立読み書評 朝井リョウ「何者」(ネタバレ)

直木賞芥川賞を取った話題作。多分直木賞だと思う。就活ネタの話だ。
なんだか、ネットでは終盤が面白いという評判だったので最後だけ立読みしてきた。最悪な読者である。残念ながら紙の本を置くスペースが限られているので買えない。
オチはツイッターの裏アカウントで友達の悪口を書いていたらバレて説教されたとかっていう、就活そのものより、それを通じて今の若者の人付き合いというのかなんというのかをえぐったりほじったりする方向に話がまとまっていた。
「今の若者」っつっても10年以上前から個人のホームページとか、ブログとか、ミクシィとか似たようなものがあったわけで(普及の度合いは違っただろうが)今はそれがツイッターだというだけのことで、別にネットがなくても影で悪口をいってたのがバレてシメられるという話は成立するし、話の構造として斬新なわけではないと思うけど、でもこれは評判を得ただけあって、面白かった。まあ全部読んでないけど。

個人的には、そもそも上っ面で人と付き合うのが特に学生時代は全然できなくて友達が少なかったけどあんまり気にしてなかったから、話自体に共感できることはあまりなかった。
「桐島、部活辞めるってばよ」(ナルト調)も読んで面白いかどうかは別として、個人的な共感はあんまりない気がして読んでない。あっちは高校のスクールカーストがどうの、というネタらしいけど俺の学校にはあんまりそういうのがなかった。高校時代輝いていたわけでもないが鬱屈してたわけでもないし。いや、嫌なことがなかったわけじゃなかったんだろうがあんまり覚えていない。
というわけでおっさんになると人間として立派になるようなことはあんまりないけど、こういう若者向けの話に共感する感受性がどんどんなくなっていくんだなーと思った。

もう一回就職活動するとしても特に行きたい会社がないからまた同じ会社に入ってしまいそうな僕に天使が降りてきた。

今朝、はてなブックマークにコメントをつけたら星がいっぱいついていた。

http://anond.hatelabo.jp/20130217115253
http://b.hatena.ne.jp/entry.touch/anond.hatelabo.jp/20130217115253

たまにいっぱい星がもらえることがあるが、もらえない時と何が違うのかはよくわからない。
ひとつ言えることは、ブコメは文字数が少ないので、ボロが出にくいから良いように取られやすい。
100文字だと「うまいこと言ってくれたな、星をつけてやろう」という人も、その内容を1000文字、2000文字に膨らませると「いや、俺が思ってるのはこういうことじゃない!」と思うかもしれない。つまり短ければ素敵な勘違いが生まれるのだが長文でじっくり書くと勘違いに気がつくことになる。
だから僕が星をもらえる場合、それは勘違いに基づいて付与されている可能性が高いのだ。半分くらいそうなんじゃないかという気がする。

でもいつもいつも100文字で、他人の文章に乗っかって短い言葉を書いているだけではなんだかよくない気がする。長い文章が書けなくなってしまうのではないかという心配がある。
というわけで先週に続いて今日もはてなダイアリーを更新することにした。(ここまで前置き)

今日のネタは就職活動である。理系学生の就職活動を憂う増田にブックマークが集まった。僕は、実は、というか本文を否定する気も肯定する気もあんまりなくてただ自分の身の回りに起きた就職活動の話をコメントに書いたら何故だか星がいっぱいついていた。

話はこうだ。知り合いを通じて会ったこともない大学の後輩からOB訪問の依頼を受けた。会って話してたら後輩は「やりたいことは別にないので給料が良いところに入りたい」と言ったので、初対面の人間に自分の欲求を素直に表明できるなんて、なかなか見所がある奴だなたと思ったのだ。
まあこれって俺は面白がっているだけで、こいつがちゃんと就職活動できるかどうかなんて俺には関係ないなと考えているわけなので、ちゃんと後輩のことを考えて、増田にアドバイスまで載せている元増田の方がよっぽど誠実な人間だと言える。

ただまあ、一方で働く目的が金であると断言できる強みは評価できると思ったのは確かだ。俺はそもそも学生の時、働きたくなかったし、「楽な仕事か面白い仕事ががいいなー」と思って志望先を選んでいた(結果的に楽でもなく面白くもない仕事になってしまったが)。
だから俺は働いていてもしんどいし楽しくはないのだが、金が欲しいという動機であればよく働けるんじゃないかと思う。人のためになる仕事をしたいとか、仕事を通じて成長したいとか何気ない気持ちで綺麗事を抜かす奴よりはまともだとも言える。

それで、後輩君とはその話の後、どういう準備をしてるかとかを聞いて「今のままじゃ給料のいい仕事にありつけないぞー」ということで軽く面接指南のようなことを話して別れた。ガツンと言ってやったりした方が本人のためだったりするのかもしれないが俺はそういうのやるのもやられるのも全く苦手なのでやらない。ま、就職活動なんて自分でも上手くできなかったし今からやってもやっぱり上手くできそうにない俺に大したアドバイスはできないのだ。それでもかわいい子供がいるんだからいいじゃないかと思う(←今日の結論)。

理想のカップル/父親に思いの丈をいう/親になって思うこと

久しぶりに日記を書く。
今日の話題は「オタク女子の描く理想のカップル」の感想。
http://underworld2ch.blog29.fc2.com/blog-entry-2710.html
http://b.hatena.ne.jp/entry/http://underworld2ch.blog29.fc2.com/blog-entry-2710.html

結婚して子供もできると明らかに独身時代とは感覚が変わった部分があって、もちろんそうでもなければ育児などできるものかという話であるのだけど、上記のネタに全体としてはどうでもいいなという感想だったんだが、一方で子供がいて子供をダシにイチャイチャしてるネタには「いやあ、こんな母親困るだろう、いつまで恋人気分なんだよ…」と反射的にマジレス的ツッコミを入れたくなりブコメに書いた。(一文がめっちゃ長い)

もちろん描いた人は実際に子供ができたらそんなことをするわけではないんだろうけど。きっと高校生とかなんだろうし。

もういっこ、増田の話題で「父親にお前の血のせいで不細工に生まれて結婚できないといった人」の話があって、これもやっぱり父親の立場でかんがえて「こりゃもうそんなことを娘に言わせた時点で深く反省するべきだよ」と思ってブコメにもそう書いた。

http://anond.hatelabo.jp/20130213162520
http://b.hatena.ne.jp/entry/http://anond.hatelabo.jp/20130213162520

子供は親に育ててもらう権利があるけど、親は子供に何かを要求する権利はないと感じる。
親が子供に(親のこころをまんぞくさせるために)何かをしてくれと要求するのはすべて理不尽な要求だ。当然、結婚してくれ、あるいはしないでくれと要求するのも全く筋違いなものだ。何故なら子供の人生は子供のものであり、結婚するのもしないのも、結婚して離婚するのもそれぞれがひとつの人生であって、それを選択する権利は人生をいきる本人のものだからだ。もちろん僕も子供が結婚したら泣くかもしれないが、それは本質的にはやはり自己満足の涙だろう。

自分が親になると、自分の親に感謝するというが、子供を育てるっていうのはどう考えても子供を作った親が当然やるべきことで子供の側が感謝するいわれはないし感謝を要求するのもおかしいな、と思うので心情的には感謝が増した気配がない。まあ子供を育てるに辺り手助けしてもらわないといけないことは多々あるので感謝を表明することは増えたが。

それでなんだろうな。最初の話にもどると子供が父親に甘えたいといってるところに母親が対抗意識を出すのは、まあこいつまともに子育てやろうって感じじゃなーなと反射的に感じるわけですね。(なんだか全然違う話をしてたのに戻ってきたな)
まあそれを説教しても多分伝わらないだろうしこの頭の悪い女と子供を育てていかないといけないんだな大変だあ、というのがあのネタ(どのネタなのかいまいちわかりづらい言及のしかただ)の男側の心境として僕が想像するところですね。
今日は五時間も電車に乗って疲れた。終わり。

Mr.サンデーで、中国で日本流ウェディングが流行っているという話をやっていた。
同じアジア人同士趣味が合うのだろうか。
日本の若者が結婚式離れする一方で中国の若者がかつての日本みたいな消費の仕方をするというのは面白いですね。

嬢曰く

今年の春に大学を卒業し昼の仕事に就職した「嬢」は出勤頻度が下がったが今宵は久々の出勤日となっており俺も押っ取り刀で駆けつけた。
おっとりというとなんだかゆっくりしているようだが意味としては急いで参上したということだ。
嬢の近況を伺うと、最近職場で困ったことがあるという。
職場にいるアルバイトの男と仲が良くないというか一方的に嫌われているらしい。
なんと小さい男かと思うが、聞けばそのアルバイトの彼は嬢と同い年で、しかも同じ大学出身だという。
彼は在学中からその職場でアルバイトをしていて、その会社に正社員として就職希望していたが内定が出ずそのままアルバイトを続けることになった。
一方、嬢は、正社員として今年の四月から働き始めたということである。
「同い年」かつ「オナ大(オナニー大便の略ではなく同じ大学という意味である。ってさっき説明したが。オナニー大便とはオナニーしながらフィニッシュで大便をひねるという趣向のことである。それは説明するな)」でありながら、こっちは「正社員」であっちは「アルバイト」、しかも職場的には「後輩」と「先輩」、ということである。
はあ、すげえ、すげえなあ。感心仕切りである。聞けば嬢の勤める会社は大阪で新人研修を行うというし、そこそこの規模の会社であるようだが、だったらそこはそういう気まずいことがないように二人を引き離せよと人事部に言いたい。これは酷い。アルバイトの経歴なんてしったこっちゃないのか? さらに酷い。
それにしても・・・嬢はまあそれなりに可愛いというか俺好みの顔をしているが話をしていてもそれほど頭が良いというか仕事が出来そうには思えないけどなあ。アッパラパーなロリ顔アホ声だし。まあ学生時代から夜の仕事で接客業を学んでいれば周りのボンクラ男子よりは面接で有利だったのは間違いないだろうが。
アルバイト君が嬢を見て「なんでこんなアッパラパーなロリ顔アホ声の女が正社員で、学生時代からバイトして職種理解と志望動機が完璧な俺がアルバイトなんだ・・・」と暗い感情が渦巻くのもわからなくはない。まあでも器が小さいというか、俺だったらバイトやめるなー・・・。

スタバ日記・ガールズトーク煉獄篇

例によって僕の隣の席の女子大生二人の会話が興味深くて一時間くらいぼーっと落書きの絵を描きながら聞いていた。
二人の印象を一言で言うと、メスっぽいのとパンクっぽいの。
 
・面白かった会話1
メス「一時期彼氏が浮気してるんじゃないかと不安でしょうがなかったけど、最近(精神的に病んだりしているらしい)今の私を見捨てないってことに愛を感じるべきなんだと思った」
パンク「でも、あんたこそ前に(元彼と?)一回浮気したじゃん」
メス「いや、本当に申し訳ないなと思ってる。あの時はつい、元カレと付き合ってた時の気持ちになっちゃって…」
↑女ってこええなと一瞬思ったけど、これは男でもそうういう話はいくらでもあるので男女関係ないだろう。
 
・面白かった会話2
メス「お父さんがツイッターやってんだよね」
パンク「そうなんだ、フォローしようかな」
↑そんな時代か!!
 
・面白かった会話3
メス「お兄さんがテレビのADやってたんだけど身体が弱くて休みがちになって、今は事務系の部署に回されたんだー」
↑具体的番組名も挙げていたがどうやらキー局正社員ということらしい。勝ち組じゃん、と思いきや、いきなり窓際的な感じで大変そうである。しかしいいなー・・・。
 
・面白かった会話4
パンク「私の受けてる授業で、女の先生が女の人生を語るみたいなのがあるんだけど、今時若くして結婚して子供を生んでもいきなり金がなくて困る、年取ってから結婚して40くらいで子供を生んでも子供が大学生くらいで定年になって困る、どのみち貧困だって言ってた。あと親の介護。自分の両親だけじゃなく、旦那の両親の介護もしなきゃいけない。その先生は結婚する時、姑に『介護お願いしますね』って言われて、『いやーうちの両親もいますんでどうですかねー』って言ったらしい」
メス「うーん、介護は大変だねー」
パンク「そうだね、自分の母親はともかく、父親のオムツ替えるって時点で抵抗あるな。その上、旦那の両親まで面倒見なきゃいけないってのは耐えられないと思う」
メス「妹とかがいる人と結婚すればいいんじゃない? 妹がやってくれそう。でも、昔ながらの日本の考え方で言えばやっぱ長男の嫁が介護しなきゃいけないんだろうねー」
パンク「そうだねー。そんなに面倒なんだったら結婚しなくてもいいなあ」
メス「確かにそうだね。女にはキャリアウーマンとしてバリバリやってく道と、結婚して旦那を支えていく道とあるんだと思う。人によって向き不向きがあるんだろうけど、私たちは中途半端で、どっちもやればできるような、できないような・・・」
パンク「そんな感じだねえ」
↑異常に夢のない会話である。自ら「私たち女子大生とは思えないほど話題が暗いね」と言い合っていたが、本当にびっくりするくらい後ろ向きな連中だ。これが今の日本の大学生なのか?
ていうか会社の同期の女とかに聞いても、本当みんな結婚して仕事辞めたい、何か仕事するにしても楽なパートとかがいいって言うよね。そんな男に人生の浮沈を依存する生き方を指向するから不安になるんだと思う。

アンチセカイ系としてのAngelBeats!

今日はそこそこ真面目に仕事して、銀座でウィスキーをパカパカ飲んで、渋谷で吐いて、地元に帰ってコンビニでソルマックヤングガンガン(先月からWORKING!のためだけに毎号買う決心をした)を買って、家に着いてシャワー浴びてベッドでぐでーっとして気がついたらAngelBeats!の始まる時間だった。あやうくPS3のHDD容量不足で録画失敗するところだった。起きてて良かった。さてついにAB!もラス前だ。
 
ベッドでぐでーっとしながら12話を観た。面白かった。盛り上がった。OPカットした時間でガルデモが成仏し、そして感傷に浸る間もなく(AngelBeats!全編に渡り感傷に浸る間などあっただろうか)まさにクライマックスという感じで敵また敵。駆けつける松下五段。唐突にMOON.を髣髴とさせる架空の幸せな日常、とそこからの脱出。まさに等身大・人型決戦兵器と化した奏無双。の割に音無達も加わって、ここは俺たちに任せろー! でゆりっぺ最終ステージへ。
 
そこで待っていたのはアンチ・クライマックス(それなりに盛り上がる演出だったが)。騒動は、過去の、名を語る意味もない誰かが遺したプログラムによるものだった。じゃあ今までの12話続けてきた物語は、何を積み上げたのだろう? 世界の核心は、神の存在は・・・ああ、そんなものどうでもいいんだな。
 
僕の納得はこうだ。結局のところ、周到な伏線、計算された構成により、物語の最後で世界の真実に直面し何事かを成すというのは現実には起こり得ないのだ。AB!は肩透かしの連続だった。直井の台頭により俄かに緊張感の高まった中盤。しかし終わってみれば犬コロのようなギャグキャラが一人増えただけという結果。戦線と天使が和解した直後に起こる天使の異状。しかし「壮絶な戦いだったわ」の一言であっさり片付けるアンチ・カタルシス。そして結局、最後は・・・まあなんだかんだグダグダしてたけど、そのグダグダこそが救いになったんだという結論。きっと彼らがいなくなっても、第二第三の戦線が起こりうるのだろう。そしてまたグダグダして、いつか卒業するのだろう。セカイは誰の存在にも依存せずただあり続ける。アンチ・セカイ系
 
麻枝准がAngelBeats!に込めたメッセージを妄想すると、つまり、中二病的クライマックスが起こらなくたって生きる喜びって言うのは得られるんだってことなんじゃないだろうか。それって「日常系」の作品にもひっそりと内包されてるメッセージかもしれないけど、でも麻枝准はガチでやったというか、大上段にそれを掲げてみせたのが、ああ、この人はやっぱり絶対に「職人的」「技巧派」クリエイターにはなりえない唯一無二の存在なんだなあと俺に思わせる所以だ。そりゃ気に食わない人もいっぱいいるだろうけど、まあこんな作品があってもあなたに危害を加えるわけではないのではないかな。
 
調布通、ではなく超フツーのエンターテイメント作品として仕上げるなら「影」の存在は序盤から匂わせるべきだし、野球とかその辺を外して12話の展開を引き伸ばして後半ずっとこの話をやってれば良かったはずで(12話だけで大体3話分くらいの内容が詰め込まれてる気がする)、それをやらなかったのは、それを思いつかなかったからではないだろう。
 
最終話が終わったら、一度、1話から最終話まで全部一気に観返したい。そいつは、最高に気持ちがいいはずだ。