過失相殺能力

 現在,過失相殺能力の有無が争点になっている事件の準備書面を起案中ということで,この点に関する最高裁判例(昭和39年6月24日判決)を検索したところ,「判例秘書DVD」の判決要旨に下記の誤記があるのを発見した。

民法第722条第2項により被害者の過失を斟酌するには、被害者たる未成年者が、事理弁職するに足る知能を具えていることを要しないものと解すべきである。

要は,本来,「責任」と書くべきところを「事理」と書いてしまっているという訳ですが(「弁識」も「弁職」になっている),結果的に,上記要旨は,本来の判決の意味とは180度違う意味となっている。

2009年版六法購入

今年は小型六法として三省堂の『模範小六法』を購入。

模範小六法〈2009〉

模範小六法〈2009〉

三省堂のサイトを見ると、『コンサイス判例六法』からタイトルを変更したとのこと。
去年は、リニューアルした『判例六法』を購入したけど、オサレすぎるのと、いまひとつ開きづらいということから、結局あまり使わなかったため、今年は『模範小六法』を購入してみた。
中身はパッと見た感じ、その名の通り小型の『模範六法』そのもの。まぁ『模範六法』は修習生時代に使っていたので、慣れているといえば慣れているんですけどね。

取調べと「被疑者ノート」

  取り調べ中の副検事が弁護士批判、違法の判決 横浜地裁asahi.com

密室のやりとりが判決で認定された決め手は元課長が取り調べ状況を日記のように記録していた「被疑者ノート」だったという。

上記記事にある「被疑者ノート」とは、おそらくこれ(※PDF)のことでしょう。
まだ判決文そのものに目を通していないので詳細は分かりませんが、裁判所は、この「被疑者ノート」の記載内容の具体性、合理性から、問題の発言の存在等を認定したものと思われます。
今後、「被疑者ノート」を積極的に利用するためにも、この事件の「被疑者ノート」にどの程度のことが記載されていたのかを知りたいところです。

被疑者国選報酬水増し請求問題、その後

   一人のために,,,,,。河田英正のブログ

件の弁護士が所属していた岡山弁護士会では、この問題について緊急集会が開かれたとのこと。
現在、岡山弁護士会でこの弁護士に対する懲戒処分を審査しているとのことですが、弁護士会としてもいかなる処分を下すかについて苦慮しているところでしょう。

「ゼロゼロ物件」

ボツネタ”経由
「ゼロゼロ物件」被害救済 大阪の弁護士ら対策会議結成ヤフー・ニュース

ゼロゼロ物件」被害については、今週発売の週刊東洋経済(2008年10月25日号)にも記事がありました。それによると、この「ゼロゼロ物件」商法を展開する不動産会社は、家賃の支払いが数日間遅れただけでも無断で入居者の部屋に立ち入り、その部屋の鍵の交換を行って入居者を締め出すということを行っているとのことですが、このような無断立入り行為は通常、住居侵入罪に該当するものであり、非常に問題のある行為です。
 また、この「ゼロゼロ物件」商法については、そもそも「鍵の一時使用」という形式の契約自体、借地借家法の脱法行為ではないのか、入居者に不利な条項は消費者契約法に違反するのではないかといった様々な問題点が指摘できそうです。
 上記記事によると、現在、部屋の鍵を交換され、高額の違約金を取られた入居者たちによる損害賠償請求訴訟が東京地裁に継続中とのことですが、この訴訟の動向に注目したいと思います。

 関連:「敷金・礼金なし」ゼロゼロ物件 トラブル続出YOMIURI ONLINE

交通事故に関する講演会

昨日、霞ヶ関弁護士会館で、毎年恒例の交通事故に関する講演会が開催された。
内容は、整形外科教授による骨折に関する講演、東京地裁交通専門部の裁判官による講演(東京地裁における民事交通訴訟の実情、飲酒運転を巡る関係者の責任、生活費控除率、素因減額、過失相殺)だった。