『ダチョウはなぜ金儲けが苦手なのか?―「お金タイプ」でわかるマネー術』
本書はあまり知られていないが、とてもおもしろい本。ただ読むだけでも十分におもしろい。なぜ売れていないのかは、何となく想像がつくが、とにかく読まれていないのはもったいない。
本書がいいと思われるのは、タイプ別に分かれているところ。「貯蓄術」が一通りではなくて6通りあるというのは、理にかなっていると思う。比較的無神経にお金を使う人もいれば、お金を使うことにそもそも不安を感じる人もいる。両者は、異なる理由でお金を失ったり、儲けられなかったりするだろうから、貯蓄術もそれぞれ用意されているべきだと思うからだ。
『視覚マーケティングのススメ』
視力が1.5の人と0.1の人とでは見える世界にはどんな違いがあるだろうか。コンタクトレンズを常用されている方であれば、その落差は馴染みあるものかも知れないが、そうでない人にとっては、見える世界だけが常識となる。
日頃から“良いもの”にふれる習慣をぜひつくってください。これは、毎日コンビニ弁当ばかり食べている人が、だんだんと味覚がそれに慣らされてしまい、保存料や化学調味料の味に気づかなくなってしまうことと同じで、とても怖いことです。(p.47)
これは、「視力問題」にも通じる話といえる。自分が見えている世界にとらわれず、むしろ自分ではなくターゲットとなる顧客に見えている世界、すなわち顧客の視力にマッチした世界を提供する必要がある。これが「視覚マーケティング」。
とはいえ、ビジネスのカギを握るのは「どう見えるか」というデザインだけで決まるものではもちろんなく、機能やこれを下支えする技術力が不可欠。
アップル社の場合、もちろん価格帯別の展開はしているものの、「デザインにします? 機能にします?」的な、二者択一はしていないはずです。iPodにもiMacにもMacBookProにも、その両方を盛り込んでいるといえます。ユーザーのニーズをしっかりと把握し、新しい技術を創り出す。そして、その技術を求められるデザインで提供し、顧客に感動を与えているのではありませんか?(p.84)
つまり、デザイン一辺倒でも機能一辺倒でもない、両者が共存した状態を作り出すわけだ。すなわち、機能に見合うデザイン、デザインに見合う機能。それゆえ、誰かのデザインだけを真似たり、機能だけを似せても、そこに両者の共存がなければ、競争力は生まれない。
自分という人間が最大限に力を発揮するためには、どんな相手にどのような見せ方をすれば良いか。そんな疑問があるなら、本書はその解決のためのヒントになるはず。
『スティーブ・ジョブズ神の交渉力―この「やり口」には逆らえない!』
仮に彼とまったく同じ条件下で同じ方法で取り組んだとしても、得られる結果は変わってくるだろう。考えるまでもなく分かりきったことだと思われるかも知れないが、スティーブ・ジョブズならそう思うのに、身近な同僚ではそう思えないのはなぜか。
それは、どこかで線を引いているからではないか。相手がその線の内側にいるのか外側にいるのか、そのいずれかにおいて模倣の是非を決めているのだ。
「それは、ジョブズだからできることでしょ」
「あいつにできて、オレにできないはずがない」
こうした判断を下す拠り所となる「線引き」の段階からして、そもそも間違っていたとしたらどうなるか──そんな漠たる不安に改めて対峙させられる。
ジョブズの交渉術を学ぶというより、仕事人としての極北であるジョブズから自分がどれだけ離れているのかを知り、自分の立ち位置を見定め、そのうえで行く末を考えたい人にとって示唆に富む1冊。
ジョブス・フリークス、アップル・フリークスに捧げる
まねはできない
天才
経営スーパースター列伝として読む
『幸せを呼ぶ孤独力』
「友だちといて楽しいのは、みな一人一人の自分を持っているからです。恋人が、かけがえのない人だと思うのは、その人にしかないすばらしい輝きがあるからです」ということで、「孤独力」の可能性と必要性を説く。
一人でできることは限られている、一方で「孤独なくしては、いかなる業も成就しない」(ピカソ)こともまた真であるだけに、一度この「孤独力」について理解を深めておくことは無駄にはなるまい。
『ホームレスからのリベンジ―あるIT社長の独白』
ホームレス時代から公園や駅のトイレでノートパソコンを開いて仕事をしていたという。部屋を借りようと思えば借りられるほどには稼いでいたにも関わらず、なぜ著者はホームレスを続けたのか?
『成功者の告白』と合わせて読みたい一冊。
『トム・ピーターズのサラリーマン大逆襲作戦〈1〉ブランド人になれ!』
初版は2000年ながら未だに売れ続けている一冊。確かに若干内容的に古い部分もあるものの、今読むとこの本の本質は変わらないことを通巻させられる。「士業」「ひとりビジネス」「独立“小”起業」を目指している人、あるいはすでにそうなっている人には是非読んでいただきたい。
あなたの名前を、ブランドにしてみませんか。
The Brand You 50
彼はブランド人か?
ゆでガエルになる前に自己革命を起こそう