A5サイズ

BLをA5サイズで出さないでくれ! 本屋で見落とす!
……というわけで、上半期読んで印象に残っているBLを10冊上げろと言われると、個人的にはルネッサンス吉田の「茜新地花屋散華」と有間しのぶの「青い芝生と甘い水」は思い浮かべますが、どっちも発売日に買えなかったよ! だってA5で売り場が違うんだもの……(有間しのぶさんのはもはやBLレーベルでもないようですが) どっちもとても興味深く面白かったので(ルネッサンス吉田はなんというか…単純に怖いですけど)もしもこれらの本を発売していることに気づかず買えなかったら…と妄想するとすごい怖くなります(オタク発想)。A5サイズ怖い。まあ、有間しのぶさんの本とかB6サイズだったらさらに読みにくいだろうことを考えるとそれも怖いのですが。ジレンマです。有間さんの本はすごい面白いのに、どこが面白いのかわからなくて一晩悩みました。BLの漫画のかみさまはふつうの漫画のかみさまとも別のところにいるのですね、なんだか一緒に買ってきた他のBL漫画を読み飛ばさせるほどの威力でした……。うおおお、有間さんの本が面白すぎて、他の本は目が滑るー。 もっと別のBLが読みたい!だが、他の漫画が読めなくなる という…ハザード
それにしてもルネッサンス吉田さんの帯の文句が凄いですね。

漫画表現のセオリーを全く無視した圧倒的なテキスト量の溢れ出る語彙でなお語り得ぬエロスとタナトスの心象世界。(中略)衒学的で文学的で哲学的で論理的な硬質のモノローグと最も情熱的で最も狂気的で最もエキセントリックで最もロマンティックな恋愛のテーゼを描ききった(以下略)

この帯を読んで「おっ」って思って手を取る人はあまりいないような気もするし、もともとルネッサンス吉田が好きなひとはこういう帯や煽り文句がむしろヘイトなんじゃ……と要らぬ心配をしました。いや、一周回って楽しむのかも。どこ、ファン層!

茜新地花屋散華 (EDGE COMIX)

茜新地花屋散華 (EDGE COMIX)

青い芝生と甘い水 (バーズコミックスデラックス)

青い芝生と甘い水 (バーズコミックスデラックス)

あとどうでもいいのですが…初めて自分の本名にBLで遭遇した!と思ったら、それがルネッサンス吉田だという…おもしろいです…

ベガーズ・イン・スペイン

ベガーズ・イン・スペイン (ハヤカワ文庫SF)

ベガーズ・イン・スペイン (ハヤカワ文庫SF)

短編集。ガチガチのハードSFというよりかは、サスペンスタッチだったり文学的なテーマで固められていたりする地味ながら取っつきやすいお話が多かったです。なんかあんまり読まないタイプの本だったんだけど面白かった。
「ベガーズ・イン・スペイン」「眠る犬」は遺伝子操作により眠りを必要としない「素晴らしい」子供達が生まれたアメリカの話。能力的に優れ、性格も非常に明晰で勤勉な新人類たる「眠らない子供」に対して嫉妬と恐れともに迫害が進んでいく世界でのアレコレが非常に面白く、もっと読みたい! と思ったところで話が終わる。落とし方がどれも独特というか余韻を残しつつばっさり切る!という感じなので、かえって続きが気になります。同じテーマの長編も読んでみたい。
「戦争と芸術」は上の表題作のシリーズ二作が面白かったので、唐突にこの話でスペオペに突入してしまい「えー!」「なんでー」「やだやだー!」と思ったんですが、読み終わってみれば個人的にはこれが一番好きかな……。「理由」としては甘ったるいけどありそうありそう。地球人と「テル人」が星間戦争をしているという世界の話。
「密告者」はすでに発売されている長編<プロバビリティ>三部作とやらの原型と言うことで……「個人」と「現実」という感覚が地球人とは違う世界の話。テーマがかなりファンタジーかつ文学的なので、もしかしたら長編は辛いかもな…とは思った。この短編だけだと面白かったです。
「想い出に祈りを」ショートショート。「ケイシーの帝国」はなぜか途中で泣けた。「ダンシング・オン・エア」はジャンプ力などを強化されたバレエダンサーと片言ながら言語を操る番犬のお話。
表題作が面白かったので、<眠らない子供達>の同世界観を共有しているという長編が出たら読むかも。<プロバビリティ>三部作はあんまり惹かれないけど……。

最近何をやっていたかというと

最近何をしているか系エントリを書きかけて、いやーべつに書くようなこと何もしてないわーと思って消したりしながらも、同人誌即売会であるところの春コミのスペースにはてなダイアラーの方がいらっしゃって、聞かれてもいないのに「はてなも書きます!」などと声高に言ったりしてみましたが(まさしくいらぬ発言だったと思います…)、書いてない間にやっていたことと言えば、「同人」「モンハン」「芸人鑑賞」という感じで…うん、ある意味なにも変わっておりません。
同人活動でだいぶ女性向けアンダーワールドに染まりきりまして、googleにひっかかるなんて怖い! ヘイトCrawler!ちなみに同人をどれくらい真剣にやっていたかというと、ずっと買い専でオフ*1はあんまりやったことなかったので、2007年に生まれて初めて自分でコミケのスペースをとったのですが、一年後には250ページの再録本が出てしまったという本気っぷりでした…。歳を考えろ、という。このサイトでもやや経過が鑑みられるようにそもそも数年前は一旦脱オタしていたのに徐々に凄い勢いで舞い戻った上に、この一年半行き着くところまで必死になってしまった感がありますが、結果としては大変楽しゅうございました。うん、まだもうちょっとやるんだけどね。

かつて

かつて「三次元はわからないので(笑)」と言っていたのが特あたりに転び、ミュに転び、「芸人とジャニーズわからないので(笑)」と言っていたのが、とうとうジャニーズだけが最後の牙城になってしまった……だがそれも、じっと見つめないようにしているだけで第六感的には親近感は抱いている……。げいにんも立ち位置が微妙ですけど。「ミーハーじゃないんで!」と言ったところで所詮ミーハーなのでミーハーだよなー……。うん、すごくミーハーです。というか同居人を筆頭に、ミーハーなプロフェッショナルが回りに揃っていて何だかものすごく展開が速い。えっ、私そんなにはまってないよ? っていう言い訳が通用する段階を通り過ぎ、自分にそう言い聞かせている間にも与えられるものをひたすら享受していたらすっかりなんなんだよ、これ……という状態です。あとミュのお陰でよくわからない度胸がついているのがまずい(金額的な意味で)。あの みんな 手加減 して ね。 でも今週末はアレでらき☆すたのブドーカンです。

ただいま

お気に入りのアニメは「源氏物語千年紀 Genji」です。爆笑しすぎて毎回腹筋壊れる。

モンハン

いらぬ度胸がつく 何かを得た気持ちになる 戦える!

*1:書いて紙の本として同人誌を出すことです……いるのかこの注釈

今週末は横浜、来週末は神戸です、わーい! あとアニメは例の如く楽しみにしているのが、マクロスF、ギアス、RDとロマンチカ(いっそ殺せ的な意味で)…なのですけど、ドラマが久しぶりにやばいのね……。高校生大好きなのね……。野球のほうにかなり肩から突っ込みつつあります。

祈りの海 (ハヤカワ文庫SF)

祈りの海 (ハヤカワ文庫SF)

今頃よんだ。面白い。面白い面白い面白い。
剣の輪舞 増補版 (ハヤカワ文庫 FT カ 2-3)

剣の輪舞 増補版 (ハヤカワ文庫 FT カ 2-3)

面白い。十数年前に読んだ記憶だけはあったんですが、うおお、こんな話だったんだ!!!(この手の翻訳ほもはとりあえず手だけだしてみたよ派)(それにしてもこのての本ってどっちがどっちで何が起きているかさっぱりわからないよね派)

近況

ひきこもりすぎて 間違いなく ともだちが へりました。おとしごろだから 忙しいの…ってことにしています。「している」ということは「違う」ということです。
あと、実は、ただいま友達とルームシェアしているので、わけのわからん安心感があるというか、別に話すわけでもなく部屋にひたすら自室に引きこもって頭を抱えていても、世界と繋がっている幻想があるのでこりゃやばいなあと思います! 間違いなくあきらかにいろいろと落ちこぼれているというのに。

オブ・ザ・ベースボール

「ファウルズ」という名前の小さな町には、年に一度ほどの頻度で「人が降る」。その町のレスキューチームには「バッド」と「ユニフォーム」が配布されているが……。

オブ・ザ・ベースボール

オブ・ザ・ベースボール

写真を見る。写真自体は二次元の画像でしかない。しかしわたしたちは両目でその距離感を測り、容積を想像し、それを三次元のものとして脳内で再生する。本も同じ。読みながら情景を脳内で思い浮かべ、そこに描かれている世界を想像する。それが自然であればあるほど、自分の世界に近ければ近いほど、共感と(もしかしたら感動を)呼びよこすのかもしれないけれど、円城塔の小説を読むたびに付きまとうのは、自分の描写から想像し思い描く情景が「……これでいいのだろうか?」という戸惑いと、その深い困惑感からくる愉快さのような気がする。
なまじ文章が平易なために、「人が降る田舎町を歩くバットとユニフォームを着たレスキュー隊」を想像するのは酷く容易だ。だけど、そこには共感もなければ感動もない、あるのは、自分や、想像力が試されるような壊されるような愉快さがほとんど。
読んでいると「言葉というものは面白いものなんだなあ」と言葉の力を信じられる気がしました。
合わせてこっちも。
Boy’s Surface (ハヤカワSFシリーズ―Jコレクション)

Boy’s Surface (ハヤカワSFシリーズ―Jコレクション)

Self-Reference ENGINE」のような、ワンアイデア・ストーリーの集積のほうが好きかな、と思いますが、個人的には叙情的な「Goldberg Invariant」が好みでした。悲しいことにさっぱりわからん話とかもあったけれども!
あと円城さん伊藤さんの対談の載っていた「SFが読みたい!2008」も面白かったです。
SFが読みたい!〈2008年版〉発表!ベストSF2007 国内篇・海外篇

SFが読みたい!〈2008年版〉発表!ベストSF2007 国内篇・海外篇