その後のAさん

(この前の続き)夜勤で急変したAさんは、出血がなかなか止まらなかった。
本人も泊り込んで看病しているAさんの娘さんも取り乱していた。

「大丈夫。大丈夫。」と言いながら、
「あーだれか助けてー血を止めてくれー」
と哀願している自分がいた。まだまだ未熟者の私。
 
止血剤と沈静剤の効果で何とか落ち着いたAさん
時刻は朝の3時であった。
50床の病棟で看護師は二人だけ、あとはヘルパーさんが2人。
ナースコールはなりっぱなしで医療現場での人員不足が泣けてくる。

つづく

看取りの看護の難しさ

先日の夜勤で私が受け持っていた悪性リンパ腫のAさん78歳女性の容態が急変した。

本人・家族ともに末期がんであり、もう長くないとドクターから告知されていた。
人生の最後(ターミナル期)を過ごすための入院であった。

Aさんのがんは、口腔内で発症し、左右の頬っぺたが日に日に腫脹した。

徐々に口は開かなくなり、食べることも難しく、少しの刺激で容易に出血を起こした。
出血した血液が咽頭に流れ込み、気道閉塞をおこせば、窒息死。

『食べたい』という本人の強い意志を尊重するため、吸引器を片手に食事を見守った。
「痛い、苦しい、でも食べたい、ああおいしい」Aさんはこの言葉を繰り返し言っていた。

40歳代の長女は何日も病院に泊り込んで看病していた。
この状況をどんな思いで、みていたのか?
「お母さん、もう食べないで」なのか「最後に食べたいだけ食べて」であったのか?

口からの出血は次第に増加し、口元に当てたガーゼは、みるみる真っ赤な血で染まっていった。
「お母さん、お母さんしっかりしてよ」という娘さんの声が今でも耳にハッキリと残っている。

                                          つづく

初めの一歩

私は3年生のピヨピヨ看護師のさちこ。

日々失敗とドジの連続で先輩や先生に怒られてばっかり・・・。
辞めたくなることもあるけれど、たまにあるナイスな出来事が、
癖になって辞められない今日この頃。

もともと飽きっぽい性格なので、何日続くかわからないけれど、
いま流行のブログに挑戦だあ。
日記を書くってなかなか面白いしね。

2日前の夜勤で、夜間の見回り時の出来事。
夜間ベッドサイドで尿器を使っているAさん。

ふと見ると尿器におしっこが入っている。
洗っておいてあげましょうと思った私は、部屋内のユニットバスに直行。
おしっこをトイレに捨てて、さあお水で洗いましょと、蛇口をひねると、
なんとなんと!!シャワーででるじゃああーりませんか!!!
シャワーでなく、蛇口から水をだすつもりだったのにーー。

もう全身ビションビションですよ。
なんで夜中にこんな目に在ってしまったのか。

もちろんナースステーションに戻った私は、ほかのみんなから、
あんた何やってんのというサムーい視線攻撃をくらったのでした。