【生まれて初めて見ました、郁子(ムベ)の花!】…市内の植物探索(40)

【生まれて初めて見ました、郁子(ムベ)の花!】…市内の植物探索(40)
 ムベは関東以西~九州に生息する キンポウゲ目アケビ科ムベ属の蔓(つる)の長さが十五メートルにもなる常緑蔓性木本です。
 ムベの開花は4~5月で、葉の脇から伸びた長い花柄にベル型で俯くように花を咲かせます。花には花弁がなく、雌雄同株で、芳香のする雄花と雌花をつけます。雄花は淡い紅色で、3~6輪が集まって咲き、6本の雄しべがあります。雌花は雄花より大きいが数は少なく、花弁のように見える白い萼の内側には暗い赤紫色の模様があり、3つあり雌しべは淡い緑色で、これらが果実になります。果実は初め緑色なのですが、秋に熟すと紫色になります。ムベはアケビとよく似ていますが、アケビの実は熟すと割れて、白い果実があらわれますが、むべの実は開くことはありません。
 果実の中にある種子は甘くこの実が無病長寿の霊果であるとされ、  天智天皇が狩猟で滋賀県の地方を訪れた際に、長生きの老夫婦に秘訣を訊いたところ、ムベの果実をすすめられ、ムベの果実を食べた天智天皇が「むべなるかな(なるほどな)」と言ったのが名前の由来だと言われています。また、むべの実は、昔は苞苴(おおむべ:朝廷に献上するもの)とされており、それが変化して「むべ」の呼び名になった、とする説もあります。
  アケビは冬になると葉が落ちてしまうのに対して、ムベは一年中緑を保ちます。別名トキワアケビ(常葉木通)と呼ぱれ、トキワとは永遠に変わらないことを意味し、ムベが常緑であることを指しています。ムベの葉は、幼木のときは3枚、その後5枚、実が成る頃には7枚になるので、「七五三の縁起木」ともいわれています。
 
 
西東京市保谷町6丁目で2024.4.19に撮影したムベの雄花

 
西東京市保谷町6丁目で2024.4.19に撮影

 
西東京市保谷町6丁目で2024.4.19に撮影したムベの雌花

 

 

これがムベ(郁子)の実です。今までムベの存在を知らず、過去に撮影したアケビの写真の中に、ムベの花や実が混じっていました。西東京市谷戸町1丁目で2023年12月に撮影。

 

【牡丹のようにふんわりとたくさんの花をつけることから別名を牡丹桜(ボタンザクラ)とも呼ばれる八重桜。今が盛り!】…市内の植物探索(39)

【牡丹のようにふんわりとたくさんの花をつけることから別名を牡丹桜(ボタンザクラ)とも呼ばれる八重桜。今が盛り!】…市内の植物探索(39)
 染井吉野が葉桜になり、桜色の花と若葉が入り乱れるこの時期に見ごろの時期を迎えるのが八重桜です。どちらかというと儚いイメージのある染井吉野と比べ、八重桜にはどっしりとした安定感と華麗な感じがあります。市内にはいたるところで今が盛りです。
 八重桜の花びらは枚数が決まっていません。だいたい10枚くらいから、多いものでは100枚以上にもなります。一輪の花に300枚近く花びらをつける、兼六園菊桜という桜もあります。同じ八重桜なのになぜ、花びらの枚数が異なるのかというと、実は八重桜というのは品種ではなく、八重咲き、つまりたくさんの花びらが重なっている桜の総称だからです。、八重咲きの桜でも、菊の花のように大量の花びらをつけて咲く花は「菊咲」と呼び分けることもあります。
  多くの品種が野生種のオオシマザクラヤマザクラなどの種間雑種として誕生した栽培品種のサトザクラ群に属し、ボタンザクラ(牡丹桜)とも呼ばれ、その種類としては「関山(かんざん)」「一葉(いちよう)」「普賢象(ふげんぞう)」「鬱金(うこん)」 などの種類が知られています。
 八重桜は古くより春の風物詩として親しまれ日本人との関わりの歴史は長く、平安時代歌人伊勢大輔は「いにしへの奈良の都の八重桜けふ九重ににほひぬるかな」という八重桜を和歌の題材にした一首を詠んでいます。
 
西東京市泉町2丁目で2024.4.14に撮影した八重桜の花

 
 
西東京市保谷町6丁目で2024.4.14に撮影

 
 
清瀬京松山3丁目で2024.4.16に撮影

 
 
西東京市保谷町4丁目で2024.4.5に撮影

 
 
西東京市保谷町6丁目で2024.3.15に撮影

 
 
 
西東京市泉町2丁目の如意輪寺境内にある八重桜が今満開です。大きな木で見応えがあります。

【毎年楽しませてくれる宝晃院のボタンの花、今が盛り!】…市内の植物探索(38)

【毎年楽しませてくれる宝晃院のボタンの花、今が盛り!】…市内の植物探索(38)
 往復4,600歩という私にとっては絶好の散歩コースに宝晃院があり、今年も紅色のボタンを楽しんできました! これからまだピンクの花が咲きそうなので、来週も楽しみです。
 ボタンの原産地は中国西北部で、野生種は5種ほどが中国に自生しています。日本へは8世紀に、中国から薬用植物として渡来したといわれています。その後、ボタンの栽培は元禄時代から盛んになり、幕末期、高津西坂下の植木屋百花園松井吉助のものは「吉助の牡丹」として名所に数えられました。江戸時代には数多くの観賞用の園芸品種が生み出されましたが、江戸時代の品種は、わずかにその名をとどめるだけで、現在栽培される品種の多くは、明治以降に作出されたものです。日本への渡来時は、単弁花でしたが、現在栽培されているものは重弁もあり、色や形も様々です。
 ボタンとシャクヤクはともにボタン科ボタン属に含まれますよく似ていますが、ボタンは木本植物、シャクヤクは、冬期に地上部が枯れる多年生の草本植物です。
  猪肉の鍋を「ぼたん鍋」と呼ぶのはなぜか? とりあわせの良いもののたとえとして、「梅に鶯(うぐいす)」「獅子に牡丹」(獅子に牡丹の花を配した豪華な図柄)などがありますが、この獅子をイノシシとみなし、イノシシ鍋を牡丹鍋と呼んだようです。同様の例として「馬肉の「桜鍋」、シカ肉の「紅葉鍋」などがあります。
 
 
西東京市住吉町1丁目で2024.4.14に撮影したボタンの花

 
西東京市保谷町4丁目で2023.4.14に撮影

 
西東京市柳沢1丁目で2023.4.23に撮影

 
西東京市泉町1丁目で2023.4.24に撮影

【珍しいツバキ三昧!】…市内の植物探索(37)

【珍しいツバキ三昧!】…市内の植物探索(37)
 私が子供の頃は、椿といえば花びらが1つに繋がって赤い薮つばきが殆どでしたが、最近は近所の住宅街を歩いてみると、みる椿みる椿みんな種類が違うのいではないかと思ってしまうほど、色や形が違っています。
 ツバキ(椿、海柘榴)またはヤブツバキ(藪椿、学名: Camellia japonica)は、ツバキ科ツバキ属の常緑樹。日本原産の照葉樹林の代表的な樹木。
 花期は冬から春(2月 - 4月)で、早咲きのものは冬さなかに咲きます。花は紅色あるいは紅紫色の5弁花で、枝の先の葉腋から1個ずつ下向きに咲かせます。花弁は長さ3 - 5 cmで半開きに筒状に咲き、平らには開きません。1枚ごとに独立した離弁花ですが、5枚の花弁と多くの花糸のつけ根が合着した筒形になっていて、散るときは花弁と雄しべが一緒に落花します。
  和名ツバキの語源については諸説あり、葉につやがあるので「艶葉木(つやばき)」とする説や、光沢のある葉の「光沢木(つやき)」、葉が厚いので「厚葉木」と書いて語頭の「ア」の読みが略されたとする説などがあり、いずれも花より葉の美しさが名前の由来とされる説が多いのがおもしろいですね。
 現在はふつう「椿」の字で知られたいますが、この「椿」の字は日本で作られた字(春に花咲く)で、中国では「椿」は、栴檀(せんだん)科の高木である「ちゃんちん」という木のことを指し、漢名では日本の「椿」は「山茶花」と記します。日本では「山茶花」は”さざんか”で定着しており、昔からの取りちがえて定着してしまったようです。 
 
西東京市北原町1丁目で2024.3.23に撮影したツバキの花

 
西東京市保谷町5丁目で2023.4.4に撮影

 
西東京市保谷町3丁目で2024.3.28に撮影

 
西東京市保谷町3丁目で2024.3.23に撮影

 
 
西東京市保谷町6丁目で2024.3.23に撮影

【最近の水仙はこれも水仙の花かな、と思うほど大きくゴージャス!】…市内の植物探索(36)

【最近の水仙はこれも水仙の花かな、と思うほど大きくゴージャス!】…市内の植物探索(36)
スイセンの原産地は地中海沿岸、特にスペイン、ポルトガルに多く、北アフリカ南アフリカにも分布があり、約35種類の原種が知られています。房咲きスイセンをはじめとした一部の品種はギリシャから中国にまで分布し、日本にも野生状態で生育しています。代表的な種類に、ラッパズイセン、八重咲きスイセン、房咲きスイセン、口紅スイセンなどがあります。
花は、花弁と萼片の6枚と、その基部につくラッパ状の副冠からなっています。副冠は形がさまざまに変化しておもしろいものがあり、色も白や黄色、オレンジ色、ピンクなど多彩です。その形や色の組み合わせにより、スイセン独特の方法で13のグループに分類されています。最もよく見かけるのは白い花の中心部が黄色の「日本水仙」で、花も中心部も白い、「ペーパーホワイト」(”紙のように白い”)という品種もよく見かける。
 和名スイセンという名は、中国での呼び名「水仙」をそのまま音読みしたものです。中国で名付けられた漢名の「水仙」は、「仙人は、天にあるを天仙、地にあるを地仙、水にあるを水仙」という中国の古典に由来しています。水辺に育ち、仙人のように寿命が長く、清らかなという意味から名付けられたようです。
スイセン花言葉は「うぬぼれ」「自己愛」です。由来はギリシャ神話の伝説です。絶世の美貌をもつナルキッソスは、その美しさからいつも高慢な態度を取り、自分だけを愛する呪いをかけられます。彼はいつまでも水面に映る自分の姿を愛し続け、そのまま衰弱死するといったお話です。スイセンがうつむいて咲くのは彼の名残といわれています。
 
西東京市保谷町6丁目で2024.3.31に撮影した水仙リプリート)の花

 
 
西東京市谷戸町3丁目で2023.4.4に撮影した水仙フルハウス)の花

 
 
西東京市泉町2丁目で2024.3.18に撮影したラッパ水仙

 
 
西東京市北原町1丁目で2024.3.16に撮影した水仙(ペーパーホワイト)

 
 
西東京市田無町1丁目で2024.3.16に撮影した日本水仙

【ふわふわと風になびく黄色の小さな花の集合体ミモザの花!】…市内の植物探索(35)

【ふわふわと風になびく黄色の小さな花の集合体ミモザの花!】…市内の植物探索(35)
 ミモザはオーストラリア原産の、マメ科アカシア属の植物です。なぜアカシアをミモザと呼ぶようになったのか。実はアカシアの葉はマメ科ネムノキ亜科のオジギソウ(学名:ミモザ[Mimosa])に似ており、アカシアがヨーロッパへ持ち込まれた時人々は、南半球から先にヨーロッパに上陸していた「オジギソウ=ミモザ」に似ているアカシアを「ミモザアカシア」と呼び、そこからアカシアをミモザと呼ぶことが広まったとされています。今やミモザという呼称の方が学名のアカシアよりもポピュラーになりました。
 生長すると樹高は5〜10mほどにも伸び、3〜4月の春先には小さく黄色い花を咲かせ、西東京市内でもいたるところで目にすることができます。ミモザの花には花弁がなく、代わりに多数の雄しべがあります。この小さな花が密集して咲く特徴的な形態が、ミモザの花の独特な雰囲気を醸し出しています。
  国内の生花店で購入することができるミモザの品種は、主に「銀葉(ギンヨウ)アカシア」や「真珠葉(シンジュバ)アカシア」です。国内では銀葉アカシアの出荷量が最も多く、ギザギザとした細かい葉を持ち、低木の品種です。
 黄色いミモザ花言葉は「密かな愛」「秘密の恋」「真実の愛」です。男性が女性に思いを伝える際にミモザを贈る習慣があったことが由来と言われています。
 
 
西東京市保谷町6丁目で2024.3.18に撮影したミモザの花

 
西東京市保谷町5丁目で2023.3.15に撮影

 
西東京市保谷町6丁目で2024.3.18に撮影

 
西東京市泉町2丁目で2024.3.18に撮影

【濃い緑の葉に隠れてあまり花は目立ちませんが、よく見ると淡い若草色のかわいいシキミの花!】…市内の植物探索(34)

【濃い緑の葉に隠れてあまり花は目立ちませんが、よく見ると淡い若草色のかわいいシキミの花!】…市内の植物探索(34)
  樒(しきみ・しきび)はマツブサ科シキミ属の常緑小高木で、高さはふつう 2 〜5 mだが、ときには 10 m 以上の高木になります。一年を通して、光沢のある美しい濃緑色の葉を茂らせ、傷つけると抹香の匂いがします。
 花期は3〜 5月、春彼岸のころに、葉腋から短い花柄を出して、直径2.5~3cmの萼と花弁が10~20枚の黄緑色を帯びた白色の花が咲き、ときに枝先にまとまってつきます。
 名前の由来は、四季を通じて常に美しい緑色の葉を保つことから「四季美」と称され、それが転じて「しきみ・しきび」と呼ばれるようになったという説が有力ですが、毒を持つことから「悪しき実(あしきみ)」、また、強い香りを持つことから「臭き実(くしきみ)」と呼ばれ、それが省略されて「しきみ」となったとの説もあります。
  葉や樹皮は、お線香や抹香(まっこう、お焼香で用いられる粉末状のお香)の原料としても利用されています。その香りの強さから、「香の花(こうのはな)」「香の木(こうのき)」「香芝(こうしば)」と呼ばれることもあります。
 花言葉は「猛毒」「甘い誘惑」「援助」であり、花言葉の通り、樒の葉・花・果実・種子など全ての部分に「アニサチン」という猛毒が含まれています。特に猛毒である果実が中華料理で多用される八角に似ているため、誤食されやすい危険な有毒植物で、「毒物及び劇物取締法」により植物で唯一「劇物」に指定されています。
 
西東京市保谷町3丁目で2024.3.28に撮影したシキミの花

 
西東京市保谷町3丁目で2024.3.19に撮影

 
西東京市泉町5丁目で2024.3.19に撮影

 
西東京市保谷町5丁目で2024.3.19に撮影