逝く
頬骨が棺に入れし椿色
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ここの所、通い詰めだった白金キャンパスには黒猫が一匹住み着いている。なかなか器量よしだ。人間馴れしていて、むこうからすり寄ってくる。自然も建物も人間も適度に存在して、住みやすそうではあるが、今日のように寒い日はやはり少し気にかかる。
されば人心
謡と詞が混じりあい、ツヨ吟とヨワ吟が混じり合う不可解な謡なんだと、父に愚痴ったら、なぜそんな謡になったのか?と問われた。
なぜ?‥考えてなかった。
狂女ゆえのゆらぎなのか。
年賀
「難しい」「解けたよ!」と
早くメールを下さい。
追いつけない
秋色をまとう枯れ葉
かさかさ逃げる
夏
夏は死が多いと母がつぶやいた。
話題はいったりきたり振り子のように回り続け、言葉はふよふよと4人の間で漂うばかり。
私が泣いてなんになろうか。この涙は、いつの涙か。
悲しみと笑いの往復運動は永久には続かない。すり減らし、力を失いながら収束した現実を。
この現実を。