5月16日〜6月15日の期間中に詠んだ短歌(12首)

 
 脚細き少女が四人軽やかに歩道橋などないかのごとくに
 名も知らぬ女子高生が骨折しそれが日に日に快癒してゆく
 一枚のワンピ着回す七日間 毎夜のごとくSEXしていた
 くのいちの三つ子唱えし分身術 十人以上は数えもしない
 ミホちゃんの愛されキャミは愛されずシュンの手によりズタズタになる
 ワンピにもスカートにもなる2WAYはお前みたいな女にぴったり
 五月場所 夏の放課後をとめごら汗のぬめりでちゃんこが進む
 夕涼や美少女たちのランジェリー明日の期末は英語と数学
 籐椅子にパイル地心地よき義妹 意外な巨乳が無防備すぎるゼ
 ガーリーなミニスカートにこそあえてスニーカーとか合わせてみようよ
 小悪魔な女目指した瞬間にお前は失格それゆえによい
 美少女の初夏のブラウス透け見えて紫陽花の色深くなりゆき

5月の有季定型俳句 「KUCHIBASHI DIARY」より

 
 01日 初恋のをとめの涎 朧なりけり (朧:春)
 02日 パンティーや幼馴染が橇しまふ (橇しまふ:春)
 03日 牛蒡蒔くアイツにゃ誰もかなわない (牛蒡蒔く:春)
 04日 十五歳枝垂桜を見てわらう (枝垂桜:春)
 05日 子供の日十一歳に叱られる (子供の日:夏)
 06日 片想いす子の弟の鯉幟 (鯉幟:夏)
 07日 をとめごら制服重ねて吹流 (吹流:夏)
 08日 半身を菖蒲湯浸らせ破瓜だった (菖蒲湯:夏)
 09日 この紐でおまえ粽に夜の底 (粽:夏)
 10日 柏餅 喰いすぎ姪に叱られる (柏餅:夏)
 11日 武者人形を脱がせば裸の気まずさよ (武者人形:夏)
 12日 毎年の端午に来るOGかな (端午:夏)
 13日 母の日やをとめごもまた祝う也 (母の日:夏)
 14日 女子校の余花に目を遣る者はなく (余花:夏)
 15日 第五回青梅高校生徒会 (青梅:夏)
 16日 四明忌やをとめござっと八万人 (四明忌:夏)
 17日 亀頭舐めワンピース着て南風 (南風:夏)
 18日 叔父さんが小鹿と喧嘩し勝利した (小鹿:夏)
 19日 首筋の汗を舐めれば梅酒哉 (梅酒:夏)
 20日 ハンモック娘と姪と義妹かな (ハンモック:夏)
 21日 五月場所 夏の放課後をとめごら (五月場所:夏)
 22日 娘結うポニーテールや柿若葉 (柿若葉:夏)
 23日 夕涼や美少女たちのランジェリー (夕涼:夏)
 24日 妹の素肌の白き更衣 (更衣:夏)
 25日 干飯をポーチ忍ばす女さね (干飯:夏)
 26日 妹が笑って牡丹を棄ててゐる (牡丹:夏)
 27日 先輩の乳房先っちょ桜の実 (桜の実:夏)
 28日 初めてのエッチしたっけ業平忌 (業平忌:夏)
 29日 多佳子忌に生まれしじょっちゅの自由哉 (多佳子忌:夏)
 30日 あたいらとバンドしようよ麦の秋 (麦の秋:夏)
 31日 皐月なぜなぜ発育し破瓜来るや (皐月:夏)

学年題俳句1000詠講評 008 色情 高校3年生

 
 高校3年生の題は基本的に難しいが、この題は特にそうだろう。ただでさえ少女性の薄れた高校3年生だというのに、しかも色情をテーマに句を捻らなければならない。18歳の女の色情は、もはやリアルすぎて嫌悪感さえ生じかねない。しかしその一方で、近ごろ「non-no」を購読するようになって気が付いたこととしては、この女が大学生になると不思議とまた少女としての輝きを取り戻すのだ。思うにこれは高校3年生という立場が、少女を必要以上に女にさせているということだろう。なのでこの題では、「本当はまだ少女なのに女であることを余儀なくされている違和感」のようなものが表せればよかった。
 

色情を知らぬをとめに欲情し
  (「TEEN×TEEN×SEVENTEEN」  purope★papiroさん)

 
 しかし今回papiro氏の句は、残念なことに「18歳の女」と「色情」というキーワードに完全にやられてしまっている。そんなの僕の句のテーマじゃないやい、とばかりにそれを詠むことを放棄した。
 

色情に気づきしかむや加奈の貌
  (「TEEN×TEEN×SEVENTEEN」  purope★papiroさん)

 
 これもまた「大人の女になってゆくことを受け入れられない少女」ということで、正面からそれに向かっていっていない。この加奈はおそらく高校3年生ではない。2年生の3月くらいだ。これは題詠句作においてあまり感心できる手法ではない。
 

第4の色情被害者加奈っぺだ
  (「ホガラカノイロオゼ」 まひろさん)

 
 しかし心優しきまひろさんが被せたことにより、papiro氏の加奈の句はなんとか存在意義を保つ。まひろさんは現役の高校1年生の少女として、「色情」を得体の知れない侵略者と見立ててみせた。加奈君
 

色情が野越え山越えわれめがけ
  (「ホガラカノイロオゼ」 まひろさん)

 
 おそらく少女たちにとって、「色情」は第二の初潮なのだ。やってくる時期に個人差がある。高校3年生が近付くに連れて、クラスメイトたちへ次々と「色情」は襲い掛かってくる。そしてやがては私自身へも。この句にあるのはそれへの嫌悪感ではない。諦観である。しょうがない、と達観している。本物の少女だからこそ詠める圧倒的なリアルがここにある。
 

SEVENTEENもれなく色情ついてます
  (「Jeux interdits!」 ルネさん)

 
 そしてその「色情」の使者としてまず少女たちの前に現れるのが「SEVENTEEN」だ。「SEVENTEEN」ほど「色情」に毒された雑誌はない。私などそのあまりの度合いに嫌悪感を抱き、「non-no」に乗り換えたほどだ。ちなみに「SEVENTEEN」は039で高校2年生の題として現れるのだが、この句の場合は仕方ない。「色情」のほうがあとに来ていることもあり、これは十分に「色情」の句である。
 

われもまた色情軍に降るとき
  (「ホガラカノイロオゼ」 まひろさん)
色情の我は産物加奈悟り
  (「TEEN×TEEN×SEVENTEEN」  purope★papiroさん)

 
 そして少女は「色情」の前に屈服する。あかんウチ、初Hの平均年齢を聞いて焦っとる……。男の子のアレのことを、夜に部屋で小一時間ばかり想像しとる……。だがこれは一種の催眠だ。まだ君は立派な宇宙飛行士なのに、もうすぐ制服を脱ぎ新しい世界に旅立つという焦燥が闇雲にエロを急がせているのだ。高校3年生はエロ急かされている。世に言うエロセカ現象、ウラシマ効果だ。そして秀吉のごとき少女たちは「女」という名の一夜城を築く。
 

色情という名の電車でキセルする
  (「Jeux interdits!」 ルネさん)

 
 そう、それは要するにそれはキセルのようなもの。規定の料金を支払っていないのに目的地へ着こうとしている。それが破綻したときどうなるかなんて考えていない。お金がないんじゃない。もったいないんだ。ウチ、制服を着ている間に好きな人に処女をあげたいんや。これってホントに悪いことなん? ねえ先生!

3月21日〜5月15日の期間中に詠んだ短歌 (12首)

 
 性欲のおさまらぬまま少年が卒業証書を受け取ってゐる
 4Pを実現するにはメンバーが3人くらいずっと足りない
 少年のペニスを奪い合うふたり ねえブレザー派? それともセーラー派?
 ほうれん草が姪の乳首を隠す宵 入学式の前夜の叔父貴
 靴下をこちらに向かって投げつけてなおも怒れる娘十七
 異世界の処女集団の黒魔法 我を呼び出し勃起しぼまず
 各組の二番にかわいい女生徒を理事長室に集めなさいよ
 キャミソール、ブラジャー、ショーツ、上流へ進むに連れて落ちているなり
 飼育部の先輩とした初キスはちょっぴり兎臭かったっけ
 来年は中学生になる美咲フラフープ持ち遊び出掛ける
 セックスをした翌朝の砂浜で無邪気に笑う素肌まぶしや
 夏服の目映き素肌のなかにいて手首を出せぬ姪の冬服

4月の有季定型俳句 「KUCHIBASHI DIARY」より

 
 01日 夏帆はもう処女じゃないんだ四月馬鹿 (四月馬鹿:春)
 02日 妹のベッドの温もり初桜 (初桜:春)
 03日 蕨餅 赤面しながら喰う乙女 (蕨餅:春)
 04日 花の名を知るとて無邪気な「いぬふぐり!」 (いぬふぐり:春)
 05日 雁風呂に男の子っぽいハーフ少女 (雁風呂:春)
 06日 春の野に重なる裸の姉妹哉 (春の野:春)
 07日 アネモネが隣家に育つスリル哉 (アネモネ:春)
 08日 喩えればパンナコッタと沈丁花 (沈丁花:春)
 09日 鰆喰い血を吐くキャプテン死なないで (鰆:春)
 10日 ヒヤシンス股間に挿してヒヤしんす (ヒヤシンス:春)
 11日 若草の生え揃わぬに萌え出づる (若草:春)
 12日 海苔だけで世界はコーチ変わったよ (海苔:春)
 13日 十四のをとめ腹ぺこつくしんぼ (つくしんぼ:春)
 14日 をとめごの十四にもなり草若葉 (草若葉:春)
 15日 東風吹いて芽生えた恋の三年後 (東風:春)
 16日 をとめごがひじき刈して恋をして (ひじき刈:春)
 17日 早すぎるキャミソールなり若緑 (若緑:春)
 18日 蒲公英で秘所隠そうとする子哉 (蒲公英:春)
 19日 薇を巧みに揺らすおちゃっぴい (薇:春)
 20日 ほうれん草が姪の乳首を隠す宵 (ほうれん草:春)
 21日 仔猫二匹 美世子さんの裸体、朝 (仔猫:春)
 22日 放課後はデージーと行く浜辺哉 (デージー:春)
 23日 女体盛り孫は山葵を気にしてる (山葵:春)
 24日 南より蓬まみれの姪来る (蓬:春)
 25日 楓の芽 愛するが故 執拗に (楓の芽:春)
 26日 山椒の芽ぴりぴりするよ殊更に (山椒の芽:春)
 27日 ふらここと制服少女の出会い哉 (ふらここ:春)
 28日 蛤で局部を隠す手法哉 (蛤:春)
 29日 蝶求め駆ける義妹よ下着穿け (蝶:春)
 30日 思春期の妹わらう水温む (水温む:春)

学年題俳句1000詠講評 007 火遊び 高校2年生

 
 火遊びと高校2年生の結びつきは分かりやすいと思う。高校1年生を少女期のピークにして終焉と考えた時、それより前に行なわれるのは火遊びではなく恋である。それが良質のものか悪質のものかは別として、とりあえず彼女ら少女たちは胸をいっぱいにして恋をしている。それに対し女性となりつつあるそれ以降の存在は、恋と性を分離して捉えはじめるのだと思う。そしてこれは受験を控える高校3年生よりも、たっぷり遊ぶ時間のある2年生のほうが盛んなはずである。つまり恋の延長線上にない性、それこそが火遊びと言うことができる。そして当然ながらそこに恋のそれが持つような甘味は少ないのである。そのような視点で今回の句を味わってゆきたい。
 

火遊びも六度目ならば部活だね
  (「ホガラカノイロオゼ」 まひろさん)
火遊びも学生生命かけてする
  (「Jeux interdits!」 ルネさん)

 
 これらは火遊びの本質を鋭く突いている句である。恋なら6回したって600回したって部活にはならないのだ。なぜならば生きていることそのものが恋という名の部活動なのだから。それに対し火遊びは部活動になりうる。6回もしていれば立派なレギュラーだ。下校の際に見かけたバドミントン部で汗を流す中学までの親友のことを思いながら、帰宅部の私は男の上でひたすらに腰を振り快楽を貪っている。でも火遊びだって6度目なら部活って呼べるよね? 私の青春、間違ってないよね?
 

お父さんお母さんこれ火遊びやねんで
  (「ホガラカノイロオゼ」 まひろさん)
火遊びや本気やないんやそれやのに
  (「TEEN×TEEN×SEVENTEEN」  purope★papiroさん)

 
 偶然にも別々の参加者が、同じく関西弁の女の子の独白という形式の句を挙げてきた。まず前者のまひろさんの句は、火遊びの現場が両親に見られた場面だろう。両親が揃って観劇に出掛けるとかで、ここぞとばかりに男を家に連れ込んだら、チケットが来週のものだったとかで急遽帰ってきたのだ。そこで言った一言だろう。なにしろ火遊びならば部活。両親も安心である。「がんばれよ」とさえ言えるかもしれない。ところが次のpapiroさんの句では、部活動だったはずの火遊びが徐々に本当の恋になろうとしている。「恋からスタートしない性としての火遊びという名目の部活動」だったのに、それが結局のところ恋へと不時着しようとしている。逡巡するのも当然である。最終的にKEIKOと結婚した小室哲哉みたいなものだ。でもいいじゃない。喩えは大きく間違った気がするけど、そんな恋もある。恋に監督なんておらへんのやで。いるのは先輩だけや。そして先輩とは両親のことなんやで。先輩きっとこう言うはずや。それはもう火遊びなんかじゃないんじゃけえ……。
 

火遊びや咥えさせられ放水管
  (「TEEN×TEEN×SEVENTEEN」  purope★papiroさん)
アルトリコーダー吹くみたく火遊び
  (「ホガラカノイロオゼ」 まひろさん)
勉強の合間に火遊び夜食つき
  (「Jeux interdits!」 ルネさん)

 
 それにしてもちょっと火遊びというキーワードで各参加者はフェラチオのことを想像しすぎではないかと思ったのでここで苦言を呈しておきたい。「火遊び→健全でないセックス→フェラチオ」という流れに飛びつきたい気持ちはたしかに分かるのだが、三者三様にやりすぎだと思う。
 

杉原の火遊びだったら……いいんだよ
  (「ホガラカノイロオゼ」 まひろさん)

 
 しかし今回の投句の中で最もよいと思ったのはこのまひろさんの句である。まひろさんは高校1年生。まさに少女期のピークにいて、恋と火遊びというふたつの隆起の頂上におられる方である。この句はそんな彼女が、火遊びという言葉を用いながらも心のどこかで恋を求める、そんな絶妙のバランスの上に成り立っているものだと思う。言われたい。

3月の有季定型俳句 「KUCHIBASHI DIARY」より

 
 01日 ムツゴロウ君の瞳に恋してる (ムツゴロウ:春)
 02日 弥生よりまゆかのほうが胸でかい (弥生:春)
 03日 春泥にまみれ交換留学生 (春泥:春)
 04日 妹の二酸化炭素のシャボン玉 (シャボン玉:春)
 05日 浅蜊かな浅蜊じゃないよ空気読め (浅蜊:春)
 06日 春眠のをとめ用いて保健哉 (春眠:春)
 07日 山笑ふ南明奈もガッキーも (山笑ふ:春)
 08日 美少女の裸見たさに蜆汁 (蜆汁:春)
 09日 屋外で興奮しすぎてマジ野梅 (野梅:春)
 10日 生娘が恋して泣いて豆の花 (豆の花:春)
 11日 たとえれば木苺の花そんなとこ (木苺の花:春)
 12日 女子校の中庭に咲く薄紅梅 (薄紅梅:春)
 13日 冴返りをとめは我を責める也 (冴返り:春)
 14日 頬染めて姪眺むるや孕鹿 (孕鹿:春)
 15日 一旦は女体に入りし韮のこと (韮:春)
 16日 白酒がこぼれたのよと言い訳し (白酒:春)
 17日 麦踏の処女とちょっぴりエッチング (麦踏:春)
 18日 学園のアイドルのアヌス春なかば (春なかば:春)
 19日 磯遊びす義妹はキャミにてショーツ也 (磯遊び:春)
 20日 うららかなBカップ也それでよい (うららか:春)
 21日 青饅と思えば義妹のそれだった (青饅:春)
 22日 雪の果われは恥丘にしっかと見 (雪の果:春)
 23日 ふくらはぎ愛でつつ食す花菜漬 (花菜漬:春)
 24日 十六歳むすめの春陰 濡れて爆ぜて (春陰:春)
 25日 春雨や少女のブラジャーまだ透けず (春雨:春)
 26日 風車 自然に優しい愛撫也 (風車:春)
 27日 ありがとう命の恩人渡り漁夫 (渡り漁夫:春)
 28日 凧用い女をイカせる部族哉 (凧:春)
 29日 もういっそ制服脱いじゃおうよ磯菜摘 (磯菜摘:春)
 30日 闘鶏を見つめる姪の秘所湿り (闘鶏:春)
 31日 をとめごがちょっと齧った草餅です (草餅:春)