族長の秋
権力の象徴である大統領の狂気と孤独の物語。とにかく多くの言葉を用い、喜劇のような表現とテンポで物語っていくが、とてもグロテスクな小説だった。
入り組んだ時系列や、本質的に循環的な各エピソード、「海」、「星」、「牛」、「ハゲタカ」など物語のテーマである権力と孤独を象徴するものを随所で執拗に繰り返し登場させることで、権力を持った者とそれを奪おうとする者達の争いが古来からずっと変わっていないことを表現しているように感じた。
- 作者: ガブリエルガルシア=マルケス,鼓直
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 1994/05/20
- メディア: 文庫
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予告された殺人の記録
テーマを今ひとつ掴むことができない。「百年の孤独」も含めてマルケスの作品はテーマをあやふやにしか掴めた気がしない。修行が足りませんね。
直接手を下した犯人はいるが、実質上は(アンヘラも含めて)町の住民全員が犯した殺人というように読み取れた。誰も犯人が殺人を犯すのを止めなかった・止めることができなかったというストーリーを通して集団の無情さや不条理さを炙り出そうとしたのかもしれない。
予告された殺人の記録・十二の遍歴の物語 (Obras de Garc〓a M〓rquez (1976-1992))
- 作者: ガブリエルガルシア=マルケス,Gabriel Garc´ia M´arquez,野谷文昭,旦敬介
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2008/01/01
- メディア: 単行本
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百年の孤独
数え切れないほどの短編のストーリーを淡々と織り重ねて、辺境の地に住む一族の面々の孤独が描き出されていく不思議な形態の小説だった。
一族の面々が孤独な理由は決定的な人格上の欠陥であったり、抗いようのない運命的なものであったりと各々異なる。つまり孤独の種類が一族の面々の数だけ存在する。
そして、この本を読んだ多くの(ラテンアメリカの)人はきっとこの一族の面々のうちの誰かと同じ類いの孤独を一度は感じたのではないかと思う。そこにこの本が評価される理由があるのでは。
- 作者: G.ガルシア=マルケス,Gabriel Garc´ia M´arques,鼓直
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1999/08
- メディア: 単行本
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