ワールドカップ2022観戦記(ベスト11)

続いて私的ベスト11(チームの勝利への貢献度を重視)

GK :リヴァコビッチ(クロアチア

 大会公式の最優秀GKはアルゼンチンのマルティネスだったが、チームへの貢献度を考えるとリヴァコビッチか。特にブラジル戦の活躍は、試合中、PK戦ともに神がかっていた。

DF(CB):一人は、グヴァルディオル(クロアチア)で決まり。存在感が抜群。攻守に優れた資質を見せつけた。

 もう一人選ぶのは難しいが、全体的に守備の堅かったアルゼンチンのDFリーダーだったオタメンディ

DF(SB):ハキミ(モロッコ)モロッコは堅守だけでなく、カウンターになった時の前への迫力が優れていた。最もカウンターに推進力をもたらしたハキミを選出。

(SB)ペリシッチクロアチア)本職は左ウイングだがSBにもなり、神出鬼没であらゆるところに顔を出すオールラウンドプレーヤーで、クロアチアで一番危険を感じさせた選手。日本も彼にやられた。

MF:アムラバト(モロッコ)彼こそ、モロッコというチームを象徴する選手。90分、120分+、労を惜しまず、ボールを追いかけ、ピンチの芽を摘む、その献身性は今大会NO,1か。

グリーズマン(フランス)、前大会に続き、否それ以上に常に攻守にわたって効果的かつ献身的なプレーを見せた。攻撃的な選手でありながら、守備での活躍も目につき、決勝戦以外はいずれもMan of the Match級の働き。

パウル(アルゼンチン)メッシが輝くために、周りが強く、激しく動くアルゼンチン。その役割を最もよく果たした選手がデパウルだったか。

(たいていのベスト11には、中盤にモドリッチを選んでいる。大会のブロンズボールにも選ばれている。しかし、前大会の縦横無尽、獅子奮迅、無双のモドリッチと比べるとそれには及ばなかった、ということで選外)

FW メッシ、エムバペ。この二人は説明不要。

アルバレス(アルゼンチン)メッシと共に彼の活躍からアルゼンチンの進撃が波に乗った。決勝戦の独走ゴールの一撃は印象に残る。

ワールドカップ2022観戦記(総評的レビュー)

カタール・ワールドカップが終わって2週間近く、もう2022年が終わってしまう。レビュー雑誌も続々出版されているが、今大会の私的レビューをもう少し続ける。

今大会は、面白いワールドカップだった。個人的には、全64試合(リアルタイム観戦ができるのは56試合)中、52試合をリアルタイムで観戦できて、試合の時間帯はきつかったが、W杯を満喫できたということもある。

 「メッシのW杯」と称されるようになったカタール大会だが、メッシだけではなく多くの試合を見ていくことで、選手一人ひとりのドラマを奥深く知ることができた感じがする。「サッカーの内容は凡庸だった」と評したブラジルの評論家もいたが、近年の大会と比しても、むしろ全体のレベルが上がっていると評するべきだろう。面白かった理由でもあり、今大会で印象に残ったことは以下の通り。

①VARのおかげで、誤審が少なかった。試合結果を変えるような決定的な誤審はなかったことで、理不尽な思いが残ることはなかった。サッカーにそうした過ちはつきものと言っても、誤審に泣かされたチーム、その国のサポーターはやりきれない。

VARに文句を言っている人もたくさんいたが、VARがなければ、日本はドイツ戦の前半終了間際に線審の大誤審で2点目を取られていたし、三笘の1mmは認められていなかったかもしれない(この時線審はフラッグを上げていなかったようであるが)。

誤審に左右されず、結果に納得がいくことは、スポーツを楽しむうえで重要なことだと改めて感じた大会だった。

③ゴールがたくさん入った。今大会の172得点は、1998年、2014年の171を抜き、新記録。なお、ロシア大会以来、VARによりPKを認められる数が増えてきている傾向にあり、PKでの得点も多い。エリア内の守備側の反則を見逃さない、ということはより攻撃的なサッカーを見ることができるという意味で歓迎だ。ただ、カタール大会では、PKの成功率が下がっている。これは優れたGKがいたこととGK自体の技術が上がっていることによるのかもしれない。

 オフサイドの増加もVAR導入が大きな要因と言えるが、同時に、高いディフェンス・ラインを引くチームが多かったことももう一つの理由か。アルゼンチン対サウジアラビア戦はその典型だった。

③いわゆる番狂わせ、ジャイアント・キリングが多く見られた。弱いと目されたチームが勝つのを見るのは痛快である。今回開催国カタール以外のPod1の国がPod3,4の国に負けたのは、予選リーグで6試合(ただし、ブラジルとフランスはメンバーを落としていたが、それでもやはり番狂わせだ。)もあった。地域間の格差が狭まったのであろうか。なお、ドイツ(Pod2)対日本(Pod3)は、番狂わせであっても、もはやジャイアント・キリングではない。2大会連続で決勝T進出を逃し、ユーロでも早期敗退したドイツは瞬間的かもしれないが、大国の地位から転落しつつある。

「サッカーは22人が90分間ボールを追い続け、最後はドイツが勝つゲーム(byリネカー)」は過去の名言で、今大会では「サッカーは32人(各チーム交代枠5人+1人)が105分+35分(アディショナルタイムを入れる)ボールを追い続け、最後はPK戦で勝負がつく競技」に変わった。

④アジア・アフリカ勢の活躍とユーロ・セントリズムへの違和感。

 上記③の結果、日本をはじめアジア勢が3チーム、アフリカ勢が2チームが決勝トーナメントに進出し、モロッコはベスト4まで勝ち進んだ。

 フットボール界全体を覆うユーロ・セントリズム(欧州中心主義)に違和感を持っているので、欧州の国とそれ以外が戦うときはだいたいそれ以外の方を応援していた。

 サッカーだけではなく、カタールの人権問題や差別の問題で上から目線で非難する欧州諸国の態度にもうさん臭さを感じた。そうした問題に関しカタールを擁護するわけではないが、予め自分たちをモラル・ハイグラウンドに置いて、大会の期間中にことさら批判の声を高めるヨーロッパにはカタール以外のアジア。中東の多くの国の反感を買っていたように思える。試合中にレインボー色の腕章を巻こうとし(FIFAの警告に屈して諦めた)、試合前の写真撮影で口を覆うポーズをとったドイツ代表(日本に負けた後は止めた)についても、政治的意見はピッチの外で表明すれば良いだろうに、と思わざるを得なかった。

スポーツと政治は当然無縁ではありえない。しかし、スポーツが政治に利用されないように、できるだけこれを切り離す努力が行われ、ルールが作られてきた。それを自分が考える正義のためにやっているからいいのだ、と言わんばかりの態度には共感しがたい。差別をなくすように努めることはむろん重要だが、彼らの態度表明のあり方の中に、既に上から目線の差別意識を感じた、というのはうがち過ぎだろうか。

 

ワールドカップ2022観戦日記(ベスト・プレー集)

大会総評の前に、印象に残ったプレーやシーンの中からベストを選ぶ。

 大方の選ぶベスト・ゴールはブラジルのリシャルリソンのオーバーヘッドだろう。確かに素晴らしいゴールだったが、あのようなアクロバティックなゴールはヨーロッパのリーグでも、Jリーグでも、いや高校選手権でも見られるかもしれない。しかし、ワンツーを2回繰り返して、5人のディフェンダーが密集する地域をすり抜け、GKまでかわしてゴールする、こんな超絶技巧のゴールはこれからもなかなか見られないだろう。

 グループ・リーグでシュート速度が最速だった(おそらく大会一だろう)戦慄の一撃。今大会はFKから直接入ったのは、少なかったと思うが、近年のW杯を顧みてもこれほどのゴールはない。

 GKの伸ばした手を超える圧倒的な高さのヘディング。写真で見ても驚かせるほどの一撃。クロアチア対日本戦のペリシッチのゴールも素晴しかったが、守備側の寄せが甘かったこともあり、次点。

  • ベスト・デザインド・セットプレー(オランダ:対アルゼンチン戦)

 試合終了間際、敵チーム選手だけでなく、観戦していた誰もが想像していなかったような、意表を突くグラウンダーのパスからのシュート。観ていて思わず声を出してしまった。隠し持っていたタマをここで出したのか、と感嘆。ベスト・サプライズ・ゴールにも認定。

  • ベスト・パス:メッシ(アルゼンチン:対オランダ戦)

 美しいスルーパスが通るのを見るのは、サッカー観戦の醍醐味の一つ。前半35分メッシは、ディフェンダーにつかれながらも、どこをどう見ていたらそんなのが出せるのかという芸術的なラスト・パスを股抜きで通し、モリーナの先制ゴールにつながった。

  • ベスト・ドリブル:メッシ(アルゼンチン:対クロアチア戦)

 今大会の最も印象的な場面の一つ。ハーフウェー・ラインあたりからドリブルを仕掛け、大会屈指、いやNo1のCBグヴァルディオルを翻弄し、エリア内に侵入、アルバレスのゴールをアシスト。メッシの伝説のプレーの一つとなった。

 GKのスーパー・セーブも数多く見られたが、メッシのPKも止めたシュテフスキーのサウジアラビア戦でのPKセーブをベスト・セーブに選ぶ。PKを止めた後そのこぼれを詰めた強烈なシュートも弾き返した。

 1982年からW杯の決勝戦を見てきたが、これほどのゴールとドラマ、采配の妙とストーリーが詰まった試合はなかった。メッシとエムバペの二人が輝いたという意味でも今大会を象徴するような一戦だった。

 両国関係者以外は、これほど退屈な試合はなかったろう(特に前半)。両チームとも全くリスクをとらず、ピッチの真ん中でボールが回っている、金返せと観客は言いたくなる試合。森保監督がハーフタイムにブチ切れたらしいが、もっと早くブチ切れてもらった方が良かった。後半は、少しはましになったが、それでも凡戦。コスタリカは「敵陣ペナルティ・エリア内のボールタッチ2回で勝利」というW杯の記録を作る。これもある意味ひどい試合の証拠。

  • ワーストな行為(もはや「プレー」ではない):アルゼンチン対オランダでパレデスがオランダ・ベンチに強烈なキックでボールを蹴りこんだシーン。故意で、悪意があり、危険な行為であり、一発レッドでも全くおかしくなかったが、大会記録のイエロー・カードを連発していたマテウ主審は赤ではなく黄色のカードを出すにとどまった。もし、これで人数が一人減ったら、結果は変わっていたかもしれず、パレデスは最悪の戦犯に名指しされたろう。何を考えていたのか。

 

ワールドカップ2022観戦日記(決勝戦)

12月18日(日)(カタール時間) 決勝

アルゼンチン対フランス(3-3) PK戦(4-2)

 戦前はアルゼンチンを応援するが、個人的予想ではフランスがやや有利という見方。両国は先発にベストメンバーを組めたようである。ディ・マリアは故障持ちではないかと思われたが、久々の先発でメッシとともに最後のW杯の試合に出場することができた。そして、ディ・マリアは左の前めに位置する。

、序盤からのそのメッシとディ・マリアのコンビでチャンスを作り出し、アルゼンチンが良い形で試合に入る。フランスは敵陣でほとんどボールが持てないというのはちょっと予想外。ディ・マリアが何度もドリブルをしかける。そして、21分またしてもディ・マリアがエリア内に侵入したところをデンベレが後ろから倒して、PK。フランスは、イングランド戦に続きエリア内の守備で甘いところが出た。メッシが決めて、アルゼンチン先制。

 その後も、アルゼンチンが主導権を握り続け、36分鮮やかなワンタッチのパス交換でフランスの守備を完全に崩し、ディ・マリアが2点目のゴールをあげる。この直後、ディ・マリアは泣いていた。最後のワールドカップで勝利を確信したのかもしれない。後半に起こることは想像できなかったろう。

 機能しないフランスは、40分にジルー、デンベレが予想外の交代。それでもフランスの展望は開けないまま、フランスのシュート0のままで、前半は完全にアルゼンチンの試合となり、2-0で折り返した。

 後半になっても、アルゼンチンが優勢に進め、「このまま終わっていくのか、でもフランスが1点返せば違ってくるか」、と思いつつ観戦。

後半18分、ディ・マリアが下がる。ここまでのMan of the Matchだった。その後もアルゼンチンが主導権を持っているように見えていたが、フランスは26分にグリーズマンとテオ・エルナンデスを下げる。

 今日は動きが悪かったとはいえ、グリーズマンを下げて、誰が攻撃の形を作るのか?4人の主力を下げたのはコンディションのせいなのかもしれない。それでお「この交代はどうなの。」と思ったが、それは浅はかな見方であった。交代後もしばらくはアルゼンチン・ペースだったが、フランスは代わって入った選手が機能しだして、前への推進力が出てくる。

 後半33分にエムバペのパスに反応したコロムアニの突破で、フランスがPKをゲット。エムバペが決めて、スタジアムの雰囲気が一気に変わる。さらに、1分後、エムバペがスーパーなボレーシュートで同点弾。それまでの試合の色が全く変わってしまった。フランスに3点目が入りそうな状況にもなったが、アルゼンチンは耐え抜き、最後には流れを取り戻した感じで、延長戦に突入。

 延長前半、最初はフランスが前に出てくるが、アルゼンチンの選手交代を契機にシュート・チャンスはアルゼンチンに生まれ、アルゼンチンのサポーターも元気を取り戻した。

 その流れは延長後半も続き、アルゼンチンが雪崩れ込むような攻撃からメッシが押し込み、ついにアルゼンチン勝ち越し。だが、フランスのセットプレーには危険な香りが漂い。まだまだ分からない雰囲気は続く。そして、CKの流れからエムバペのシュートがDFに当たり、PK。後半13分エムバペが決めて、ハットトリック、同点。

 しかも、これで終わりではなく、双方にビッグ・チャンスが訪れたが、ついに3-3でPK戦へ。近年のW杯の決勝戦でここまでいろいろなことが起きて、劇的な試合はなかった。文字通り、伝説の一戦になった。

 PK戦は、エムバペ、メッシがそれぞれ決める。エースが最初に蹴るのがやはり大事なのだなと思う。オランダ戦に続き、GKマルティネスが完全に読み切って2本目を止め、フランス3本目はチュアメニが外す。最後は、延長後半でPKを与えてしまったモンティエルが決めて、アルゼンチンの勝利。3度目の戴冠。

 

 Man of the Matchは、常にチームの精神的支柱であったメッシ。アルゼンチン人だけではなく、世界中の多くのサッカー・ファンがメッシにワールドカップを取らせたいと思っていたのは事実であろう。PK戦になった時、その思いが最後は、勝利の女神にアルゼンチンを味方させた、そんな非論理的、情緒的な思いを持たせるような決勝戦だった。表彰式の後も、テレビとABEMAから離れられない。

この後は、日本対クロアチアのそれを含む今大会のPK戦、日本代表の戦いのレビュー、大会全体のレビューについておいおい書いていきたい。

ワールドカップ2022観戦日記(3位決定戦)

12月17日(土)(カタール時間) 3位決定戦

クロアチア対モロッコ(2-1)

 3位決定戦には、モチベーションが上がらない国もあるが、この両国は気合十分の感じ。ただ、モロッコは中2日でコンディション的に厳しい。

 前半7分、クロアチアのデザインされたFKからペリシッチがうまくすらし、グヴァルディオルが頭で決めて早くも先制。これまでの戦いから考えて、この先制点は大きい、と思ったのもつかの間、2分後、モロッコのFKをクロアチアのマイエルがクリアしたボールが絶好のアシストになってしまい、ダリがヘディングで決めて、すぐに同点。これまでの試合とは異なり、序盤から両軍ややオープンな展開となってきた。

 その後はクロアチアが敵陣でボールを奪って、フィニッシュまで持ち込む機会が多くなってきたが、モロッコも決定的な場面を作る。このまま前半終わるかと思っていた43分、オルシッチのシュートは打った瞬間入らないと見えたのだが、緩やかな弧を描き、ポストに当たって、ゴールイン。芸術的なゴールであった。(モロッコGKは、ボノなのかブヌなのかと思っていたが、本名(名字)がブヌ(Bounou)で、愛称がボノ(Bono)らしい。ユニフォームの表示はBonoだ。)

後半、追いかけるモロッコは、ハキミ、ジエシュの右サイドでチャンスを作りかけるが、クロアチアのゴール前は固く、シュートまで行けない。みんながハードワークする、中2日のモロッコは次々に選手が痛んで、後半21分で5人目の交代を使い切る羽目になる。

25分過ぎからはPKなのか、と思われるようなプレーが両チームにあるが、流される。攻めているのはモロッコだが、ビッグ・チャンスはクロアチアに訪れる。

最後はモロッコの攻撃をゴール前でクロアチアがしっかり跳ね返し続け、スコアは動かなかった。クロアチア3位、モロッコ4位。戦う姿勢に溢れた良い3位決定戦だった。

Man of the Matchは、準決勝ではメッシに翻弄されたグヴァルディオル。先制ゴールに加え、今日もまさに守備の要としてDFラインに君臨、さらに自ら持ち上がり、決定的な場面も作った。

 

 

 

ワールドカップ2022観戦日記(準決勝2)

12月14日(水)(カタール時間)準決勝2

フランス対モロッコ(2-0)

 この試合、勝利予想はフランス、応援はモロッコ

 予想通りフランスがボールを持ち、モロッコがブロックを作って待ち構える展開になったが、5分にモロッコは思わぬ失点。DFラインの裏に抜け出してパスを受けたグリーズマンのパスからエムバペのシュート、こぼれの高いボールをTエルナンデスが叩きつけるシュートでフランスが先制した。グリーズマンは今日も試合を巧く組み立てる。

ロッコは小さなミスから裏を取られてしまった。モロッコは、先制されたのは今大会初めて。そして、失点はオウンゴールだけだったので、相手選手にゴールを入れられたのも初めて。初めて追う展開になったモロッコは、これまでにない戦い方を強いられる。20分には早くも怪我を押して出場していたキャプテンのサイスが交代。システムも4バックに変更。

ロッコはギアを上げて、攻勢に出て、チャンスも作る。しかし、スペースができたせいで、それ以上のピンチも招く。フランス・ペースで進むが、前半終了間際にCK2本、FK2本がそれぞれチャンスになり、会場のボルテージが上がる。面白くなった。

後半に入って、モロッコはエリア内に侵入して次々にチャンスを作り出す。モロッコが人数をかけて前線までボールを持ち運ぶ能力は大したものだが、なかなかフィニッシュ、決定機に至らない。グリーズマンが何度も戻って守備に貢献するのも効いている。

34分、エムバペがモロッコDFの密集する狭い空間の中でシュートを打ち、そのこぼれをコロ・ムアニが詰めて、ゴール。1点目と同じような展開だった。

ロスタイムに入って、モロッコも猛攻、ゴールなるかと思われるシーンもあったが、フランスの守備にほころびは出なかった。2-0で終戦

ロッコは敗れたとはいえ、今大会初めてのボールを保持して攻める戦術でも良さを見せた。今大会、FIFAランキング24位の中堅国がここまでできるのだから、日本もきっと上に行けるようになる、という風にも思わせてくれた。

Man of the Matchは、今日も良いポジションを取り、攻守に違いを見せたグリーズマン。2試合連続で私的Man of the Matchに選出。

 

ワールドカップ2022観戦日記(準決勝1)

12月13日(火)(カタール時間)準決勝1

アルゼンチン対クロアチア(3-0)

前半30分までで、両軍シュート1本ずつ。お互いのの良さを消しあう立ち上がり。高さに勝るクロアチアは、ロングボールやロングスローに怖さがある。

しかし、先制点はアルゼンチン。クロアチアパスミスから、中央にパスを通され、アルバレスが抜けだしたところをGKリヴァコビッチが倒し、PK獲得。メッシが、GKが読んでいても取れない完ぺきなコースに強いシュートを決めた。

2点目は、CKの守備からアルゼンチンのカウンター発動。アルバレスがハーフウェーからドリブルで猛突進、一人でゴールまでとった。今日のアルバレスは、キレキレだった。

後半、点を取るしかないクロアチアがフレッシュな選手を入れ、攻勢を強めるが、バイタルには行けてもなかなかフィニッシュまではつながらない。そんな中で、24分メッシがハーフウェイ・ラインあたりから大会屈指のCBグヴァルディオルと競り合いながらも、それを翻弄して、ドリブルでエリア内に持ち込み、アルバレスに股抜きのラスト・パス、3点目が生まれる。メッシの超絶技巧のドリブルはここまでの大会ベスト・ドリブル。

3-0になっては、さすがに勝負あり。そのまま終了して、アルゼンチンの快勝であった。メッシはだんだん調子を上げてきており、6試合フル出場しても体力はまだ残っているだろう。決勝も期待できる。

Man of the Matchは、PKを取り、2Gのアルバレス