PS - I 黄金の河

オンライン試写にて。巨匠マニラトナム監督、音楽A.R.ラフマーン、主演のヴィクラム、アイシュワリヤー・ラーイ錚々たる顔ぶれで送る壮大な歴史絵巻の前編。10世紀に実在したというチョーラ王朝を舞台とするベストセラー小説「ポンニ河の息子」の満を持しての映画化で、原作のことも歴史もわかってない自分ゆえ王家をゆるがす権謀術数の背景や敵味方入り乱れる人物相関図がそこそこ頭に入ってくるまでにいささか時間がかかってしまいましたが中国の大作時代劇(王朝の陰謀系)とも通じるスリル感とスケール感にわくわく。大女優アイシュワリヤー・ライの相変わらずの美しさとゴージャスさに加えミステリアスで復讐の女神的な存在感が絶品、「囚人ディリ」とうってかわって陽キャ全開なカールティのトリックスター的魅力にもちょっと惚れた。肝心の(というか一番の主役というか)ヴィクラムの本領発揮的見せ場は後編で一気に来るのかな、わからんですがたぶん。それはともあれ、早く見たくてオンラインで見ちゃいましたがもちろん劇場の大スクリーンで見るべき大作。公開は5月17日。第二部「PS2 大いなる船出」も6月14日公開とのことで「バーフバリ」ほど首を長くしないで済むのはありがたいです。

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オッペンハイマー

劇場にて。もしかすると早くも今年のマイベスト。期待以上の大傑作。原爆の父ことJ・ロバート・オッペンハイマーの、キャッチコピーを引用するなら「天才科学者の栄光と没落」の物語は、毎度のことながら予習なしだったので登場人物の多さと行ったり来たりする時系列に時々おいていかれそうになりつつ見ているうちにパズルのピースが脳内で埋まっていく作りのすごさたるや、これが万一(クリストファー・ノーラン監督はきっとそうはしないと思うけれど)時系列で進んでいたらどんなにか普通の大作(ってなにそれ)になっていたか、いやそんなこと想像しても意味がない、とにかく映像も編集も音響も役者陣も全方位的にすばらしくて圧倒されているうち3時間が過ぎ去ってました。キリアン・マーフィーをはじめオスカー受賞7部門、あらためて納得で、カメオ出演なのかなと思わされたラミ・マレックが確かに出番は多くないものの後半のとあるシーンで場をさらっていったりアインシュタイン役のトム・コンティアインシュタインすぎて(?)感動したり等いろいろお見事。正直細かいところまで全部を把握できたとは思わないのでもっぺん見たら倍くらいおおおおっとなりそうですが初見のこの圧倒されまくり感は一期一会。ちなみに被爆国ニッポンの者としてどう見るかは人それぞれだしあんなことやこんなことをもっと描いてほしかったとかいう感想もあろうけれど歴史上目下唯一原爆を戦争に使った国で作られた映画として当時かかわった人たちそれぞれの立ち位置ががっつり描かれている(たぶん)ことには個人的には深く感じ入るものあり。余談ながら、映画の日のためか平日にしてはおっきな劇場がかなりの入り、しかも普段ならエンドクレジットで帰り始める人が多いのが今回はまあ帰って行った人も数えるほどにはいましたがなんだかいつもと違って最後の最後まで席についていた人が大半だった印象です。

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稽古

護身クラス@I道場。しーふーいわく「体操は車でいえば整備、呼吸法はガソリン。整備をし、呼吸法で丹田にエネルギーを集めて車を動かすこと」「いつでも縦軸、横軸、正中線はぶれないように」「理屈をわかって、科学的にやって、いっぱい失敗するうち理屈に合った動きになる。そこから先は理屈も形も関係ない、気の次元」

デューン 砂の惑星 part2

劇場にて。原作未読で往年の映画も見ていなかった壮大な物語世界を前回IMAXで体感して感動し、今回もIMAXで圧巻のカメラワークと視覚効果と音響にしびれまくり。「ゴジラ-1.0」とオスカーでぶつからなくてよかったなどとつい思ってしまいました(大きなお世話か)。前回もだけど砂漠と砂虫が大迫力だわ美しいわ恐ろしいわで好きすぎるし、前回に続くキャストの贅沢さはもちろん、新たにクリストファー・ウォーケン、フローレンス・ピュー、レア・セドゥ、アニャ・テイラー=ジョイといったトップ級の顔ぶれも加わってうっとりしどおし。なんですが「誰このヤバい人」とぞくぞくさせられた白塗り系がオースティン・バトラーと気づかなくてすみません、また「誰この動ける人」と気になった手負いのファイター役がロジャー・ユァンというのもエンドクレジットでわかったのはちょっと不覚でした。そしてまた、二部作と思ってましたが、なんならもしかしてという期待もしてよいのでしょうか。

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