2017年度、ことしの本。

ことしは「何度も読みたくなる絵本・児童書・小説」という指定がありました。

ぐやん よやん (幼児絵本シリーズ)

ぐやん よやん (幼児絵本シリーズ)

凍りのくじら (講談社文庫)

凍りのくじら (講談社文庫)

秋山仁先生のたのしい算数教室 (1)

秋山仁先生のたのしい算数教室 (1)

キッチン (角川文庫)

キッチン (角川文庫)

ふしぎふしぎ200 (福音館の単行本)

ふしぎふしぎ200 (福音館の単行本)

魔性の子 十二国記 0 (新潮文庫)

魔性の子 十二国記 0 (新潮文庫)

風の海 迷宮の岸 十二国記 2 (新潮文庫)

風の海 迷宮の岸 十二国記 2 (新潮文庫)

晩年の子供 (講談社文庫)

晩年の子供 (講談社文庫)

海底二万里(上) (新潮文庫)

海底二万里(上) (新潮文庫)

海底二万里(下) (新潮文庫)

海底二万里(下) (新潮文庫)

きつね森の山男

きつね森の山男

ふたりのロッテ (岩波少年文庫 2013)

ふたりのロッテ (岩波少年文庫 2013)

銀河ヒッチハイク・ガイド (河出文庫)

銀河ヒッチハイク・ガイド (河出文庫)

ものがたりの余白 エンデが最後に話したこと (岩波現代文庫)

ものがたりの余白 エンデが最後に話したこと (岩波現代文庫)

共同通信社原発事故取材班・高橋秀樹編『全電源喪失の記憶―証言・福島第1原発―1000日の真実』
夏の葬列 (集英社文庫)

夏の葬列 (集英社文庫)

あのころはフリードリヒがいた (岩波少年文庫 (520))

あのころはフリードリヒがいた (岩波少年文庫 (520))

西の魔女が死んだ (新潮文庫)

西の魔女が死んだ (新潮文庫)

続ぼくを探しに  ビッグ・オーとの出会い

続ぼくを探しに ビッグ・オーとの出会い

地下室の手記 (新潮文庫)

地下室の手記 (新潮文庫)

うさこちゃんとあかちゃん (ブルーナの絵本)

うさこちゃんとあかちゃん (ブルーナの絵本)

2016年度、ことしの本。

わすれられないおくりもの (児童図書館・絵本の部屋)

わすれられないおくりもの (児童図書館・絵本の部屋)

数の悪魔―算数・数学が楽しくなる12夜

数の悪魔―算数・数学が楽しくなる12夜

メンデル―遺伝の秘密を探して (オックスフォード科学の肖像)

メンデル―遺伝の秘密を探して (オックスフォード科学の肖像)

愛するということ 新訳版

愛するということ 新訳版

きまぐれロボット (新・名作の愛蔵版)

きまぐれロボット (新・名作の愛蔵版)

哲学の教科書 (講談社学術文庫)

哲学の教科書 (講談社学術文庫)

私の嫌いな10の人びと (新潮文庫)

私の嫌いな10の人びと (新潮文庫)

働くことがイヤな人のための本 (新潮文庫)

働くことがイヤな人のための本 (新潮文庫)

見てしまう人びと 幻覚の脳科学

見てしまう人びと 幻覚の脳科学

聖なる予言 (角川文庫―角川文庫ソフィア)

聖なる予言 (角川文庫―角川文庫ソフィア)

火の鳥 1

火の鳥 1

教養主義の没落―変わりゆくエリート学生文化 (中公新書)

教養主義の没落―変わりゆくエリート学生文化 (中公新書)

「学力」の経済学

「学力」の経済学

まんがサイエンス (4) (ノーラコミックスDELUXE)

まんがサイエンス (4) (ノーラコミックスDELUXE)

イノベーション・オブ・ライフ ハーバード・ビジネススクールを巣立つ君たちへ

イノベーション・オブ・ライフ ハーバード・ビジネススクールを巣立つ君たちへ

利己的な遺伝子 <増補新装版>

利己的な遺伝子 <増補新装版>

シッダルタ (岩波文庫)

シッダルタ (岩波文庫)

The Complete Peanuts 1950-1952: Volume 1

The Complete Peanuts 1950-1952: Volume 1

科学的助言: 21世紀の科学技術と政策形成

科学的助言: 21世紀の科学技術と政策形成

虐殺器官〔新版〕 (ハヤカワ文庫JA)

虐殺器官〔新版〕 (ハヤカワ文庫JA)

シーシュポスの神話 (新潮文庫)

シーシュポスの神話 (新潮文庫)

『Marginalia Special Issue』 http://www.imxprs.com/free/marginalia/marginalia-special/special-issue
光待つ場所へ (講談社文庫)

光待つ場所へ (講談社文庫)

プラトン 哲学者とは何か (シリーズ・哲学のエッセンス)

プラトン 哲学者とは何か (シリーズ・哲学のエッセンス)

自分のなかに歴史をよむ (ちくま文庫)

自分のなかに歴史をよむ (ちくま文庫)

2015年度、ことしの本。

ムーン・パレス (新潮文庫)

ムーン・パレス (新潮文庫)

出星前夜 (小学館文庫)

出星前夜 (小学館文庫)

少女七竈と七人の可愛そうな大人 (角川文庫)

少女七竈と七人の可愛そうな大人 (角川文庫)

啓蒙の弁証法―哲学的断想 (岩波文庫)

啓蒙の弁証法―哲学的断想 (岩波文庫)

ソロモンの指環―動物行動学入門 (ハヤカワ文庫NF)

ソロモンの指環―動物行動学入門 (ハヤカワ文庫NF)

厳選! デザインマンホール大図鑑

厳選! デザインマンホール大図鑑

脳を鍛える―東大講義「人間の現在」 (新潮文庫)

脳を鍛える―東大講義「人間の現在」 (新潮文庫)

東大生はバカになったか (文春文庫)

東大生はバカになったか (文春文庫)

黙示(新潮文庫)

黙示(新潮文庫)

メンバーの才能を開花させる技法

メンバーの才能を開花させる技法

  • 作者: リズ・ワイズマン,Liz Wiseman,グレッグ・マキューン,Greg McKeown,(序文)スティーブン・R・コヴィー,Stephen R. Covey,関美和
  • 出版社/メーカー: 海と月社
  • 発売日: 2015/04/22
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
  • この商品を含むブログ (3件) を見る
イニシエーション・ラブ (文春文庫)

イニシエーション・ラブ (文春文庫)

はじめてであうすうがくの絵本セット 全3巻

はじめてであうすうがくの絵本セット 全3巻

サイエンス ペディア 1000

サイエンス ペディア 1000

アラバマ物語

アラバマ物語

映画館(ミニシアター)のつくり方

映画館(ミニシアター)のつくり方

言語表現法講義 (岩波テキストブックス)

言語表現法講義 (岩波テキストブックス)

きみは赤ちゃん

きみは赤ちゃん

モモ (岩波少年文庫(127))

モモ (岩波少年文庫(127))

みさおとふくまる

みさおとふくまる

2014年度、ことしの本。

10回目の今回はこんな本が贈られました。

「2012年、ことしの本。」 http://d.hatena.ne.jp/sumidatomohisa/20121223/1356261589
「ことしの本(2011年度)」http://d.hatena.ne.jp/sumidatomohisa/20120121/1327200780
「2010年、ことしの本。」http://d.hatena.ne.jp/sumidatomohisa/20101205/1291556576
「2009年、ことしの本。」 http://d.hatena.ne.jp/sumidatomohisa/20091219/1261222235
「2008年、今年の本。」 http://d.hatena.ne.jp/sumidatomohisa/20081221/1229825227
「本、2007。」 http://d.hatena.ne.jp/sumidatomohisa/20071223/1198341981
「本のプレゼント交換、2005年と2006年。」 http://d.hatena.ne.jp/sumidatomohisa/20071207/1196961951

とっておきの数学パズル

とっておきの数学パズル

不連続の世界 (幻冬舎文庫)

不連続の世界 (幻冬舎文庫)

中原中也全詩集 (角川ソフィア文庫)

中原中也全詩集 (角川ソフィア文庫)

「はじまり」を探る

「はじまり」を探る

幕が上がる (講談社文庫)

幕が上がる (講談社文庫)

461個の弁当は、親父と息子の男の約束。

461個の弁当は、親父と息子の男の約束。

夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)

夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)

人間の土地 (新潮文庫)

人間の土地 (新潮文庫)

漢詩鑑賞事典 (講談社学術文庫)

漢詩鑑賞事典 (講談社学術文庫)

ひきだしにテラリウム

ひきだしにテラリウム

基準値のからくり (ブルーバックス)

基準値のからくり (ブルーバックス)

常識にとらわれない100の講義 (だいわ文庫)

常識にとらわれない100の講義 (だいわ文庫)

ぐでたま哲学

ぐでたま哲学

文庫版 姑獲鳥の夏 (講談社文庫)

文庫版 姑獲鳥の夏 (講談社文庫)

プーケット・サムイ島・バンコク (ララチッタ)

プーケット・サムイ島・バンコク (ララチッタ)

シッダールタ (新潮文庫)

シッダールタ (新潮文庫)

ヘンな論文

ヘンな論文

ぼくの住まい論 (新潮文庫)

ぼくの住まい論 (新潮文庫)

鹿男あをによし (幻冬舎文庫)

鹿男あをによし (幻冬舎文庫)

新版 人生論 (角川文庫)

新版 人生論 (角川文庫)

<わかりやすさ>の勉強法 (講談社現代新書)

<わかりやすさ>の勉強法 (講談社現代新書)

How To Design a Typeface

How To Design a Typeface

河童が覗いたインド (新潮文庫)

河童が覗いたインド (新潮文庫)

2013年、ことしの本。

ことしはこんな本たちが贈られました。

「2012年、ことしの本。」 http://d.hatena.ne.jp/sumidatomohisa/20121223/1356261589

「ことしの本(2011年度)」http://d.hatena.ne.jp/sumidatomohisa/20120121/1327200780

「2010年、ことしの本。」http://d.hatena.ne.jp/sumidatomohisa/20101205/1291556576

「2009年、ことしの本。」 http://d.hatena.ne.jp/sumidatomohisa/20091219/1261222235

「2008年、今年の本。」 http://d.hatena.ne.jp/sumidatomohisa/20081221/1229825227

「本、2007。」 http://d.hatena.ne.jp/sumidatomohisa/20071223/1198341981

「本のプレゼント交換、2005年と2006年。」 http://d.hatena.ne.jp/sumidatomohisa/20071207/1196961951

動物を守りたい君へ (岩波ジュニア新書)

動物を守りたい君へ (岩波ジュニア新書)

科学と宗教 (サイエンス・パレット)

科学と宗教 (サイエンス・パレット)

サイエンティフィック・リテラシー 科学技術リスクを考える

サイエンティフィック・リテラシー 科学技術リスクを考える

ダ・ヴィンチ・コード(上) (角川文庫)

ダ・ヴィンチ・コード(上) (角川文庫)

ダ・ヴィンチ・コード(中) (角川文庫)

ダ・ヴィンチ・コード(中) (角川文庫)

ダ・ヴィンチ・コード(下) (角川文庫)

ダ・ヴィンチ・コード(下) (角川文庫)

炭素文明論:「元素の王者」が歴史を動かす (新潮選書)

炭素文明論:「元素の王者」が歴史を動かす (新潮選書)

女子大生マイの特許ファイル

女子大生マイの特許ファイル

MY ANSWERS BOOK 易経版 (マイアンサーズ)

MY ANSWERS BOOK 易経版 (マイアンサーズ)

キュッパのはくぶつかん (福音館の単行本)

キュッパのはくぶつかん (福音館の単行本)

死ぬ瞬間―死とその過程について (中公文庫)

死ぬ瞬間―死とその過程について (中公文庫)

儚い羊たちの祝宴 (新潮文庫)

儚い羊たちの祝宴 (新潮文庫)

世界をひとりで歩いてみた――女30にして旅に目覚める

世界をひとりで歩いてみた――女30にして旅に目覚める

トラベルデイズ バンコク (旅行ガイド)

トラベルデイズ バンコク (旅行ガイド)

脳のなかの天使

脳のなかの天使

オオカミ王 ロボ (シートン動物記)

オオカミ王 ロボ (シートン動物記)

ぼくらの頭脳の鍛え方 (文春新書)

ぼくらの頭脳の鍛え方 (文春新書)

愛するということ 新訳版

愛するということ 新訳版

破船

破船

最新版 とうふレシピ (主婦の友新実用BOOKS Cooking)

最新版 とうふレシピ (主婦の友新実用BOOKS Cooking)

なぜこんなに生きにくいのか (新潮文庫)

なぜこんなに生きにくいのか (新潮文庫)

([お]9-1)困ってるひと (ポプラ文庫)

([お]9-1)困ってるひと (ポプラ文庫)

叫びと祈り (創元推理文庫)

叫びと祈り (創元推理文庫)

アルゴリズムが世界を支配する (角川EPUB選書)

アルゴリズムが世界を支配する (角川EPUB選書)

見知らぬ心臓

見知らぬ心臓

東京カフェブック 2014 (SEIBIDO MOOK)

東京カフェブック 2014 (SEIBIDO MOOK)

つながるいのち―生物多様性からのメッセージ

つながるいのち―生物多様性からのメッセージ

ねむり

ねむり

Lightman 2013 Introduction (Focus「科学史の未来」)

Bernard Lightman, 2013, "Introduction," Isis 104(1).
http://www.jstor.org/stable/10.1086/669893
 2009年のFocus "The Vision of George Sarton"では過去を振り返ったが、今号では創刊100周年を機に科学史の未来を語る。


6/24月・駒場 Isis, Focus読書会「科学史の未来」
http://d.hatena.ne.jp/hskomaba/20130502/1367494125
https://www.facebook.com/events/488774157858750/
http://www.jstor.org/page/journal/isis/focus.html

Rudwick 2008 Chap. 14

Worlds Before Adam: The Reconstruction of Geohistory in the Age of Reform

Worlds Before Adam: The Reconstruction of Geohistory in the Age of Reform

Rudwick. 2008. Worlds Before Adam.

Ch. 14 The last mass extinction (1826-31) 最後の大量絶滅


14.1 Bone caves for Buckland バックランドの骨洞窟

 1820年代、各地での迷子石や動物化石の発見によって、大洪水の影響が世界規模だったことを支持する根拠が強まっていった。バックランドは、1826年に大陸を訪れた際にこうした発見を支援した。セルはラングドックの洞窟や割れ目で動物の化石を見つけた。さらにクリストルはリュネル=ヴィエルの洞穴で、排泄物などそこで動物たちが生きていたことの証拠を見つけた(化石が流されたのではなく)。その後バックランドは石筍で有名なオッセル洞窟にも化石があると考え、大洪水前の熊の化石を発見した。


14.2 Buckland’s worldwide antediluvial fossils バックランドの世界規模の大洪水前の化石

 さらにバックランドは、1827年、熱帯や北極における大洪水前の動物の証拠を報告している。これは英国の帝国戦略の産物であった。
 東インド会社シンガポール総督のクロウファードは地質学会会員でもあり、英緬戦争直後、条約交渉の帰りにビルマで7箱もの標本を入手しロンドンに持ち帰った。そこには現生していないマストドン、カバ、サイ、カメ、ガビアル(淡水ワニ)などが含まれており、評判になった。
 一方、北極圏で2つの遠征隊を救出するために派遣された船では、海軍中佐のビーチーがそれらを待つあいだにアラスカ北岸を探検し化石骨を持ち帰った。そこでは化石骨は氷山のなかではなく凍土の堆積物のなかに見つかっていた(マンモスなどと同じ)。バックランドは海軍本部の依頼を受け、これが大洪水前の動物だと報告したが、これらが絶滅したのは寒冷化が原因であるとし、人間の影響については考えていなかった。
 さらに、やや曖昧なもののより遠くの例として、オーストラリア地方政府の調査員ミッチェルがウェリントン(オーストラリア)で集めた化石がある。カンガルーやウォンバットなどが確認されたが、2つの巨大な骨については分からず、大洪水前の可能性をもっていた。


14.3 Fleming and the course of extinction フレミングと絶滅の過程

 バックランドが考えていた〈大〉絶滅に対して、フレミングらは絶滅は段階的で、なかには人類によって絶滅したものもあると異論を唱えた。これは、この数世紀に見られた英国における狼や熊のような〈局所的な〉絶滅という現在の原則を、過去に外挿したものである。
 「大洪水」と「沖積」との区別の曖昧さは、「大洪水前」と「大洪水後」の区別が明確でないことに由来する(どちらでも見つかる化石があった)が、これは化石の不完全性で説明ができていた。しかし、オオツノジカ Cervus megaceros については、キュヴィエは大洪水前と考えたものの、沖積層から多く見つかり、人類が現れたあとも生きていたと考えられた。さらにハートは、肋骨化石に矢じりの跡を見つけた。


14.4 Lyell the budding synthesizer 新進気鋭の統合者ライエル

 ちょうどそのころ、ライエルが現れ、『クォータリー・レヴュー』の連載(1824-1827)において、『地質学会紀要』(1822-24)を紹介し、現在因によって地球の歴史を説明した。ライエルは生命の歴史が発展的であることと地球が冷えていったことを認めた(冷却の原因は謎)一方、大洪水については言及していない。これは地質学の主流の考えであり、ライエル自身の特徴が現れているのは、現在因がいまでも力を持っていることを示唆した点である。


14.5 Conclusion 結論

 『クォータリー・レヴュー』のライエルの連載の最終回は、中央フランスにおけるスクロープの調査に刺激されたものだった。それが次章のテーマである。