白飯

好きな物100

キングダム

キングダム(映画)

キングダム(映画)

  • 発売日: 2019/10/09
  • メディア: Prime Video

春秋戦国時代の中国で、筋トレ、イメトレ繰り返し、目指すは天下の大将軍。突如起こった国の内乱、悲しいことも乗り越えて、奴隷の少年、大暴れ。

山の民がやられる度に心が痛んだ。こんなところで、こんなやばそうな戦士が散るとは…。彼らはヴァルハラにいけるのだろうか? 山の民のビジュアルはけっこうマンガに忠実に具現化しているような気もするが、もっとヤバイ雰囲気があったら良かったかもしれない。こいつら絶対ヤバイ。喰われる……?もっとひどいヤツになる……? みたいな感じ。が、そこは力を入れるところではなさそう。

大沢たかおの王騎はどうなんだろう。オネエ言葉で、たらこ唇で、眉が太くて、筋肉ムキムキで、かつカリスマ、「大将軍」概念の北極星的存在という異色キャラで、ものすごく難しかったろうな。Amazonのコメントだと結構受け入れられていた。ただ個人的に綾瀬はるかが「先生!急患が!」って飛び込めば、仁先生にスムーズに戻れそうな危うさ(個人的な印象の問題)があった。要するにコント的なのか。じゃあ、誰ならよかったのか。渡辺謙とかかな。トウは良かった。副官っぽさが合っている。ただ目の焦点不明の不気味さはさすがに難しい。荒川良々ような感じだがそれだと有能な感じが難しい。マンガの実写化は難しいな。
戦闘シーンは、楽しいのだが、我流の剣術なのにキレイな動きするとなんか変な感じ。もっと力任せとかでもいいが、原作はどうだったんだろう。
最後の戦いでは、一人に任せて大丈夫なの??と思っていたが、一人の暴力が戦局を変えるような世界観だったので、それでよかったのだった。
総じて楽しかった。アニメの第三期が見たくなった。

ペンギン・ハイウェイ

ペンギン・ハイウェイ

ペンギン・ハイウェイ

  • 発売日: 2019/12/01
  • メディア: Prime Video

ある日、町にペンギンが現れ、小学生の少し普通より賢いアオヤマ君はペンギンと、そしてお姉さんの謎を解くために研究を開始する。

原作が好きで映画の出来も期待できて、見れば楽しいに決まってるのに見れないやつ。なんか特別なときに見たいとか思ってしまうやつ。そして特別なときは訪れない。本当に見たいのはもっとジャンクな奴だったり。
しかし、何かしらの勢いに任せて見た。うむ。よかった。
おねえさんのおっぱいを何かしらちゃんと書こうという真面目な意思が伝わる。本当にちゃんと書いてしまったら大変なことになるが大変なことにならないくらいの感じで、しかしちゃんとボリューム感を伝えようという想いがあった。森見さんがおっぱいおっぱい言っていたとしても、それは実際に触る気のないおっぱいというか、非実在のおっぱいというか、夢?みたいなものであるので、ほっといたらいいのにと思うが、あれもこれも素晴らしかったと思います。

アオヤマ君は出木杉君の変異種のように思えるけれど、出木杉君より洗練されて、適度な人間らしさを加味されていて、生きやすい気もする。本作のお姉さんにかかわらず、たくさんのお姉さんに愛されることだろう。

彼らが本気で編むときは

彼らが本気で編むときは、

彼らが本気で編むときは、

  • メディア: Prime Video

母親が蒸発し(N回目)、叔父のところにしばらく身を寄せることになった小学生のトモ(女の子)は、叔父が同棲するトランスジェンダーの彼女から思いがけず自分の子供のように愛される。

もうひとりのTS?の男の子が自殺未遂して病院に忍び込んだ後の主人公のセリフが自殺しようとした友人にセリフではなくひやひやするが、そのあとに続く「あんたのママは、たまに間違う」というセリフが鮮やかで、別の意味でクールで、素晴らしかった。母親に理解されない自分、母親の望む子供になれない自分に引き裂かれていた彼(彼女)が、どうか救われていればよい。また、このセリフは、既に映画のクライマックスにおけるトモの決断に結びついている。彼女が気づいてはいなかったかもしれないが、このときすでに気持ちは決まっていたのだ。
人生は幸不幸のまだらもようで、人は矛盾に満ちている。偏見はなくならず、悲しみや悔しさは時間を超えて残るだろう。ただ彼(彼女)らが手編みの男根を作り上げるまでのような幸福な時間もまたなくならず、また形を変えて訪れるのだろう。そういうふうに信じて、自分が生きる場所で生きていく、というようなことを思った。
どうしようもなく腹がたったときは編み物をするのだとリンコさんは言っていた。せめて幸福な時間が多いように、祈っているようにもみえた。

南極料理人

南極料理人

南極料理人

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video

第38次南極地域観測隊のメンバーとして南極大陸ドームふじ基地にやってきた8人のおっさんたちの一年。ペンギンもアザラシもいない閉ざされた中で主人公の西村は毎日料理を作る。

日常と非日常、おっさんと少年が入り混じった、どこかコミカルで一触即発でどんよりで明るい雰囲気は、確かに南極のマイナス54度の1分740円の電話のある閉鎖空間によるものなのだろう。普通のようでいて、半ば狂いつつも、理性を保つ。ごはんがそれを助けている。
この空気感が独特で、冒頭の吹雪の中逃げ出した隊員を連れ戻すような事件は最後まで起こらない。淡々とした日常がただ続いていくのに興味はぜんぜん失わない。そして少しずつ変化は蓄積されていく、それにはそこにいる本人たちも気づいていないかもしれない。劇的じゃなくても変質は常に起きている。そういうものだろう。そして、それは日本に帰ってきてからも気づかず、主人公は、帰ってきて食べた動物園の高そうなハンバーガーで気づくのだ。
この素晴らしい塩梅。こういう時間を提供できる創作ってすげーなと本当に思う。ありがたや。

キルラキル

喋る服を着て戦う。よく半裸になる。

同じように評判の良い天元突破グレンラガンを見てなかったので面白そうだが半裸の少女とか家で見づらいので見てなかったが家族が実家に帰っていた際に視聴。もっと早く見ておけばよかった。

外連味たっぷり、パロディ・オマージュをふんだんに取り入れて、怒涛の展開とスピード感で最後まで駆け抜けていった。終わってみれば、整合性はあるようなないような、黄長瀬紬の髪の色とか姉さんの話とか別の世界線の設定もあったような気もするが、心地よく乗せられておけばよい。インタビューなどを見ても、最初から最後まで計算づくのものではないだろうと思うけれど、怒涛の展開・スピード感を演出するには相当のセンスと技術がいるだろうと思う。荒いストーリーのようで丁寧にポイントを作り続ける必要がある。視聴者の快感原則や記憶というものを適度に刺激する。声優さんもキャラによく合っていると思う。演技力も高かったんだろう。
ヒロイン二人の黒・白という衣装は、1stプリキュアを感じさせる。毎回挟まれる一回裸になる変身シーンも魔法少女系のそれだ。また後半、何かと満艦飾マコを気遣う蟇郡苛のシーンを挟み、視聴者の妄想をはぐくみつつ、ファンイベントでは脚本家の中島かずきがあっさり切り捨てるといったところは計算づくのものを感じる。個人的には、後半、神衣を互いに交換して闘うシーンが、ガンダムWヒイロゼクスが互いにガンダムエピオンとガンダムWゼロに乗って戦ったのを思い出させてうれしくなった。当時、主人公が主人公専用機以外で戦うというのが新鮮だった。オマージュやパロディというのは冷凍保存している記憶を刺激し、快感を思い出させてくれる。

百円の恋

百円の恋

百円の恋

  • 発売日: 2015/07/09
  • メディア: Prime Video

32歳無職で実家の弁当屋を手伝いもせず出戻りの妹の子供を156回以上も大人げなくゲームでボコボコにする斎藤市子は妹とつかみ合いの喧嘩の末に家を出てアパートを借り近所の百円ショップで働き始める。なんとなく気になる崖っぷちのボクサー、長時間労働うつ病の百円ショップ店長、おしゃクズアラフィフフリーター、ストレスで神経過敏のエリアマネージャー、廃棄品を盗んでいく電波系ホームレス?ばあさんなどと出会い、一子は百円ショップの仕事を覚え、ひどい目にあい、ボクサーとの恋愛の果てに、ボクシングにのめりこんでいく。

それまで、不器用で不気味だった動きは、ボクサーのそれになり、シャドーのパンチは空を切り、実際に精神がいかれたマネージャーをワンツーで突き放す安藤サクラの動きはめちゃめちゃかっこいい。めちゃくちゃ強そう!プロテストも1回で合格し、クライマックスの試合まで突き進んでいく…。

冒頭から閉塞感半端ない。どこか行き詰って負け続け疲れ果てているさなかの登場人物たち。それでも毎日は続いていき、生きていくために進んでいかねばならない。そして、それぞれにとって決定的な終わりが訪れて、それでもまだ続いていくのだ。なんて恐ろしいんだ。もうやめてくれ。

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映画 賭ケグルイ

映画 賭ケグルイ

映画 賭ケグルイ

  • 発売日: 2019/10/16
  • メディア: Prime Video

私立百花王学園。政財界の富裕層の子女が多くこの高校では、勉強やスポーツは一切評価されず、ギャンブルの強さのみがすべてを支配する。(僕が富裕層ならこんな学校にはいれない)
期待の転校生・蛇喰夢子は、学校の階級制度に抗い、ギャンブルをしない学校内団体(Village)と、それを奸計でつぶそうと(?)する生徒会との争いを知ってか知らずかとにかく大好きなギャンブルに狂うのだった。

漫画原作であり、悪評必須の実写化において、再限度の高さで好評を得ているという前情報を得たうえでAmazonPrimeで視聴。結論として見てよかった。
主人公蛇喰夢子を演じる浜辺美波をはじめ、全員のオーバーリアクション気味の憑依演技は、はまらなければ苦痛だろうが、じゅうぶんはまり込んで見れた。蛇喰夢子の喋らなければ超美人、笑ったり喋ったりで顔面崩壊する演技は、真意や正体が不明という設定に合っていてよいように思った。やはり、木渡潤役の矢本悠馬が喋ると楽しくてはまっていた。今日から俺は谷川もそうだが、こういうキャラがよく合う。
そういえば一人も教師を見なかったな。授業シーンもなし。ないのかな。
なぜか生徒会が異常な権力を持つのはもう慣れたが、それに対抗する勢力も、なぜか制服を着ず、全員で足を踏み鳴らし、吠えて、威嚇する集団も、現実離れしていて、よく考えると変だけど、このノリで行く方が楽しいから乗っていく、相互の共犯関係がこの手の映画の醍醐味だろう。しかし、まったく活躍がないが、賑やかしに喋るパーカー飴女は少しうざかったが…。