吉野山の紅葉

Red leaves in Mt.YOSHINO

本当は午前中に出かけるつもりだったが、夫婦揃って寝坊したのでお昼過ぎに大阪を出発した。日の高いうちの方が葉が明るくてきれいかと思っていたけど、夕暮れの紅葉は赤が映えて美しかった。

そして、行きがけに立ち寄った「ラ・ペッシュ」というお店のモンブランがとんでもなく美味かった。栗の風味が濃厚で甘さも控えめ。また、吉野に行ったら必ず立ち寄ろう。

Red leaves in Mt.YOSHINO

Red leaves in Mt.YOSHINO

族長の秋

権力の象徴である大統領の狂気と孤独の物語。とにかく多くの言葉を用い、喜劇のような表現とテンポで物語っていくが、とてもグロテスクな小説だった。

入り組んだ時系列や、本質的に循環的な各エピソード、「海」、「星」、「牛」、「ハゲタカ」など物語のテーマである権力と孤独を象徴するものを随所で執拗に繰り返し登場させることで、権力を持った者とそれを奪おうとする者達の争いが古来からずっと変わっていないことを表現しているように感じた。

族長の秋 (ラテンアメリカの文学) (集英社文庫)

族長の秋 (ラテンアメリカの文学) (集英社文庫)

砂の本

伝奇集と同様に時系列や概念の扱い方が幾何学的というか数学的で面白い作品が多い。「他者」は循環して交差しているし、表題の「砂の本」は拡散していく感じ。「会議」は射影的か。

全然話が変わるが「汚辱の世界史」は山田風太郎の「人間臨終図巻」シリーズのモチーフだったりするんだろうか…

ラテンアメリカの文学 砂の本 (集英社文庫)

ラテンアメリカの文学 砂の本 (集英社文庫)

予告された殺人の記録

テーマを今ひとつ掴むことができない。「百年の孤独」も含めてマルケスの作品はテーマをあやふやにしか掴めた気がしない。修行が足りませんね。

直接手を下した犯人はいるが、実質上は(アンヘラも含めて)町の住民全員が犯した殺人というように読み取れた。誰も犯人が殺人を犯すのを止めなかった・止めることができなかったというストーリーを通して集団の無情さや不条理さを炙り出そうとしたのかもしれない。

予告された殺人の記録・十二の遍歴の物語 (Obras de Garc〓a M〓rquez (1976-1992))

予告された殺人の記録・十二の遍歴の物語 (Obras de Garc〓a M〓rquez (1976-1992))

百年の孤独

数え切れないほどの短編のストーリーを淡々と織り重ねて、辺境の地に住む一族の面々の孤独が描き出されていく不思議な形態の小説だった。

一族の面々が孤独な理由は決定的な人格上の欠陥であったり、抗いようのない運命的なものであったりと各々異なる。つまり孤独の種類が一族の面々の数だけ存在する。

そして、この本を読んだ多くの(ラテンアメリカの)人はきっとこの一族の面々のうちの誰かと同じ類いの孤独を一度は感じたのではないかと思う。そこにこの本が評価される理由があるのでは。

百年の孤独

百年の孤独