「響け!ユーフォニアム」2話を観た。
演出やらなんやらは他のアニメ批評・感想ブログを見ていただくとして。どうしても言及しておきたいところがあったので。
全国100万人の三つ編みファンの皆様!葵の三つ編みに注目!
三つ編みの表と裏を完璧に描き分けていますよ!
アニメに出てくる三つ編みって、前から見ても後ろから見ても、毛先に向かって外から内側に編まれていることが殆どで。描き分けをきちんとしていることって珍しいのです。葵の三つ編みはゆるく編んでいるので、ちゃんとしとかないと動かしたときに矛盾がバレやすいのかもしれません。
3話以降で編み方が変わっていたら、それはそれで「誰かに編んでもらった」ということになるので、妄想が捗りますね!
というわけで、葵の三つ編みに注目なユーフォニアムでした。
「アニバタ Vol.9 [特集]けいおん! & たまこラブストーリー」寄稿しました
アニメ・マンガ評論刊行会様の「アニバタ Vol.9 [特集]けいおん! & たまこラブストーリー」に寄稿させていただきました。誘ってくださった id:tatsuzawa さん、ありがとうございました。8月15日〜17日のコミックマーケット(1日目と3日目)に頒布するそうです。詳細はこちらをご確認ください。
私は「音が語る『けいおん!』」と題して、放課後ティータイムの音楽描写からみた『けいおん!』の魅力について書かせてもらいました。特に梓を中心にした話題なので、梓ファンの方にはぜひ読んでもらいたいです。
ひと足さきに読ませていただきましたが、188ページにわたって各人の熱量が込められた本だと思いました。自分のがいちばん薄いくらいですよ。編集とDTPのていねいさもぜひ感じ取っていただければ。どうぞよろしくお願いします。
「THE IDOLM@STER MOVIE 輝きの向こう側へ!」を観た。
久しぶりに感想を書いてみる。
- まず可奈(と春香)をあそこまで追いつめる必要がほんとにあったのかなーと、ちょっと疑問。成長のために壁が必要という考え方はあまり好きじゃないのだ。でも、ラストのライブシーンでそんな疑問はわりとどうでもよくなかった。結論としては満足して劇場を出た。
- ライブシーンでいちばん嬉しかったこと。アニマス初だと思うのだけれど、集団ダンスシーンでマイクを持って歌ってた。個人的にはかぶせだろうが口パクだろうがマイクだけは持ってて欲しい(ヘッドセット可)派なので。アニマスOP2の子ども時代の千早を見ればわかるとおり、マイクはアイドルの象徴だから。
- マイクなしのライブシーンだと「本人出演の再現イメージ」にしかみえず、作品全体も「本人出演のドキュメンタリー風フィクション」というメタ的な観かたを強いられるというか。おれだけかもしんないけど。
- 千早の写真もよかったな。写真というのは今を切り取るものであっても撮った瞬間にはもう過去になる。過去を肯定できるようになったんだなあ。
- ミリオンライブでの可奈は千早スキーだと思ってたので、はじめ少し混乱した。ミリオンライブ以前の物語と気がついて納得した。
- HARAPEKO奈緒がメシくえないくらいハードなのね。
- 可奈が袋からお菓子をこぼすところ、ロトスコープの中抜きみたいなおもしろい動きだったけど誰の仕事だろ?
- ライブシーンの美希のマイクの持ち方が、口元から常にずらす感じで独特だったのは彼女の癖かしら?
- Stylipsのみなさんの名前が出てましたが、あそこの事務所は春香的というか赤羽根P的な思想だと思うので(少なくとも表に見えるところは、ね)、ちょっと感慨深かった。
こんな感じかな。アニマスのマイク演出は20話が神だったな。
「話の飛躍についていけません ―志村貴子『青い花』評論集―」を読んだ。その1
アニメ・マンガ評論刊行会のたつざわさんからお誘い頂いて、ちょっとした文章を書かせてもらった「話の飛躍についていけません ―志村貴子『青い花』評論集―」が届いた。ごく簡単ではあるけれども感想を書いておこうと思う。B5版で約100ページにびっしり中身の詰まった本なのに、ひとことずつで申し訳ない。今日は「第1部 マンガ論」のぶん。
『青い花』から見るマンガ表現論 ――空白の多用や漫符の使用の少なさから見える景色…むったん (@munetakaoi)さん
「空白そのものがメッセージとして、コマの中に描かれている」という指摘が腑に落ちた。空間の形からものをとらえる観かたもある。
理想としての精神、現実としての肉体 ――志村貴子『青い花』論…籠原スナヲ (@suna_kago)さん
恭己と京子でふみを読む!まさに「この発想はなかった」という感じ。バッドエンドに向かっちゃうんでしょうかね。
風に吹かれた種の行方を ――逃走と選択から読む『青い花』…すぱんくtheはにー (@SpANK888)さん
すごくきちんとした論だと思うのだけれど、なぜか「京子」「康ちゃん」「杉本先輩」「あーちゃん」と呼び方が違っていて、そのへんから書いている「人」が滲み出ているところもよかった。自分の心の中の呼び方は「井汲さん」「杉本」だ。
どうにもならない子供が一人 ――井汲京子と演劇『鹿鳴館』…水星 (@mercury_c)さん
部分的なセリフ等からある程度わかるものの、『嵐が丘』や『鹿鳴館』読んどいたほうがやっぱいいのかなあという気になってしまった。むむむ。
溶ける劇場・ユリトピア ――演劇祭から見る『青い花』…小倉浩平 (@tamacko)さん
正直「百合」って何だかよくわからないというかそれほど強い思い入れを持っていないので、興味深く読んだ。百合論以外のところは面白かったし、特に山科先生についての部分は全力で同意。
『青い花』のファンタジー ――「百合マンガ」的規範を越えた先に…きめかわ (@kikimekawa)さん
奥平兄妹について突っ込んで考えたことが今までなかった、と気づかされた感じ。たしかにあれは変だ。志村貴子が変なものを意味もなくフェードアウトさせるはずもないんだ。
『五輪書』から読み解く恋愛漫画の関係性の構造と未来への展望 ――『青い花』に寄せて…我乱堂 (@SagamiNoriaki)さん
なにをどうやったら青い花と宮本武蔵を結びつけると言う発想が出てくるんだろう…。しかし、うん、ふみちゃんはたしかに闘っている。
「良い子」という群の特性と、その発展をあーちゃんに見る…S治 (@esuji)さん
紹介されている作品をことごとく観て/読んでなくてぴんとこなかったですごめんなさい(ゆゆ式は1話よかったので続けて観るつもりです)。でもこういう括りかたはおもしろいと思った。
四姉妹のタイポロジー試論…波野淵 紺 (@nocitponap)さん
自分が男四人兄弟なので、杉本四姉妹の似てない⇔似てる関係はすごくおもしろい。うちは次男と四男が顔も性格も近くて長男と三男はそれぞれ違っているんだが、よその人から見ると共通点がないこともないらしい。そういう意味でも身近でおもしろい視点だった。
「志村フェティシズム」に見る、心の深度。…四条紅羽 (@kureha4)さん
基本的に「手」の話だけでB5版4ページですよ。印象的に「手」が描かれる作品は少なくないと思うのだけれど、『青い花』の「手」は情報量が多い上に頻度も高いということかなあ。
批評でも感想でもない何か(読み飛ばし推奨) ――私と『青い花』…時雨 (@sigure33)さん
こんなパーソナルな話を読ませてくれてありがとうございます、という気持ちです。『センティフォリア』が出てくるのも嬉しい。
鎌倉・江の島訪問記…たつざわ (@tatsuzawa)さん
たつざわさんご本人の記事に限らず、いろんなところに掲載されている江の島周辺の写真が、ほどよい誌面のクッションになっていると思う。ローキー気味でモノクロでも雰囲気がある。
無教養な僕が志村貴子さんの『青い花』を本気で読み返してみた…杉小路武弘 (@suginokouji)さん
なんか読んでてすげえ楽しかった。杉小路さんとふみちゃんを対戦させてみたい。意気投合するかもしれないし。
今日はここまで。「第2部 アニメ論」と表紙、イラストについてはまた今度。4月28日(日)の「超文学フリマ」inニコニコ超会議2で頒布されるそうなので、参加される方、興味を持たれた方はぜひ読んでみてください。
「僕らは今のなかで」を聴いた。
というか最近はずっと聴いている。「ラブライブ!」OP、μ’sの「僕らは今のなかで」が素晴らしい。
疾走感あふれる縦ノリの楽曲に、徹底的に「今」と「未来」だけを向いた歌詞(歌詞タイムのリンク)。それだけでも素晴らしいのだけれど、畑亜貴らしいなあと思った仕掛けがFullバージョンでもTVサイズでも最後に一度だけ出てくるフレーズ。
「待ってた」。曲中で唯一の過去形。つまり歌の中での「今」も「未来」も、歌の最後ではもう過去になってしまった。彼女達の瞬間を見事に切り取ったといえるんじゃないだろうか。
ラブライブ!の圧倒的なスピード感は、京極監督だけでなく花田十輝だけでなく、関わる作り手すべてによって生み出されているのだと思う。<おまけ>
「僕らは今の中で」ではなく「僕らは今のなかで」なのはどうしてか、考えると楽しい。
話数単位で選ぶ、2012年TVアニメ10選
順番は思いつき順。
スイートプリキュア♪ 47話 「ピカーン!みんなで奏でる希望の組曲ニャ!」(脚本:大野敏哉/演出:田中裕太/作画監督:河野宏之)
「絶対に許せない」といいながらくり返し和解を描いてきたスイートの到達点。「悲しみに染めてみせる!」「笑顔に変えてみせる!」も泣けるけど、ビートの「知ってるからよ!」にぐっと来たなあ。河野作監回はキャラの顔がいまいち不評なようですが、田中演出の高度な要求に応えきったと思う。
スマイルプリキュア! 6話 「チーム結成!スマイルプリキュア!!」(脚本:米村正二/演出:土田豊/作画監督:河野宏之)
シリーズを通した大きな物語が魅力的だったスイートに対して、1話単位での面白さが光っていたスマイルプリキュア。迷ったけれど、3月11日放送のこの回を。エイプリルフール回や七夕回など、現実の日付に近づけたスマイルにおいて、この日に放送する回にメッセージが込められていないわけがないのだ。
ジュエルペット サンシャイン 47話 「星に願いを…イェイッ!」(脚本:山口宏/コンテ:三沢伸/演出:徐恵眞/作画監督:筆坂明規・金城美保・野道佳代)
JPS版王立宇宙軍といえる笑って泣ける回。結末が冒頭に来る個人的に大好きなパターン、ガガーリンの引用も「地球は青いヴェールを…」の方で。サフィーが女の子で犬のジュエルペットであることもライカ犬を想起させてさらに泣ける。
銀河へキックオフ!! 22話 「涙」(脚本:山田隆司/コンテ:こでらかつゆき/演出:吉田俊司/作画監督:ごとうじゅんじ・清水勝祐)
川端裕人さんの原作自体が、サッカーにまつわるさまざまなイシューを積極的に取り上げた作品で、丁寧なアニメ化でキャラクターの魅力がさらに上積みされた。どの回もおもしろいので、エリカのクロスが印象に残ったこの回で。銀オフのサッカー描写は、本当に試合を観ているときのように、思わず声を上げてしまう。
戦姫絶唱シンフォギア EPISODE 1 「覚醒の鼓動」(脚本:金子彰史/コンテ:伊藤達文/演出:室谷靖/作画監督:いとうまりこ/ノイズ作監:光田史亮)
倒置法というか遡及的というか、全体でも短いタームでも遡って意味が明らかになるパターンが多かった作品だと思うので1話。この回は、ツヴァイウイングのライブ会場、ステージとアリーナを見下ろした響の高揚もよかった。ライブが始まる前のどきどきを描いてくれるのは本当に嬉しい。音楽の力を信じている人たちが作ったアニメだと1話でわかる。ついでに岩手県人としては「盛岡のおじさん」も地味にうれしかった(伊藤達文さんは盛岡の出身)。
モーレツ宇宙海賊 SAILING 15 「密航出航大跳躍」(脚本:伊藤美智子/コンテ・演出:倉田綾子/作画監督:いとうまりこ)
モーパイも全話楽しいですが、オデット2世も弁天丸も、ヨット部の面々も弁天丸クルーもどっちも存在感を見せてくれるこの回で。さらに、この回は脚本・演出・作監が女性のみでモーパイらしいんじゃないかと。ハラハラさせられつつもなんだかんだでやり切ってしまう高校生たち、見えないサポートで動きまくる大人たち。子どもをバカにするでもなく、放置するわけでもない大人たちがよかった。モーパイは食べ物を使った演出がバシバシ決まってるので(この回ならグリューエルが持ってきたスイーツ)、「誰と食べるか」「食べた後のキャラクターの距離」に注目して観ると面白い。
ガールズ&パンツァー 8話 「プラウダ戦です!」(脚本:吉田玲子/コンテ:内藤明吾・山内則康/演出:政木伸一/作画監督:五十内裕輔・渡辺奈月/メカ作監:須藤晋)
雪上戦も「カチューシャ」もよかったけど、この回は鍋シーン。距離を縮める定番演出の「鍋」で、結局言い出せないで終わるのがいいんだ。
ハイスクールD×D 12話 「約束、守りに来ました!」(脚本:吉岡たかを/コンテ・演出:柳沢テツヤ/作画監督:ごとうじゅんじ・神田岳・石動仁・そらもとかん)
ED10選ではおそらく最強クラスと思われるハイスクールD×Dですが。12話は熱かった。オカ研全員の名前出しながらの畳みかけ(「○○が言っていた!」のあれね)から「部長が泣いてたんだよ!」最高だったなあ。2期楽しみ。
「映画 スマイルプリキュア! 絵本の中はみんなチグハグ!」を観た。
例によってぐしぐしと涙を拭いながら観てきたわけなんですが。感想をひとことでいうと「本編でやれよ!っつうか本編どうすんの!?」という感じ。
「本編でやれ」というのは、幼い頃のみゆきのエピソードを今回の映画でしっかり描いてくれたおかげで、「スマイル」と「ハッピーエンド」の説得力がケタ違いになったこと。みゆきがただのアホの子じゃないことは本編を観てればわかるとはいえ。
みゆきの二面性というか重層性は福圓さんによるところも大きいと思っていて。ふだんアニメを観ていて、ハマったときには声優さんの存在を忘れてしまうのだけれど。最近の本編や今回の映画みてると「星空みゆき=福圓美里」みたいに感じることがある。「日野あかね=田野アサミ」に感じる瞬間もあるなあ。本来、演技のプロに対して失礼な話だと思うけれども、あとでインタビュー読んだら外れてもいない気がしている。
こんな「ありがとー!」じゃ足りない「映画スマイルプリキュア!」福圓美里に聞く2(エキサイトレビュー) - エキサイトニュース
(以下、映画のラストに若干ふれています)
「本編どうすんの?」というのは、物語の続きはこれから自分で作っていく、で本編しめると思っていたから。やや強引ながらもスイート的な赦しの物語も組み込んだ映画のラストは「これしかねえだろ!」と。まあ大塚SDも映画に参加していたようだし、超える自信があるんでしょうと楽観してればいいのかな。
以下、雑多な感想箇条書き。
- いちばん最初の本の扉でスタートしたところも最高でした。あれ大好きなのに本編であまりやってくれないんだよなー。
- 5人+キャンディで映画を観ているシーンから物語が大きく動き出すところも含めて、映画の世界に招き入れるくふうが随所に。でもミラクルライトは今回あっさり気味だったような。
- 映画館の音響だと安元の声がほんとかっこいい。アニメ女子おうちカフェ部みてるとアレなのに!
- マーチが地味過ぎる(バトルはピースの方が強く見えたぞ)。基本的に引いちゃう子なんだなあ。実はサニーとはぜんぜんかぶってなくて、正反対のキャラであることを再確認してしまった。42話たのむよ!
- ビューティの剣戟がけっこうよくて、はやて×ブレードアニメ化の夢を見た。一瞬。