six-9のブログ

おっさんのブログ。エロゲとかアニメとか。

2023/12/29

昨年末のメモが出てきた。

 

とにかく何か書かないといけない。ここは空港、俺は参考。2023年はまさかの0エントリでフィニッシュ。
たまに映るおっさんの顔。画面暗転時に中年男性が映り込む不具合修正まだですか?
昨年2022年末から身近な人の不幸(死ぬってことさ)が続き、厭世的な気分に包まれた1年だった。急逝が多く、まあ統計的にはそんなものなんだろうし、自分が死んだらその後はわからない。
2022年はすずめの戸締まりを2回見て、藤田直哉トークショーにも出た。オタクが3人混じった内輪の会でクッソ居心地悪かった。場違い感すげえ。
寒いところ、一人の時間を大切にしようというか。
2022年はシン・エヴァンゲリオン劇場版もあった。オタクへの説教。庵野は昔からやることが変わらないが、ヒト・モノ・カネそして情報をコントロールして映画をつ繰り上げる立派な「監督」になっていた。あれから二十年以上経っているのだ。人間は成長する。
人間臭を脱臭された過去の人や芸能人に憧れる。どんなに凄い人間でもあまりに長く一緒に過ごすとその現実味にうんざりする。かなしい。父親の話。田中ロミオの話。俺は黒須太一だから、みんなと一緒に過ごすことはできない。群青放送局の一方的な呼び掛けと、桜庭の呟きを信じること。一緒に生きているとどうしても生まれてしまう桎梏と軋轢は、生臭くて耐えられない。
自分と活字だけ。本当の自分、むき出しの自分は格好悪くて哀しくてやりきれない。

技術士試験を受験した。電気電子部門、電子応用専門。あえなく不合格。
大した勉強もしなかった。ハイ自己弁護。自己弁護というより、なんだっけ、自己正当化じゃないし、認知の歪みじゃないし、認知的不協和だっけ? 失敗の科学にかいてあったもの。自らの失敗、能力不足を認識するのを避けるために脳が勝手に認知を書き換える。今の例だと、「勉強しなかった」から合格できなかった「だけ」であり、本来の俺の能力は十分に高い筈だ、ということ。

実用英語検定も受験した。1級。これはもう2年以上前になるかと思う。やるべきことをやる。それだけのことが年々できなくなっている。そんな気がする。怒りっぽくなったし、塞ぎ込みやすくなった。元々そんなものだったような気もする。どのように生きてゆきたいか、残りの人生を考えて、楽しめることを考えていきたい。あの世に金は持っていけないが、病気を治療するのにも介護を受けるのにもカネがかかる。banboo氏がガンになってウン百万円規模で金がかかったとポストしていた。俺もがん保険くらい入ったほうが良い。

CARNIVAL小説版の、理沙と学が逃げた先で、理沙が学の子供が欲しくて朝勃ちの学に跨るんだけど学の薬の作用でどんどん萎びて抜けてしまう。泣きながら腰を振る理沙。

VTuberを好きになった。渚と汐を養う生活の良さが腹落ちした。

長い文章を書くことができる脳の状態にあることが大変少なくなってきた。
ツイログもあまり仕事をしておらず、2020年7月以降のログが取れていない。なんてこった。

ガメラ2レギオン襲来を観た。シン・ゴジラのようなカットとタイミングが気持ちよかった。ストーリーも面白い。

たいてい年末か年始には、その年やったゲーム・観た映画・アニメ、読んだ本・漫画をまとめるのだけれど、今年はそれすらもできなかった。脳がおしまいになっている。老化。

 

さてと。

 

久しぶりに、数ヶ月ぶりに頭の中がスッキリしている。
薬を飲んだふりをしてこっそり捨て続けていた学のような気分だ。
この世界を覆っていた膜のようなものが取れている。世界はこんなにも美しい。
でもこの時間が長くは続かないことも知っている。


以下、Vtuberについて思ったことと人生。Twitterから転載。
2016年に上海のホテルで「俺はいつか死ぬ」ということを受けれいたことを思い出した。脳と覚悟は自宅ではキマらない。旅先で一人になったときにのみ、働く脳の回路がある。

 

ホロライブ(具体的に言うとバーチャル大分出身の乳牛)の切り抜き動画14時間くらい見て勝手に感情移入して勝手に好きになってきた。ホロライブさんのおんなのこさんVTuberさんたちは、みんな苦労していた系のまとめ動画も観た。こんなにかわいいのにこんなに苦労していたんだなあ、などと思って勝手に好きになってしまった。
これはポルノを見たときと同じ脳反応。感動ポルノ。
麻枝の泥臭い家族観を思い出した。
VTuberの切り抜き動画見ていたら、これまでどこか嘘くさいと思って毛嫌いしていた麻枝作品の日常描写・家族描写がハラ落ちした。

以下、ツイッターから転載。Twilogも無いしTogetterとか使えばいいのかもしれないけど。

自分より若い大胸筋の大きなカワボのおにゃにょこがたくさんお話してるのを何十時間も聴いていれば好きになるのも応援したくなるのも道理。

おっぺえの大きいえっちなお姉さんたちの動画見て、後方腕組み彼氏面で「団長も偉くなったな」と思った。声帯結節の話も聴いた。こんなに長時間配信していれば喉もおかしくなるだろう。伊集院は毎週2時間のラジオでさえ喉ををやられていた。

自らの身体をも省みないその献身はある種の美徳でもある。

それはそれとしてホロメンの彼氏とか結婚とかが暴露されたら死ぬ。ユニコーン中田ことどうも俺です。

結局のところ、何万人、何百万に支持されて、数億円の収入があったところで、その人生に降り積もる時間は有限であり老いと病と死は万人に平等だ。彼氏との性行為にも気を遣い、異性の匂いを脱臭して暮らす日々。

そんな日々の果てにあるのは、どんな果実だろうか。

同じことは船長の喉にも起った。自己犠牲と悲嘆と放心は最高の娯楽として消費された。俺にとっても愉悦。

その醜悪性に気付いた後、彼女たちの5年後、10年後、20年後を思った。

バンドマンと俳優は予後が悪い。では甲子園球児とアイドルは? Vtuberは?

自らの身体を犠牲にする精神。甲子園球児もそうだ。17,18歳のショタが将来ボールを投げられなくなるまで骨と筋を酷使する。それを美談として歓迎する。

甲子園で高校生が時間と体をいじめてるのを見てビール飲むのといっしょじゃん。ということに気づいて悲しい。

 

なんて醜悪。感動ポルノ。

 

献身の美徳は麻枝の十八番だ。観鈴ちんは世界を救い、すべてを失った。往人は、ただ寄り添い、その美徳である最後を見届けるしかなかった。では朋也は? 表舞台に立つことなく、ただ渚と汐を思い電柱に登る。ここにも自己犠牲があり、道徳がある。

どんなに華々しい活躍の裏にも日常があり、愛がある。配信者としての栄華は何十年も続くものではない。続くとしても、何十年も続く栄誉はその時には日常である。
一瞬の煌きである配信者ではなく、その背後を埋める濃密な日常を支えることこそが、真の愛情なのではないか。


愛情と、そして贖罪としての労働と育児。それは報酬というよりは刑期としての側面が強い。真の愛は施しである。
配信者へのスパ茶は金銭的なものではあるが、時間的なものではない。支えているという幻想を購入する行為。
汐が産まれ、育つ数十年という時間は、一瞬の煌きである赤スパと対極にある。


ようは、配信者がチラ見せするカッコ付の日常描写により、かえって配信に出せない濃密な日常を想起させられた。ミロのヴィーナス。
日常描写といえば、セカイ系の設定で妊娠出産育児を描いたCLANNADを惹起した。カッコ付の日常描写は、本来の日常描写を制限することによるが、

CLANNADの日常描写は圧倒的なまでのディテールの欠如(媒体によるものもおおきい)にも関わらず、生活と日常とウン十年スパンで延びる人生を過ごすという日常のエッセンスを醸し出した。
ということ。

配信者の日常描写つながりでCLANNADを思い出して、日常とはゴールテープを切った先にある苦しみだな、ということに思い至ったということ。

 

ひたすら騒ぐ形式の長時間配信(ホラゲーなどのプレイ含む)が喉へのダメージを含め長期的に続けられるものでは無いということは配信者を含め皆気づいているのだと思うが、一旦その形式での高評価による陶酔に脳髄が浸かってしまうとなかなか抜け出せないものなのかもなあ。

 

月ノ美兎ちゃんが一時期配信全然やらなくなったときに、彼女はこの問題に対して彼女なりに対応していこうと決めたのだなあ、などと思った。
頭良さそうだもんね。月ノ美兎ちゃん。

 

ノー・カントリーを観て、ザ・ロードを読んだせいかもしれない。火を絶やしてはいけない。

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終のステラとBlack Sheep Town、そしてすずめの戸締まり。たいそう面白いものをたくさん読んだり観たのに、全然感想をまとめられなかった。悲しい。

グリザイアファントムトリガー vol.8 感想 「普通」の私が救った命

終わった。

 

選択肢があるのって、このVolume8がはじめてじゃなかったっけ? バッド・エンドの迫力と読後感が好き。そもそもアオイしかり麻子しかり、師匠が死ぬのは日常だし、その文脈で言うとSORDの学生たちがみんな死ぬのも日常だよね。

 

 

乳脂肪分無しのラクトアイス女こと佐倉綾音さん。

 

声優がみんなかわいい。声が好き。

 

ほとんどはじめの方のエピソード覚えてないけど、レナ編とトーカ編はアニメ化されたときに見直してるからちょっと覚えてる。

 

システムボイスはニンジャに変える。ニンジャがいいか、そうか。まーじでニンジャが好き。好意を無表情の裏に隠すマスターニンジャガールこと狗駒ムラサキちゃんカワユスなぁ〜

 

チズチズもそうだけど、有坂先生もいいよね。ネタバレになるけど、Volume8でSORDの子供達が生還するためには、有坂先生と金髪のガキの兵士じゃない二人が行動を起こす選択肢を選ぶ必要がある。結局、殺ししかできない子供兵士の生死は、戦闘員じゃなくて他の人の行動で決まる。良い意味で捉えれば、戦闘訓練を受けなくても、殺すこと以外でも、他の人の命を救うことができる。無力じゃない。悪く言えば、いくら必死に戦闘訓練を受けて、殺しの技術を磨いても、民間人の気まぐれひとつで死んでしまうということでもあるが。

 

そう考えると、Volume7? 6?で有坂先生がSORDのみんなと一緒に戦場に行く決断をしなければ、Volume8での弾込めを手伝うこともなく、みんな死んでしまうことになる。有坂先生のような、民間人、普通の人を主人公に据えたのは、こういうところで効いてきた。確か、Volume1は有坂先生が赴任するところから始まる。同じように、Volume8は金髪のガキのモノローグから始まる。こうやって振り返るまでわからなかったけれど、グリザイアファントムトリガーは、「普通の人」の話だった。グリザイアの迷宮〜楽園で殺人者としての業を背負った風見雄二の話だったのに対して、こうやって塗り替えてきた。

 

良かったです。

ふゆから、くるる。 感想 20年前にCROSS†CHANNELをプレイしたおじさんが2022年の今に祈るとしたら

最初にプレイしたときは、少しつまんないかなーとか思ったし、あらためて見返すとイマイチだったところもある。どうやらそう思ったのは俺だけではなく、ネットで同様の感想も沢山読んだ。「ふゆから、くるる。 感想」「ふゆから、くるる。 批評」などで検索して20件くらい感想サイトを巡った。四季の資料集でCROSS†CHANNELとの関連とか、木緒なちとの縁、とか、はるまで、くるるの製作の話を読んだほうが良いこと、補陀落渡海との関連やふゆくる特設サイトへのリンクを貼ってくれていた人がいて、参考になった。CROSS†CHANNELとの関連について言及されたブログを読まなかったら、四季の資料集は読まなかったかもしれない。感謝。

 

CROSS†CHANNELの関連

 

補陀落渡海へのリンクが公式サイト「よくわかるふゆくる」にある旨の感想

 

ちなみに、「ふゆから、くるる。 CROSS†CHANNEL」で検索すると上記のブログ1件しかヒットしないが、その下に「はるまで、くるる。 CROSS†CHANNEL」の検索結果がたくさん出てきた。「CROSS†CHANNELへのアンサーストーリー」とかいう文字列も見えた。

 

 

 

 

流れのおさらい

シナリオはかなりストレート。
シーンをざっと振り返ると以下の流れ。

  1. 雲母舞花の祈り、チェックワンツー
  2. 空丘島朝日としおん後継機の出会い
  3. 雲母舞花の宇賀島ユカリによる初期化
  4. 空丘夕陽の世代に戻り、空丘夕陽を男性化しての名探偵編
  5. 子作り編:以下3組の交合
    菊間塔子と星都チエミ
    熾火澱と宇賀島ユカリ
    水名とりねこと月角島ヴィカ
  6. 子供世代・孫世代の祈りと補陀落山への到着・救済

 

キャラクターのおさらい

空丘夕陽

月角島ヴィカ、宇賀島ユカリ、宇賀島ベルリンに試される。男を集団に混ぜても大丈夫かの対象として。「男とは? 女とは?」というのがテーマの一つと聞いているが、あまりそのテーマを直接的には描いていない。ただし、変化についての畏れ、それを受け入れる勇気、そして死と子孫とそれらの幸せへの祈りははっきりと描かれている。空丘夕陽は男になることを受け入れた、最初の少女。明確に死を意識したわけでの決断ではないが、その変化を受け入れるという点で主人公としての、群像劇なので主要登場人物、というべきだが、の一人だと思う。そして、その漠然とした決意は、名探偵編のクライマックスで、男になること、子孫を作ることがカーネーションシステムからの離脱と将来的な死を孕むことを伝えられてもなお、霜雪しほんの意志を引き継いで改めて決められる。その時点で空丘夕陽の役割は終わる。だからこそ、以降の空丘夕陽のエロシーンは無い。


霜雪しほん

空丘夕陽を男に変化させた少女。少女だけの均質な集団に変化をもたらして、そして、空丘夕陽に「死」を決意させた少女。雲母舞花の後継なのかも。

 

水名とりねこ

霜雪しほんに、と言うより、空丘夕陽のパートナーになりそびれた助手。ただ、描写からすると、男体化した夕陽に惹かれたようにも見える。最終的には月角島ヴィカと孕ませセックスをして子孫を残す。マゾアナル1号。生真面目という点ではロリ会長と近いのだが、愛するパートナーと結ばれなかったという点で屈折が残る。月角島ヴィカも、蔦岡島が好きだったんだっけ? だから二人の子作りは、短絡的には妥協の産物。その二人のエロシーンの中だったと思うけれど、それでも、二人が子孫を作ることは、それぞれのパートナーが望んだことでもある。ある意味で、夕陽と同じ。夕陽もしほんの思いを継いだ。とりねこも夕陽の思いを継いで子孫を残すことを選んだ。とりねこが男体化したのは、夕陽に選ばれないことから逃げるため。だけどその逃避は、結果として月角島ヴィカの共感を誘って性交へと繋がる。

 

宇賀島ユカリ

宇賀島ベルリンと対を成す少女。だれよりも繊細であり、戦闘艦としての役割を苦悩しながら全うする。そして、孕むことを受け入れる。薔薇園で薔薇を育てながら、交雑により野生種を生み出すことを目標としていた。男を受け入れることを初期から認めていたキャラクター。マゾアナル二号。

 

星都チエミ

月角島ヴィカが影のリーダーだとすると、チエミは表のリーダー。生徒会長という役回り。孕むことを受け入れた少女の一人。規律を遵守し、やはり集団を存続させるためなら変化を甘んじて受け入れることのできる少女。その献身性に菊間塔子も惹かれた。

 

菊間塔子

ある意味では主人公となってもよかった登場人物。四季の資料集でもそんなコメントがあったような。名探偵をできる程度には頭の回転が早く、また、チエミのために男になることを受け入れた少女。しほん、及びヴィカの殺人についての背景をある程度推測していたにも関わらず、チエミを守るために傍観者に徹した。主体性が無いために夕陽の役割は担わなかったが、もし殺害されたのがチエミだったのなら、夕陽のように少女たちの集団を変化する鍵となったと思う。飄々とした態度の裏にチエミへの深い愛情をにじませる。ビジュアルも含めて魅力的なキャラクター。マゾアナル候補だったのだが、確かアナルプレイ担当ではなかったと思う。

 

熾火澱

男になるという選択を下した点では夕陽に近い。殺人鬼。はるくる、なつくる、あきくるでも居た「無自覚な殺人鬼」。集団を維持するための戦闘艦なのだが、そして、宇賀島ユカリがその通りに任務として不良品となった少女たちを処理しているのに対して、心から殺人を志向して嗜好する。男になる理由としては、たしかユカリを孕ませたかったから、だったと思う。もともと壊れかけの性格のため、子孫への祈りというよりかは個人的な理由から男体化したようだ。夕陽もしほんへの思いという個人的な理由から男体化しているが、最終的には集団を維持するという目的に同調した。その点で、最後まで個人的な衝動に忠実な登場人物。

 

月角島ヴィカ

そして孕むことを決意して、子孫のために犠牲になることを決意した女。蔦岡島の最後を利用した実験を行った。最後まで男は不要だと考えていたけれど、それでも、
バッドエンドでは、男を混ぜた不純な集団となるくらいなら、少女のみの純粋な群れとして滅びを迎える。
「がっ」の言葉を呪いと祈り、その両方の意味で呟きながら。*1

 

ここまで書いていて気づいたけれど、宇賀島ベルリンが居ないな。あくまで宇賀島ユカリの影としてしか描かれていないからか。そうか。たしかに、終盤の子作りエッチシーンではベルリンは出て来ない。



20年前にCROSS†CHANNELをプレイしたおじさんが2022年の今に祈るとしたら

上記を踏まえて、ふゆから、くるる。を考え直してみると面白い。
すべてを祈りのチェスに収斂させた構成は見事。確かに、空丘夕陽とか月角島ヴィカとか菊間塔子とかの主人公格の人生とか過去、それに対する反省と変化を描くのが定石だし、なんなら月姫リメイクで遠野志貴がイマイチとか思ったのもそれだけど。エロゲーはヒロインの鬱屈を解消するように見せかけて、主人公の過去を救済するものだ、それが面白いのだ、と思っている。CROSS†CHANNELしかりCARNIVALしかり。

逆に言うと、ふゆから、くるる。では主人公、空丘夕陽の両親との確執も、その過去も描写されない。空丘夕陽はヤチマのよう。イーガンみたいなハードSF。物理実体の無い意識生命体、というと順列都市も近いかも。意識生命体には創造主たる神は居るけれど、親も子も無く、その生涯にはコピーと廃棄しかない。その世界から、子供と親、補陀落渡海で輪廻転生を擦っているように、死と継承と変化を作り出すことで子供が生まれ子孫が生まれいつかは救済される。まさにそれは祈り。

幸せでありますように。

蔦岡島が、月角島ヴィカに祈ったものと同じ。うわR.U.R.U.Rもそうじゃんね。R.U.R.U.Rのことははっきりと覚えてないけどめっちゃ泣いたことだけは覚えてる。

 

このような祈りは、自分の子供の成長、とかそういうものを意識するオッサン世代に刺さるんだと思う。チェスの終わり、チェスの解析も同じこと。*2

年齢だけではないけれど、親になって子供を持ったり、部下を持って仕事を依頼したりすると、全てを自分の決めた通りに進めることはできない。特に子供は、その最後まで親が生きているわけではないので、当然、自らの思う通りに育て上げることはできず、それこそ、子供についてはその幸福を祈ることしかできない。僕自身もそうだけれど、何かを他者へ仮託して、文字通り祈ることしかできないような経験をしていると、ふゆから、くるる。の祈りの切実さと、どうしようもなさが腹落ちした。僕自身は、もしこのゲームを十年前にプレイしていたら、「なんだこのクソゲー」とか思っただろうが、自分自身ではコントロールしきれないものがあることを理解した今だったら、そういう境地もあるのかと自然と思えた。シン・エヴァンゲリオンミサトさんと、そしてゲンドウの心情がわかるようになったのと、同じ理由かもしれない。
というわけで、たしかにジュヴナイル向けというか、十代くらいの可能性に溢れた青少年がプレイすると肩透かしを食らうだろうけれど、いろいろ人生の先が見えてきたオッサンがプレイすると、丁度よい塩梅でシナリオが省略されている。そう思う。

主人公を掘り下げなくても、群像劇としてしっかりメッセージが伝わる。月角島が孕んだのも、ユカリが孕んだのも。大きな出来事があってそれまでの生き方を変える、という大枠は一緒。また、探偵編とそれ以降で主人公格のキャラが変わっているトリッキーな作りとなっていることに注意したい。実は、探偵編までの主人公格の空丘夕陽は、それ以降は主要なシーンが無い。見せ場となるエロシーンが無いのがその証左。

 

田中ロミオ作品との対比

人類の意識、人類存続というテーマの点から考えると、CROSS†CHANNELよりは最果てのイマRewrite人類は衰退しましたとかの方が近い。CROSS†CHANNELは、やはりどこか個人的なところに話が収束していくような気がする。適応係数84の人外である黒須太一がどのように生きていくべきか、生きていくことができるのか、それは、必ずしも同じ空間に存在しなくても、遠く呼びかけるだけの通信だけで、「どこかに他者が居る」という希望を胸にするだけで生きていける、という話だった。最果てのイマRewrite、人退は主人公が人類の行く末を背負って苦悩するのが描かれていた。人退はちょっと記憶が曖昧だけど。いずれにしろ、人類という集団に対するキーワードが含まれているので関係はあると思う。
どうやっても田中ロミオの上記作品群は、「自分がどう生きるか」に焦点がある。人類というキーワードについても、あくまで主人公(太一、忍、瑚太朗、わたし)が背負う重圧の一つという位置づけ。集団の他者への献身、利他はどちらかというと、桜庭、章二、吉野に代表されている。群像劇という形を取っている以上、ふゆから、くるる。で描かれる以下の

  • 男になる変化を受け入れること
  • 孕むこと
  • それらが意味する、意識生命体としての死
  • カーネーションシステムからの解脱

という決意についても、複数人(ヴィカ、ユカリ、塔子)を通して印象的に描かれる。焦点をぼやかせた描き方になっている。その分、印象的な祈りのチェスのシーンで感動するわけだけれども。
さてと、ロミオ作品についてではなく、今回はふゆから、くるる。の感想なわけで。

 

 

テーマと設定がハマってる

祈り。多層的。霜雪しほんと空丘夕陽の祈り。雲母舞花の祈り。四季シリーズを通した祈り。人間は、意識は、利他的になれる。死を選ぶことができる。
ここがケン・リュウの「もののあはれ」に近い。「もののあはれ」でも碁をモチーフにして、盤面のすべての石に意味がある、捨てられる石も他の石を活かす役割がある、だから自己犠牲も厭わない、みたいなメタファーがあった。

祈りのチェスについては他の人達が沢山書いているけれど、やはり触れないわけにはいかない。夕陽が解析を進めて、終わったゲームとなったチェス。その一手一手を指しながら祈る行為は、読経にも似ている。補陀落渡海もあるし、仏教的なモチーフと近づけて考えると。ただし、祈るのは自らの救済ではなく、他の誰かの幸せ。幸せでありますように。子孫、そして、自らを作った創造主を含めての幸福を祈る。現実はチェスとは異なり二人零和有限確定完全情報ゲームではない。SFだと、ラプラスの悪魔のように、現実世界でさえも完全に予測することを可能とする存在が出てくる場合があるが、ふゆくるの場合にはそのような読み取り方は当てはまらない。あくまでも現実との対比として、チェスにより将来を祈るという哀切な行為が描かれる。

祈るという行為の全部。 全部、全部、全部、全部が無意味だとしたって、 祈りたいって気持ちは生まれてしまうんだ。
チェスはできますか! 普通のチェスじゃなくて祈りのチェス!
(空丘島朝日)

 

エロシーンを読め

エロシーンは、長くてだるいけど面白い。シーンが長いとか序盤と終盤に集中してて苦痛、みたいなレビューもあるけど。俺はこの長いエロシーンが一番良い形だと思う。
シーン中に他のキャラへの回想とか、死生観の変化が描かれている。特に後半の孕ませエッチはスキップ非推奨。エロゲーであるべき描き方だと思う。交雑による変化なのだから、それに関わる性交シーンも丁寧に描かれてしかるべき。
チエミと塔子の子作りは、最初の子作りエッチなこともあるけれど、感動的。変化におそれの残る塔子をチエミが許す。祈りましょう。

嬉しい。それは嘘じゃない。 だけど、悲しい。 --月角島に共感するわけじゃないけど、 チエミを妊娠させることで、 決定的にこの世界を終わらせることになってしまうのだ。
菊間塔子

塔子。 この意識はつらい旅をするために生まれてくるのだけど・・・・・・ でも、みんなそうなのかもしれない。 どんな場所でどんな風に生まれたって、 つらい旅をするために意識は生まれるのかもしれないわ だからこそ、本気で祈ってあげましょう。 幸せでありますように、って
星都チエミ





好きなところとかメモ

冒頭シーンと「生きてる人、いますか?」

冒頭シーンやり直した。実は空丘島朝日としほん二代目が会って祈りのチェスやるシーンだった。無線のチェックワンツーは、どう見ても「生きてる人、いますか?」じゃん。CROSS†CHANNELとの関連を聞かなったら気づかなかったけど。
忘れてたけど、この冒頭シーンに雲母舞花が立ち絵付きで出てた。

チェック! チェックワンツー! チェックワンツー! テステス。電波のテスト中。テステス。 私はキミに電波を発しています。聞こえますか?

挨拶ネタ

「こんにゃん、うんにゃん、にゃんにゃん」の挨拶って、蒼の彼方のフォーリズムで真白とかの挨拶こんなんじゃなかったけ? 調べたけど出てこなかった。なんか、真白とみさきちと明日香でわちゃわちゃってなかったっけ?

 

エピローグ付近の「ん」語尾はイマイチ

他の挨拶(だー?)とかも描写されてるし、時代の変化を描写するための語尾の変化「ん」はイマイチだった。せっかく最高に盛り上がったシーンなのに、セリフスキップしながら読む羽目になった。名前の継承は良かった。

 

狼犬の名前

ガッポリ、ヤットコ、など、狼犬の名前がかわいすぎる。

 

ヒロイン9人は凄い

特に菊間塔子がかわいい。メカクレ最高。スマガの日下部雨火以来のヒット。基本的にみんなかわいいけどしほんちゃんと熾火はビジュアルNG。なぜか渡辺僚一のピンク髪は毎回好きになれない。狂い方があってないのか。マゾアナルは毎回好き。
今回マゾアナル二人いなかったっけ? 幻覚? ユカリがマゾアナルっぽかったけどとりねこさんもマゾアナルだったね。

 

木緒なち

四季の資料集での木緒なちとの友情ストーリーを聞くと、ぼくたちのリメイクでの鹿苑寺 貫之が渡辺僚一に見えてきた。

 

あいかわらずのギャグのキレ

右を見ても左を見ても開放感。ダブル開放感。凄い! もし風景で絶頂に達するとしたらここだな!
空丘夕陽

そっ、その一回だけ! 一回だけで、いいですから! 一回!
(空丘さんは)いろんな人とエッチなことしてそうな顔してます
熾火澱

エッチなことをしたくなった時、 チエミって、肩がこったわ、って言いますもんね
菊間塔子

*1:トップ!2のノノリリもそうだけど、想いの強い言葉が崩れて継承されるのは好き。

*2:夕陽が完全に解析したとは言及されていないと思う。研究もそうだけど、一人では完結しない。巨人の肩に立つ、そういう言い方をして、先人の成果の上に少しずつ積み上げていくもの。それはまさに祈りと同じ構造。

年末になった

何かを書くことが生きていた履歴を残すこと。


ジョジョの奇妙な冒険のアニメが面白い。この前会ったときにSAMくんも言っていたが、ジョジョの細かいところを忘れているので、改めてアニメで見るとストーリーが面白くて見るのが止まらない。第三部のスターダストクルセイダースを見ているのだが、一話の途中で話が切れる、例えばディオの刺客を倒すのが前半で、後半に新しい刺客が出てくる。これも引きがすごくて、やっぱり次が見たくなる。上遠野浩平ブギーポップシリーズと同じ*1で、バトルが単純な力比べじゃなくて、相手の裏をかく頭脳戦で、しかも二転三転する。能力勝負で、相性次第では最強を最弱を倒すこともある。これはロマンがある。


ぼくのかんがえたさいきょうのこんかつてくにっく
前回のエントリからやはり半年経っていた。年末のこの時期になると、そして年始になると、思い出したようにブログを書いている。たいていは、今年読んだ本や漫画、映画について記録する。
今年は映画がすごい年だった。
エヴァ*2、レヴュースタァライト、そして閃光のハサウェイ。あまり映画館に行けなかったけれど、コロナがひどくなってきた8月以降は特にほとんど行けなくなった。映画だけではなく、あまり本も読めなかったのではないか。適当にツイッタを開いては「シュッ……ポッ……」しているだけの時間をたくさん、それこそ数え切れないくらいの夜を過ごした。悲しい。

とはいえ、ちょっとした資格試験にも合格したので、気分は良い。まったくの無駄ではなかったということか。

楽天モバイルを契約したので、家のネットを楽天ひかりに変えようかと思っている。今はソフトバンク光を契約しているだけど、料金は楽天ひかりと一緒なはず。4千円くらい。乗り換えキャンペーンで、たしか一年間無料だったはずなので、ソフトバンク光の契約終了月に合わせて乗り換えかな。

健全な関係とは何かな、と思う。共依存は良くないし、過干渉も良くない。ヤングケアラーを美談とするママ垢なんかは見ているだけで吐き気がする。ツイッターミソジニーと相性が良く、気持ち悪い女アカウントを見てはせせら笑うことができる。少しだけ気持ちがすっとする。だけど、そんなことをしても現実の自分は何も変わらない。

しかし、ディオの声が子安というのは良いな。格好良い声優かつキザな声という印象が良くマッチしている。Netflixで見ているから、センシティブな映像には黒塗りがかかる。首チョンパとか頭が割れるとか、そんな場面は妙に画面が暗くなる。面白いのは、ダービー兄戦の時に、承太郎がタバコ吸ってる口元も黒塗りになっていたこと。それもセンシティブなのね。

花京院が死の際にディオのスタンド能力に気づいてメッセージを残すっていうのが、男らしい。上遠野浩平ラノベでもよくあるよね。死に際のメッセージ。あんまりぱっと出てこないけど、霧間誠一が霧間凪(ロリ)によくわかんねー話をするのとか。

 

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空の青さを知る人よ 公会堂

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空の青さを知る人よ イクノ? が座った公会堂の裏

 

*1:かどちんがジョジョに影響されたのかな

*2:シン・エヴァンゲリオン

ぼくのかんがえたさいきょうのこんかつてくにっく

  

結婚を経験した人間の数だけ、「婚活必勝法」があるんだよ
(或る中年の小父さん)


この物語はフィクションです。
透かして見てくれるなよ。オレの人生を。

 

この門をくぐる者は一切の希望を捨てよ

ママがほしい。理解してほしい。甘えさせてくれる上に家事を全てこなして夜はセックスさせてくれる。完璧超人の曜子ちゃんか、ミキミキと「一緒に、同じ時間を生きませんか?」したい。そういう気持ちは婚活戦士となる禊として捨てましょう。婚活というか、結婚とは滅私奉公です。俺が幸せになるんじゃない。俺がお前を幸せにするんだよ!

 

ゴールは結婚すること。幸せになろうと思うな。幸せにするんだぞ。そもそも、30歳を超えた女なんだから、これまでに婚約破棄とかされてる可能性は十分ある。「結婚する気がある」なんて言葉、死ぬほど聞き飽きてるはず。オタクくんが顔を真っ青にして一世一代の台詞を吐いても、「あーはいはい。いつもの台詞頂きました」くらいの気持ちだ。だから心を動かさずに茶番だと思ってとりあえず言っとけ。女だってバカじゃねーから法的効力のある婚姻届を提出して、わざわざ提出前にコピーしておいた婚姻届に婚約指輪載せてインスタに上げるまで安心しないぞ。
忘れてはいけないのは、どんな非モテ女でも告白されてる経験がある。なんなら、「キモいやつから告白されて最悪だった」という負の思い出として告白されたエピソードを所有している場合もある。俺の告白、そんなに嫌だったんだ。。。あの時、告白の返事をなかなかくれなかったのは、もう俺と喋りたくなかったからなんだろうな。
もちろん、30歳を超えた女は職場不倫で上司のチンポしゃぶったあとかもしれない。「なかなか良い出会いがなくてねー」ということは、そういうことだ。触れてやるな。散々高級なディナーやプレゼントをもらい、既婚者のセックステクで調教されて、フェラチオも随分お上手になっていることでしょう。
30歳を超えると、一緒に独身でいようと言った女友達が結婚したり子供運でマウント取ってくることもある。理解しろ。女の結婚への圧力は男の比じゃない。

 

女はデートに来るのに美容室行って服を新調してくる


女が30歳を超える年齢まで未婚なのは理由があるので覚悟しとけよ。

 

おひとりさま物語の46話を見ろ。*1

 

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31歳OLさんのリリコさんは友人の紹介で一つ年上の堅物さんを紹介される。ちなみにリリコさんは半年前に彼氏と別れて、知り合いや同僚は全て結婚しているか彼氏持ち。堅物さんとは金曜夜に新橋で待ち合わせる。リリコさんはジャケットときれいめなワンピース。堅物さんは会社帰りのスーツ姿。そのまま店も決めず、居酒屋に入り、45分間話してリリコさんは帰ってしまう。

今の私には あんな奴がお似合いってことなのかな…

「かわいそうなリリコさーん」というふうに話は進む。これから先は皆さんでご一読いただきたい。

もちろん漫画なので、かなり脚色されていると思う。実際のリリコさんなら、友人の紹介の手前もあるし、とりあえず1時間以上は話して、用事があるから帰りますー的な(これはもう少し適当な言い訳があると思う)ことを言って帰ると思う。なんだかんだ言って、堅物さんの方が少し多めに支払うかもしれない。
どうでしょうか。堅物さんの皆さん。
それなりに楽しく話せたなー。リリコさんも笑っていたし、今度はどんなところにデートに行こうかなー
なんて思っている頃でしょう。
完全なボタンの掛け違いがあります。
個人的には、りりこさんのセリフ「今の<私>には、あんな奴がお似合いってことなのかな…」というセリフもなかなかひどいなーと思いますが。リリコさんは、結局の所、彼氏がほしい、結婚したい、という自分中心の見方なんですね。

ここでKYTの始まりです。みなさんはいくつ危険箇所を見つられますか?

そもそも堅物さんこと俺たちは、リリコさんのワンピース+ジャケットという服装の意味(ドレスコードのあるレストランに入るの大丈夫なようにジャケットを羽織ってきている)、ハイヒールで歩きにくいのに<私>に合わせて歩いてくれない*2、隣との距離も近く、騒がしい居酒屋では落ち着いてお話できませんね。もちろん、お話というのは、彼氏として恥ずかしくないかどうかのスペック確認と、リリコさんが気持ちよくお話できるかの実地検証です。リリコさんの意見を聞かずに店に入る、そもそも店を予約していない、メニューを見せてくれない、なんていうのも細かい点ですが減点ですね。<私>の気持ちを優先してくれないのでマイナス評価です。クチャラーとかホテル行こうなんていうのはおそらく作劇上の演出で、実際にありそうなところといえば、堅物さんはチビデブハゲ*3のどれか、もしくは三重苦のヘレン・ケラーで生理的にNGか、よれたスーツなどの清潔感評価のNGでしょう。

ということで、

 

 




少女漫画を読め。

 最低100冊。できれば200冊くらい。1シリーズ10巻くらいだから10から20シリーズ。今俺のアマゾンKindleマンガを見たら、だいたい100冊くらいだった。200冊は言い過ぎたかもしれん。と思ったけど、死ぬほど漫喫で読んだからやっぱり200冊くらいは読んでる気がする。

少女漫画は、ド定番の高校生学園モノ、大学生モノ(ハチクロとか)、社会人モノ(NANAとか、今日は仕事休みます)、そして三十路・四十路モノ(逃げ恥、タラレバ娘、Kissで連載してるなにか)、とりあえず片っ端から読んどけ。だいたい1シーズンに2, 3作はドラマ化されているから、その時ドラマやっている奴を読めば30巻くらいになる。重要なのは、もちろん、なんの取り柄もないヒロインの女を理由もなく好きになって告白してくる金持イケメンになることではない。ストーリーの背景に共通する教義に気づくことだ。男を選ぶ基準は、お金でもなく、顔でもなく、こんなワタシを心から愛して尽くしてくれる誠実さだよね。ということ。
ここで注意してほしいのは、お金と誠実さの順番。誠実さの証明のためにはお金でプレゼントを準備することが必要で、モノ(花やプレゼント)を通じてのみ誠実さは伝達されるということ。「大切にするよなんて、言葉は空虚だよ」みたいなセリフはいくらでも出てくると思う。
この欲求は女のちんこだと思って良い。ここをくすぐられるのが一番気持ちいいようだ。しかも、言葉はインスタにアップできないけど、素敵な花束はインスタ映えするからね。


服と靴と鞄は新品を買え、髪を切りに行け、コンタクトレンズを付けろ

コンタクトレンズは正直どうでも良いが、なんとなく気分で書いてみた。女はデートに来るために新品の服を着てくる。「買ったけど着てない服を、この機会に下ろそう」。これまでの俺たちの人生ではいっちょんわからん文章だったが、少女マンガ千本ノックを乗り越えた今ならわかるでしょう?
おしゃれだから好きになる、ということは婚活ではまず無い。逆に、不潔(俺からするとちゃんと洗濯もしたいつもの格好なのだが)とみなされるともうオシマイ。ゴキブリと一緒に歩くと消毒が必要だからね。仕方ない。新品の服を買っていくことは、「あなたのために金と時間をかけて準備しました」というメッセージにもなる。ほつれやよごれ、ホコリ、褪色などに非常に厳しい。そんなの、いちいち点検できないので、もうユニクロかGUかで揃えてしまえば良い。どうせ結婚したらユニクロかGUの服を着ることになるのだからなんの問題もない。意外と見落としがちなのが靴で、数回でも外出に使ってしまえば、どうしても汚れがつく。アウトドアなんかにいったら一発アウト。靴もデザインよりは汚れが問題なので、スーツ用の革靴をピッカピカに磨き上げて履くようにしておけば良い。それか、適当な革靴も3000円くらいで売ってるので、それを婚活用に買うのが早い。忘れてはいけないのは、女さんは今日のデートに来るために、新品の服を下ろすのと同時に、「どうせだったらあのハイヒールもおろしてみようかな」という状態になっていること。10足以上靴があるんだぞ。想像しておけ。そんな女に対して、
髪型もそうで、1ヶ月前に美容室で切った髪型より、前日に千円カットで切った髪型のほうが絶対に良い。どうやってもプロのカットからの時間がたつと不揃いさで清潔感が落ちてしまうので、とにかくプロの手が入った直後の状態で行ったほうが良い。なんなら前日に髪を切りに行ったことを伝えても良い。それだけ準備に時間をかけたアピールになる。あなたのために時間を使いましたよ、ということ。
ほら、少女漫画千本ノックでもあったでしょう? 無口で不器用な彼くんが何日もかけてブサイクなくまさんの人形をつくってくれたことが。


相手に話をさせろ

勘違いするなよ。「今日のデートは話が盛り上がったなー」なんて思う時は要注意だ。女が自動応答接待モード*4に入っているため、すでに女の脳内ではお断りされている。気持ちよくお話したいのは女であってオタクくんじゃない。オタクくんは女さんの会話の壁打ち相手になってあげて、とにかく女さんのこれまでの人生・選択、容姿を全肯定するすれば良い。つらかったねー、すごいねー、可愛いねー、素敵だねー、偉いねー、君は悪くないよ。どの台詞を選べば良いかわかんないときは、オウム返ししておけばリアクションをスキップできるからそうしろ。とにかく相手の目をみて口角上げておけば、オウム返しも「ワタシの話をしっかり聞いてくれてるんだ」という反応になるから大丈夫。間違っても、女になにか教えてあげようなんて考えるな。田中ロミオの最高傑作であるCross†Channelとその後の最果てのイマからRewriteに至る変節をヒロイン属性から説明する、なんて絶対にやめろ。たとえ相手が「ワタシ、エロゲーとかもやるんですよー」なんて言ってもだ。その先は道が無いぞ。だからその泉は近づいていっても逃げていくんだって言ってるだろ。逃げ水っていうんだ。知ってるか?


デートは「遊び」ではなく「任務」

どこにデートに行けばいいかわからない。そうだよね。だって、俺たち楽しい独身オタクくんは、酒を飲むか、映画に行くか、釣りに行くか、キャンプに行くか、なにか楽しいことを一緒にする仲間だもんね。この女ちゃんはどんなことが好きなのかなー? あ、趣味の欄に「映画」ってある。一緒に映画に行けばいいのかな?
はい、ダウト。女ちゃんは趣味を一緒にしてくれる人を求めて婚活しているわけではありません。一緒の趣味の男友達くんたちは別にちゃんといますし、なんなら趣味「映画」っていうのも前の彼くんが映画好きだったから付き合いでたくさん見せられただけだよ。
じゃあどうすればよいの? まあはじめの数回は一緒にお茶するだけでも良い。とにかく落ち着いて会話できて、きれいな場所。そのためにホテルのラウンジってあるんだね。コーヒー一杯のむだけで千円超えるって、ショバ代ってあるんだねえ。女ちゃんはパパとか家族とか彼ピッピとかおじさんとかと一緒に10代とか20代で死ぬほど来ているから慣れてる。大丈夫。慣れてねーのはテメーだけだよオタクくん。
とりあえず2回以上会えれば足切りラインは突破しているから、あとは一緒に生活していく上での障害が無いことを見せていく段階だ。じゃあ一緒に生活していくって何かって言うと、例えば親族の誕生日だからプレゼントを選んだり、一緒に実家に帰省したりすること。ここらへんで、旅行(まずは日帰りからだ)の威力が出てくる。ルート選定は妥当か、女の体力・トイレを考慮しているか(女は立ちションができねーらしいぞ)、途中の食事・休憩箇所を考慮・予約できるか、これらをテストされている。女が「私が予約しようか?」って聞いてくるけど、これYes/Noクエスチョンじゃねーからな。答えは「大丈夫だよ。俺がやっとくから」一択です。間違えないよう。
そんな感じなので、どこかに誘いたければ、「相手の用事につきあう」もしくは「自分の用事につきあってもらう(その御礼に食事をごちそうする)」という美しい流れを利用するわけ。例えば、食器が足りないから一緒にIKEAに行くとか、そういうこと。日本語って美しいですね。一緒に服を買うのは、女さんもいろいろ思うところがあるから、雑貨とかが丁度いいかも。もちろん、本当に必要なものである必要は無い。食器なんて小さいやつ選べば不燃ごみで捨てときゃいいし。


使えるスペックで殴れ

素敵な恋人になれますか? いいえ、オジサンと恋人になりたい女の子は居ません。とにかく、身長が高くて、大卒の学歴があって、定職(医者、弁護士、公務員や大手企業ならば間違いない)についていて借金がなくて、あと未婚で。ここらへんが満足されていれば、婚活対象としては大丈夫。そもそも上の条件のどれかが満足していないから、女の[彼くん]は[旦那さん]に昇格しなかったわけでしょう。女も「三十路行き遅れで血迷った」という事実を広められたくないから、何か一つでもマウント取れる要素があればそこだけ抜粋して女友だちに話す。「最近、婚活してて知り合った人、弁護士さんなんだー」みたいな。とにかく一点突破でいいから、スペックで勝てるところで勝負しろ。
5年前に婚活パーティーに出た時、男10人・女10人のオタク婚活だった。一人、髪が長くて、「婚活にスーツで来てやんのープププ」と思っていた男の左胸に輝くFの字の社章と、最後にちゃっかり女とマッチングして帰っていく後ろ姿を俺は今でも忘れない。なんで一人だけスーツで来てるのかと思ったら、あいつはアイツで本気で「戦い」に来ていたんだな。甘かったのは俺の方だった。

 

 

 

そもそも男は女からうっすら気持ち悪いと思われてる。だから夜に会うこと自体警戒感を持たれる。なるべく日のあるうちに会って、あと、大事なのは、女が家に帰りつくまで日が落ちない時間に帰らせること。女と別れる時間じゃねーからな。


なにか旅行などに行ったあとに会うときは、お土産を渡す。相手と会っていない間でも考えていたことを示す。本当に考えていなくてもいいので、とにかく渡すことが大事。ここでも、前までのデートで何を渡したらよいか、もしくは、何が嫌いで渡したら一発NGかを探るため、相手に死ぬほどこれまでの旅行経験とか好きなものの話をさせて情報を仕入れておくことが効いてくる。

 

絶対にイラつくな。不機嫌を一瞬でも出すとDV候補として見なされて一発レッドカード

 

少女漫画千本ノック。彼氏自慢できる要素をあげる。
格好悪くて不器用だけど私のことを一番に思ってくれてる彼くん、を目指せ
気持ちは通じない。クソ恥ずかしくて緊張して毎晩布団でわーっとなるけど、プレゼント買って褒めろ。茶番だぞ。ちゃんと演じろ。

 

サプライズは99%歓迎されない。ノープランはサプライズより悪い。どこに行くか事前に伝えろ。服・靴選び・化粧の具合、持ってく鞄と詰めてくモノの選択が変わるので、一週間前にはプランが決まってないと女からするとブチギレ案件になる。女はデートで遊んだりエンジョイするために来てるんじゃない。これから女としての人生をサポートしてくれることを確認しに来てるんだ。一緒にいて不都合がない男であることを示せ。そう、ここまでやっても、女からすれば「当たり前のことができる」だけなのだ。

 

 

最後に。

セックスしたら「上がり」。女のジョーカーであるセックスなので、その後は代償でかすぎて後戻りしたくなくなる。コンコルド効果。あとは放っておいても向こうからグイグイ来る

 

覚悟を決めろ。

 

*1:7巻に収録されている。無断転載で怒られたら消す

*2:おそらくここに、前の彼氏たちならゆっくり歩いてくれたなあ、なんていう気持ちもあるでしょう

*3:つらいですよね。

*4:キャバ嬢モードともいう

グリザイアの感想

ブログを書くのは三ヶ月ぶりのようです。

 

 

 

グリザイアの果実・迷宮・楽園

グリザイアのファントムトリガーをvol.7までやったので、TVアニメ版のグリザイアの果実→迷宮→楽園を見た。
TVアニメ版の果実のマキナルートは、こんなんだっけ?という感じ。やっぱりパン屋さんエンドまでちゃんとやってほしかった。尺の都合もあると思うが。

「一人十殺」ではなく「一人五永」で美浜の五人を救ったという回想が入るところ、麻子との約束、ここらへんは泣いたなあなどと思い出す。
あとは、しれっとマキナルートで麻子の墓参りするときにジョンの墓にも手を合わせているところとか、よく作られているなあ。

由美子ルートは、キャラデも然り、美浜学園の設立背景も然り、で、どう考えても正ヒロインまっしぐらなのに、蓋を開けて見れば雄二の過去とも関わらないし噛ませ犬ルート/ヒロインになるのを揶揄されている感じ。これは迷宮/楽園でいっそう明白になる。

とはいえ、アニメラストでは、雄二と由美子の二人の会話(釣りしているシーン)も入るし、たしかに美浜学園を象徴するキャラではある。

天音も幸もマキナも、全て雄二の過去とリンクして、そして、由美子を含めてその人生に死が濃密にまとわりついている。その彼女らをしても、雄二の凄絶な人生には言葉をなくす。

アニメ版「果実」のラストでオスロがちらっと出てくるのは、もとのゲームでもそうだったかなー。

ミチルの妊娠、それは学園の再生ともリンクしているように思う。いびつな形でヒロインそれぞれを核として家族を再生させようとしたのが、果実だし、果実のシナリオを下敷きにして、雄二を再生させようとしたのが迷宮/楽園。その最終出力として、ミチルが妊娠して、麻子の残した島で学園が存続する。なんとも感動的ではないか。

 

グリザイア:ファントムトリガー 

話は一転、ファントムトリガー。
vol.7まで来て、やはりハルトを再生する話であることがはっきりしてきた。かなり楽園を意識しているように思う。麻子が碧で、雄二がハルトだ。とはいえ、果実・迷宮・楽園がそれぞれ一本のゲームで、果実はマルチエンディングであるのに対して、ファントムトリガーは、vol.1から7まで、一本ずつの一本道ゲーム。(そういえば、vol.7の選択肢が3個くらいあったけど、シナリオ分岐あるのかな?)。果実→迷宮→楽園で実現したメタ的な救済は、やはりファントムトリガーでは得られない。さてどうするのかなあ、とは思う。オスロの代わりの安っぽいエニシさんも出てきた。やはり、ファントムトリガーは「正義」の話なんだと思う。そして、楽園が親子の話であるのに対して、ファントムトリガーは姉弟の話。そういえば、ハルトの親が遺伝子的にはイチルさんであるとは言え、試験管ベビーで美浜OBsに集団で育てられたというのも、「もう親の話はしないぞ」という意図なのか。

ファントムトリガーで思い出したけど、髪の色とキャラが合っていないという点には気づいていたんだけれど、これはなんだったんだろうな。果実・迷宮・楽園との差別化、っていう意図だけかな。「ムラサキ」がピンク色の髪なのは、さすがに意図的に過ぎるんだけど、やっぱり美浜OBs(由美子・天音・幸・みちる・マキナ)がハマり過ぎていたから、2Pキャラカラーでキャラデするしかなかったんだろうな。

ファントムトリガーのBGMが聞き覚えが合って、bacon eggs in the pan とか、dog days? とか、ちょこちょこ楽園と同じやつがある気がするんだけど、ファントムトリガーだけでも20時間以上プレイしているから、聞き覚えがあるだけじゃわからないか。

同じことが、果実・迷宮・楽園のアニメのBGM/主題歌にも言えて、「これ聞き覚えがあるからゲーム曲のアレンジかなー」と思っているんだけど、どうだったっけ。

死ぬほどスクリーンショットがあるんだけれど、どれを上げて良いのか迷う。

 

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良い事言ってたり、ギャグもネタが濃くてわかると面白い。




 

最近見たアニメ 

あと最近、ちょこちょこ見たアニメ。どれも6話くらいまでだけど。

 

SSSS.DAYNAZENON

@anvalco がツイートしていたとおり、今回は「感情」を取り戻す話として読んだら面白そう。というか、普通にセリフのない短いカット?がパッと入ったりして格好良いし、ロボの見栄と合体も格好良いし、あと、怪獣優生思想の低温巨乳女がドチャシコだしで、なんにも考えなくても楽しい。

 

ゴジラS.P 

bonesで超格好良い。あとSF考証がしっかりしている(円城塔の名前補正かもしれない)ところも、論文探しているところとか、神野銘もユンもちゃんと大学出て論文出てるところとか、すげえ格好良い。OPもキャッチーで良いんだけど、ちゃんとアニメするEDもしっとりしていて楽しい。Netflixで見ていると、「クレジットを見る」を忘れると飛ばされちゃって残念。

 

vivy -fluorite eye's song-

ガッチガチのSFでキャラデも可愛くて曲もアガる感じで好き。AI(ロボット)の寿命が100年以上で、人間はすぐ死んじゃうっていう設定を利用して、2話で1つのお話をやって、10年とか5年とか時間をすっ飛ばすのがクール。最後まで読んでないけど人類補完機構シリーズみたい。