クライン・ゴルドン方程式

※今日の理論は難解なので、物理嫌いな人は無視しちゃって下さい^^


この方程式は相対論的波動方程式と呼ばれ、特殊相対論と量子論を統合させた理論であり、主にスピン0のボゾンを記述する方程式です。


では、早速ですがこの方程式の導出を試みようと思います。


デカルト座標における3次元のシュレディンガー方程式は以下のようになります。

i\hbar\frac{\partial{\psi(x,y,z,t)}}{\partial{t}}=-\frac{\hbar^2}{2m}(\frac{\partial^2}{\partial{x}^2}+\frac{\partial^2}{\partial{y}^2}+\frac{\partial^2}{\partial{z}^2})\psi(x,y,z,t)

ここで、4元運動量を量子化すると

p^{\mu}=(\frac{E}{c},p_x,p_y,p_z)\right(i\hbar\frac{\partial}{\partial(ct)},\frac{\hbar}{i}\frac{\partial}{\partial{x}},\frac{\hbar}{i}\frac{\partial}{\partial{y}},\frac{\hbar}{i}\frac{\partial}{\partial{z}})

となり、整理すれば

p^{\mu}=i\hbar(\frac{\partial}{\partial(ct)},-\frac{\partial}{\partial{x}},-\frac{\partial}{\partial{y}},-\frac{\partial}{\partial{z}})

となりますよね。

さて、

\frac{\partial}{\partial{x_{\mu}}}=(\frac{\partial}{\partial(ct)},-\frac{\partial}{\partial{x}},-\frac{\partial}{\partial{y}},-\frac{\partial}{\partial{z}})\equiv{\partial{\mu}}

と定義すれば、反変ベクトルは

p^{\mu}{\right}i\hbar{\partial^{\mu}}

と表現され、一方で、

\partial_{\mu}=g_{\mu\nu}\partial^{\nu}=g_{\mu\nu}\frac{\partial}{\partial{x_{\nu}}}=\frac{\partial}{\partial{x^{\mu}}}

(ここでは勿論アインシュタインの縮約則が用いられていますので注意して下さい。)

したがって、共変ベクトルの方は

p_{\mu}{\right}i\hbar{\partial_{\mu}}

となります。

故に、

p^{\mu}p_{\mu}-(mc)^2=(\frac{E}{c})^2-{p_x}^2-{p_y}^2-{p_z}^2-(mc)^2=0

から

-\hbar^2{\partial^{\mu}}{\partial_{\mu}}\psi-(mc)^2\psi=0

なので、クライン・ゴルドン方程式は以下のようになります^^

-\frac{1}{c^2}\frac{\partial^2}{\partial{t^2}}{\psi}+(\frac{\partial^2}{\partial{x}^2}+\frac{\partial^2}{\partial{y}^2}+\frac{\partial^2}{\partial{z}^2})\psi=(\frac{mc}{\hbar})^2\psi

最初に述べたようにこの方程式はクオークレプトンのようなフェルミオン(スピンが2分の1)を記述する方程式ではないので、完全ではありません。


より完全な方程式を期待するならばディラック方程式を導出する必要があるそうです。


そのお話は、またいつかしますね。

コマネチ大学数学科で出題された問題

『千本の棒を用いて正四面体を幾つかつくり、これらを積み重ねていくと最高何段の正四面体のタワーができるか』という問題です。


ちなみに棒はすべて使う必要はありません。


一応、やってみましたので、解答が気になる方はご覧下さい^^


解)
n段目で最高の段数になるとすると

1段目で使用する正四面体は1つ、2段目は3つ、3段目は6つですから

1,3,6,...

という規則性がみえてきます。これを数列{an}とし、以下のように数列{bn}を定義する。

b_n=a_{n+1}-a_n

この数列は

b_{n}=n+1

ですので

a_{n+1}-a_n=n+1

となります。
この数列を繰り返し用いると

a_n=n+a_{n-1}=...=\frac{1}{2}n(n+1)

と変形できます。

そして、

6*\sum_{k=1}^{n}\frac{1}{2}k(k+1)<1000

を満たす最大のnを探せばいいことになりますね。

これを整理すれば

n(n+1)(n+2)<1000

となりますから

n=9

のとき、この不等式を満たす最大のnであることが容易にわかります。

したがって、9段目のときが最大のタワーをつくることになりますね。

ちなみにあまりは10本です。


Q.E.D

電磁理論

ほぼ完成されている分野である電磁気学ですが、掘り下げれば掘り下げるほど、知らなかったことが結構でてきますね〜。

授業で一度は習っているのかもしれないけど、もう忘れてしましたし...。

しかし、一度やれば物理的な考え方や問題に対するアプローチの仕方を思い出します。

量子力学統計力学とまではいかなくとも奥が深い学問ですね、電磁理論は。

磁性体やベクトルポテンシャルのところが苦手なのでこれからやらなければなりません。

それから一般相対論の復習もやっておきたいしね〜^^;

テンソル代数・リーマン幾何さえきっちりやれば、後は難なく進むと思いますから、序盤は気を抜けそうになさそうですね。

有名な積分

プランクの黒体放射の公式でお馴染みですがその中に以下の積分が出てきます。

\int^{\infty}_{0}\frac{x^3}{e^x-1}dx=\frac{\pi^4}{15}

これはΓ函数フーリエ級数を用いれば解けますので、導出過程はここでは省略しますね^^
(こういう積分があるんだな〜と思って頂くだけでもいいです)


この積分はDebyeの比熱理論でも出てきますが、本質はプランク黒体放射の公式と全く同等だと思います。


Debyeのモデルは、格子振動を量子化した格子波を導入し格子波は1次元振動子の集まりと考え、Einsteinの比熱理論との相違点は、振動数を一定とせず波数の関数としている点です。


Debyeの比熱理論とEinsteinの比熱理論とを比較してどちらが欠陥品かといえば、Einsteinの方であり、極低温状態のときに理論が実験結果と一致しません。


これで何がわかるかというと、温度に対する定積モル比熱C_vがわかります。


定積モル比熱といえば

C_v=\frac{dU}{dT}|_{v=const}

ですから、つまり、温度変化に対するエネルギー変化を表すものです。


結果として何がわかるのか...?


それは、エネルギーUと温度Tの関係がわかれば『比熱』がわかってしまうということですね^^


主題とは若干逸れた話になりましたが、上記のような積分を実行することでこのような理論の確認を行えるようになりますよね。


これは数学の重大性を感じさせられる理論だったため、あまり数学を馬鹿にはできないなと思わせられましたw
(実は最近疑心暗鬼になってたんですよ〜。)

久し振り更新ですが...

ここ最近忙しくでブログの更新が途絶えっ放しでした。

確率微分方程式に興味があり、少しずつ勉強していますがまだまだ本質を理解できていません。

メゾスコピック系の物理学に嵌ってるっていうこともありますけど、中々更新できないんですよね〜。

時間が出来次第、極力更新するようにしますので、今後ともよろしくお願いします^^

相対論的量子力学への誘い

以前にも書きましたが、量子力学におけるシュレディンガー方程式

i{\hbar}\frac{\partial}{{\partial}t}|\psi(\mathbf{r},t)\rangle=\hat{H}|\psi(\mathbf{r},t)\rangle

と書き記されます。

ここで、|\psi(\mathbf{r},t)\rangle状態ベクトル\hat{H}はハミルトン演算子を示します。

このシュレディンガー方程式は時間依存しますので

|\psi(\mathbf{r},t)\rangle=e^{-\frac{iEt}{\hbar}}|\phi(\mathbf{r})\rangle

を上の式に代入し整理すると

\hat{H}|\phi(\mathbf{r})\rangle=E|\phi(\mathbf{r})\rangle

となりますね。ここでEはエネルギー固有値を示します。

さて、非相対論ではエネルギーEは

E=\frac{p^2}{2m}+V(\mathbf{r})

のように書かれ、これは我々がよく知っている運動エネルギーとポテンシャルエネルギーの和は保存されるというやつですね。

一方、相対論ではエネルギーEは

E=sqrt{p^2c^2+m^2c^4}

と表されます。

このエネルギーEをシュレディンガー方程式に組み込むことで、相対論的な波動方程式、つまり、ディラック方程式が導出されることがわかるかと思います^^ディラック方程式はよく電子の相対論的な運動を記述する道具として用いられておりかなり有用なものだと思います。

今回はこれで終わりにしておきます。