The 11th Day

朝八時起床。

体調はもう最悪。

アレルギーで肺に違和感があるし呼吸するだけで咳き込んでしまうし、熱で頭が割れるように痛いし体中が痛い。

動けないのでとにかくベッドで寝ていた。

しかしライブがあるのでなんとかしなければならない。

とりあえず咳止めとアレルギーの薬を飲む。

しばらくしたら咳は落ち着いたが、体中の痛みがどうにもならないので持参していたロキソニンを飲む事に。

さすが最強の痛み止めだけあって、すぐに動けるようになる。

それからシャワーを浴び、ストレッチをして支度を済ませる。


12時過ぎにホテルを出発。

駅でRedbullを飲んでエネルギーをチャージ。

Aldgate East駅で下車し、Brick Laneの1001Cafeへ。

通訳をお願いしていたKeikoちゃんは寝坊と駅のクローズという悲運に見舞われ遅刻。

先に会場入りし、Joeと久しぶりの再会。

まだ全然用意が出来ていないのでのんびりと時間を過ごす。

そうこうしているうちにKeikoちゃん到着。

Ayumiちゃんも来てくれて、みんなで談笑。

Joeは去年おれがライブした時のビデオを持っていて、改めて観たけどブリリアントだったぜ!と言ってくれた。

こっちの人はずっと忘れないで覚えていてくれるっていうのは本当のようだ。


しかし、いくら待っても誰のリハーサルも始まらないのでどうしたのかと思っていたら、スタッフの女性がやってきて、どうやら2バンドもドタキャンしたらしく、予定を変更したいとのこと。

仕方ない。

結局俺たちはトリに。


最初のアクトは、アコギ一本での弾き語り。

静と動を巧みに使い分けるボーカルでなかなかのステージ。

ギターも上手かった。

引き揚げてきた彼に良かったよ、と伝えたら喜んでくれて、俺たちのCDも上げたら最後まで残って聴いていってくれた。


二つ目はピアノ弾き語り。

その彼は歌いだした瞬間に耳を惹き付けられるような凄みの持ち主。

ジャンルで言えばソウルなのかな?

とにかく素晴らしい歌い手だった。


三つ目はバンド。

特にコメントもない。

こちらの学生の内輪ノリというところ。


四つ目は、スタッフでもある女性のボーカルによるアコースティックユニット。

歌はいいのだが、インド人のギタリストが下手クソでもったいなかった。


そして、いよいよおれたちの出番。

サウンドチェックすらろくに出来ないままスタート。

ギターのモニター上げてくれっていったのに全然聴こえないし、どうしたものかと思ったが、心配していた声はちゃんと出たのでまず一安心。

とにかくバンバン曲をやっていった。

メンバーもいつになく気合いの入ったステージング。

あっという間に六曲演奏し、終了。


終わった後、色んな外人が良かったぜって声をかけてくれた。

他のメンバーも色々声をかけられたみたい。

こっちまで来て本当に良かった。


それから、すっかりメンバーとも仲良くなったAyumiちゃんと近くのPubに移り打ち上げ。

カウンターに日本人のお姉ちゃんがいたので、やはりCDをあげた。

だって可愛かったから。

結局23時くらいまで飲んで話して、家路についた。


薬飲みまくったおかげで体調も持ったし、素晴らしい一日だった。

The 10th Day

今日は明日のライブに向けたリハーサルの日。

スタジオは10:00~17:00までの予約。

それで35ポンド。日本と比べたらはるかに安い。


さて、久しぶりの音合わせ。

まずはスタジオの環境の悪さに辟易。

空気は最悪だし、設備も最悪。

およそ音響というものを考慮した造りになっていないので、全ての音が反響してやりづらい。

キックにダウンジャケット詰めてミュートしたり、EQいじってなんとかそれなりにプレーできる環境になった。

しかし、こうやって自分らで試行錯誤していくほうが上手くなるだろうな、とも思う。

こっちで買った安ギターも、思いのほか良い感じに倍音出るし悪くない。

さすがは本多マジックというところ。

休憩がてら表に出たら、ファンキーなロック野郎が仮性チンコ丸出しで、そこら中に小便をまき散らしていた。

さすが外国。

とんでもないヤツだが格好良かった。


それからまたひたすら練習。

外国という事もあり、普段とは違う並びのセットリストにチャレンジ。

でもフィーリングはいい感じだし、上手くいきそうな手応えも感じられて来たところで終了。

実は、あまりのスタジオの空気の悪さに気管支のアレルギーが再発してしまい、咳が止まらなくなってしまった。

明日にはなんとか歌えると良いんだけど。。。


天気も悪かったので、ちょっとCovernt Gardenを散策してからすぐに帰宅。

Waitroseにて食材を買い込み、野菜が足りないという事で野菜のスープパスタを作った。


その日の夜は、ライブ前夜祭ということでみんな相当飲んだ。

おれはアレルギーの心配があったのでほどほどに。

瞬ちゃんの語りが今夜のハイライト。

ザブングルのネタのyoutube観たり、ドラゴンボール観たりしているうちにみんな就寝。

The 9th Day

今日は昨日までの疲れもありのんびりしようということに。

午前中は、朝食を食べ、シャワーを浴び、日記を書いたりして過ごす。

昼には、買い込んだ食材を使わないとってことで、トマトソースにマッシュルームを入れたパスタを作る。

その後ものんびりとしながら時間を過ごし、夕方近くになってお土産を買いに行こうという話になり、一路Fortnum&Masonを目指す。


前回は改装中だった店内も、すっかり改修工事を終えて所狭しと商品が並べられている。

散々悩みに悩んで、それぞれ買い物を済ます事が出来た。

おれは、紅茶、ショートブレッドホットワイン用のスパイスを購入。


目的を果たし、家路に着く。

途中のKnightsbridge辺りの夜景が非常にきれいで、みんな写真を撮りまくっていた。

Natural History Museumも夜になるとライトアップされており荘厳な雰囲気。

腹が減ったので、バーガーキングにてワッパーを食べる。

美味い。


その後はいつものごとく、ビールを飲みながらのんびり過ごし、就寝。

The 8th Day

今日はBuruxells最終日。

のんびりといつも通り用意を済ませて、ホテルをチェックアウト。

この日は昨日と打って変わって快晴。

こちらの建物は重厚な造りをしているからか、天気に恵まれないと非常に重苦しい雰囲気を醸し出すが、天気が良いとものすごくアッパーな気持ちにしてくれる。

なので、Gare du Nord駅まで徒歩で向かうことに。

途中、件の気持ちE事SHOPのあるストリートを通る。

朝っぱらからちゃんと開店しているが、昨晩とは違ってきれいなお姉さんはいない。

それどころかおばさんまでいる。

しかもそんなのが舌を出し腰を振って誘ってくるのだ。

生き地獄。


それからまずはまたしてもGrand Placeへ向かう。

途中のカフェでクレープとエスプレッソをいただきながら今日のコースを考え、cambleの森に行く事に決定。

その前にGrand Place裏にあった美味しそうなワッフルを食べるべくそこに向かうが生憎の休業。

仕方ないので、もう一つ目星を付けておいた店にてチョコレートワッフルを注文。

美味しいが、いかんせん量が多い。

そしてメインストリート沿いの店を覗きながらRogier駅に到着し、Metro2に乗り込みLouise駅へ。

そこから6駅ほど行ったところで下車するとすぐにcambleの森に到着。

想像していたよりもずっと良い感じの場所。

不意にiPodから流れたsigur rosがめちゃくちゃ合う。

ぐんぐん進んで行くと、眼下にトンネルが出現。

妙に魅かれたので行ってみると、ハッパを吸っている怪しいヤツが逃げて行った。

さすがヨーロッパ。

それから元の駅に戻り、Louise通りをひたすら歩いて最高裁判所に到着。

外見からして圧倒される重厚な造りで、内部も教会のような雰囲気。

良いものが見れた。

それからMarolles地区にてヒューガルデンホワイトと水を購入し、歩き疲れたのでベンチでビールを飲みながら次の進路を確認。

疲れた身体にビールは最高に美味い。

残された時間も少なくなってきたので、Grand Placeに戻り、周辺のチョコレート店にてお土産を買い込み、その足で聖カトリーヌ教会前に広がるクリスマスマーケットに向かい、露店にて牡蠣と白ワインをいただいた。

店のおっちゃんもフレンドリーで、Buruxellsの最後を飾ってくれた。

その頃には良い時間になっていたので、de brouckere駅からGare du MIDI駅に向かい、ユーロスターの出発を待つことに。

出国手続きは案の定面倒で、何しにロンドンに行くのか、どこに今まで行ったのか、銀行にいくら金があるのかetc...

まぁ、事なきを得て無事に出国出来た。

車内では本を読んだり寝たりしてあっという間にLondonに到着。

St.Pancras駅で飯田に電話をし、Groucester Road駅にて待ち合わせ。

Waitroseにて買い物をして新しい宿に到着。

今回の宿は前回の静かな雰囲気とは打って変わってにぎやか。

強いて言えば、スクワットに居た時の雰囲気に近い。


その後は久しぶりにみんなでビールを飲んだりして、22時くらいに就寝。

The 7th Day

8時起床。

シャワーを浴び、ストレッチ、筋トレをしたりしてからのんびり出発。

この日は朝から雪。

まさか今年の初雪をこんな異国で迎えるとは。

Tramの乗り場まで歩き、近くのパン屋でクロワッサンを購入。

やはりヨーロッパ圏のパンはおいしい。

乗り場でしばし待っているとすぐにTramがやってきた。


今日はGrand Placeを中心にして周りを散策するコース。

de brouckere駅にて下車。

徒歩でまずはGrand Placeへ。

雪だけあって寒さが堪える。

そこから一路、楽器博物館を目指す。

しかし、こちらのフランス語表記のストリート名は覚えにくい上に読みづらいし、道も入り組んでいるし、かつ路上の標識は分かりづらいと来ていて、散々道に迷うはめに。

まぁ、それも旅の楽しみということで、目についた楽器屋やスーパーを覗いたりしながらひたすら歩く。

雪でダウンジャケットがどんどん濡れてくるのが気になるが、どこにも傘が売っていないので仕方なくそのまま。

そうこうしていると、何故かサンミッチェル大聖堂に到着。

内部はヨーロッパでたまに見かける、素晴らしいステンドグラスに囲まれた荘厳なもの。

自然と身が引き締まる。

それからGare Centrale駅を経由して、楽器博物館への道中、昼食を摂るべく適当に店にはいり、そこにあったランチメニューを注文。

内容は、スープ、パン、サラダ、オリープ、スパイスで味付けされた牛肉の串焼き。

どれも美味かったが、冷えきった身体にはスープが本当にしみた。


その後はいよいよ、楽器博物館。

受付でガイドのヘッドホンを借り、中に入ると莫大な量の楽器が展示されており、それぞれの楽器の前に立つと自然とその楽器の音がヘッドホンから流れてくる。

これがまた意外にも良い音なのだ。

やっぱりこちらの人間は耳が良いのだろうな。


のんびりと時間をかけて見学する。

しかし、昔の人の職人気質というか職人芸というか、細部にまでわたる装飾の見事さはすごい。

いつの時代も職人やアーティストの作り出すものは素晴らしいし、そうであって欲しい。

こうした精神を現代に生きる我々も忘れてはいけないな、と改めて実感。


博物館を後にし、ブリュッセル公園に向かう。

この頃には雪も上がり、散策しやすくなる。

大分道にも慣れてきて、迷わず公園に到着。

公園の向かいには王宮。

とにかく権力の残り香がすごくするところだ。

が、冬の公園はなんだか寂しげ。

木で作られた壁のようなものがあるのだが、それが寂しさを一層際立たせている。


それから公園を抜け、国会議事堂を通り、de brouckere駅近くの教会近辺に広がる露店を見て回る。

そうしてまたGrand Place周辺に戻った。

とにかくこの日は歩きまくったので、四時過ぎにはくたくたになっており、早めに夕食を済ませて宿に帰る事に。

とりあえずまたGrand PlaceのElectrical Showをしばらく堪能してから、昨日と同じくイロ・サクレ地区のレストランに入りパエリアを注文。

ビールはMAESというベルギービール

どちらも美味しい。

するとそこで、隣の席に座っていた女の子に話しかけられた。

彼女はTungという名前で、台湾出身。

しかし台湾で働くのが嫌で、あちこちを旅して回っているそうだ。

今回は9月からポーランドに滞在し、そこからスウェーデンを経由してここブリュッセルに到着したとのこと。

夜の予定を聞かれ、特にない旨を伝えると、一緒にこの辺を散歩しないかとのお誘い。

旅は道連れということで、快諾。

せっかくなので出来たばかりのCDを渡し、お互いのメールアドレスを交換。

チェックを済ませてから散歩に出かける。


Grand Placeを抜け、小便小僧を見、チョコレートのお店を見たりしてから、中華街を抜けるとクリスマスマーケットを発見。

そこは100メートルくらいに渡り様々な露店が軒を連ね、アイスリンクや観覧車まであった。

Tungはしきりに「You are a lucky star!」と言って喜んでいた。

どうやら俺が適当に決めた道を進んだらここに辿り着いたかららしい。


一通り堪能してからまたGrand Placeに戻ると結構強い雨が降って来た。

雨宿りしてやり過ごすと、八時を回ったところだったので疲れたし帰宅する旨を伝え、de brouckere駅に向かう。


ほどなく到着し、連絡することを約束し別れた。


Metroに乗り込み、Gare de Nord駅に到着。

そこでTramを待つが、30分以上待っても一向に来ない。

周りの人もぞくぞくと諦めて移動を始めたので、仕方なく徒歩で帰る事に。

夜のこの辺りは本当に怖いので気は進まなかったが、せっかくなのでまた「気持ちEことSHOP」を見ていくことにした。

赤とブルーのライトに照らされた店内にいるお姉ちゃんをショーウィンドウ越しに眺める。

日本同様、この時間帯は上玉が多いのか、本当にきれいな人ばかりいる。

ワールドクラスのプロポーションを堪能させていただいた。

しかし、疲れ過ぎていたせいで全くムラムラしなかった。


そこからは恐怖との闘い。

絡まれたりしない様、平静を装いながらも急ぎ足で宿へ向かう。

そうしてようやく宿に到着。


安心したせいか、どっと疲れが来たので、一通りストレッチとマッサージをしてからあっという間に就寝。

The 6th Day

六時起床。

用意を済ませ、七時前に出発。

外まで飯田と瞬ちゃんが見送りに来てくれた。

Groucester Road駅からTubeに乗り込み、St.Pancras駅へ。

まずは朝食にCostaでパンとモカをいただく。

それから自動発券機で手続きを試みるが、何故か上手くいかない。

仕方ないので近くにいた係員に指示を仰ぎ、インフォメーションセンターにて無事に発券。

ほどなくユーロスターに搭乗し、眠気に襲われて眠っていたらあっという間にBruxellsはGare du MIDI駅に到着。

まずはホテルに向かうためにMetroに乗り、Gare du Nord駅へ。

そこから徒歩にて向かうことに。

途中には、気持ちEことSHOPが!

ショウウィンドウ越しに下着姿のお姉さんが思い切りセクシーに誘ってくるのだ。

タダで良いものが見れた。


それから散々迷い、道行く人に道を尋ねながらなんとか到着。

ホテル付近は今まで訪れた街の中でも一番体感治安が悪いかもしれない。

建物の壁には落書きだらけだし。

街は閑散としてるし。

ホテルの受付も対応悪いし。

チェックインを済ませ、まずは久しぶりに彼女と電話をする。

それでなんとか気分転換出来たので、中心街に出かける事に。

Tramに乗り込み、de brouckere駅にて下車。

Grand Placeへ向かう。

途中の街並は各国共通で、流行りのショップが立ち並んでいる。

ベルギーと言えばワッフルということで、目についたお店で購入。

美味しい。

そうこうしているうちにGrand Placeに到着。

冬期限定の光と音楽によるパレードを開催していて、ヨーロッパ特有の重厚な建物とのコントラストが素晴らしく、まさに絶景。

しばらく見入ってしまった。

それから周りを散策し、イロ・サクレ地区のレストランにてムール貝を死ぬ程食べた。

これまたすごく美味しかった。

この日はJupilerというビールをいただいた。


ほどなくホテルに帰り、ストレッチをすませ、本を読み、眠くなったところで就寝。