radikoの聴取地域がまた北海道になりました

人形シリーズ

座間編

寛政五丑
月妙空信女
十月朔日
寛政六寅
壬壬余屋妙音禅女
十一月廿三日

「壬壬余」なんて字はないので、「茶」かなあ。茶屋。

今朝ははたして天気予報のとおりに降り出しました。予報の通りならこの後昼までにはやみます。

そして明日また雨が降ります。それを見越して、きのうおとついに畑の土づくりをして、連休中日に種まきなどするつもりで、スケジュールバッチリと思っていたのですが、植木の消毒やら草取りやら、ほかのこともやらねばということで、あたまがパンクして、結局何もしないで終わりました。ぐったりしてた。

かろうじてナスやピーマンに支柱を立てたくらいでしょうか。あと草取り。それから、新緑の出ない枝の枝打ち。農業まつりも無事終わったそうで、同日谷戸山公園でもおまつりがあったそうです。で、このあと保健所が来ます。

今朝は、お湯を沸かして、ストレッチして、お茶をあげました。平熱。ねこはそとから入って、また外に出て、またなかへ。トイレ二回。

昨日とおとついは、ラジオ体操に行って、帰ってストレッチしました。その前の日はぐだっと。その前の日はラジオ体操しました。おとついは午後から風が出て、昨日は午後から曇って、言われていたほど炎天でも蒸してもいませんでした。

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北海道のFMノースウェーブでかかってた曲。パソウコンをどこにも移動させていないのに、またradikoの視聴エリアが北海道になりました。これは何かのお告げと考え、検索すると、はたして『波よ聞いてくれ』の新刊が4/23に出ていました。それだけのことなのか。

なので、今週は小林克也翁のファンキーフライデーは聞かない気がします。聴けないわけですが、視聴エリアの修正依頼をしないで、リアルタイムの北海道交通情報やお天気、行楽地のじょうほうを聴いてようかと。NHK-FMゴンチチピーター・バラカンサンと洋楽シークェンスは聴きました。洋楽シークワーサーではなかったと思う。

今月のファイル利用量は17%。イード周辺の三日間と、4/22以降の写真を整理していません。それでこの数字。

水。

Mondonguito a la italiana c/arroz
トリッパ(牛の胃袋)とポテトフライのペルー風トマト煮込み
ライス付き

ペルー料理。タグをつける時、上のスペイン語の「ライス付き」"c/arroz" の部分まで入れると、もうそれで字数制限を越えます。西洋人はもうツイッターより短時間動画で情報発信するようになっているが、漢字文化圏は漢字で字数を圧縮出来るのでまだツイッター(現エックス)を使っている、中国はウェイボーなのでまた別の話で、という話を思い出しました。

これがターメリックの味つけになるとカウカウという料理ですが、イタリア風だとモンドンギートになるとか。辛いソースのバジルまぜ、アヒ・ヴェルデをかけて。

ライス、アロズにはこの店だけある、ロコト(とうがらし)と言いつつキムチのようなお菜を載せて。

Jalea mixta
魚介類をオイスターソースなどで味付けしたから揚げ
サルサのせ

スペイン語なのでジャレアと読まずハレアと読む、海鮮フライ盛り合わせ。サルササルサ・クリオージャだかクリオージョだかのことで、紫玉ねぎのマリネのこと。私はそういうものだと思って食べるですが、邦人の中には、フライにマリネを載せると面喰う人もいるようで、お店の人は、邦人がこれをオーダーすると、玉ねぎ載せていいか確認に来たりします。

完食。ぜいたくな食事だった。

チョクロ、ジャイアントコーンのゆでたのの芯と、ムール貝の殻。貝を殻ごと衣をまとわせて揚げるというのが、最初に食べた時すごいカルチャーショックだったです。この写真は、ちゃんと貝柱迄食べましたという記録。

ついでだから貝殻をひっくり返してもう一枚。貝殻ごと衣をつけるって発想は私にはないかったです。そしてオイシイ。

さて。

今日も、明日も、昨日も、おとといも、その前の日も、穏やかに、静かに、落ち着いて、平和に。そして、出来ることなら、自分も周りもみな、しあわせにすごせますように。

『海を見ていたジョニー』"Farewell, My Johnny." by ITSUKI HIROYUKI ○五木寛之(講談社文庫)読了

『青年は荒野をめざす』*1『さらばモスクワ愚連隊』*2と来たので、これも読んでみました。

カバーデザイン・石岡瑛子 写真・内藤忠行 いきなり凄いの来た。

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コロナカで鬱屈した都民の思いが凝集して大盛況だった都立現代美術館の石岡瑛子展はまだ記憶に新しいかと。

石岡瑛子 - Wikipedia

内藤忠行 - Wikipedia

表紙(部分)左をドアノブかと思い、自由へのどこでもドアのドアノブかなあと思いましたが、トランペットのマウスピースだと思い直しました。右がトランペットなので。ほそながい部分がついてるはずなのですが、とれてるのか外してるのかは分かりません。そもそも着脱可能かどうか知りません。そしてあいだに鳩。鳩を撃つ。

五木寛之サンの講談社文庫では本書と『さらばモスクワ愚連隊』が同じ体裁で、写真は波濤です。こちらも石岡瑛子ザデインと思われ。『風に吹かれて』も黒い表紙なのですが、ちょっと体裁がちがう。ほかはもっとちがう。

解説は川崎彰彦サン。これも凄いの来た。早大露文科の同窓なのかな。

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川崎サンは寡作で古書店ボッタ値ばかりなのですが、なんとか一冊読んでます。

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津野海太郎サンの本に出てきたので読んだはず。津野海太郎サンを読んだのは、山口文憲サン『団塊ひとりぼっち』に出てきたから。津野サンは、生涯独身と思いきや還暦で初婚という、これも凄い経歴。ナイジェリア發國際ロマンス詐欺に引っかかったのではなく、編集者と結婚したんじゃいかな。

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「野牛バッファローのジョニーと言う奴もいる。座間のキャンプから時どきこの街へ出てくるんだよ」

頁16。ジョニーは座間キャンプから来ましたと。もうこれでおなかいっぱい。なんでアーミーがネイビーの基地に來るんだよとか、そういえば青春の門も五木サンでしたねとか、人間の条件とどっちがおもしろいでしょうかとか、思考はさんざ乱れる。舞台はおそらく横須賀です。車で行くにしろ、電車で行くにしろ、行きにくそう。246もしくは東名で大和トンネルの渋滞を抜けて、保土ヶ谷BPから横横。電車だと、どう行くんだ。JR横浜線もしくは相鉄線で横浜に出てJR横須賀線もしくは京急に乗るのか。

ジャズは人間だ、良い人間だけが良い演奏をやれる。そう信じる黒人兵ジョニーのかなでるピアノは、少年の心にしみた。しかし、彼が汚い戦争から戻ってきた時もはやブルースは・・・・・希望と絶望が交錯する五木寛之の魂の詩「海を見ていたジョニー」。ほかに「素敵な脅迫者の肖像」「盗作狩り」「CM稼業」「私刑の夏」など。

カバー裏の作品紹介。ジョニーはズージャでなくレゲエをやるべきだったか知れません。

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素敵な脅迫者の肖像』業界もの。頁50、おでんもあればブイヤベースも出来る店だが、テレビだけがないという小さなレストランのメニュー、五目スパゲッティが印象に残りました。エビとハムとグリンピーストシイタケが入っていて、紅ショウガの薄切りがそえてある「国籍不明の料理」だとか。川崎サンも解説で取り上げてるくらいなので、みな思うことはいっしょなのかと。

盗作狩り』文部大臣が郷里の中学校校歌に自作の詩を贈った。しかしそれは、地元の少女が市制施行記念に市が募集した歌に応募し、佳作となった作品だった。少女の妹がワイドショーに投書したのがきっかけで、制作スタッフが動く。実は大臣の詩は、ある大物作詞家にこっそり作詞を依頼し、第一秘書が作詞料をピンハネしたものだった。大物作詞家は出入りの下請け作詞家希望青年にその仕事を丸投げしピンハネした。青年はその市の図書館で市の広報誌バックンナンバーを閲覧した際にその詩を見つけ、こりゃいいと完パクした。しかしその詩は応募者の姉が自作したものでもなく、さらに事態は混迷をという。たぶん福岡の中学校なのですが、地元公務員や教育関係者の誰も気づかなかったのでしょうかと、今こうやって整理しながら思いました。

CM稼業』業界もの。ダマテンで代理店二社に競作させてたメーカ。その掌で踊った広告マン(というかCMプランナー兼音楽プロデューサー)

私刑の夏』これだけ毛色の変わった作品で、敗戦後38度線の北に抑留されて、南下出来なくなった引き揚げ者たちの話。川崎サンの解説によると、早大には引き揚げ者が多く、ほかにもこのテーマで作品を学内ガリ切り同人に発表していた者がいたとか。手元に現物がないので記憶だよりと言いながら、川崎サンは、その学生はイニシャル「I」でペンネーム大貝邑二と言い切ってます。誰なら。検索しても何も出ませんでした。

頁204

「(略)おれは日本人だが、日本が嫌いだね。この土地で散々いい目に会ってきたんだ。風向きがかわれば悪くなるのは当り前だろう。勝手によその土地へ乗り込んできておいて、具合が悪くなると早く帰してくれとギャアギャア騒ぐんだ。そんなに内地が良けりゃ、内地を離れなければ良かったのさ。そうだろう、え? 」

そう言いながら、ソ連軍に通じて引き揚げ者からいろいろ捲き上げて暮らしてた青年もいい加減北朝鮮はヤバいと見切りをつけて帰国しようとします。しかし。

川崎サンは本書の作品はすべてデビュー翌年に書かれたものと書き添えてます。文庫化されるとロンダリングで初出が分からなくなるアレを鑑みての一行。こういう気配りが当たり前に出来る人が、えてして市井に埋もれるのであろうと。以上

『さらばモスクワ愚連隊』"ДО СВИДАНИЯ,МОСКОВСКИЕ СТИЛЯГИ" Ицуки Хироюки 五木寛之(新潮文庫)読了

『青年は荒野をめざす』を読んだ*1ので、なんとなく。

さらばモスクワ愚連隊 - Wikipedia

文庫版だけでも講談社文庫、角川文庫、新潮文庫と三度文庫化されていて、読んだのは新潮文庫。電子版があるのは角川文庫(紙版と表紙は異なるようです)

ロシア語タイトル「ダスビダーニャ、マスコヴスキイ・スティリャーギ」は最初の講談社単行本表紙から。映画のサントラジャケットなんかにもこのキリル文字は見えます。サントラは英題を前面に押し出してるのですが、何故か「愚連隊」を英訳してません。「グッバイ、モスコー」としか書いてない。

作中でも「スティリャーガ」はみゆき族太陽族とでも訳すべき、古い表現と書かれていたのですが、どうもこの単語を英訳すると、「ヒップスター」になってしまうらしく、それで英訳は「愚連隊」を訳さなかったのかと勝手に考えています。

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https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/47/Ekaterina_Vilkova_and_Igor_Voynarovsky.jpg左は同名ロシア映画の役者さんたちの撮影待機中の写真らしいのですが、どうにも滑稽なイメージがついて回るようで、「愚連隊」でなく「与太郎」なのかもしれません。いや、この役が、ダサい青年が無理してオサレしてはっちゃける役柄だから、こうなだけなのか。

ちなみに、グーグル翻訳で「さらばモスクワ愚連隊」をロシア語に訳すと、「さらば」はダスビダーニャでなくプロシャイ"Прощай"、愚連隊はスティリャーギでなくバンディツキィ・パルク"бандитский полк"になりました。バンディッツのロシア語かな。主人公は日本で白系ロシア人と同棲してたのでロシア語がさべれるという設定で、どこまで巷間「ある」話なのか、それは分かりません。中薗英助サンによると、戦後、中国の白系ロシア人はだいたいアメリカに行ったそうですが、日本じゃどうだったのか。そもそもの母体数も少なかったでしょう。

下記はロシア映画「スティリャーギ」の、トレイラーでなく、「ヤ リュブリュー ブギウギ」"Я люблю буги вуги"(ぼかぁブギウギが好き)という劇中歌?のキリトリ動画。

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邦画「さらばモスクワ愚連隊」の映画ワンシーン動画もあったのですが、『GIジョー』という別の短編小説の場面です。映画にした時くっつけたのか。

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なんでこんな話をえんえん書くかというと、新潮文庫の表紙のキリル文字が読めなかったから。

上は新潮文庫カバー(部分)藪野健 画 「赤の広場」のロシア語表記、クラスナヤ・プローシャッジの「ジ」"дь"が抜けてるだけということに気づくまで、だいぶかかりました。分かってみればアホみたいな話。スティリャーギ無関係。

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ステージを降りた元ジャズピアニストの「私」は、今は呼び屋をやっている。ソヴェートにジャズバンドをおくるためモスクワを訪れた「私」は、そこでミーシャという非行少年スチリャーガとそのグループに遭った・・・・・・。社会主義体制下の非行少年たちの束の間の烈しい光にみちた青春を鮮やかに描き出す表題作をはじめとして『GIブルース』『白夜のオルフェ』『霧のカレリア』『艶歌』の初期作品を収録する。 ¥280E 定価280円

右はカバー裏の内容紹介。左はカバー折の新潮文庫五木作品(部分)色男だっただけに、『ゴキブリの歌』や『にっぽん三銃士』といった三枚目ふうの題名も書いてゆかねばならなかったという。『内灘夫人』も読んでませんが、50年安保の話なのかな。これが世界のハルキ・ムラカミなら、あのボタンダウンのアイビールックこそ正統派ヤポンスキィ・スティリャーギですので、あえて三枚目ふうの作品を書く必要もなかったかと。『風に吹かれて』から『風の歌を聴け』までの天路歴程。「呼び屋」は死語のようで死語でない単語。故井上ひさし作品で唯一、夏休みの読書感想対象小説として、その薄さゆえに半永久的に生き残れるであろう『ブンとフン』に悪魔の呼び屋が出てくるので、それで多感な思春期に世代を越えて刷り込まれる単語のひとつに「呼び屋」が残ってると私は思ってます。今度オナクラクンに確認してみよう。彼は本を読まないので、『ブンとフン』も読んでなさげですが、さてどうか。

ブンとフン - Wikipedia

表題作以外に、『GIブルース』『白夜のオルフェ』『霧のカレリア』『艶歌』を収録してるのは、各文庫共通と思うことにします。違うのかもしれないけど、まあいいや。

解説は齋藤愼爾という人。虚飾が多くて、何が言いたいのか分からない文章。植草甚一サンと張り合ってるのかもしれない。読んでいて思ったのが、五木寛之サンは、歌詞を書いているうち、虎舞竜のロードなんか目じゃないほどの、遥かに長い叙事詩的歌詞を書きたくなって、それで小説という表現方法に切り替えたのかもしれないということ。それだとちょっと納得します。

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d4/Nasreddin_%2818th-century_work%29.jpg表題作頁21(左)と頁40。韓国の韓にルビ振ってるの初めて見ました。振らないと「からくに」とでも読まれてしまっていたんでしょうか。右は、まさかロシア、モスクワを舞台にした小説に「ちゃんころ」なる言い回しが出てくるとは夢にも思わず、虚を突かれました。ロシア語で中国はキタイ(契丹由来)中国人はキタイスキーですので、ホージャってなんだよと思いました。

ホージャってのは、オスマントルコほかの官職名でもあるんですが、この場合、中央アジアトルキスタンのとんちものの主人公と思います。五木サンは満州でなく半島ですので、胡人奴(ホインノム)やオランケ(오랑캐)のノリでロシア語のなかのホージャを捉えていたのかもしれません。漢語世界の発想からは、《阿凡提》が「ちゃんころ」になるとはなかなか考えつかない。そもそもホッジャが"afanti"になってしまう漢語西域用語もふしぎですが。

ja.wikipedia.org

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さらばモスクワ愚連隊』は、オチがあんまり突き放してるというか、あっさりしすぎだなという感じで、それが如何にも吟遊詩人の物語る流しの物語の趣がありました。オチは問題でなく、サビや山場を語ることのほうが大事。頁24に説明抜きに「グム」(国営百貨商場)が出てきて、当時の読者は説明抜きで分かったのかと驚きました。これも文化資本の一種でしょうか。

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また、頁34、二等書記官の部屋で米を炊いてみそ汁で食事してじゅうたんに寝そべって煙草を吹かす場面を読んで、じゅうたんバーが出来る前の描写なのか、後の描写なのか知りたいと思いました。この二等書記官は出世のため政治家の娘婿になったので、嫁には頭が上がらなくて、嫁はズージャに理解がない感じです。

GIブルース』はベトナム絡みでこれまた「生きながらブルースに葬られ」って感じの話でした。阿奈井文彦サンや山口文憲サンじゃないですが、徴兵忌避否脱走兵の米国人をかくまって北欧経由で逃がす話につなげてもよかったけど、五木サンも引き揚げ者なので、ついつい『けものたちは故郷をめざす』*2と同じオチにしてしまったのかもしれないと思いました。

白夜のオルフェストックホルムにたむろするアルバイト邦人たち、ルー大柴の原風景の中に、黒人混血孤児がいて、という話。「中近東で山賊に襲われて、チェーンでしめ殺して逃げてきたという日本人学生」の噂話が出ます。むかしのバックパッカーはたくましかった。頁123。下記の歌は頁150に出ます。

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島原の子守唄 - Wikipedia

www.nishinippon.co.jp

「からはどこんねけ」「海の果てばよ」「しょうかいな」の「しょうかいな」は「そうかいな」の訛りでしょうか。「しょうがないな」の意味でしょうか。意外に分からなかった。

霧のカレリア』小国フィンランドの歴史についてお勉強する話。スオミって、白人フィランド人にも使える言い方なんですね。14歳の無軌道むすめが、最後まで名前が出ないのことに、最初読んだ時は気づきませんでした。青春ダイナマイトスキャンダルで末井昭サンの愛人役を演じた女優さんのイメージ。

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艶歌』はドメスティックな話。敵プロデューサーは原田芳雄のイメージでした。PTAが勝負をひっくり返すリーサル・ウエポンの役目を果たすとは。ふしぎな時代だった。戦後とはなにか。

以上

『モロッコで断食ラマダーン』たかのてるこ(幻冬舎文庫)رمضان في المملكة المغربية" تاكانو تيروكو (جينتوشا بونكو)" ⵕⵎⴹⴰⵏ ⵜⴰⴳⵍⴷⵉⵜ ⵏ ⵍⵎⵖⵔⵉⴱ "Ramadan fasting in Morocco" by Takano Teruko (Gentosha Bunko)読了

ラマダンに関する本を検索すると、これしか出ませんでした。天下のたかのてるこサンの名著(らしい) 

カバーフォト たかのてるこ カバーデザイン 松田美由紀幻冬舎デザイン室)2002年4月刊幻冬舎刊単行本上下巻を文庫化の際タイトルを分け、上巻を『サハラの王子様』・下巻を本書として2004年文庫化したもの。回教圏異教徒女子ぼっち旅貞操の危機&This is セクハラてんこ盛りはおもに上巻に収められているそうです。

本書が『モロッコ断章 堀田善衛に捧ぐ』的タイトルだったら私の折れたアンテナにはひっかからなかったでしょう。ズバリラマダンなタイトルでよかった、分かりやすさは武器。たかのつながりで高野秀行サンがからだを張ったラマダンエンタメノンフとか、ハッサン山田考サンのラマダンファナティッカーズ原理主義日記とか、もっといろいろあるかと思いましたが、出なかった。

2002年に書き下ろしたわけですが、旅行じたいは1993年の日芸卒業旅行で、9年後に書き下ろしたのも、ただたんに機が熟しただけだったようです。執筆当時まだ東映在職で二足の草鞋を履いていて、クドカン監督長澤まさみ主演でテレビドラマ化した『ガンジス河でバタフライ』に続き、時系列順に旅の記録を書いてみた感じ。ライターとして独立後、ネタが尽きたので学生時代の旅行までタコの足食い私生活切り売りで公開したわけではないという。

たかのてるこ - Wikipedia

アラビア語にもエジプト方言やモロッコ方言があるそうですが、グーグル翻訳にはその分解能がないので、タイトルのアラビア語はてきとうな機械翻訳です。語順が下書きとHtmlで変わってしまいますし、タカノがタカヌ、テルコがティルク、ゲントーシャブンコがジントゥシャブンクになってるようですが、気にしない気にしない(直しようがない)デス。また、本書ではベルベルには文字がない(ので消えてゆく言語)(頁19)となってましたが、ウィキペディアにはベルベル文字があったので、それの「モロッコ王国」と「ラマダン」を貼りました。グーグル翻訳はまだ未対応で、子音を書くのかどうかなど、記述ルールが分からないので、「たかの てるこ」と「幻冬舎」のベルベル文字表記にはトライしてません。

ティフィナグ文字 - Wikipedia

モロッコ王国を旅するうち、ある日突然始まったイスラムの摩訶不思議なイベント〝断食ラマダーン”。日が昇っている間は水もだめ、煙草もだめ、食事なんてもってのほか! 空腹のまま彷徨い続けた後に辿り着いたのは、心優しきベルベル人の村だった。秘境の村で落ちた恋の行く末は!?  スリルとサスペンスと笑いに満ちた〝愛の断食”紀行エッセイ第三弾!

読んだのは平成30年(2018年)の12刷(!)それだけ指南書、体験記がないんではないでしょうか、邦人向けラマダンの。右はカバー裏の煽り文句。

*本文中の地名は、旅行者の間で一般的に使われている発音をもとに表記してあります。 *通貨レートは1993年当時のものです。 *本文中の会話部分は、紙数の都合上、実際のやりとりから大幅に省略・整理されています。筆者の英語力が高いと誤解されないようにお願いいたします。

頁8、【本文中の表記について】素晴らしいと思いました。なんていうか、言語力なんてそこそこでも、超能力でコミュニケート出来ると思ってしまうのが「旅行」で、旅行のみならず、ブラジルなんて移民社会なので、ポルトガル語能力がほどほどでも、身振り手振りそのほかで、なんしか運転中のトラブル等も乗り切ってしまうと言います(当てられ損社会ともいう)しかしそれで、本書のように深い会話、論理を構築した会話が出来るのだろうかという疑問もありますので、だからこそこうした旅行記はファンタジーとして素晴らしいと申せましょう。私はこうした相互誤解のすえの苦い痛みを何度も経験してしまいましたので、臆病になってますが、素晴らしいものは素晴らしい。

1993年春(バブリー!)たかのサンは卒業旅行でモロッコを移動中、始まったラマダンに巻き込まれます。異教徒は免除だが、公衆の面前で飲み食いはしてくれるな、周りはみんな飲み食いしてないんだからとモロッコ人から異口同音に言われ、空気嫁な邦人のたかのサン(大阪人ですが)は素直に従い、日没後のイフタルを呼ばれまくったり、外国人なのにラマダンしてると云うとみんなうれしそうな顔をするので、調子に乗ってラマダンします。

  1. といっても礼拝はしません。そもそも異教徒に開放されてるモスクが限られている。テルコもムスリムに改宗したらみたいな話は流石に出ない。モロッコだし。
  2. 私はモロッコもトルコみたいな政教分離世俗主義国家で、飲酒もおk、ラマダンもほどほどだと思っていたので、本書の導入は意外でした。
  3. 礼拝をしないので、たかのサンはサフール(夜明け前の食事)の後、毎日昼まで寝ます。日の出の礼拝をしない。ので、ラマダン開始の時刻が、日の出の時間でなく、ファジル、白い糸と黒い糸の見分けがつく時間からというクルアーンの記述に従っていることは書かれていません。最後まで気づかなった可能性もあります。
  4. 日中寝てて、夜は食事とミントティー飲みながらの雑談しかしてないので、昼間働きながらラマダンも体験するという、まっとうな勤め人のラマダン体験記にはなってません。これが旅行者の泣き所か。夢の遊民社。ときどきステイ先の子どもと掃き掃除したり水汲みに行ったりくらいのカジテツはします。
  5. 本書のラマダンは、イフタル(日没後の食事)とサフール(夜明け前の食事)以外に、夕食を食べます。これ、無理だろ、三食なんて、この短時間にぜったい消化しきれんと思いました。そして、たかのサンは太り、ずぼんのボタンをしめずに上着でごまかす生活に入ります。日の出以降、消化をうながすために胃腸薬を飲もうにも飲めないこと自体がまたツラい。
  6. 卒業旅行でラマダンなので、今年、2024年のラマダンより、もう少し早いスタートかなと思いました。真夏のラマダン体験で、炎天下飲まず食わずを長い日没まで苦しむ「人の不幸は蜜の味」が楽しめる旅行記でないのは残念閔子騫です。「あなたこころ悪い!ユー、ナンバーテン!」厳密な月の満ち欠けによる神学者の判定抜きにカシオの計算サイトを使う*1と、1993年のラマダンは2月23日から3月24日までということになり、さ来年が2月18日からみたいですので、さ来年リピートしてみたら、往時の思いがどわっと溢れるかもしれません。
  7. なんというか、たかのサンは、ラマダン最後まで完遂しません。やり切らない。理由が、里心がついた、日本での日芸卒業式にやっぱり出たいから、です。毎年同じ日なら、日芸の卒業式は3月25日、場所も毎年同じなら(コロナカ除く)日本武道館で挙行らしいので、それまでに帰国ということだと、3月25日からのイードラマダン明けの大祭、無礼講祭り)は体験してないということになります。もったいない、来年もう一度たかのサンがラマダン体験して、イードまでやり切って、続編「33年目の再訪」を書いたら売れるかもしれません(売れないかもしれない)
  8. スリランカ料理店のイフタルはカンジというタミル料理のおかいさんからスタートでしたが、モロッコのイフタルはハリラ(الحريرة)という豆のスープで始まるようです。どちらも飲まず食わずで数時間後のおなかにやさしい。

ja.wikipedia.org

頁22、毎日日没後、広場に人が集まって、大道芸が始まったり、音楽の生演奏にあわせて男も女も踊りまくる場面があります。こういうの、どんどん原理主義者がうるさくなって、現在はどうだろうと思いました。モロッコあたりだと今でもベリーダンス健在で、歌舞音曲一切禁止のタリバンをマジキチクレージーと思ってるかもしれません。

頁75、ジュラバという衣裳が注釈なしで出て、分かりませんでした。前編に書いてるのでもうそれでって感じなんだと思います。

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頁92

「人間が弱いのも、変わっていくのも、悪いことじゃない。それは当然のことなんだ。たとえば弱さに関していうと、イスラムでは禁酒だよね。それは、弱い人間に酒なんか飲ませたら、どうなるか分かったもんじゃないと考えているからなんだ。酒を飲んでもいいことにすると、酒を飲んだにもかかわらず、車の運転をする人が必ず出てくる。飲酒運転が原因で、大きな交通事故が起きることもある。日本も飲酒はオーケーでも、飲酒運転はオーケーじゃないよね? 飲酒運転を取り締まるより、弱い人間にもともとお酒を飲ませなければいい。そう考えて、イスラムでは先にお酒を禁止してしまっているんだ」

 確かに、日本が銃を禁止しているのも、弱い人間が銃なんか持ったら何をしでかすか分かったもんじゃない、と思ってのことなのだ。そのことを思うと、イスラムの禁酒も理にかなってるよな。

(略)

 それに、酒の勢いで好きでもないのに口説いてくる人だっている。私の友だちの中には、「酒を飲んでるときに『好きだ!』と言われても、それは『好き』と言われたことにはならない。酒の力を借りて告白するなんてもってのほかだよ!」と断言している子もいるくらいだ。

「私はお酒がほとんど飲めないし(略)”酒もヤクもナシにナチュラル・ハイ!”っていうのがモットーだもん。でもね、日本人はシャイな人が多いんだよ。だから、私はガチガチだった人がお酒を飲んでリラックスして、心を開いてくれるムードが好きだな」

「でもね、てるこ。お酒を飲まなくても、心を開いてくれる人はもっと好きでしょ?」

この頃はまだ飲酒運転が厳格に取り締まられる前なので、21世紀の現状を鑑みると、酒類の販売を禁止しなくても飲酒運転の取り締まりは成功しうるとか、そもそも飲酒のない社会の青年からこのように言われても、説得力があるのか、など、突っ込みたい人は突っ込んだらいいと思います。「素直じゃないね」「ひねくれてる」「その性格で実社会でも損してない?」などなど反論されるかもしれないし、咳しても(ネットでも)ひとり、かもしれない。

頁94

イスラムでは女の人がベールを被っていて、ロングスカートをはいていることが多いよね。あれも、弱い男を誘惑しないようにする知恵なんだ。弱い男のために、女性に協力してもらっているようなものだよ」

「そうだ、私、モロッコに来た途端、酷い目に遭ったんだよ!」

 私は彼に、タンジェのレストランでトイレに行ったとき、ボーイに強引にキスを迫られたことや、カサブランカの宿で友だちになったおんなのこの彼氏に、彼女も了解したうえで襲われそうになったことなどを洗いざらい話した。カリッドになら、何を言っても受け止めてもらえそうな気がしたからだ。

(略)

「でもね、カリッド。カサブランカの男は、彼女の同意も取りつけたうえで、私の寝込みを襲ったんだよ。あのカップルの取った行動は、イスラムの一夫多妻と関係があるのかな? って考えもしたりしたんだけど」

 彼は、とんでもない! という顔になった。

イスラムとはまったく関係ないよ! それは大きな誤解だ。それは、そのカップルの嗜好にすぎないよ。頭がイカレてるカップルだ! (略)」

頁124、たかのサンはカリッドの実家に泊まるさい、両親でひと部屋、姉夫婦でひと部屋、カリッドが帰省時に泊まる部屋の三部屋しか夜をしのげないので(ほかは隙間風がヒドい)カリッドの部屋で寝ますが、何もありません。もしくは、勝手に読者行間嫁。たかのサンは『ダライ・ラマに恋して』*2でも男性同行者とふたり部屋に泊まったりして、何もないので、そこがいいのかもしれません。

本書でもステイ先の両親は息子の嫁にと自分が嫁いできた時のネックレスをプレゼントしますし、カリッドも求婚します。が、この時点でたかのサンは大学にシーカレがいるしで、その後の生涯をモロッコベルベル人の山居で過ごす「こんなところに日本人」にはなりませんでした。『モンキームーンの輝く夜に』*3と、さらにその後の人生を思うと、女性の価値は若さではないけれど、自分で自分に踊ってしまうことって、あるよな、と思う。

男性の旅行エッセーって、恋愛が出てくると、「男の身勝手」「旅の恥はかき捨て」「港々にオンナが」がいやらしく顔を覗かせるのですが、女性の方が恋愛原理主義というか、おせいさん(田辺聖子)の昔から、恋せよ乙女、恋なしに万物は語れない、というのがあると思っていて、本書は見事にそれを昇華させています。本書のアマゾンレビューで、本書に恋愛場面は不要、女性読者はみんな読んでドン引きやわ、みたいのがありましたが、私は逆だと思う。あるいはヤヌスの鏡

頁163

「カリッド、ミントティーを〝モロッコウイスキー”と呼ぶワケが、やっと分かって来たよ」

 私はおしゃべりとミントティーで、ほのかな陶酔感を味わっていたのだ。

「だろ~? ミントティーで酔うことができたってことは、てるこはもう一人前のモロッコ人だよ」

「フフフ」

「ヘヘヘ」

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カラーページが12枚くらいあり、旅行者の部屋に遊びに来た現地人がベッドに腰かけているところをパチリの旅行者あるある写真や、大人に比べて撮りやすい村のこども写真があります。でも私は白黒の、頁90の山並みの写真が好きです。街から村への移動中の写真。たぶん、東チベットの緑とも、イサーンのひび割れた大地とも、ちがう色なんだと思う。見てみたい。以上

新版『スリランカ学の冒険』庄野護 "Advencures in Ceylonology" by Shono Mamoru (new edition) නව සංස්කරණය ශ්‍රී ලංකා අධ්‍යයනයේ වික්‍රමාන්විතයන් ෂෝනෝ මාමෝරු புதிய பதிப்பு இலங்கை ஆய்வுகளில் சாகசங்கள் ஷோனோ மாமோரு 読了

マーティン・ウィクラマシンハ『蓮の道』野口忠司訳*1を出している神戸の南船北馬舎という出版社は、小説訳はそれだけなんですが、スリランカに関する邦書をけっこう出していて、何か読もうと思って、まずこれを読みました。

私が購入を希望した時は、アマゾンも紀伊國屋も何故か取り扱っておりませんで、ホニャクラブ経由で有隣堂取置で注文して、取りに行きました。

スリランカ学の冒険:南船北馬舎

https://www.nansenhokubasha.com/book/300.jpgカバー写真・廣津秋義 装幀 井竿真理子 1996年の版を2013年新版として新たに刊行。旧版から「ワープロが火を噴いた」「ジャーマン・レストラン」「スリランカ旅行術」の三話を割愛し(版元公式でpdf版などの形でタダで読めます)新たに「頼母子講の金融学」「混住社会のコミュニティ学」「内戦後の平和学」「スリランカ学の可能性」を追加収録したとのこと。

著者の庄野護サンはNGONPOODAのプロで、スリランカのみならずバングラディシュ、ネパール、インドネシアパプアニューギニアケニア等でそれらの活動に従事していたそうで、そうなると『イスル・ソヤ』*2内藤俊雄サンとも接点がありそうに思うのですが、本書に内藤サンは出ません。スリランカにだけいると煮詰まっておかしくなりそうなのは東條のり子サンのまんが*3を読んでも思うのですが、いちばん暑い時期はインドネシアで過ごしたりと、くふうもされてる方のようです。

はさまってた、南船北馬舎の本の広告。丹野冨雄サンという方もスリランカ関係の本を書かれています。堀江敏樹サンという方の紅茶の本は、本書にも出ます。川上枝里子サンという方の子連れ旅の本は、神保町の内山書店でぺらぺらめくりました。思ったより小さかった。B6版だから、そりゃそうか。読みかけのままの、新井一二三"xinjing yiersan"的《独立,从一个人开始旅行》*4も子連れ旅に頁が割かれていて、たかのてるこサンのこしかたなどと比べて、考えてみたりみなかったり。

恋いこがれてスリランカ どうせ泊まるなら安宿でなくホテルライフを満喫できるキレイなホテルがいい。鈴なりのバスや汽車の旅もいいけれどそればかりじゃいや。宝石も買いたいし、エステもしたい。ついでにお見合いも! お気楽コマダムのスリランカ案内。

何度見ても、「コマダム」という死語*5にそそられるものを感じる子連れ旅の前書。私もこういう旅のスタイルには賛同するもので(自分ではまずしませんが)蔵前仁一のゴーゴーインドとかホテルアジアの眠れない夜には特に感慨を覚えないのですが、妹尾河童の『河童が覗いたインド』なんか、大好きです。私が泊ってもブタに真珠のマハラジャ御殿ホテルなどを花輪和一刑務所の中』と同レベルの観察力と画力でえんえん精密に描いてくる。

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最近読んだブラジル映像作家岡村淳サンは〈常民〉宮本常一サンが大好きでしたが、庄野護サンは『ナマコの眼』鶴見良行に首ったけの書生っ子サンで、旧版のあとがきは「鶴見良行私論」の副題付きで、彼にささげられています。アジアといいながら、鶴見サンの視座獲得にもっとも役に立ったのは、東南アジアというよりラテンアメリカの一環とした考えた方がしっくりきて理解が早い、フィリピンのレナト・コンスタンティーノサンの著作だったとか。でもフィリピンも、フェリペの名を冠される前は広範なマレー世界の一部だったし、伏流水のように、コンキスタドーレスのスペイン系と被支配のマレー系民衆のあいだに華人(多くは閔南系と推測)がインビジブルな存在として、町全体が墓陵となってる死者の街を所有して暮らしているわけで。

日本農村のスリランカ花嫁が契機となって庄野サンはスリランカに興味を抱いたそうですが、そのイシューについての考察は本書にはありません。スリランカ学でなく日本の農村学になるからか。

帯裏。各章タイトル。「シンハラ語タミル語と英語のグーグル翻訳をつけてあげたよ。ぼく、えらい?」「えらいえらい」

  1. 複合社会の言語学 සංකීර්ණ සමාජවල වාග් විද්යාව சிக்கலான சமூகங்களின் மொழியியல் Linguistics of complex societies 
  2. 「ありがとう」の修辞学 "ස්තූතියි" යන වාචාලකම "நன்றி" என்ற சொல்லாட்சி Rhetoric of "Thank you"
  3. クラブハウスの歴史学 සමාජ ශාලාවේ ඉතිහාසය கிளப்ஹவுஸ் வரலாறு clubhouse history
  4. オートリキシャの経営学 ඔටෝරික්ෂෝ කළමනාකරණය ஆட்டோரிக்ஷா நிர்வாகம் Autorickshaw management
  5. カシューナッツ流通学 කජු බෙදා හැරීම முந்திரி பருப்பு விநியோகம் Distribution of cashew nuts
  6. 昼下がりの紅茶学 දහවල් තේ පාඩම් மதியம் தேநீர் படிப்பு Afternoon tea studies
  7. 漱石のカレー学 සොසේකිගේ කරි අධ්‍යයනය சோசேகியின் கறி  ஆய்வுகள் Soseki's Curry Studies
  8. カラスの生態学 කාක පරිසර විද්යාව காக்கை சூழலியல் crow ecology
  9. ノミの熱帯医学 මැක්කන් නිවර්තන ඖෂධ பிளேஸ் வெப்பமண்டல மருந்து fleas tropical medicine
  10. サルの動物行動学 වඳුරු සදාචාරය குரங்கு நெறிமுறை Monkey ethology
  11. 理性のゆらぐ伝承医学 තර්කානුකූලව උච්චාවචනය වන සාම්ප්‍රදායික වෛද්‍ය විද්‍යාව காரணத்தில் ஏற்ற இறக்கம் கொண்ட பாரம்பரிய மருத்துவம்  Traditional medicine that fluctuates in reason
  12. 乞食の社会学 යාචකයන්ගේ සමාජ විද්‍යාව பிச்சைக்காரர்களின் 
    சமூகவியல் sociology of beggars
  13. 少年売春の病理学 බාල වයස්කාර වේශ්යාකමේ ව්යාධිවේදය சிறார் விபச்சாரத்தின் நோயியல் Pathology of juvenile prostitution
  14. 女性解放の仏教学 කාන්තා විමුක්තිය පිළිබඳ බෞද්ධ අධ්‍යයනය பெண் விடுதலை பற்றிய பௌத்த ஆய்வுகள் Buddhist studies of women's liberation
  15. 巫女の心理人類学 සිද්ධස්ථාන කන්‍යාවන්ගේ මනෝවිද්‍යාත්මක මානව විද්‍යාව புனித கன்னிப் பெண்களின் உளவியல் மானுடவியல் Psychological anthropology of shrine maidens
  16. サルボダヤ運動の開発学 සර්වෝදය ව්‍යාපාරයේ සංවර්ධන අධ්‍යයනය சர்வோதயா இயக்கத்தின் வளர்ச்சி ஆய்வுகள் Development studies of the Sarvodaya movement
  17. 頼母子講の金融学 Raimokoko මූල්ය විද්යාව ரைமோகோகோவின் நிதி அறிவியல் Financial science of Raimokoko
  18. 親日のシンハラ文学 ජපන් ගැති සිංහල සාහිත්‍යය ஜப்பானிய சிங்கள இலக்கியம் pro-Japanese Sinhala literature
  19. 暗殺の政治学 ඝාතන දේශපාලනය படுகொலை அரசியல் politics of assassination
  20. 民族問題の神話学 ජනවාර්ගික ගැටළු පිළිබඳ මිථ්‍යාව இனப்பிரச்சினைகளின் தொன்மவியல் Mythology of ethnic issues
  21. 混住社会のコミュニティ学 මිශ්‍ර ජීවන සමාජයන් පිළිබඳ ප්‍රජා අධ්‍යයනය கலப்பு வாழ்க்கை சமூகங்களின் சமூக ஆய்வுகள் Community studies of mixed living societies
  22. サリーの服飾学 සාරි විලාසිතා විද්‍යාව புடவை பேஷன் அறிவியல் Sari fashion science
  23. 現代の遺跡学 නවීන පුරාවිද්යා අධ්යයන நவீன தொல்பொருள் ஆய்வுகள் modern archaeological studies
  24. 内戦後の平和学 සිවිල් යුද්ධයෙන් පසු සාම අධ්යයන உள்நாட்டுப் போருக்குப் பிறகு அமைதி ஆய்வுகள் Peace studies after civil war

〈補遺〉

  1. ワープロが火を噴いた」"වර්ඩ් ප්රොසෙසරය ගිනි ගත්තා." "வார்த்தை செயலி தீப்பிடித்தது." "The word processor caught fire."
  2. 「ジャーマン・レストラン」"ජර්මානු ආපන ශාලාව" "ஜெர்மன் உணவகம்" "German Restaurant"
  3. スリランカ旅行術」"ශ්‍රී ලංකා සංචාරක ඉඟි" "இலங்கை பயண குறிப்புகள்" "Sri Lanka Travel Tips"

「~学」に邦題を統一しても、英訳はバラバラになるという。AIがもう少しかしこくなれば「~logy」「studies of ~」に統一出来るかもしれません。

新版あとがきではうってかわって、21世紀東南アジア邦人現地ワーカー言語事情が語られます。1970年ごろのバンコクでは、1,000語程度のタイ語読み書き会話が出来れば、タイマスターなファランと見做されたが、現在ではそんなもん吹けば飛ぶよな存在で、日系企業ですら実用タイ語三級(2,000語レベル)が採用基準となっており、日本人学校の教師も赴任後タイ語試験でタイ政府が設けた基準レベルの成績をクリアしなければ、任期前に日本に戻されるとか。前川健一サンや下川裕二サン、プラ・アキラ・アマロー師こと還俗名笹倉明サン、さらにはチュラロンコーン大学だかタマサート大学だかで日本語教師をやったこともある高野秀行サンに耳の痛い話なのか痛くも痒くもない話なのか分かりませんが、そういう話だそうで。

インドネシアも、1990年代は日本語や英語でビジネスが出来たが、2013年はインドネシア語で電話や打ち合わせが出来ない邦人ビジネスマン(長期滞在)はまずいないそうです。私の知人の、犬を飼ってて原理主義者とやり合ってた人もインドネシア語は相当だったはず。人口四億で、サッカーU23で韓国に勝つくらいですから、そりゃ。

b.hatena.ne.jp

営利追及の商社マンや教員はそうなのですが、その一方、ラオスカンボジアなどマイナー言語のくにのNGONPOでは、英語しか使わず、現地語がロクに出来ない、鶴見良行原理主義からすると打ち首獄門な素行の者らがおうおうにして邦人にみられるようになったとか。商社や教育関係ではもう使えない古いタイプの人材でお払い箱門前払いなので、非営利に流れ着いたのでしょうか。それにしても、非営利なのに、郷に入っては郷に従えを悪い意味でしないやらない、同じ釜の飯を食わないのはどうなのよという(庄野サンの嘆きの天使です)

じゃあ翻って、言語人口はそれなりだけれど、シンハラ語タミル語に言語分断され、けっきょく英語で無ければ事務処理、行政対応が進まないスリランカでは如何にすべしということになるわけですが、そんなことは庄野サンのアウトオブ眼中で、現地に行くなら百冊関連書籍(論文含む)嫁! 千語シケ単豆単丸暗記シロヨ! という庄野サンの結論が語られます。庄野さんのもう一つの著書『国際協力のフィールドワーク』と本書は対の関係で、「考えるな、感じるんだ」が本書で、「見る前に飛べ」がフィールドワーク、だと墓穴なので「100冊1000語」なんだよ、とのことです。でもこれ、相当難しい。

<以下、私が読んだスリランカ本and othersカウントダウン・ジャパン>

(番外1)

下記は2017年11月に撮った相武台前、銭湯の向かいのスリランカ居酒屋の看板。入ったこともなく、もうとうにないお店です。

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スリランカ居酒屋 SRILANKAN BAR - Stantsiya_Iriya

(番外2)

下記は2023年9月の綾瀬のスリランカフェスの写真。千客万来でしたが、参加屋台は一日六万円の高額出店料を政府絡み?の主催者に払わされ、どこもペイ出来なかったという、破産国家を象徴するイベントだった。

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"Sri Lanka Festival in Ayase Kanagawa 2023" 冷やかし - Stantsiya_Iriya

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(1)

庄野潤三サンのお兄さんのエッセー。

stantsiya-iriya.hatenablog.com

(2)

これも庄野潤三サンのお兄さんのエッセー。

stantsiya-iriya.hatenablog.com

(3)

スリランカのアラック「メンディス」が出るのが下記。

stantsiya-iriya.hatenablog.com

(4)

自転車のバルブは日本とスリランカで同じタイプというのが書いてあるのが下記。

stantsiya-iriya.hatenablog.com

(5)

ビッグコミックオリジナルに連載されてたマンガ。スリランカカレーが出ます。薬膳的に。

カレーマン - Wikipedia

(6)

ツレヅレハナコサンがインスタにあげた記事をまとめた本。コロナカですが、スリランカ現地食レポもあって、記録としては、後世、いつ緊急事態宣言だったか分からなくなる効果もあります。いつステイホームで、いつガマン出来なくなってえいやで海外に行ったのかが、シャッフルされて曖昧模糊となってしまった。

stantsiya-iriya.hatenablog.com

(7)

酒ほその下記の巻のエッセーで、カレースパイスは自作するまでになった自分史が語られていて、スリランカカレーも入ってる気がしてるのですが、ミールスどまりで、ポーク海峡*6は越えてないかったかもしれません。

stantsiya-iriya.hatenablog.com

(8)

stantsiya-iriya.hatenablog.com

いわずとしれたNHKドラマ原作本。ウィシュマサンとクルド人問題まとめて面倒見ます的かっ飛び小説。ときどき行くお店でロケされたそうで。サラッチャンドラサン『亡き人』とセットで読むと吉。

(9)

段々社の現代アジア女性作家秀作シリーズに収められているスリランカ小説。シンハラ同化時代のタミル人と彼らへのシンハラ人暴動が描かれます。とあるシンハラ人にこの本を見せたら舌打ちしてた。日本で出てたのかという。

stantsiya-iriya.hatenablog.com

(10)

1971年の人民戦線暴動を題材にしたサラッチャンドラサンの小説。アーサー・C・クラークサンのエッセーによると、この暴動は北朝鮮の関与が疑われ、在ランカ北朝鮮人は全員国外退去となったそうですが、まだほかの本でそういう記述を見てないです。

stantsiya-iriya.hatenablog.com

(11)

stantsiya-iriya.hatenablog.com

(12)

stantsiya-iriya.hatenablog.com

(13)

stantsiya-iriya.hatenablog.com

(14)

stantsiya-iriya.hatenablog.com

(15)

stantsiya-iriya.hatenablog.com

(16)

「なんでスリランカのカツオブシなのにモルジブフィッシュという名前なの?」「シンハラ語ではウンバラカと言うね」しかし検索するとそのカタカナ表記はウンバラカばっかりだったで、またも自分の耳を疑って終わったというその会話のもとになった、美味しんぼスリランカ編。

stantsiya-iriya.hatenablog.com

(17)

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(18)

ඉසුරු සොයා ශ්‍රී ලංකාවේ විදේශ රැකියා තත්ත්වය "ISURU SOYA Overseas work situation in Sri Lanka"『イスル・ソヤ スリランカの海外出稼ぎ事情』නයිටෝ ටොෂියෝ Naito Toshio内藤俊雄 読了 - Stantsiya_Iriya

(19)

『ガンペラリヤ(変わりゆく村)』ගම්පෙරළිය "Gamperaliya (The Uprooted/Changing Village) " by Martin Wickramasinghe මාර්ටින් වික්‍රමසිංහ マーティン・ウィクラマシンハ Translated by Noguchi Tadashi & Nuida Kenichi 野口忠司 縫田健一訳 නොගුචි ටඩාෂි නුයිටා කෙනිචි 読了 - Stantsiya_Iriya

(20)

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(21)

『蓮の道』විරාගය Virāgaya (Devoid of Passions) "The Way of the Lotus" by Martin Wickramasinghe මාර්ටින් වික්‍රමසිංහ マーティン・ウィクラマシンハ 野口忠司訳 නොගුචි ටඩාෂි හේතුව(スリランカ・シンハラ文学)読了 - Stantsiya_Iriya

(22)

මම ලංකාවේ කැෆේ එකක් පටන් ගත්තා. ජපන් සාමාන්‍ය බුද්ධිය දේශීය සාමාන්‍ය බුද්ධියයි! ?『スリランカでカフェはじめました 日本の常識は現地の非常識!?』"Started a cafe in Sri Lanka. -Japanese common sense is local insane!?" by Tojo Sachiko 東條さち子 ටෝජෝ සචිකෝ 読了 - Stantsiya_Iriya

こんだけ読んでもニ十冊。いちおう今後も下記のような本を読んでいこうと思いますが、それにしても百冊は遠い。英語で論文読める人ならクリア出来るんでしょうが、う~ん。

下記も気になるのですが、ドラヴィダとは関係ないそうで、残念閔子騫

本書巻末の主要参考文献(主に日本語書籍)を見ても、立花隆『サル学の現在』や『利己的な遺伝子』、金子光晴『どくろ杯』なんかまで入れてやっと78冊です。100冊はハードル高い。もう少しまからんかという。

本書タイトルの英題はグーグル翻訳ですが、スタディーズにしないでセイロノロジーにしたのは、私の好みです。そういう造語を使う人も世のなかにいないわけではないようでしたので。スリランカジーでなくセイロノロジーにしたのは、英語だからそれでいいだろうと思ったから。タイトルに「冒険」を入れてるので、庄野サンはハルキストかなとちらっと思いましたが、年代的にはスミヤキスト倉橋由美子サンのほうかもしれない。

で、「~学」題名の本なので悪い予感がしてましたが、読むと予感的中、ズバリ『スリランカ 旅の雑学ノート』でした。特に前半&旧版。旅の雑学ノートシリーズは玉村豊男サンと山口文憲サン以外も書いてるのですが、私としては山口文憲サンの香港が最高峰だと思う。

villadest.shop-pro.jp

www.kawade.co.jp

70年代は「雑学」なのですが、80年代になると「練習問題」になります。

明らかに本書は上記先行書籍を意識してる。文体も、各話のオチもそっくりです。流石に新版は距離を置こうとした文章を追加してますが、旧版削除含め、冒頭はモロにそれ。「雑学」「退屈な迷宮」にせずナントカノロジースタディーズにしてるのは、自身が文筆業、ライターでなくNPO屋だとの自覚が強くあるからだろうと思いました。おいらは沈没バックパッカーじゃないやい、ボランティアだど! という。

玉村豊男サンはともかく、山口文憲サンの香港在住は、ベ平連として、墓場まで持ってく秘密のミッションがあったのかもしれませんが、それはまた別の話。

セイロン島はひとつの小宇宙だ セレンディビティへの試論

 

*1:

stantsiya-iriya.hatenablog.com

*2:

stantsiya-iriya.hatenablog.com

*3:

stantsiya-iriya.hatenablog.com

*4:

stantsiya-iriya.hatenablog.com

*5:

コマダム | 時事用語事典 | 情報・知識&オピニオン imidas - イミダス

一流ブランドに身を包み、一流レストランで高級ワインと食事をたしなみ、定期的に海外旅行――といった贅沢趣味と自身の価値を追求する20代後半から30代前半の既婚女性のこと。バブル真っ盛りのころに『Hanako』(マガジンハウス)を愛読して優雅なOL生活を送り、高学歴・高収入の男性と結婚し、生まれた子供は有名私立幼稚園や小学校へ通わせる。ブランド物や海外旅行、グルメなどに明け暮れる若い未婚女性を「コマダム」とよぶこともあるが、既婚女性をよぶ傾向のほうが強い。

*6:Google マップ

明日午前、雨の予報が曇りに変わっているサイトもあります

”赶花节“上的回族姑娘

自(中国简况)《五十六个民族》新星出版社出版 1992年(36开)第一版(汉)

《趕花節》の意味が分かりませんでした。花兒會じゃないだろうし。いずれにせよ、チャイニーズ・ムスリム女性はウイグル人女性と異なり、公式に、ブルカ / ヒジャブをかぶってもよいということです。ウイグルウイグルスカーフが奨励され*1、チャイニーズ・ムスリムヒジャブ可。

今朝も、お湯を沸かして、お茶をあげて、ストレッチしました。トイレ一回。ねこは中。平熱です。

昨日はラジオ体操しました。

職場にリーディンググラスを持って行くのを忘れました。

このところ、マウスピースをつけ忘れて寝てしまい、途中で気が付いてもおっくうなのでそのまま寝て、睡眠が浅かったりします。よくないな。

山口メンバーの記事を読んでいたら、彼が「ゆっくりやろう。でもやろう」の文句を使っていて、知られた文句を使うのは、離れてないことを示す意味でもよいことと思いました。

湘南はリーグカップトーナメントで秋田に負ける。秋田というと下記の人物ですが、ゲームとは関係ないかな。

熊林親吾 - Wikipedia

浦和のFWに武田英寿という人がいて、へえと思い、鞠のMFに植中朝日という人がいて、さらにへえと思いました。*2 *3

上野の件で、ひとつだけ報道媒体で、中国語でなく朝鮮語をさべっていたというのがあり、犬の子という文脈だと、ケーセッキ一択で、ハングルをさべる中国人なら朝鮮族一択なので、ほんとかどうか続報を待っています。

detail.chiebukuro.yahoo.co.jp

今日はステーキガスト食べ放題の日ですが、仕事です。けっこうイイ値段しますよと言われましたが、すかいらーくチェーンの優待券の使い道に困っているので、ここにも投入したかった。

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トラソプはウクライナとっとと負けろ派だと思っていたので、そんなおもねらなくてもと思いました。

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トラソプは中国相手にスーパー301条をフカーツさせた人ですし、日米安保も維持費用がかかるから不要と思ってるだろうから、こういうガットとか国産OS潰しとかみたいなこと言ってもいいのですが、日本は資源国でなく中間加工国なので、円安が加速すると原材料の購入コストも高騰し、いちがいに日本製品が円安だから安いということにはならないというような話を理解出来ない支持者ばかりなんだろうなとは思います。

ゴンチチの聞き逃しを昨夜は聞きました。その前、暑いので扇風機を出して石油ストーブをしまって、弁当を作って、その後里芋作業に入ったのですが(今回は時間がないので、かなりの部分を他の人に任せました)そこで耳寂しさにラジオをつけたらピーター・バラカンサンの再放送でした。読者がキンクスのサニーアフタヌーンについて私見を英文の手紙で投書して、バラカンサンがその見解を否定していました。視聴者が狭量な人物だったら、公開放送で公開処刑されたといきどおるかもしれず、その辺の仲裁 / 根回しプロデューサーもいるんだろうなと思いました。以前、知り合いのNHKラジオ俳句常連投稿者のところにNHKから電話がかかってきて、なにごとと思ったら、投稿作を昼の憩いに使いたいという打診でした。ので、ピーター・バラカンサンの番組の投稿も、事前に「いじるけどええか?」くらいの視聴者許諾は得ているのかもしれません。

バラカンサンの番組も民族音楽をよくやるので、その後のゴンチチとその面ではカブるなあと思っていて、したっけ、最後の怒濤の民謡四連荘(すずめのティアーズ、パキ・デ・サット、民謡クルセイダーズ)は、うっかりてきとうに聞いていたので、ブルガリアの音楽とばかり思ってました。ネーネーズみたいなブルガリア音楽と思ったら、ちがった。民謡だった。ここにつべを置こうかとも思ったのですが、ライブを個人の方があげているのだったり、動画抜きで聴きたい感じだったりなので、見合わせます。

水とお茶とランチサービスのみそ汁。わかめとおあげだったかな。ネギはあとのせ。

三種まぐろ丼。希少な部位の頭の肉が入ってるとか。

ひかりもの三種盛。こはだとしめさばとアジかいわし。

生ハム握り。

ゲソ。ニツメが塗ってあります。

セットの天ぷら。天つゆと大根おろし添え。

拡大。かぼちゃ、れんこん、ししとう、海老、イカ

3 Kinds of Tuna Rice Bowl & Tempura Set "Blue-Backed Fish" 3-Piece Set Seared Prosciutto Squid Tentacles

英語メニュー。靑魚はブルーバックドだとか、生ハムはプロシュートだったりとか(そりゃそうだ)

金抢鱼三种盖饭和天妇罗套餐 “亮皮鱼类”三种拼盘 炙烤生火腿 鱿鱼须

簡体字メニュー。

鮪魚三種丼和天婦羅套餐 "亮皮魚類"三種拼盤 炙燒生火腿 魷魚腳

繁体字メニュー。

さて。

今日も、明日も、穏やかに、静かに、落ち着いて、平和に。そして、出来ることなら、自分も周りもみな、しあわせにすごせますように。

『少年は荒野をめざす』5⃣ 6⃣ "The boy heads for the wilderness"(Shōnen wa Kōya wo Mezasu)vol.5 and 6 (conclude) by Yoshino Sakumi 吉野朔美(ぶ~けコミックス)"BOUQUET COMICS" 読了

カバー(部分)

⑤巻のみ図書館蔵書がないかったので、ブッコフで百十円で買いました。

ぶ~けコミックス⑤のカバ折がマーガレットコミックス電子版⑤の表紙。

デジタル版⑥巻の表紙がどこから来てるのかは、ぼーっと読んでいたので分かりません。紙版⑥巻のカバ折りは電子版③巻の表紙です。電子版①巻の表紙は⑥巻頁47、髪をあげた日夏サンと狩野母の対話の前の見開きから。

衝撃の④巻がオマケなし、広告なしだったのに対し、⑤巻は吉野サンの母親と父親と弟についてのエッセーまんがが載っています。麻雀をやる家庭だったとか、母親がペン入れしたイラストとかが載ってます。⑤巻巻末広告は『マインカンプ ー真田幸恵の闘争ー』上座理保『終止符エンドマークではじまる』生田悠理。⑥巻巻末広告はワイド版『子供はなんでも知っている』岩舘真理子『…点点点 ーまぬけんぼう庭子の記録ー』九月乃梨子と、『楽園から』生田悠理。平成2年2月現在の全作品リストあり。ついでに書くと、③巻巻末広告は『ニジンスキー寓話第三章』有吉京子『純情クレイジーフルーツ』続編④松苗あけみ『クリスタル・バラード』水星茗。

⑤巻が62年2月号から5月号まで。母親まんがはぶ~けデラックス62年7月10日号。父親まんがと弟まんがは描き下ろし。⑥巻は62年6月号から9月号まで。西暦じゃありません。

ヒマワリが⑥巻カバー裏ですが、お話的には⑤巻が残暑です。座間のひまわりまつりからの帰り道のような、ぐったりしたひまわりを手にした主人公が汗だくで歩いたりしています。胸がぺたんこな少女の脇の下の絵が見たい人はどうぞ。たしかどこかのページで、オッサンに胸元をぺらっとひろげられて肋骨だかビーチクだかも見られるコマがあります。週刊朝日デキゴトロジー」で水泳監視員が言っていたのですが、胸のある子よりない子のほうが、水着の胸元を直す時、上から胸が見えるんだとか。だそうです。

万両もしくは南天が⑤巻のカバー裏ですが、お話としては⑥巻です。木守柿から始まって、冬。

お話としては、黄身島陸の複雑な家庭環境(いつも和装で髪を結いあげている黄身島克津也という母親が入り婿の父親と結婚する前にほかの男と恋愛して生まれた子が陸)を調べ上げた日夏雄高サンが陸の恋人序列一位の貴久鳥子サンをそそのかして、アラスカでパイロットをしているその男性、篠原海路(たぶん独身)を引っ張ってきて、日夏邸にはハイネケンがたくさんあって(頁100)篠原は西木正明の小説のようにアラスカへ帰国。そして陸は失踪し、狩野も彼に同調し、トーヨコキッズの1990年代版みたいなプチ家出になり、自殺の真似ごと、プチ自傷を繰り返し、そして… という展開です。正直いらないと思った。これに惹かれる読者もいるのでしょうが、拘泥し続けてはいけない。いつまでもファーストガンダムを観てるようなもの。それは刷り込みの反射でしかない。

頁70「カゼ薬でトリップしちゃうのがあるって 知ってる?」という陸のせりふは編集者がケンカしてでも削らせたほうがよかったと思う。あまりに唐突。けっきょく薬局が開いてない時間だったので購入出来ないのですが、どうも山手線の内側、営団地下鉄があって、さらに、まだまだ戸建て住宅もあるようなあたりで家出野宿してる感じなので、24時間営業の薬局も当時からあるのにと思いました。ギロッポンから地下鉄でひと駅かふた駅。赤坂だったかどこだったか。お金持ってるふたりがあまり真剣でなくてよかった。

ねたばれでいうと、その後、陸と鳥子は駅(有人改札。キップにハサミを入れる人がいます。大阪人が読んで「東京遅れとるわ、アホちゃう」と鬼の首をとったように狂喜乱舞する画)ですれちがっても目も合わせず会話も交わさず、陸はアラスカへ。犬は老衰死。ペド日夏さんは探さないで下さいという置手紙を残して傷心旅行へ。狩野は事件後小説を書かないでいたのが、ふたたび書き始めるのかなというラスト。あくまで厨二病の範疇で話を収めるので、懐かしいと思う人はそれでいいというレベル。四巻で、現実が作中の美学を侵食してきた時のおぞましさを、その後の連載で必死に修復、リハッブに追われた展開だったと思いました。

六巻巻末のコミックス広告。1988年2月の初刷、読んだのは1990年2月の三刷。なので、『ジュリエットの卵』も全巻?載ってます。

カバーを外した表紙(部分)

カバーを外した表紙(部分)

カバーを外した表紙(部分)

以上