下書き20190519-saudade

なあなあ生まれてはじめたところの

こまかくちんまいやっつけしごとが

やわらかなそこをつく

やああのとき風がふわついているのをきいたかい

三半器官が撫でられて

ふらつきながら笛をふきながら

<最初から悪寒と腹痛

だからか、風は硬い

さかさかと、軽トラの荷台から眺める

農薬袋の土嚢でかためた土手を過ぎ

肥料の匂いをかぎながら

ろくでもない曲がラジオから流れる

花占い、花占い、花占い>

まあまああれはといったぐあいに

やめたやめたをくりかえせ

もうはや夕方すっかりすぎて

あおやみどりですっかりひえた

闇夜や川のせせらぎよ

 

 

現代詩手帖投稿にあたり

 

ユリイカはまずそのまま出しても問題ないだろうが、

手帖はおそらくそうはいかないとおもわれる。

とりあえず白井さんとの約束は果たさねばならんので出すにあたり

今回の選者についての傾向と対策を練ってみた

松下さんはどうも本人が書く作品の美意識としては比喩表現を嫌う

ようだが採ってる作品はそうでもないようだ

どうも傾向として細分化できるようなものもない気もするのだが

一つ分析をしてみてもいいかもしれん

 

 

きぃきぃきぃきぃん

遥か遠くのパンタグラフが架線にぶちあたっている音は

この場所では猫の声のように聞こえた

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レアグルーヴという90年代のムーブメントは

雨が降った後の塩柱のようにあっさりとくずれさった

容易に手に入らないレア音源をかけるというそれだけで

成立していた特権性は再発の乱発、さらにYoutubeなどで

レア音源が容易に聞けるという状況になってしまえば、

何のありがたみもなくなっていた

 

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JR東海道線枇杷島―名古屋間で、上り快速列車の運転士が異音を感知した。点検したところ、近くに停車した下りの列車のパンタグラフと、枇杷島駅付近の架線設備に破損が見つかった。

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また中央線止まりやがった

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こぼれた清涼飲料水が

すっかりとかりんとうのようになった

ぼくのデスクよ

圧縮木材のなかまでしみこんだ

さまざまな鬱憤と敗北よ

きぃきぃきぃきぃん

遥か遠くのパンタグラフが架線にぶちあたっている音は

この場所では猫の声のように聞こえた

 

いきいきつくはてか

うたかただとかまぼろしだとか

いづれの時かいづこの世とか

皮脂油脂とまじってくろず

饐えはてたすえに固まってんのに

デスクよ

冗談じゃねえよ

おまえはターンテーブルになるべきだったのに

興奮しながらばちばち叩く

ピッチをあげまくった古い曲で

月が震えているのを

みることができたというのに

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なるほどとっとと月を捨てよう

酔うべき酒を置き、カフェイン剤を飲んで

北極星を空に置こう 

シングル盤と区別がつかなくなるまでの回転数で

くるくるくるくる星のきりきり舞うなか

みよかの北辰の凛と動かざることを

詩想:まとめ

 

とにかく汚い部屋の中で

臭くてしょうがなかったが

月を置くことによって、

ひとつおちついてこれらの光景もなんとかなる気がしたのだが

時間経過が早く夜空の星や

月が回転しているのでどうにもならない

俺はやむをえず肝を据えて座り北の空を眺めたところ

北極星は全く動いていなかった

なるほど初めから全く動かない北極星を置いて

心を落ち着かせればよかったんだと思い終了

 

うーん、なんかダメな気がしてきた。

説明できてしまうってことが多分駄目なんだろうな

下書き20190131

こぼれた清涼飲料水が

すっかりとかりんとうのようになった

ぼくのデスクよ

圧縮木材のなかまでしみこんだ

さまざまな鬱憤と敗北よ

きぃきぃきぃきぃん

遥か遠くのパンタグラフが架線にぶちあたっている音は

この場所では猫の声のように聞こえた

 

 

いきいきつくはてか

うたかただとかまぼろしだとか

いづれの時かいづこの世とか

皮脂油脂とまじってくろず

饐えはてたすえに固まってんのに

デスクよ

冗談じゃねえよ

おまえはターンテーブルになるべきだったのに

興奮しながらばちばち叩く

ピッチをあげまくった古い曲で

月が震えているのを

みることができたというのに

 

ああ、もういいぜ

ひとつの豪というべき念のもと

北極星をそこに置いてやろう

アルコールと安い香料を

しずかに上目使いで

まったくの不動でながめてやろう

そこで踊っているのはゴキブリだ

部屋中にいくらでもとっ散らかってる

シングル盤といくらでも区別がつかなくなるまでの回転数で

くるくるくるくるかの北辰の

みよ北天に不動たるを

 

 

 

文学極道 | 詩投稿掲示板 - msg:10949

 

まずこういうタイプ、連分けや改行をせずに書き連ねるタイプの詩は構図が読みにくくなる
それは利点でもありスピード感もでるのだが、
逆にこちらからすると改行すると構図が分かりやすくなるとも言える
当然スピード感も消えるけどね
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迎えにいく
迎えにいく
迎えにいかなければならない

お口の中で待っているだけならば
何も生まれないはじまらない
これみよがしにやってくる化学調味料にはありえない
ほんとうのほんとうの天然の微かな甘みがお口の中で自分の味覚と出会った瞬間に
弾けたポロロン故郷の思い出の中に降る小さな手のひらに溶けるボタン
雪の体温に染み渡るほんもの甘みはコンビニにないよ

何故ならコンビニには過去を照らす灯りがない
これみよがしに私は唐揚げ私はおでん私は肉まん私はマロングラッセ
私はアイスクリーム目をつむっていてもわかってしまう今の味は舌に突き刺さるあれは味ではない
針のついた値札だ味覚を鈍らせる毒だだからもう貴女を迎えにいけない貴女を探せない
私の味覚は晒した干し芋に空が喪失した記憶が山積みになっている遺伝子組み換えの海の素や
種子法の改正わかりやすい味よりお口の中で素材と味覚が探しあいやっと出会えた小さな甘みが
涙の中でなんどもなんども爆発しているから思い出しているけれどもう貴女に出逢えない

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ヒップホップ的というわけではないのだが、押韻の連続
言葉遊び的であり二連目(俺が勝手に二連目にしたんだが)までナンセンス(貶しじゃねえぞ)。
伏線は二連目までの段階でちょこちょこと出て来ている
とにかくコンビニで統一しているのだが世界観がコンビニと恋愛以外にない
まあ確かにまとまるんだ。これは。
押韻は見事なので、そのあたりは素晴らしいんだが

技術的には及第点ところか優秀すぎる部類なのだが問題は詩想。
この段階で冷静になるとさっと冷める。
とはいえこういうタイプの詩は練って出したものではないというのがはっきり分かるので
それは責めるべきでもないともいえる。寿司みてぇなもんだ。熟成がないとか言ってもどうにもならん。