無題

               
真昼の軽い雨が
ひとつの都市を終わらせる


通俗的な喇叭がどこかで鳴り響き
抜け落ちた光が遠くで踊っている


焦躁とは無縁のみずいろの
懐かしさが機能しないこの場所で
(笑ったり泣いたり叫んだりした痕跡は
すみやかに消毒され)


それでもまだ
余白の空が切り裂かれないように
祈るのか?

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ご無沙汰しています
年を取った犬と過ごす時間が増えた以外は
私は相変わらずです


まばらな音をなぞる


心配はしていません ただ
死ぬなよ
飼い慣らされるなよ クズ共