追っつかない。消化するより追加するペースの方が早いぐらいで観終わる気がしない。何してんだ。

2024/4/25

朝ドラ「虎に翼」、ますます面白いな。セリフの一つ一つに志を感じる。ドラマは戦前の日本。家父長制が強く、女性の人権がまだまだ認められていない時代。過去の物語のはずが、まるで現代の物語のように思える。今、この国はもうほんとにひどい状態になっている。政治家は私腹を肥やし、何をやっても罰せられない。国民の生活はどんどん苦しくなる一方なのに、TVはいまだに何も言わず政権の共犯者に成り下がっている。国民が望まない法律ばかりが知らぬ間に成立してたり、差別主義者と裁判者に認定された男が作る歴史を修正するような教科書を国が認定する。狂ってるとしか思えない。だが、これが現実なのだ。宗教団体が推進する家族観が強化され、人権はどんどん軽視され独裁が強まっていく。政治屋政治屋によるクソ政治が人々を押さえつける。寅子たちが生きた時代に逆戻りなのか。いまこそ寅子たちのような先人たちの努力、闘ってきた歴史を想い、守らなければならない。より良い未来を子供たちの子供たちの子供たちへ。

2024/4/26

一仕事終え、後輩と遅いランチ。フードコートでカルビ焼き定食。たまには肉を喰おう。しかし自分はいつまでも下っ端の意識があるから、ついつい少し年下の後輩ぐらいの感覚で話したりするんだけど、向こうからしたら20歳も上のそこそこの上司になるのだな。そりゃ気も使うわな。

金曜夜は仕事モードからボンクラモードに切り替えの為に、ネットカフェでコーラ飲みつつ文春チェック。クドカン、町山さん、能町みね子さんのコラム、映画評などを。帰宅し、夜はTVerで今週分のドラマを。「滅相も無い」2話も面白かった。役者の力量が問われる特殊な空間での芝居は見ごたえあり。

2024年4月13日~19日の話。

2024/4/13

8時起床。玉子サンドの朝食。今日はのんびり京阪電車で京都まで。いつものごとくradikoで角田龍平の「蛤御門のヘン」聴きながら移動。ちょうど聞いてるところに角田さん本人からLINEが入る。スピってるなー。

でまずはMOVIX京都でパク・フンジョン監督「貴公子」観る。フィリピンで病気の母の治療費を稼ぐため地下格闘で日銭を稼ぐ青年マルコ。彼は韓国人の父とフィリピン人の母の間に生まれた「混血児」で、父の顔すら知らない。ある日、「父が探している」と尋ねてきた男たちに言われるままに韓国へ。その飛行機の中で「友達」だと名乗る謎の男が現れる。パリッとしたスーツを着て気障に笑う謎の男は韓国に着いた後も現れ執拗に彼を付け狙うのだが…。いやー面白かった。「THE WITCH/魔女」のパク・フンジョン監督だけに切れ味鋭くゴリゴリに殺しまくる韓国アクションノワール。だがポスターなどのシリアスでクールな印象ではなく、この謎の男「貴公子」がなんというか奇行を繰り広げる面白キャラでアクション<コメディ>ノワールの様相。謎解きミステリーな物語、ちょっぴりビターな社会問題も含ませつつ、カーチェイスに銃撃戦、接近戦と見せ場は当然盛りだくさん。そしてこの気障な笑いを浮かべる「貴公子」の言動が時にオフビート、時にベタな笑いを生みすっかり魅了された。クライマックスの種明かし、ダメ押しの大オチと最後までてんこ盛り。すっきり楽しい大エンタメだったなー。これはもうシリーズ化して欲しい。キム・ソンホのにやけ顔が最高。日本でリメイクするなら狩野英孝にやらせたい。そんな面白キャラだった。

バーガーキングハンバーガーでもと思ったが、長蛇の列で断念。通りがかったキッチンゴンが珍しく空いてたのでハンバーグピネライスの昼食。チャーハン、カレー、カツにハンバーグに目玉焼きと贅沢というかバカの食い物だなー。美味しかった。

で歩いて京都シネマへ移動。続いてはセリーヌ・ソン監督「パストライブズ/再会」観る。韓国ソウルで暮らす12歳のノラとヘソン。泣き虫のノラに寄り添うヘソン。まだ恋愛には満たない幼い二人の初恋。だがノラは家族でカナダに移住することになり離れ離れに。そして12年が過ぎ、今はNYで暮らすノラ。何気なくFaceBookでヘソンの名前を検索したら、彼がずっとノラを探していたことを知る。二人はソウルとNYにいながらネットで再会しビデオチャットで旧交を温めお喋りに夢中になる。だが、遠く離れた二人はちょっとした行き違いから再び離れ離れに。そしてまた12年。ノラは作家のアーサーと結婚しNYに今も暮らしている。恋人と別れ、休暇を得たヘソンはNYに。そして二人は24年ぶりに実際に再会するのだ。静かで優しく、ちょっと切ないラブストーリー。だがただの恋愛映画ではない。まだ幼く何者でもない12歳。あらゆる可能性があり未来に夢があり最初の分岐点を迎える。坂を上っていくノラ、まっすぐに進んでいくヘソン。二人がY字路で別れるシーンがとても印象的だ。そして24歳。いくつかの分岐点を経て辿り着きたい場所を目指し、何者かになりたいともがく。ふと振り返り12歳の淡い初恋を懐かしむ。だが今はそれより大切なものがあると先を目指す。そしてさらに12年。36歳。気づけば辿り着きたかった場所とは違う場所にいる自分。結局、何者かにはなれなかった。ふと立ち止まり、これで良かったのか?と自問自答する。そして二人は再会する。現実と記憶の中の淡い初恋。その距離を確かめる。ふと想う。今いる場所は自分が夢見た場所とは違うかもしれない。だが、確かにそれは自分が歩んできた道の先にある場所で、辿り着くべき場所だったのだと。悲しくはない、ほんの少し切ないだけ。NYで再会した二人が過ごす時間。再会できた喜びと、かっての自分たちに別れを告げる寂しさが交差する。二人は切なさを胸に、再び人生のY字路を別れるのだ。沁みた。でも彼らより先の未来、さらに12年と少し過ぎた年齢だから知っている。その切なさが懐かしく愛おしく感じる日が来ることを。

ま、50も過ぎると胸の痛みより膝の痛み、ときめきじゃなく不整脈、初恋どころか昨日の夕飯も思い出せない。きみまろかっ

余韻に浸りながら京都駅まで歩いて帰宅。

夜は部屋で日記書くも書き切れず就寝。最近は寝ることに執着している。

2024/4/14

いつものごとく妻と買い物。昼は娘も一緒に食べるというのでパスタ。張り切ってミートソースを作る。ま、ケチャップ味は大体美味しい。皆で食べて、妻と娘はM-1ツアーへ。僕は一人、マンションの臨時総会へ。新築で買ったマンションだがもはや築27年。建物も住人もすっかり老朽化している。将来的にどうなっちゃうんだろうとも思うが、ま、問題は先送り。1時間強で終了。天気もいいので少し湖岸を散歩。コーヒー飲みながら日記を仕上げる。

2024/4/15

暖かくなって昼間やたら眠い。山積みの仕事を片付けて帰宅。今日もさっさと寝る。

2024/4/17

最近、音楽のことをほとんど書いてないが、聴くのは聴いている。例えば以前からお気に入りのSSW、Kim Suyoungの新作。とにかく曲良し、声良し、演奏良し。スモーキーな歌声もさることながら、アコースティックギターの名手で新作メドレーをアコースティックギターで演奏するこの動画など観ると惚れ惚れしてしまう。

youtu.be

SSWで言えば日本でのデビュー(Rallyレーベルから!)も決まった、こちらもお気に入りのChoi Jungyoon。新曲はこれまたお洒落サウンドだこと。


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アイドル系はもはやほぼついてけてないのだけど、K-POPオジサン歴14年の私、最後の推しグループ「loossemble」の新曲もリリース。ブラックな事務所のゴタゴタで空中分解した12人組ガールズグループLOONA。今やCMクイーンとなったChuu、クリエイターとしても才能を発揮するYvesはソロに、そしてシャープなイメージの5人はARTMSとして、キュートなイメージの5人はLoossembleとして再始動。結果的に全員が救われた形になり、LOONA時代からのファンとしては楽しみが増えて良かったねということで。


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あともう一曲はラッパーKISUMの久々の新曲。ちょっとユーモラスで肩の力が抜けた感じが好き。


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2024/4/18

リアルタイムで見てるドラマは朝ドラと大河だけなのでTVerで少し気になるドラマを探る。もはや1時間ものは見切れないので30分物をいくつか。ディズニー+で一度見ている山本周五郎原作、クドカン脚本「季節のない街」。原作も読み終わったので再見。「不適切~」も悪くなかったが、圧倒的にこっちをお勧めする。クドカンの原点にして到達点だと思っている。人間てぇのはダメでクズでどうしようもない存在だけど、それと同時に愛おしくかけがえのない存在なのだと思える。「ほつれる」の加藤拓也脚本・監督のドラマ「滅相も無い」。突如現れた、7つの巨大な穴を巡る物語。豪華かつ一癖二癖ある役者陣が揃う。演劇的な空間で繰り広げられる、キリキリと胃が痛むようなセリフの応酬。惹きこまれた。今泉力哉監督の「からかい上手の高木さん」。主演の若い二人が初々しくもはや孫を観るような気持ちで観る。映画「怪物」の黒川想矢君の思春期中学生男子ぶりがかわいい。

2024/4/19

金曜。大した仕事はしてないが、連日数字とにらめっこで精神的にきつい。ボンクラサブカルおじさんなので、つくづく向いてないことしてると思う今日この頃。帰りにネットカフェに寄ってコーラ飲みながら文春など雑誌チェックして、ボンクラモードに切り替える。

TVerでドラマ「アンメット」観る。杉咲花若葉竜也の「市子」コンビ、もういいに決まってる。二人の佇まいがすばらしく、じっくりと鑑賞。

2024年4月6日~12日の話。

2024/4/6

8時起床。朝食は卵のホットサンド。平日はトーストだけだが、休日は卵をつける。ちょっとした贅沢ですよ。朝のうちに少し日記を書いて京都まで。角田さんの「蛤御門のヘン」をradikoで聴きながら京都駅から四条まで歩いて京都シネマへ。

まずはオ・セヨン監督「成功したオタク」を観る。ある男性K-POPスターの熱狂的ファンで、TV共演まで果たした「成功したオタク」だったオ・セヨン。だがある日突然、推しのK-POPスターが性加害で逮捕される。成功したオタクが犯罪者のファンになってしまうのだ。ただファンだっただけなのに、犯罪者を応援していた自分は何なのかと苦悩するオ・セヨン。そして自らカメラを抱え、同じように「犯罪者のファン」になってしまった同志たちに話を聞きに行く。推しが犯罪者になったことで、自分もまた加害の責任があるんじゃないかと悩む者、二度と人前に現れるなとかっての推しに怒りをぶつける者、もう誰かを推すことはできないと心を閉ざす者…監督もまた被害者と同じ女性として性加害で逮捕された推しを許せないでいる。だが、様々な推しグッズを捨てられずにいる。そこには確かに楽しく幸せだった時間の記憶が宿っているからだ。かっての自分、推しへの想い、今自分はどう考えているのかを監督との会話の中で言葉にしていく中でそれぞれが苦悩から解き放たれていくよう。監督のセヨンをはじめ出てくる「オタク」たちは皆、個性的でユーモラスで話している内容はシビアながら、そのやりとりはどこかユーモラスでほのぼのと楽しい。韓国と日本の違いなのか、皆、性加害に対して非常に厳しく、いくらかっての推しだといっても容赦なく断罪する。加害者に甘く、むしろ被害者を責めるような日本の雰囲気とは違ってそこはとても健全に思える。

radikoで「爆笑問題カーボーイ」聴きながら烏丸通を歩いて京都駅まで向かう。途中、少し遅い昼食はやっぱりなか卯で親子丼。安定過ぎて泣ける。で京都駅を通り過ぎてイオンのTジョイ京都へ。

本日2本目、ショーン・ダーキン監督「アイアンクロー」を観る。「鉄の爪」アイアンクローを必殺技にプロレス界でのし上がったフリッツ・フォン・エリック。彼はプロレスラー、プロモーターとして成功をおさめ、自分の4人の息子をレスラーとして育てる。映画は次男、ケビンの目を通してフォン・エリック家の運命を描く。絶対君主として一家を率いる父、フリッツ。幼い頃長男が亡くなり、次男ながら兄弟の長として弟たちを守ろうとするケビン。人一倍真面目で家族想い、だが父には頭が上がらずレスラーとしてもイマイチ華がない。そんなケビンに様々な試練が降り注ぐ。家族の中でも一番の長身で父からも期待をかけられる三男デビッドが日本での巡業中に急死。そこから一家の歯車が狂いだす。4男ケリーはデビッドに変わり念願のNWAチャンプになるも事故で足を失い、鎮痛剤とクスリを手放せなくなりやがては…。5男マイクも兄に倣いレスラーになるも試合中に肩を負傷し後遺症に悩まされた末に…その度に心を閉ざし、どんどん落ちてゆくケビンがもう不憫で不憫で…。父の強権の下で泣くことすら許されなかった男。自らを罰するようにトレーニングに励み、マッチョに体を鍛えあげながら心にはいくつもの深い傷がある。「フォン・エリック家の呪い」に囚われ彼はますます孤立を深めていく。「家族」が彼を縛り付け傷つけていく。だが、呪いを解き、彼を救ったのもまた「家族」だった。妻と二人の息子が彼を救う。子供たちの前で初めて涙を流せたとき、彼は男らしさの呪縛から解放されるのだ。いやーもう泣けた。ケビンを演じたザック・エフロンの名演がとにかく素晴らしい。歌って踊れるミュージカル俳優のイメージだったが、筋肉ムキムキの身体から醸し出されるレスラー独特の悲哀。見事なレスラー俳優ぶり。なんでオスカーにノミネートされなかったの?というぐらい。

フリッツ・フォン・エリックの息子たちが日本でデビューした80年代初頭は「プロレススーパースター列伝」を愛読し熱心にプロレスを観ていたので彼らのことは憶えている。フリッツ・フォン・エリックはリアルタイム世代じゃないが「プロレススーパースター列伝」で原田久仁信先生が描いたリンゴを握りつぶしてジュースにする姿が刷り込まれてるなー。息子たちは当時はアイドル的な人気で、印象としては線が細く強いレスラーという感じではなかったかな。デビッドの死は日本での急死ということもあり当時新聞でも報道され結構ショッキングなニュースだった。あと映画にも登場したNWAチャンピオンのハリー・レイスとかリック・フレアーが懐かしい。リック・フレアーは子供心にいけ好かないレスラーやなぁと思ってたな。のらりくらりとしてすぐリングアウトに持ち込んでちゃっかり防衛する卑怯者って感じで。映画はしっかりと人間ドラマなのでプロレス知らなくても全然OKだけど、知ってるとそれはそれで面白い。ま、とにかく大傑作であった。

2024/4/7

朝から妻と買い物。焼きそばの昼食。日曜の昼はうどん、焼きそば、パスタだねという感じでかわりばえしない。もう何100回と作ってるので手慣れたもんだ。基本休日のご飯はここ20年ぐらいほぼ作っているような気がする。

「マルコポロリ」観てから、妻と散歩がてら花見。天孫神社から長等公園、三井寺界隈と桜の名所を梯子。天気も良く桜も見ごろで人出も多い。妻とお喋りしながら2時間たっぷり歩いた。すっかり初老夫婦の休日だな。

NHK坂本龍一のドキュメンタリー。静かで壮絶な記録。言葉がない。まさに全身音楽家、涙無しには見られなかった。自分はあんな風に死を迎え入れることができるだろうか。

2024/4/8

昼から雨。春先はどうも体調がすぐれない。

2024/4/9

朝、NHKBSで過去の朝ドラ再放送「オードリー」を見てる。リアルタイムでは観てなかったので新鮮だが、かなり変なドラマ。藤山直美の天才ぶりが際立っている。

2024/4/10

朝と昼の温度差が凄い。身体がついていかない。しかし平日はほぼ書くことがないな。というか仕事の話はさすがに書けないのでそうなると平日のプライベートってまぁほぼ何もしてないに等しい。7時過ぎに家に帰りつき、ご飯食べて風呂入ってぼんやりテレビでも見て9時。1時間ばかり部屋で音楽聴いたりYouTube観たり。最近は10時過ぎには布団に入って11時には就寝。眠りが浅くて夜中に2、3度目を覚まし睡眠時間のわりに疲れは取れずの繰り返し。しかし、何でもないようなことが幸せなのだ。たぶん。

2024/4/11

夜、水道橋博士町山智浩の生配信。青柳拓監督も加わり、博士の選挙戦とその後を追ったドキュメンタリー映画について。当選した時点で一度完成したものの、その後博士は鬱病を発症。議員辞職となり休養の後、復活という現在までを追加撮影したのだという。町山さんから感想を問われ、涙をこらえ話すことができなくなる博士。公開はまだ先になるようだが、砂を掴んで立ち上がる博士の姿を見届けるしかない。倒れても倒れても、まだ始まっちゃいないさと立ち上がる。それこそが「たけしイズム」だろう。

2024/4/12

パク・ボラム死去の報。オーディション番組出身で2014年デビューのシンガー。近年ではOST歌手としても人気だった。今年デビュー10周年、まだ30歳。デビュー盤もすぐ買ったし、2017年のミニアルバム「ORANGE MOON」もよく聴いたな。死因などはまだわからないとのことだけど、K-POP好きになって10年以上になるが何人見送らなけりゃならないんだと切なくなる。

オーディション番組時代から30Kg減量しデビューという逸話を反映させたデビュー曲。溌溂としていて、人懐っこい魅力があってすぐに気に入った。


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まさかこんなに早く…。自分より若い人の死はこたえる。

2024年3月30日~4月5日の話。

2024/3/30

土曜。いい天気。今日は妻と1日デート。貰い物の京阪電車の県内乗り放題チケットが3月末までということで。最寄りの島ノ関から「光る君へ」ラッピング電車に乗ってまずは坂本まで。

駅で降りたのはほとんどが外国人観光客。滋賀の中ではまぁまぁの名所ではあるがよくピンポイントでここに観光へ来たな。良く調べてるんだなと感心。駅から湖岸へ向けて歩きつつ和菓子屋でよもぎ餅を買ったりして坂本城跡まで。目当てにしていた昨年発見された石垣跡は近隣住民の要望もあり今は隠されているとか。そこからまた松ノ馬場駅まで歩いてソフトクリームを食べたり、老舗パン屋でドーナツなどを買ってランチは古民家薬膳料理の店へ。直前に団体客が入ったらしくご飯が一人分しかなくなっちゃったとかで一杯のかけそば的に一杯のグリーンカレーを妻とシェアして。続いては山科まで行って駅前を散策。少し買い物してまた電車に乗って石山まで戻って妻の実家へ。向かいの神社で桜まつり。たこ焼き食べて、肌寒くなってきたので石場まで。そこから歩いて家まで帰る。電車も乗ったがそれ以上によく歩いた。実に28000歩。マンションに戻るとドアの前にゴミ袋が。荒手の嫌がらせか、引っ越~せ~と思われてるのかと妻とビビってたら、家の中から娘が出てきた。湖岸で友達とBBQして持ち帰ってきたゴミだと。

2024/3/31

年末に亡くなった祖母の法事。妻と京都のお寺へ。叔父、叔母夫婦、母、兄、いとこ、皆で納骨式。お寺の幼い娘さんが鈴を鳴らしたりちょこまかとお手伝い。微笑ましく和む。そのまま実家へ行って食事。兄と僕、いとこ兄弟の4人は年も近く子供の頃から正月やらお盆に祖母の家に集まってはよく遊んだ。当時は東京で働いてた叔父は盆と正月には帰ってきてよく僕らを遊びに連れてってくれた。叔父はもう80歳を越えているし僕らもみんな50代。なんかしみじみとする。先日喜寿を迎えた母は相変わらず元気で一人喋って、ご飯の用意やらなんやと忙しない。そんな姿を見て母の兄と姉である叔父、叔母が「ホンマによー喋るなー。ついていかれへんわー」だって。世の中にはいろんな家があるが、僕はホント家族や親せきには恵まれたなと思う。皆、ちょっと呑気でギスギスとしたところがない。もちろんここに至るまでは紆余曲折あったものの年とっても皆でこうして集まって笑っていられる。ありがたいことだ。

行き帰りの車中では「東野幸治のホンモノラジオ」。映画や配信、漫画とインプット量が半端ない。あれだけの忙しさでよくそんなにインプットしてるなと感動。

2024/4/1

4月。新年度。またハードな一年が始まる…。夜NHK+でドラマ「ケの日のケケケ」を観る。感覚過敏と共に生きるあかね。入学した高校には、部活動への入部を強制する校則が存在した。音や光、あらゆることに過敏で日常生活もままならないあまねにとってはそれはとても難しく、自ら「何もしない」を掲げた「ケケケ同好会」設立に動き出す。「感覚過敏」を「治してあげよう」と大人たちは自分たちの当たり前を押し付ける。主人公は理解して欲しいという境地からとっくに降りている。自分は自分の機嫌を取るべく過ごすからそっとしといてねというだけのことが許されない。寛容を求めてるんじゃなくてただ自由にさせて欲しいと訴える主人公。許す許さないじゃないし、そもそもなぜ許す/許さないのジャッジをマジョリティ側に握られなきゃならないのか。わかってくれなくて結構、わかり合えないことをわかってくれよということ。物語は柔らかく進むが中身はシビアでハード、マイノリティ側の血の滲むような叫びだ。

2024/4/2

NHK+で「未解決事件/下山事件」ドラマ編を観る。占領期だった1949年7月、国鉄下山定則総裁が突然失踪し、礫死体で発見された「下山事件」に迫る。韓国の社会派映画のような雰囲気。俳優陣の積み重ねていくような演技で昭和最大の不可解な事件を描く。事件を追う検察、ジャーナリスト、真相はすぐそこにというところでストップがかかる。反共の名の下、仕掛けられる陰謀に翻弄され、時の権力によってうやむやに。70年以上前の事件でありながら、過去の事件という気がしない。全く同じ構造で今もまだ同じようなことが繰り返されている。それもどんどん処理が雑に稚拙に劣化した状態で行われ、もはや隠そうともせず開き直った態度で繰り返されている。ドラマはあえて今の時代にぶつけてきたんだろう。この国の検察やジャーナリズムにはっきりとメッセージを送っている。だが、皮肉なことは今、最も骨抜きにされ権力の暴走の共犯者と成り下がっているのがNHKだということだ。

2024/4/3

会社帰りに本屋で「文春WOMAN」爆笑問題・太田さんの松本人志についての文章を読む。的確な松本人志論であり、お笑い論。水道橋博士さん言うところのNSCという「新しい学校のリーダー」から「新しいお笑いのリーダー」になったことで生まれた権力構造。この事件に関してマスコミ、特にTVがもはや身動き取れなくなっている原因がそこにある。しかし問題発生後の松本人志の対応は全部間違っている感があるな。自ら自分の首を絞めに行って、復帰の芽を摘んでるとしか思えない。芸人としては間違いなく天才だ。少しでも心当たりがあるのなら、謝罪すべきところは謝罪し、弁明すべきところは弁明すればいい。もうTVに出ることがなくなったって、ライブでも配信でもなんだってできるし、今以上のカリスマ性も収益も得られるだろう。

夜「水曜日のダウンタウン」。松本人志が居なくなってもTVは毎日穴が開くことなく放送される。世間はもう松本人志がいないTVにすっかり慣れてしまっているし、SNSの中以外は誰も話題にしていない。残酷だけどこうして進んできた。

2024/4/4

水道橋博士×角田陽一郎×コトブキツカサによるライブ『博士と教授と寿司(コトブキ)と』配信にて視聴。角田陽一郎さんが語った某出版社社長の最低最悪な振る舞いに呆れる。自分をもっと褒めろ!と局に乗り込み、怒鳴りつけ謝罪を要求する。漫画に出てくるクソ権力者そのものの振る舞いじゃないか。人としてクソダサいなー。そしてそこに付随するヒットメイカーの態度も酷い。角田さんが言うように「薄っぺらい」。角田さんとは同年代だし、そのヒットメイカーが芸能界を席巻していく様はずっと観てきた。だが、その人が作り出すものに一度も心を動かされたことはない。「薄っぺらい」はまさに言えて妙で、もう「薄っぺらい」としか言いようがない。それは彼がヒットメイカーとして一世を風靡した理由でもあるし、僕の心にまるで響かない理由でもある。角田さんと僕の共通点があるとすればムーンライダーズファンということ。ヒットメイカーがおニャン子で芸能界を席巻していた頃、こっちはムーンライダーズの音楽に痺れ、慶一さんや博文さんの詞に胸を鷲掴みにされ心酔していたのだからそりゃ「薄っぺらい」と感じるわな。ヒットメイカーが手掛けた数多くの詞は確かに巧い。時代を捉え絶妙な匙加減で感情を撫でる。だけど「薄っぺらい」。まるで心には響かない。

とまぁそんな発言が飛び出したりのスリリングなライブ。角田教授に負けず劣らず危険球を投げ込む博士。二人の間ですべてを拾い、受け、返し、トークショーとしてエンタメ化していくコトブキツカサさんの腕の良さにも感動した。プロの技、素晴らしかった。

twitcasting.tv

2024/4/5

朝ドラ「虎に翼」。日本初の女性弁護士を伊藤沙莉が演じるってもうそれだけで面白そうだが、実際に素晴らしい滑り出し。OPも軽やかで良いね。

仕事で京都へ。桜も見ごろで祇園あたりは観光客でごった返している。春が来たなー。新しい年度が始まる春は昔から苦手だった。臆病だから学生時代からクラス替えは恐怖だったし新しい環境に慣れるのに時間がかかってしまうたちだ。もうさすがに慣れてもいい年齢というか、慣れなきゃおかしい年齢なんだが、いまだにそうなんだから呆れる。サラリーマンになってからも持ち前の器用貧乏さが災いし、やたら異動の多い人生だった。さすがにこの春は異動ということはないが、新たな体制で人を率いていかなければならない。ただのクソサブカルおじさんとしては気が重ぇーなー。

2024年3月23日~29日の話。

2024/3/23

8時起床。午前中はradikoで角田龍平の「蛤御門のヘン」スタン・ハンセン、ゲスト回聴きながら日記を書く。5歳の角田龍平君がTVを観て思わず「お母さん!ハンセンが、ハンセンが全日に~」と叫んだという、全日本プロレスにハンセンが初めて現れた日のことは僕も鮮明に覚えている。ザ・ファンクスVSブロディ・スヌーカ組の世界最強タッグ公式戦。ブロディ・スヌーカ組のセコンドとして現れたのがテンガロンハットをかぶったスタン・ハンセンだった。新日のエース外人だったハンセンが全日に!の衝撃。そしてその後の試合で起こった衝撃の事件。場外に落ちたテリーにハンセンのラリアットが炸裂する。ファンクスを応援していた11歳の僕は「ハ、ハンセンなんてことをっ!おいっ、ジョー樋口!なんで見てないねん!」と怒りの矛先をジョー樋口レフェリーに向けていた。同い年のマキタスポーツさんやプチ鹿島さんもこの試合のことをいまだに熱く語られているが、当時のプロレス少年たちにとってどれだけの衝撃だったかということだ。いまでもブラウン管に映った信じられない光景を兄貴と二人で大騒ぎして観た興奮がふっと胸に蘇る。53年生きてTVもかなり見てきたが、今も忘れられないNo1の衝撃だったなー。でそんなスタン・ハンセンが「蛤御門のヘン」に登場。全日本プロレスに登場!よりも衝撃的で意外性がある。竹内義和先生が長年語ってきた「ハンセンとアンドレが肩を組んで映画を見に来ていた!」という眉唾物の目撃談。真実なのか幻なのか、ついにその答えが明かされる。それにしても涙の塩味が付いたパンをかじっていたあのハンセン(「プロレススーパースター列伝」より)が「蛤御門のヘン」で角田さんと喋っているとは。事実は小説より奇なり。まさに出会いの天才、角田さんに舞い降りた奇跡であり、星座が繋がった瞬間だった(ONO談)

昨日の残りカレーの昼食を食べ、雨の中歩いてユナイテッドシネマまで。ドゥニ・ヴェルヌーヴ監督「DUNE 砂の惑星Part2」を観る。惑星デューンを巡る全宇宙をも巻き込む壮大な物語である。ギュッと要約すると「ティモシー・シャラメが頑張る話」となる。骨伝導イヤホンみたいなのを鼻に付けて、鳥取砂丘みたいな惑星でごっついウツボの親分みたいなのに乗って、ティモシー・シャラメがてんやわんやの大騒ぎ。あのヒロインもいいね。名前なんだっけ、ほらサイゼリヤみたいな…そうそう、ゼンデイヤがまたシュッとしてて最高。以上、世界一アホな「DUNE 砂の惑星Part2」の感想でした。

夜、配信で「水道橋博士 VS 東野幸治 with 吉田豪 Vol.3」を観る。3回目ということで3人の息もぴったり。サクサク、トントンと話が進んで…行くわけもなく、Deepな芸能界裏面史を時に寄り道、さらに深堀りしながらレシーヴ、トス、スパイクそしてアタックと決めていく。そして中盤に登場したのがスペシャルゲスト、ガダルカナル・タカ。テレビでは封印した限りなくブラックに近いグレーな話を振り下げていく。過去最もDeepな内容ながら東野幸治ガダルカナル・タカと長年TVの一線で活躍する華のある二人のショーアップされた語り口でPOPに昇華。ダークな内容もいつしかロマンとファンタジーに溢れた夢物語に。面白かった!

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2024/3/24

夜中、何度となく目が覚めてスマホ観たり音楽聴いたりで睡眠が不十分。

いつものごとく妻と買い物。スーパー、ホームセンター、ドラッグストアを梯子。蕎麦の昼食の後、少し昼寝して「マルコポロリ」「黒田有生前葬」「旅猿」とTVで東野幸治3本立て。夜も早々に寝る。

2024/3/25

今日も雨。気圧の関係か、すこぶる調子悪し。なんとか仕事は乗り切るが倦怠感に覆われる。夜は早めに布団に入りradikoタイムフリーで「東野幸治のホンモノラジオ」。どんだけ東野幸治を追っかけてるのか

2024/3/26

今日も雨。

2024/3/27

今日は晴れ。

2024/3/28

年度末で諸々忙しい。営業マンの辛いとこは3月末でどうにかこうにか目標に辿り着いたところで、一夜明けて新年度に入った途端、新たな目標に向けて走り出さなければならないところだ。一時も休む間がない。数字を背負って競争社会の前線に立つことのストレスやプレッシャーはかなりきついものがある。自分は性格的につくづく営業に向いてないし、その苦しみで時に気が狂いそうになる。早く営業から卒業したいと頑張ってきたのだが、その頑張りが裏目に出て、どんどんどんどん前線に追いやられ、気づけば営業を率いる立場だ。今もなおもがき苦しんでるから、下の者たちにその苦しみを与えたくないと思ってしまう。はい、愚痴は以上にしとこう。考えるとシリアスになり過ぎてしまうから。

2024/3/29

朝ドラ「ブギウギ」最終回。今作はとにかく主演の趣里が良かった。これにつきる。彼女は観れば観るほど魅力的な顔をしている。笑い顔、泣き顔、真顔、ころころ変わる表情、歌って踊る姿は見ていて楽しく惹きこまれた。

で仕事片付け、とにかく今年度は終了。会社帰りに「オッペンハイマー」だ。

ということでユナイテッドシネマでクリストファー・ノーラン監督「オッペンハイマー」を観る。3時間の長丁場ながらしょっぱなからフルスロットル。早口でまくし立てるようなスピードと圧でオッペンハイマーの物語が描かれる。町山さんの解説を参考に、事前予習をしていたのでなんとかぎりぎりついて行けた感じだが、感情が感想に置き換わる前に次のシーン次のシーンと進んでいく。その天才性ゆえに、周りの人や言葉に目をくれることもなく「原爆を作る」ということに猛進していく男。ついに原爆は完成するが、その先に待ち受けていたものは。出来上がった原爆を使う判断をするのはお前じゃないと国に召し上げられ、はじめて自分の罪を知る。当然ながらこれは英雄譚ではないし、原爆出来て良かったねなんて話ではない。オッペンハイマー罪と罰、科学者たちの葛藤、そして国を巻き込んだ出し抜き合い、男の嫉妬が生む醜悪な陰謀と盛りだくさんの人間ドラマが強烈な音と映像、ドアップで映し出されるオッペンハイマーの顔といっしょに一気に脳内に注ぎ込まれる。とにかくまだ感想が追い付かない。凄まじい映画だったとしか言いようがない。

帰宅しすぐに「不適切にもほどがある」最終回。楽しく観終わる。しかしまー賛否巻き上がったドラマだったな。自分にとってはやっぱりそれはノイズになってしまった。様々な感想があるのは当然だし、批評も批判も絶賛もいいのだが…。クドカンの最高傑作とまでは思わないけど、最終回では「転校生」や山田太一オマージュなんかもあって同い年のクドカンが描く世界はやっぱり楽しかった。一部で言われたような昭和万歳、コンプライアンスくそくらえ!なんて話では全然ないタイムトラベル人情噺であり根底には人間賛歌を感じたけどな。登場人物たちは愛すべき正しくない人たちだが、彼らが少しずつ学びながら、未来の為に、子供たちの子供たちの子供たちの為に何ができるかを考える話だと思った。あと自分の状況もあり、父と娘の物語としてぐっとつかまれた部分もある。これも僕の個人的な感想だけどね。認識の甘さや勉強不足、弱者への配慮の無さなど批判すべき点はあるし僕もそれを感じる部分はあったが、物語の行間に勝手な解釈をつけ足し拡大解釈して、作者であるクドカンその人を邪悪だと断罪、悪意をもって描かれたドラマだとするのはさすがに言い過ぎだと思う。ま、どっちにしろ目に入ってくるドラマを巡ってのSNSでの対立には相当気が滅入ったので、やはりSNS断ちすべきだな…とブログに書く矛盾よ。