2023年に読んで面白かった小説
遅くなりましたが、去年のまとめです。
2023年に読んだ小説は121冊でした。一昨年よりさらに減りました。
例年の通り読んだ中で良かった小説を挙げていきたいと思います。
2023年に読んだものなので、2022年以前の刊行作品もあります。明確な順位付けはありませんが上にあるほうが気持ちお気に入り度が高めです。
あまり読めてないので今年は10選になりました。
よろしくお願いします。
三枝零一「ウィザーズ・ブレインX 光の空」(電撃文庫)
中学生の頃の私に、君の読んでいるその超面白い小説、20年以上かかるけどちゃんと完結するよと教えてあげたい。一時期は完結すら怪しいと思っていたので完結してくれて本当に嬉しいです。
この選択をするラストは序盤からすると驚きですが、納得のいくラストでした。
人生で三指に入るラノベシリーズです。
水月一人「玉葱とクラリオン1 詐欺師から始める成り上がり英雄譚」(HJ NOVELS)
Web版はなろう知識チート系最高峰だと思っている作品がようやく書籍化。初手ネズミ講のこの巻は序盤も序盤で壮大な物語の片鱗しか表れてないですが、そういやこういう話だったなぁ懐かしい気持ちになりながら読みました。
超面白い作品なので、完結まで出してほしいです。
白洲梓「言霊使いはガールズトークがしたい」(集英社オレンジ文庫)
世間から隔離された育った主人公が普通の学校生活を楽しむ青春物。能力者の家系出身ながら普通に部活、しかも弦楽オーケストラ部を楽しむって珍しい気がします。普通の高校生らしい悩みにも直面したり、結構異能が関わってきたりと楽しめました。
続きも読みたいのですが、作者の別シリーズが盛況なせいか出ませんね。
林トモアキ「メルヘンザッパーデストロイヤー 英雄になり損ねた男、最底辺スラムで掃除する」(角川スニーカー文庫)
戦争で無能の烙印を押されつつも人類生存の糸口を救った男は、戦後落ちぶれてスラムに。やっぱ林トモアキの描くキャラは格好よくて最高です。
ところでそろそろ続きが出てもおかしくないと思うんですがいつですか?
三嶋与夢「あの乙女ゲーは俺たちに厳しい世界です 1」(GCノベルズ)
マリエルート・・・! 本編とは違うifの世界を描いたものですが、前世の兄妹が阿吽の呼吸で喧嘩してるの見るとこれが正史ルートと言われても違和感ないくらいの完成度でした。
まさきたま「TS衛生兵さんの戦場日記」(KADOKAWA)
TS転生した主人公が軍に入隊して頭も強さもおかしい指揮官のもとに配属され戦場を生きのびるお話。TS要素ほとんど意味ないように見えましたが、ばたばた人が死んでいく戦争物としてぐいぐい引き込まれていく面白さでした。
喜咲冬子「竜愛づる騎士の誓約 上・下」(集英社オレンジ文庫)
去年読んだ中ではベスト悪女。やってることは最悪なのにどこか目が離せない、もし何かが違っていたらと思わせてくれる、これは素晴らしい悪女。
2022年に読んで面白かった小説
2022年に読んだ小説は181冊でした。いろいろ忙しかったので結構減りました。
例年の通り読んだ中で良かった小説を挙げていきたいと思います。
2022年に読んだものなので、2021年以前の刊行作品もあります。明確な順位付けはありませんが上にあるほうが気持ちお気に入り度が高めです。
数の制限は考えずに選んだら、2022年は16選になりました。
よろしくお願いします。
アンディ・ウィアー「プロジェクト・ヘイル・メアリー 上・下」(早川書房)
火星の人が超面白かったので読みましたが、本作も超面白かったです。記憶をなくして宇宙船の中で一人目覚めた男の実験、謎解き、判明するミッション、そして出会った相棒! 知恵を振り絞ってもなお立ち塞がる困難を乗り越えていく展開の連続で胸熱でした。ラストに至るまでもまだ困難あって、締め方も好きです。
鴨野うどん「主人公にはなれない僕らの妥協から始める恋人生活 2」(オーバーラップ文庫)
親友とのわだかまり解消回。相変わらず掛け合いが読んでいて楽しかったです。……楽しかったです。前作から含めて傑作を二シリーズ連続で打ち切るオーバーラップは最悪ですね。
最後の章が特に素晴らしくて、読んだら描かれなかった物語を思ってこみ上げてくるものがありました。
遠藤浅蜊「魔法少女育成計画 breakdown(前)・(後)」(このライトノベルがすごい!文庫)
最新刊ではないですが、積んでた既刊を崩しました。毎回このシリーズは魔法少女の能力をいかに使いこなすかが重要なのですが、この能力では大して強くなさそうと思った魔法少女が類い稀なる猛者だとわかる瞬間が熱いし、それがわかった後ですら読者の予想を超えてくるのが最高なのです。これが魔法少女への信仰か。
西条陽「わたし、二番目の彼女でいいから。4」(電撃文庫)
主人公もヒロインもブレーキがぶっ壊れて坂道を加速して転がり落ちていく不健全ラブコメ。4巻で高校生編が終わりましたが、うーんこれはひどい(褒めてます)。大学生編もぶっ壊れてそうで楽しみ。
狂人の中に放り込まれてる浜波ちゃんが癒やしです。
小宮地千々「「美人でお金持ちの彼女が欲しい」と言ったら、ワケあり女子がやってきた件。」(GCN文庫)
突然できた婚約者が百人斬りに届こうかという百戦錬磨の尻軽だったラブコメ。主役二人の掛け合いが面白くて好きです。途中まで思ったよりえっちなやつじゃないんだなと思ってましたけど思ったよりえっちなやつでした。
ナオミ・ノヴィク「闇の魔法学校 (死のエデュケーション)」(静山社)
既刊2巻をまとめて読みました。卒業までに4分の3が死ぬ閉鎖魔法学校で、大量殺戮魔法とだけ相性の良かった女の子が生き残ろうとするお話。非情になりきれずに覚悟決めたり、友情を信じていいか揺れ動く描写がよかったです。ゲームルールが変わる瞬間最高なんですよね。
道造「貞操逆転世界の童貞辺境領主騎士 1」(オーバーラップ文庫)
女性九割の世界で唯一の男性騎士、憤怒の騎士として名を上げていくお話。個人的には珍しくWebで先に読んでたやつでしたが、これは本当に超面白い物語で序盤のエピソードも後々伏線となって効いてくるし続きを読むのが楽しみです。
美浜ヨシヒコ「煤まみれの騎士」(電撃の新文芸)
誰もが授かるはずの魔力を授からなかったせいで、婚約破棄に廃嫡と未来が閉ざされるが、それでも腐らずに剣を振る。だがやがて信じてくれた幼馴染も離れてしまう。彼がどんな道を歩んでいくのか楽しみです。
トルトネン「濁る瞳で何を願う ハイセルク戦記」(Kラノベブックス)
一兵卒が戦争の中で戦いの才能を開花させていくお話。2巻までで結構やることやって八割方イベント終わったかなと思ったところでまさかの第一章完。これからの展開どうするんでしょう。
守雨「手札が多めのビクトリア 1」(MFブックス)
国を抜けた女スパイの新天地での生活。目立たず生きるはずなのにそんな器用万能ぶりを発揮して大丈夫かという活躍を見せます。あとノンナちゃんが可愛い。
1巻で綺麗に終わってましたが、2巻では5年後の話でそちらも楽しめました。
日向夏「聖女に嘘は通じない」(アリアンローズ)
賭博で荒稼ぎしていた神官見習いの主人公に依頼された過去の殺人事件の解決。聖女候補同士で和気藹々してるのも好きだし、ギスギスしてるのも好きです。嘘は通じないかもしれないけど騙されないとは限らないのでよいバランスでした。
楽山「俺の召喚獣、死んでる」(富士見ファンタジア文庫)
召喚術師が切磋琢磨する学校で、主人公のパートナーが最強の魔獣、の死体だったお話。正真正銘死んでるので、死体でどうやって戦うのか工夫するところが面白かったです。続きあってもいいと思うんですが出ないのでしょうか。
御堂ユラギ 「俺にトラウマを与えた女子達がチラチラ見てくるけど、残念ですが手遅れです 1」(オーバーラップ文庫)
主人公のノリはハイテンションコメディなんですが、ヒロイン達によって心をぶっ壊されたあとなので、読んでていたたまれない気持ちになるのがゾクゾクしました。
2巻までで物語の方向性は読めそうですが、別の方向性になっていたとしても楽しめたと思います。
こりんさん「クラスメイトの元アイドルが、とにかく挙動不審なんです。」(GCN文庫)
可愛い生き物を見守るラブコメ。ヒロインが幸せそうな顔したりあわあわしたりするのが微笑ましかったです。
不手折家「亡びの国の征服者 5 ~魔王は世界を征服するようです~」(オーバーラップノベルス)
5巻で戦地での逃亡劇は終わり、最後まで気を抜けない場面の連続でした。6巻で一息ついたかと思えば衝撃のラストでますます続きが気になるシリーズです。
南野海風「魔術師クノンは見えている」(カドカワBOOKS)
目が見えない少年が魔法が視界を作るという野望を志した結果、なんかおもしろいキャラになりました。こういう子好きです。女癖の悪さ(悪くない)が話を面白くしてるので、このまま成長していってほしいですね。
好きラノ2022年下期への投票
好きラノ2022年下期への投票用エントリです。
lightnovel.jp
「わたし、二番目の彼女でいいから。(4)」 西条陽 【22下ラノベ投票/9784049144017】
ほら~~~壊れちゃってるじゃーん!
「手札が多めのビクトリア(1)」 守雨 【22下ラノベ投票/9784046815767】
強くてカッコいい女主人公。
「濁る瞳で何を願う(2)」 トルトネン 【22下ラノベ投票/9784065299036】
そろそろラストかなと思ったところでまさかの第一章完。ここからどーすんの!?
「亡びの国の征服者(6)」 不手折家 【22下ラノベ投票/9784824003379】
魔王への道が近づいてきましたなぁ。
「俺にトラウマを与えた女子達がチラチラ見てくるけど、残念ですが手遅れです(2)」 御堂ユラギ 【22下ラノベ投票/9784824003324】
読んでいる最中いたたまれない気持ちになってゾクゾクしてた。
「続・「美人でお金持ちの彼女が欲しい」と言ったら、ワケあり女子がやってきた件。」 小宮地千々 【22下ラノベ投票/9784867163351】
相変わらず掛け合いが読んでいて楽しい。
2022年12月の読書まとめ
12月は26冊でした。
印象に残った本
御堂ユラギ 「俺にトラウマを与えた女子達がチラチラ見てくるけど、残念ですが手遅れです 1・2」(オーバーラップ文庫)
主人公のノリはハイテンションコメディなんですが、ヒロイン達によって心をぶっ壊されたあとなので、読んでていたたまれない気持ちになるのがゾクゾクしました。
不手折家「亡びの国の征服者 6 ~魔王は世界を征服するようです~」(オーバーラップノベルス)
平和回、と思ってたら最後ぶっこんできました。魔王への道が近づいてきた感あります。
七沢またり「みつばものがたり 1 呪いの少女と死の輪舞」(MFブックス)
いい意味でいつものやつでした。化け物の皮を隠せてない女の子が死を撒き散らしていく爽快感あります。
ナオミ・ノヴィク「闇の覚醒 (死のエデュケーション Lesson 2)」(静山社)
捨てきれない主人公のとてつもない野望。ゲームルールが変わる瞬間最高なんですよね。
小宮地千々「続・「美人でお金持ちの彼女が欲しい」と言ったら、ワケあり女子がやってきた件。」(GCN文庫)
やべー女二人目。相変わらず掛け合いが読んでいて楽しいです。
守雨「手札が多めのビクトリア 2」(MFブックス)
どう続けるのかと思ってたけど、なるほど5年後。前半は冒険小説みたいな感じで結構好きです。
西条陽「わたし、二番目の彼女でいいから。4」(電撃文庫)
ほら~~~壊れちゃってるじゃーん!
私が唯一望むのは外野の浜波ちゃんの幸せだけなので、あとはもう全力で破滅しちゃってください。
2022年9月の読書まとめ
9月は8冊でした。
印象に残った本
楽山「俺の召喚獣、死んでる」(富士見ファンタジア文庫)
召喚術師が切磋琢磨する学校で、主人公のパートナーが最強の魔獣、の死体だったお話。正真正銘死んでるので、死体でどうやって戦うのか工夫するところが面白かったです。続きあってもいいと思うんですが出ないのでしょうか。
道造「貞操逆転世界の童貞辺境領主騎士 1」(オーバーラップ文庫)
女性九割の世界で唯一の男性騎士、憤怒の騎士として名を上げていくお話。珍しくWebで先に読んでたやつでしたが、これは本当に超面白い話で序盤のエピソードも後々伏線となって効いてくるし続きを読むのが楽しみです。あとまさかのヴァリ様ルートIF説。
遠藤浅蜊「魔法少女育成計画 breakdown(前)・(後)」(このライトノベルがすごい!文庫)
この能力では大して強くなさそうと思った魔法少女が類い稀なる猛者だとわかる瞬間が熱いし、それがわかった後ですら読者の予想を超えてくるのが最高なのです。