美徳の不幸 part 2

Pity is akin to love.

年度末消化に向けて

年度末になってきたので、学術書をいつものようにまとめ買い。半分ほどは学科図書室に入れる予定です。

 

有志舎からでた、植民地朝鮮の「女性史」の成果。

外国の日本研究者のものも。こういう視点はこれまで殆どなかったのではないか?

 

 

戸ノ下達也さんの本も。結構戦時期の娯楽史や、音楽史に手を出すゼミ生もいたので。

 

若林宣さんの新刊も(ちなみに青弓社は僕が単著を出してもらった版元で、主に近現代史関連のものは大学図書館に僕が納入しております)。

 

 

一度研究会でお会いした清水亮さんの本も2冊。「戦中派の戦争観」というような卒論を書いた学生がいたので。

 

畏友伊達君が編集した論集。

 

訳者の人から寄蔵してもらったのだが、図書館にこの国書刊行会のシリーズは納入しているので、個人研究費でも買いました。

中村哲也君の待望の書籍(僕が人生で初めて審査した修論は彼のものだった)。彼を含め、周りになぜか野球狂の近現代史研究者が多いのよね。

 

サークルの後輩、片岡君の評論集。

 

恩師の島薗先生も「統一教会現代日本の政教関係」という一章を執筆されているので。

 

タイトルだけでも「これは面白い」と思ったので。この人の前著『丸刈りにされた女たち――「ドイツ兵の恋人」の戦後を辿る旅 (岩波現代全書)』も買っているな(積ん読ですが)。

A Reality Of “Warner” Era〜東京編 at 千駄ヶ谷・ビクタースタジオ302st「紫のクレアシオン」

今日も鈴木祥子さんのライブに行って参りました。場所は千駄ヶ谷にあるVictorのスタジオ。ここは前にも来たことがあります。ということで、僕は2回目。前回は録音する場所である「スタジオシート」でしたので、今回は、偉そうにディレクター気分が味わえる「コントロールルーム」のチケットを買いました。今回のタイトルは「紫のクレアシオン」というもの。紫の「創造 création」、どんなものが創り出されるのでしょうか。

コントロールルームからの眺め

今日は2部構成でした。第1部は「一人多重録音実践編」、第2部は「スタジオライブ編」でした。以下に、セットリストなどを書き記していきます。

 

「第1部 一人多重録音実践編」

祥子さんは、過去のアルバム『Love, painful love』で、「一人多重録音」というのをやりましたが、まずそれがどのような過程でおこなわれるのか、というのを我々に見せてくれる「実践編」でした。選ばれた曲はシュガーダディーベイビー」でした(その前に、指ならしというか、前振りであるStyxの「Babe」をつま弾いたのですが)。「多重録音」という名の通り、どんどん音が重なっていきます。順番としては以下の通りでした。


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①キーボード(Rhodes)によるコード進行の音の録音

②同じくキーボードによるベースライン

③歌入れ

④ドラム録音

⑤ハーモニー部分の録音

スキャット(「ウー」とか「アー」とか、そういう声の)録音

⑦ダミーヘッド(ダミヘ)を使った間奏部分のナレーション

一番驚いたのが最後の部分ですね。「ダミヘ」なんて言葉が祥子さんの口から聞けるなんて。今まで、声優さんの「ASMR」のソフトでしか聞いたことがなかった(笑)。これだけ重ねて、ようやく曲が完成するわけです。ちょっとPCの調子が悪く、よくフリーズしたので、予定よりも時間がかかってしまいました。とはいえ、やはり久々の祥子さんのドラム、個人的には嬉しいポイントでした。

というわけで、第2部はずんずん歌ってくれました。

「第2部 スタジオライブ編」

ここからは、録音しつつも、普通にスタジオにあるグランドピアノ(P)とキーボード(R)での弾き語り。

「このワーナー時代っていうのは、自分が真実というか、永遠というか、そういうものを求めていた時期で、そういう歌詞が多いと我ながら思います。心の旅というか。今はクリスチャンになって、そういうものにたどり着いた、というと偉そうで大げさですが・・・」という前振りで始められたライブ、1曲目は

1)たしかめていてよ(P)

でした。続けては


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2)この愛を(P)


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でした。ここでスタジオの真ん中にあったキーボード(Rhodes)に移動。

スタジオ全景

3)プリヴェ(R)

「私、フランス語をろくに知らないくせに、今回のライブのタイトルとか、この曲とか、使っちゃったりしていますね」


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4)Sickness(R)

実はこれ、僕の好きな曲なんですよ。


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5)愛は甘くない(P)


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6)恋人たちの月(P)


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7)不安な色のBlue(R)


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この曲は「ちょっと前、京都のライブでやったとき、良いなっていう感触があったので」とのことです。

8)破局(P)


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結構速いテンポのこの曲、最初曲名が決まらずに、当時ワイドショーを賑わせていた「梅宮アンナ羽賀研二破局」から取ったそうです(笑)。懐かしい。イントロをピアノで聴くと、一瞬「バッハでも始まったかな」と思うときがあります。

9)いつかまた逢う日まで(P)


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10)Paingiver(R)


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今日のライブのラストのこの曲が、非常に出色というか、今までにないアレンジでびっくりしました。僕は「しっとりバージョン」と勝手に名付けましたが、この曲をキーボードで、ゆっくりとした流れて弾き語った、というのはちょっと記憶にないですね。

最後に「自分で何かを探したり、もがいたりしていた頃の曲なので、今歌っても、何かを感じるというか、そういう気持ちになりますね」というMCで締め。

僕は帰りの新幹線に乗るべく、終わったらすぐに駅に直行しました。今日のライブでは、やはり最後の「Paingiver」が一番印象に残りましたね。次回は僕、いけませんので、どなたかのレポートをお待ちしています。

加害者家族と「宗教的エリート主義」について

今日届いたこの本を一気読みしてしまったので、その感想を以下に簡単に書く。

 

これは、2018年に死刑になった、元オウム真理教信者の井上嘉浩氏の父親の手記を元に、その周りの支援者たち(真宗大谷派の知り合いも数名いてびっくりした)の動きをまとめたドキュメントである。著者は元北陸朝日放送の記者。実は、数日前、Twitterで1992年の時の東大駒場祭のビラが投稿され、そこにオウムのビラもあって「これがきっかけで、俺はアジトで井上氏に会ったんだよなあ」と思い出を語ると少しだけ反響があった。

井上氏は逮捕後、脱会し、ずっと悔恨の気持ちを持ったまま死刑に処された。それを見守るしかなかった両親の苦悩は想像に余りある。

しかし、この本は単に井上氏とその家族に寄り添うだけではない。藤田庄市さん(知り合いである)の言葉を引いて、やはり井上嘉浩氏には宗教的エリート主義というか「独善的な修行者意識」がなかなか抜けなかったのではないか、という手厳しい指摘もされている(pp.170-1)。「独善的」とは、修行を続けることによって人間性も宗教的にも世間より高いところにいる意識のことである。藤田さんの本は以下のものを参照。

 

さて、実は僕はTwitterでも言ったように、駒場祭の麻原の講演会をきっかけに、宗教学科の同期3名(当時学部3年生)と一緒に駒場東大前のあるマンションにあった「アジト」に招待され(というか、わざと引っかかったのだ。フィールドワークの練習などとうそぶきながら)、その時に我々の相手(というかオルグ)をしたのが井上氏だったのだ。その時もらったオウムの本はまだ研究室に何冊かある。

その時言われたことで印象に残っているのは「君たちがここに来た、というのも因縁なんだよ」「そもそもここに来たこと自体、前世で修行した証なんだ」とか、そんなことを言われた。要するに「君たちは選ばれし人間なんだ」と、こっちの自尊心をくすぐるような口説き文句だったわけだ。

僕はそれをある意味「へえ、そういう風に口説いてくるのか」と冷徹に突き放し、それ以上深入りはしなかったのだが(何度かある女性信者からは手紙や電話をもらったがスルー)、僕は元々「疑り深い」性格だったのはともかくとして、こういう言葉に引っかからなかったのには、一つ理由が思い浮かぶ。

僕の高校時代に、日渡早紀先生という少女漫画家の『ぼくの地球を守って』という作品が大ヒットした。この作品は、要するに「宇宙人」の前世を持つものが現代日本に転生してきて、次第にその前世に目覚めていく、というのがストーリーの主軸になっているが、この作品の影響で、まさに今で言う「厨二病」真っ盛りの僕の同世代のティーンエイジャーたちが「私はアトランティスで○○という名前の騎士だった」というような「来歴」を語り出し、そのような「同士」を求める投書がオカルト雑誌に殺到する騒ぎとなった。作者の日渡先生が「この作品はフィクションです!」という声明を出さざるを得なくなったほどである。僕自身もこの作品は愛読していたが、揃いも揃ってみんな「かっこいい前世」を持っていることに反発を覚えて、「俺は前世では、美濃国の百姓で川瀬彦左衛門だった(これは実際の僕のご先祖様だが)」みたいなことを言う奴がいたら信じようと思っていたくらいには醒めていた。要するに、高校時代にその騒動を目の当たりにして「前世」だとか、そういうものにある意味「免疫」がついていた、ということは言えるかと思う。それが幸いしたのかも知れないが、一歩間違えると、という気持ちは今も持っている(そういうものに惹かれることを自覚したからこそ、宗教学なんていう分野に足を踏み入れたのだが)。

そういうことをも思い出させる本だったが、何よりも「犯罪加害者の家族」というもう一つ重い問題をも突きつける本だった。

鈴木祥子「A Reality Of "Warner" Era ~ at 二条城 PAGANINI Castello di Nijo― "深い藍、愛に至る空虚"」

開演前の様子


今日も鈴木祥子さんのライブに行って参りました。会場は再び「二条城PAGANINI」。ここはちょうど3週間ぶりです。今日はワーナー所属時代を振り返るシリーズの2回目で、タイトルは「深い藍、愛に至る空虚」というもの。ちょうど空も小雨がぱらつく曇りというか、青鈍色。開場時間の頃は、雨はやんでいました。以下ではいつものようにセットリストと僕の感想、祥子さんのMCに関するメモを書いていきますが、今日はMCが多く(充実しており)、あくまでも僕の「要約」であり、文責は僕にあるとご承知おきください。

少しだけ開演時間を過ぎたあたりで、祥子さんが登場。今日のお衣装は、タイトルに合わせて紺色のニットとスカート、白いスカーフ(というか、ボウタイか)。まずは
1)すいか
から始まりました。


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そのままシームレスに2曲目に行こうとするかと思ったら、一旦そこで演奏を打ち切って「こんにちは、鈴木祥子です」と最初の挨拶。「1曲目から、挑戦的な選曲をしてしまいました。Warner時代は明るい曲で挑戦的な歌詞、というのが多いと思います」と前置きして、始められた2曲目は
2)プリヴェ


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でした。続いては
3)日記


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4)不安な色のBlue
を連続で。


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「不安の色のBlue」はライブではレアだと思います。僕は結構この曲が好きなんですが(バート・バカラックっぽい旋律で)、祥子さん曰く「何でこんなの書いたんですかねえ。自分で今歌詞を読み返しても、よく判らない(笑)。こんな曲を選択したから、今日はこんな空模様なのかも」。「次もまた青、Blueというタイトルの曲です」と始められたのが
5)Blue(西田ひかるへの提供曲)
というもの。これは超レア、というか、祥子さん自身「自分で歌うのは人生で2回目」とおっしゃるような他人への提供曲。会場の皆さんもみんな初めて聞いたことでしょう。西田さんの『24(Two Four)』というアルバム(加藤和彦プロデュース)所収。祥子さんの裏話として「最初に明るい可愛らしい感じの曲を提出して、加藤和彦さんにボツを喰らい(笑)、今度は大人っぽい雰囲気で作ってOKをもらって、加藤さんのアレンジでボサノヴァっぽいと言うか、フルートなんかも入っている曲になりました」「最初に提供した歌は、あなたが淹れた紅茶が~、みたいなかわいらしい歌詞で、後にそれを作り換えて、『Sweet Serenity』に入っている「Sweet Serenity and chocolate milk-tea」という曲になりました」とのこと。あの曲にそんな来歴が・・・。


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6)恋だっていいのに(石井聖子への提供曲)
これもレア。というか、知りませんでした。「この曲は友達以上、恋人未満、というコンセプトでといわれて作った曲。この頃のはちゃんと言われたコンセプトで曲を作ろうとして、職業作(曲)家としてやっていたんだなあと(我ながら思います)」とのこと。


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7)シュガーダディーベイビー
この曲がある意味今回のライブで一番エモーショナルな歌声だったかも知れません。


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8)赤い実がはじけてた
「これは奥田民生さんと一緒に作った曲ですが、ライブでやったことは殆どないですね」とのこと。


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この後、祥子さんのMCが比較的長く続きました。「この時期は音楽的な挑戦をしたかった時期ですね。曲にしても歌詞にしても」「Twitterであるシンガーの人が、歌うことは自分のアイデンティティそのものだから、歌わなくなったら死んでしまう、みたいなことを書いていた人がいたんですね」「それを見て、私も30~40代くらいって、音楽の表現に自分のアイデンティティを賭けていた、というところがあったなあ、と」「20年前の自分って、今の自分と全然違いますよね。でも、今はそういう過激な気持ちがないからこそできることがある気がします」「さて、次の曲は速いので、自分でやれる自信がないけど、やっちゃう」と始まったのが
9)破局
でした。


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「実はこれ、パフィーへ提供してボツになった曲なんですよ(笑)。彼女たちにサーフ・ロックっぽくやってもらいたかったんだけど」
10)恋は夢の花


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11)臨時雇いのフィッツジェラルド


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この「臨時雇いの曲、人気投票とかだと大分下の方ですよね」「自分で弾いて、何だ、この曲と思いますもん(笑)」「この時期はフィッツジェラルドの小説が好きで(村上春樹ではない訳の方で、と祥子さんはおっしゃっていたから、野崎孝訳の方かな。サリンジャーもそっちの方が良い、と以前おっしゃっていたし)」。
12)いつかまた逢う日まで


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「練習の時はそうは思わなかったんですが、結構このセットリスト、攻めてる曲順ですね」と自己分析。「さて、重い雰囲気になったので明るい曲を挟みたいところですが、そういうのはありません(笑)」と続けられたのが、
13)完全な愛
でした。


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この曲のファンも結構多いと思います。ラストに曲は、それぞれアルバムのラストを飾る曲2連発。
14)そしてなお永遠に
「私、2年半ほど京都に住んでいたので、京都に来ると安心というか、素をさらけ出せるというか、そんな気がします」


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15)あたらしい愛の詩
大阪でのライブなら、冒頭のところを「大阪(元の歌詞は東京)の夕暮れは 予感のように美しい」と替え歌で歌ってくれるのですが、今回は「京都」だと間延びしてしまうので、それはなし。祥子さんに促されるまま、みんなでアカペラ。みんな、歌詞よく覚えていますね・・・。


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時間の関係で、ここで今日のライブは終了。濃密な1時間半ほどのライブでした。日曜の夜、ということで、ライブファン仲間も三々五々で解散(とはいえ、僕は3人ほどで中華料理店で飲みましたが)。お仕事の都合で、少し遠くに行ってしまう方の事情も聞いたので、今日は「いつかまた逢う日まで」とお別れしました。

終演後の様子

 

鈴木祥子「A Reality Of “Warner” Era 〜at 二条城 PAGANINI ”紫の影、あるいは誤解”」

PAGANINIの看板

今日の夕方は、久々に京都でおこなわれる鈴木祥子さんのライブに参加しました。会場は二条城裏にある「二条城 PAGANINI」という小さなホール。僕は初めての会場。一階の玄関で靴を抜いて、二階に上がります。そこにはどんと「Steinway & Sons」のグランドピアノとスピーカーのみ。今回のライブツアーのコンセプトは、祥子さんが「Warner」に所属していた頃に作った曲を回顧する、というもの。タイトルの「紫の影、あるいは誤解」というのはどういう意味かは、僕は正直言って判りません。「紫の影」という言葉を聞くとついガラスの仮面』の速水真澄様を思い出しますが、もしやそこから、という疑惑も・・・(笑)。もしそうなら、祥子、恐ろしい子・・・。

90年代後半から2000年代初頭の「ワーナー時代」の祥子さんは、EPIC SONYから離れて、ロック色と内省的な傾向が強まったと恐らく理解されている時期ですが、この時期の祥子さんの曲が大好き、この時期からハマったというファンも結構多いのですよね。以下ではいつものようにセットリストを書き記していきたいと思います。
10分ほど押して、祥子さんが登場、今日の出で立ちはタイトルにちなんでか、赤紫のニットワンピース。非常に艶やかでしたね。今日は休憩なしで、一気に最後まで駆け抜けました。「今日は久々の京都、ということで緊張しています。今日のセットリストは、色んなアーティストに提供した曲もやっていきたいと思います」と言って始められました。

パガニーニの内部

1)ただの恋だから


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2)わたしの望み


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余り関係ないですが(今となっては関係あるか)YouTubeで「わたしの望み」と検索すると、賛美歌がずらっと出てくるんですよね。
3)もう一度


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4)愛は甘くない


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4曲目の「愛は甘くない」は、サビの部分(「ゲームは続いてる、深くなる傷。だけど誰も救えない、孤独は哀しみじゃない」の部分)の高音が出づらかったので、もう一度やり直してクリア。
この4曲を一気に弾き終えたあと「ここからは“旅シリーズ”という感じの曲になります。97~99年頃は、私にとって色々困難なことが多かった時期で、暗中模索というか、逃げられないけどずっと旅をしていたような気持ちでした」と言ってから最初に選ばれたのは

5)南にドライヴして


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でした。
6)The Days Like These(山下久美子への提供曲)


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これを聴くの、僕は初めてだと思います。2001年に提供して、2002年の山下さんのアルバム『ある愛の詩』に収録されている模様。

7)きれいな涙が足りないよ(Puffyへの提供曲)
祥子さん自身「この曲は自分のライブでは2回目、3回は歌ったことないはず」とおっしゃっていました。歌詞についての裏話として、「電車にのったらまた携帯が鳴っている」という部分、本来は「電車にのったらまた携帯がつながらない」という歌詞だったそうなのですが、制作側からクレームが付いて、変更されたとか。祥子さんは「つながらない、というディスコミュニケーションが重要なんですけどねえ」と。

8)たしかめていてよ


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ドラマの主題歌にもなったやつですね。作曲は奥田民生。ワーナー時代の祥子さんの歌は漢字を余り使わず、開いた表記の曲が多い印象。

9)Sickness


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この曲、何となく昔から好きなんですよね。祥子さんは、前回のライブでも同じことをおっしゃいましたが「この時期の曲にはDのキーが多い。教会音楽的には救い、復活 resurrection を意味するらしくて何となく嬉しいんですけどね」
10)とどかないもの


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11)だまって笑ってそばにいる女


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曲名をメモする時つい「だまってそばにいる女」と書いていたのですが、「笑って」というのが肝なのですよね、きっと。
12)Gimmie Some Life


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13)子供の時間


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実は最初、「Gimmie Some Life」の前にこの曲を始めようとしたのですが、イントロを弾いて取りやめて、順番を入れ替えていました。
14)帰郷


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この曲、昔から好きで歌詞は出て来ても曲名が出てこなかったんですよね・・・。僕も衰え始めたか。
15)イケナイコトカイ


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岡村靖幸のカヴァー。もはや持ち歌となっていますよね。我々観客(の一部)も祥子さんに促される形で「合唱」に参加。そういえば、確かお二人は同い年だったっけ(今調べたら、誕生日は一週間違い!しかも血液型は祥子さんと同じB型)。
ここまで歌って「じゃあ、何かリクエストあります?」とリクエストタイムが始まったのですが「何となく今日は歌う気分ではない」のか「次回のセトリに既に入っている」のか、数曲が却下されたのですが、僕の隣にいたライブ友達のYOHさん(仮名)のリクエストが採用され、今日のライブは締めとなりました。
16)この愛を(リクエスト)


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祥子さんご自身がおっしゃっていたのですが、「なんか、今日はエモーショナルな感じ」と言うとおり、今日の僕の印象は「前のめりになって歌っている」というものでした。ワーナー時代の思い出が去来するのか、それとも数年暮らした京都の思い出もあるのか・・・。
今日は早めに始まったライブなので、早めに解散、僕は二人のライブ仲間と軽く夕食をとって帰宅しました。こんなに早い時間に帰宅するのって久々だ(笑)。早くも来月12日の深い藍、愛に至る空虚」(今日とは全く違うセットリストと宣言済み)が楽しみになってきました(こっちのチケットも取っております)。

夕闇に溶けつつあるパガニーニ

 

イスラーム関係のものを中心に

先日行われた日本宗教学会学術大会は、3年ぶりの対面学会だったので、「同窓会」的な気分で、発表もしないくせに僕も参加した。大会のオープニングを飾るシンポジウムのテーマは「教育とイスラームというもので、なかなか興味深いお話が聞けた。ということで、今年いただいた科研費をそっち方面の本や事典を買って、消費してしまうことにした。

まずは、この大型事典を。お高いけど、仕方ないね。学生の自習室に置く予定。

そして、姉妹編とも言えるキリスト教のものも購入。

知り合いが多数執筆している事典。編者に早世した山田仁史氏の名前があるのが哀しい。

 

 

ここからはナカニシヤ出版から出ているイスラーム関係の単行本シリーズ。けっこうこの出版社は、イスラーム関連の博士論文を単行本化しているんですよね(以前も数冊買っている)。久志本さんはシンポジストでもあった。買ってみたらすごく浩瀚な本で驚いた。

嵯峨井さんはまだお目にかかったことはないが、満洲における神社研究の第一人者で、過去に『満洲の神社興亡史―“日本人の行くところ神社あり”』というのも出されている。

 

 

大貫隆先生がこのところ、この「ヨベル」という出版社から立て続けに本を出されているので、これも図書館に。

鈴木祥子「A Fantasy Of “EPIC“Days〜完結編」@高輪プリンセスガルテン・AMBIENTE

今年の夏はどうかしているくらいの猛暑日が続きますが、いそいそと上京して、鈴木祥子さんのライブ「A Fantasy Of “EPIC“Days〜完結編」に行って参りました。これは祥子さんがデビューから数年間所属した「Epic Sony」時代を回顧して、もう一度自分自身で「歌い直してみる」というライブシリーズの完結編。僕自身はVictorスタジオのと、玉川上水の「ロバハウス」のにも参加しました。今回の会場は、品川の高級住宅街にある「高輪プリンセスガルテン・AMBIENTE」。ここはなんと外観も内装も撮影禁止、ということですので、ご興味ある人はリンク先の公式サイトをご覧ください。ここは観客が約110名ほど収容できる大きさで、実際今回のライブは満員でした。舞台の上には、この会場が所有している「Stainway & Sons」のグランドピアノ(以下P)と、祥子さんが持ち込んだ電子オルガンの「Wurlitzer」(以下W)の二つだけ。

今回のチケット


開演時間を少し過ぎて、真っ赤なオフショルダーのロングドレスで祥子さんが登場。この衣装と会場の雰囲気でますます「ピアノリサイタル」みたいな感じになりました。しかも、今回は全くのマイクなしの完全アンプラグド(歌は聞こえましたが、少しMCで聞きづらかったところがあったのも確か)。以下ではいつものようにセットリストと簡単な感想をメモしていきます。

1)夏のまぼろし(P)

まずはこの曲でスタート。これもずいぶん久しぶりのような気がしますが、今、まさに「夏」ですしね。
2)Get Back(P)

ピアノの弾き語りでも軽やかに感じますね。


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3)ささやかな奇跡(P)

個人的には、僕が祥子さんを知るきっかけとなったアルバム『風の扉』に収録されている曲で、好きな曲です。
4)Happiness?(P)

「?」がついている方の「幸せって何」と問いかける曲。「私の人間性が、じゃなかった、人間性は変わりませんよね、音楽性がちょっと変わってロック寄りになった頃の曲ですね」と祥子さん。
5)午後の坂道で(W)

これも久々のような気がします。


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6)電波塔(W)

ここからは祥子さんが持参したウーリッツァーで。「この曲、結構リクエストされることが多いんですよね」


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7)最後のファーストキッス(W)

実はアニメ版「キャプテン翼」のエンディングだったんですよね、この曲。後で知ってびっくりした記憶があります。


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8)Love Child(W)

9)悲しい青空(P)

これもメロディからして「悲しい」ですよね。


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10)すべてはO.K.(P)

と思ったら一転して明るく「あたしがしあわせな気分ならすべてはO.K.でしょ?」と笑い飛ばす曲へ。
11)Down by the river(P)

「この曲、いつかは皆さんとゴスペルクワイアでやりたい」とのことです。


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12)Angel(P)

これも久々。「すべてはO.K.」と並んで、『Candy Apple Red』中の名曲と思います。


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13)Friends(P)
14)Goin' Home(P)

祥子さん曰く「この曲もコードはDなんですが、教会音楽的にDは救い、救済のコードらしいです。私結構使っちゃうんですよね」。

本編は終わりましたが、当然我々はアンコール。このとき、一部のファンから明日誕生日の祥子さんに対して「Happy Birthday To You」と合唱が始まりました。

e1)Make it easy on yourself(P)

先日亡くなったBurt Bacharachのカヴァー。このタイトル、簡単そうでなかなか訳が難しい。昔は「涙でさようなら」という邦題が付いていましたが、僕なら「ケリはそっちで付けて」とでも訳すかな。
e2)Lead me, guide me(P)

これは今度発売されたシングルの「B面」に収録された讃美歌。
e3)夏はどこへ行った(P)

最後は、このたび再録音でシングルを出したこのデビュー曲で締め。


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ライブが早めに終了したので、僕はそのまま「ディスクユニオンお茶の水店」に走り、懐かしの「短冊シングルCD」を買って、ポストカードと生写真の特典もゲットしました。この短冊CDを手にすると、90年代の記憶が甦るような気がしますね。

僕が祥子さんのファンになって約30年ちょっとですが、歌声を聞きながらつい僕の大学時代を思い出したりもしていました。

あと、10月には京都でEpic時代の次の「ワーナー時代」の曲を中心としたライブが予定されていることもアナウンスされました。これまた楽しみですね。