不妊治療、あれから10年
最近は「不妊治療」関連のニュースやテレビの特集などが増えてきました。
有名人が「妊活します」と宣言したり、不妊治療があたりまえのこととして社会に受け入れられつつあるようで、良いことだな〜と思います。
私は既に6年前に治療を卒業していて、「不妊治療」はもう過去のこと、になってしまっていますが、
「不妊治療」ってどうなの?という方に、ぜひ読んでほしいなと思う記事へのリンクを張って、このブログの最後の書込みとします。
今後は、「妊活」や「不妊治療」に関することも、下記の個人ブログに書いていこうと思います。
●着物でおでかけ♪●
私が不妊治療専門のクリニックを初めて受診したのは、ちょうど10年前のGW明けでした。
あれから10年、子どもには恵まれなかったけれど、私はいまとても幸せに暮らしています。
不妊治療を経験したからいまの自分がいるのだなと思えるぐらい、いろいろな巡り合わせに感謝の気持ちでいっぱいです(^^)
不妊治療の経済的負担に関するアンケート
これまでに不妊治療を受けたことのあるすべての方へ
不妊当事者の自助団体である「NPO法人Fine」では、不妊治療の環境向上、中でも不妊治療の経済的負担の軽減には特に力をいれていて、
現在「不妊治療の経済的負担に関するアンケートPart2」を実施しています。
http://j-fine.jp/cgi-bin/mail/mail.cgi?id=keizai
「NPO法人Fine」では、これまでに全国で署名活動を行なって国会請願を実施したり、テレビや新聞・雑誌などのマスメディア等、多方面に積極的な働きかけを行なってきました。
現在、第6回目の国会請願を実施するための署名活動を行なっています。このアンケート結果は、その請願や陳情書、また各種要望書や嘆願書、プレスリリース等に活用する予定です。
私たちの声を、国政の場に届けましょう!
ぜひ、このアンケートにご協力ください<(_ _)>
★抽選で1000名様に、500円のクオカードのプレゼントあります。(〆切:2013年2月末日予定)
(転載大歓迎です! どうかたくさんの方にご協力いただけますように)
福岡で不妊治療体験者同士のおしゃべり会、体験談発表など
不妊体験者の自助グループである「NPO法人Fine」が、今度は福岡で、体験談発表や当事者同士のおしゃべり会を行います。
おしゃべり会はどの会場もたいへん好評で「こんな場を待っていた!」という方が多数。当事者同士で心行くまでおしゃべりし、気の合うお仲間さんを見つけて連絡先を交換し合う場面も(^^)
●Fine 全国おしゃべり会in福岡
日 時:2012年10月21日(日)13:00〜16:30
会 場:アスクビル(博多駅徒歩4分)
(福岡市博多区博多駅東1丁目16-25)
内 容:Fineの紹介・体験談発表+おしゃべり会 +専門家への無料個別相談
詳細・申込はこちらです↓
http://j-fine.jp/matsuri/2012/matsuri.html#label-9
転載大歓迎ですので、情報が欲しい方に届きますように。福岡の皆さま、周囲の方に教えてあげてくださいね(^^)
札幌で不妊治療体験者同士のおしゃべり会、体験談発表などあります!
不妊体験者の自助グループである「NPO法人Fine」が、札幌で、体験談発表や当事者同士のおしゃべり会を行います。
クリニックに通っていても患者同士で会話することはほとんどありません。
同じ経験をしてる者同士で話したい、でもそんな機会なんてめったにない、不妊治療体験者は皆さんそう思っているはず。
また、まだ踏み切っていないけど不妊治療ってどんなだろう、体験者の話を聴いてみたいという方も体験談発表までのご参加が可能です。(おしゃべり会は体験者のみです)
●Fine 全国おしゃべり会in札幌
日 時:2012年10月7日(日)13:00〜16:30
会 場:北濃健保会館(札幌駅徒歩5分)
(札幌市中央区北4条西7丁目1番4)
内 容:Fineの紹介・体験談発表+おしゃべり会 +専門家への無料個別相談
詳細・申込はこちらです↓
http://j-fine.jp/matsuri/2012/matsuri.html
欲しい人に情報が届きますように!
転載大歓迎ですので、札幌の皆さま、周囲の方に教えてあげてくださいね(^^)
9月1日、2日 京都・大阪で不妊に関する国際会議が!
「不妊治療」というと世間一般ではまだまだ特別なことのようで、当事者でなければ、経験者に話を聞いたり、どんな治療法があるのか、まして日本を離れて海外の事情を知る機会なんてめったにありません。
でも当事者でなくても、気軽にそんな話が聴ける場があれば聴いてみたいという方は多いはず!
9月1日、2日に京都と大阪で不妊に関する国際会議が開かれます。参加無料、年齢・性別関係なくどなたでもご参加いただけます。
こんな機会めったにありません!一人でも多くの方にご参加いただかないともったいない!
かなりすごい国際会議なのに、PR資金もほとんどなく、関心ある人に情報が届いていないのが現状です!ぜひ周囲の方に教えてあげてください。転載大歓迎です!どうぞよろしくお願いします<(_ _)>
札幌(10/7)・福岡(10/21)・東京(11/3)でも当事者同士のおしゃべり会あります!
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■iCSi国際会議
http://j-fine.jp/matsuri/2012/matsuri.html#label-2
日時:2012年9月1日(土)13:00〜17:00(予定)
会場:立命館大学 衣笠キャンパス:創思館 カンファレンスルーム
(京都市北区等持院北町56-1 衣笠キャンパス)
内容:シンポジウム
(講演は逐次通訳が入りますので日本語で聴いていただけます)
定員:130名(予約優先:定員になり次第締切)
参加費:無料
主催:iCSi/NPO法人Fine(Fine祭り実行委員会)
協力:立命館大学 人間科学研究所/フィンレージの会
◎プログラム内容は…、
・不妊治療は何歳まで?/京野 廣一(京野ARTクリニック理事長)
・不妊の人のためのホリスティックケア/デビー・パノウィッツ(文筆業 キネシオロジスト 栄養士)
・国境を越えた不妊治療 ヨーロッパの場合/ペトラ・ソーン(博士・ドイツ不妊カウンセリング学会理事)
・国境を越えた不妊治療 アジアの場合/松尾 瑞穂(新潟国際情報大学 講師)
・卵子提供による出産〜アルゼンチンの一家族の経験から〜/エステラ・シャルドン(心理士 ブエノスアイレス大学心理学部教授 コンセビール理事)
■ASPIRE iCSiセッション(国内外の不妊体験者たちによる発表)
http://j-fine.jp/matsuri/2012/matsuri.html#label-4
日時:2012年9月2日(日)15:00〜16:30(予定)
会場:大阪国際会議場(グランキューブ大阪)
(大阪市北区中之島5-3-51)
内容:シンポジウム
(講演は同時通訳が入りますので日本語で聴いていただけます)
*通訳機器代金1,000円・予約が必要
定員:350名(予約優先:定員になり次第締切)
参加費:入場は無料
(*通訳機器が必要な人は有料・必ず予約が必要 1台1,000円)
主催:ASPIRE/iCSi
共催:NPO法人Fine(Fine祭り実行委員会)
協力:フィンレージの会
◎プログラム内容は…、
・ART施設の質向上のための患者としての取り組み〜JISART施設審査における患者審査委員の経験をふまえて〜/松本 亜樹子(iCSiコミュニティ運営委員/NPO法人Fine理事長)
・代理出産:日本のケースから/仙波 由加里(桜美林大学・スタンフォード大学客員研究員/フィンレージの会スタッフ)
・代理出産:オーストラリアのケースから/サンドラ・ディル(iCSiコミュニティ理事長/アクセス・オーストラリアCEO)
・カウンセリング:患者を中心においたケアという考え方/ペトラ・ソーン(博士 ドイツ不妊カウンセリング学会理事)
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今まさに妊活してる!という方はもちろんのこと
結婚もまだこれからだけど…という方も
娘さんが心配でいろいろ情報を知りたいというお母さん・お父さんも
生殖医療に携わる医療従事者さんや勉強中の学生さんも
医療の最前線を発信するメディカルライターさんも
いろんな情報を知っておきたい!という好奇心旺盛な方まで
どなたでもご参加いただける、不妊治療に関する国際会議です。ぜひ周囲の皆さまに教えてあげてくださいね(^^)
京都府が人工授精にも助成&体験者同士のおしゃべり会
久々の書き込みです(^^;)
京都府は平成23年度から不妊治療の助成事業の対象に人工授精を追加するのですね。所得、支給期間とも制限を設けないということで、このような制度は全国で初めてだそうです。
京都府さん、やりますね(^^)
以下は、京都新聞の記事です。
「不妊治療、府が人工授精にも助成 新年度から」
http://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20110131000171
人工授精を受けた場合の助成は自己負担の半額で上限は年10万円。
これ以外にも、保険適用治療のみで上限6万円の助成も決定しています。
私は大阪市民なので関係ないのですけれど、もう治療してないのでそれ以前の問題なんですけれど(^^;)、こういう取り組みが、他の自治体にも広がればいいですね。
さて、来週になりますが、2月20日(日)に同じ体験者同士でおしゃべりできる会が大阪十三で開催されます。不妊治療最前線の講演もありますよ。
◆Fine祭り 全国おしゃべり会special◆
日 時:2011年2月20日(日)12:30〜16:30 (予定)※受付:12:00〜
講 師:IVFなんばクリニック 院長 森本義晴氏
講演タイトル:ミトコンドリアを鍛えて子宝を獲得しよう
定 員 講演:90名 おしゃべり会:40名
場 所 大阪研修センター3F 大会議室(BとC)
http://www.kaigishitsu.ne.jp/
大阪市淀川区十三本町1-12-15 ドルチェヴィータファースト
詳細、申込方法は↓をご覧くださいね。
http://j-fine.jp/matsuri/2011/matsuri.html
民法の親子関係と生殖医療について
「性同一性障害の夫に「嫡出子」の届け認めず」(神戸新聞)という記事があったので、民法の親子関係と生殖医療について考えてみました。
その前に、
不妊治療患者の支援組織である「NPO法人 Fine」では、不妊治療を受けたことのある方を対象に「経済的負担に関するアンケート」を実施中です↓
http://j-fine.jp/cgi-bin/mail/mail.cgi?id=keizai
個人的にも、不妊カップルが経済的な理由で子どもを持つことをあきらめることのないようにと願っています。
アンケート結果を国会請願や陳情書、要望書として活用するために一人でも多くの生の声が必要とのことで、周囲の方にも治療経験者がいらっしゃいましたら、ぜひアンケートにご協力いただけるようにお願いいたします。
さて、先の記事ですが、一部引用します。
性同一性障害特例法により戸籍の性別を女性から変更した宍粟市の自営業男性(27)が、弟の精子提供を受けた人工授精で妻(28)との間に生まれた子どもの出生届を同市に出したところ、市が「嫡出子」として認めなかったことが10日、分かった。子どもは戸籍が作られないまま2カ月以上が経過。性別変更がない人工授精の場合は嫡出子として受理されており、男性側は不受理となれば家庭裁判所に不服申し立てする方針。
同様なケースについて法務省は、宍粟市を含む各地の自治体から6件の照会があり、非嫡出子として受理するよう指示。「生物学的に親子関係がないことが明らかな場合、嫡出子として受理するわけにはいかない」(民事1課)としている。
不妊治療と混同してはいけないかもしれませんが、男性側に原因があって第三者の精子提供をうけて人工授精・体外受精を経て産まれてくる赤ちゃんは夫婦間の子ども(嫡出子)として戸籍に入りますよね。
第三者の精子提供をうけたということを敢えて言わないからだろうと思いますが、民法の親子関係の定めでは、遺伝子上の関係に触れた条文はないので、民法を犯しているということにはならないと思います。
まぁでも、明らかに当事者の子でないとわかっている場合は法務省も認めるわけにはいかないということなのでしょうが、生殖医療はどんどんすすんでいますから、親子関係の法整備を急がないといけませんよね。
遺伝子上の問題で認めないというなら、代理出産のケースはどうなるのでしょう。向井亜紀さんも、卵巣を摘出した女性に代わって母親や姉妹が代理出産したケースも、遺伝子上は間違いなく夫婦間のものです。なのに、嫡出子と認めないんですよね。矛盾してないでしょうか。
今回のケースは、民法に則るなら、私は「嫡出子」と認められるべきと思いますが、皆さんはいかがでしょうか。
5年間の治療生活を振り返って
治療のことについて、もう一年以上書いていませんね。昨年の6月に8回目の採卵で卵子が回収できなかったことが治療についての最後の投稿になっています。
手元の「不妊治療.xlsファイル」を見ても、そこでストップしています。
「不妊治療.xlsファイル」というものを作っていて、いつ、どんな検査や治療をして、いくらかかって、どんな薬をもらって、そのときのカラダの状態や気持ちの動きといった内容を記録しています。
Excelですから、約5年の治療期間でクリニックに支払った金額は計1,318,730円だということがすぐにわかります。人工授精1回、体外受精5回で、採卵に失敗したのが3回で、自然に卵を育てるやり方で治療していたので、治療費は少ない方だと思います。
別に、いついつ治療をやめました、ということはないのですが、気持ちがそこに向かわなくなっているので、この先もうクリニックに行くことはないだろうと思います。お世話になったドクターと看護師さんにご挨拶しないままフェイドアウトしていくのはちょっと心苦しいのですが、挨拶のためだけにクリニックに行くというのもね(^^;)
だから、なんとなく、どこかで区切りをつけたいと思うので、5年間を振り返って、ブログ上で区切りをつけようかと、ちょうど年も変わるタイミングですしね。
不妊治療をとおして、得たもの、失ったもの。
・失ったもの:お金、時間、仕事
・得たもの:何もない
治療の途中ではそう思ってました。
治療を始めて3年ぐらいのとき、不妊治療に携わる医療従事者の研修で、治療体験者として話をする機会があって、そのときの質疑応答で、治療をとおして得たもの、失ったものは?という質問があったのです。
そのときに「得たものは何もありません」と反射的に答えていて、自分でもびっくりしたんです。普段は割に考えてから言葉にするほうなのに、そのときは口をついて出た、という感じでした。それだけつらかったんですかね、やっぱり。
でも、あらためて5年間を振り返ってみたときに、得たものがいくつもあることに気がつきました。
治療の途中では、もしこれで結果がでなかったら治療期間は無意味なものになってしまう、かかったお金も、と思っていました。それは途中で仕事をやめて自分は何も生産していないのに、お金と時間を無駄に使ってしまったと考えていたのですね。物質的なもの、目に見えるものが何も残らないわけですから。
でも、この一年、治療がフェイドアウトしていくなかで考え方が変わってきました。不妊治療のために仕事をやめたことで、私は逆に時間をもらったのかもしれない、と。
月に何度もクリニックに通いますから完全に自由ではないけれど、せっかく時間があるからと、まずは念願の着付けを習いに行きました。時間があったので家でも予習復習かかさずやって、着付教室には必ず着物で行くようにして、半年後には普通に着てでかけられるようになっていました。そこそこの年齢になったら着物を自然に着られるような人になりたいという夢が一つ叶いました。
着物が着られるようになったら着物ででかけられる場所が欲しくて、ちょうど落語ブームということもあって落語を習いに行くことにしました。そこでは年齢問わず気の合うお仲間さんと出会えて、新しい世界が広がっていきました。
何か一つでも楽器ができるようになりたい、時間があるうちにと二胡教室に通うようになりました。1年経つと簡単な曲が弾けるようになって、音楽を聴く側だったのがわずかでも奏でる側になれたことで、ここでも世界が広がりました。
治療に行かなくなりかけた頃、時間のあるうちにこの先役に立ちそうな勉強でもしてみようかと、行政書士の勉強を始めました。時間があったのでその時間をめいっぱい利用して勉強し、1回で合格することができました。
この5年、不妊治療をせずに以前の仕事を続けていたらどうだっただろう。きっと、5年前とあまり変わり映えしない、ただ仕事を続けている自分がそこにいるだけ、という気がします。
治療のことを考えると確かに無駄な5年間だったかもしれないけれども、不妊治療のようなことがなければ仕事をやめなかっただろうし、仕事を続けていたら、いまの着物生活はなかったし、落語の楽しさも知らないままで、音楽は相変わらず聴くだけのものだったのだろうと考えると、不妊治療のおかげで人生の彩りをいっぱいもらったのではないかと。
そして、命とか生きるって幸せってどういうことかとか、そういうこともゆっくり考える時間があって、哲学書や精神世界の本やこれまで読んだことのない本をいっぱい読みました。そのおかげで、ただ物質的なものだけにとらわれない考え方ができるようになったことも今後の人生に大きな影響を与えてくれることと思います。
「不妊治療.xlsファイル」を読み返してみると、いまでも涙する部分があるし、辛いことはたくさんあったし、仕事をやめて収入はないのにお金は出ていく一方で、しかし、こうして振り返ってみると、私にとって必要な経験と時間だったのだと、そう思えてなりません。
人生に無駄はない、ということですね。そう考えると、この先また辛いこと、いやなことがあっても前向きにとらえて乗り越えていけそうです。
今後は、治療体験記ではなくなりますが、不妊治療に関する情報などあれば引き続き書いていこうと思います。
大阪府の不妊治療費助成額が引き上げられました。
大阪府の府政だより(9月1日発行)に掲載されていたのですが、「特定不妊治療費助成制度を拡充」ということで、
旧:1年度あたり1回10万円を限度に2回まで
↓
新:1年度あたり1回15万円を限度に2回まで
と、1回あたりの限度額が5万円引き上げられ、平成21年4月に遡って適用されるとのことです。
大阪府「特定不妊治療費助成事業」のページにも掲載されています。
しかし、大阪市政だより(9月号)にはその情報はないのですね。現時点の大阪市「不妊治療費助成事業」ページにも情報はありません。
しか〜し、大阪市浪速区のページに「「大阪市不妊治療費助成事業」の拡充について」の情報が掲載されていて、平成21年4月1日以降ですでに助成限度額の10万円を申請済で追加分の申請をされる方には、大阪市から対象の方に追加分(助成上限額5万円)の申請書を送付します、と書かれています。
実は、8月の中旬だったと思いますが、大阪市のページにも特定不妊治療費助成制度を拡充というお知らせが一瞬掲載されていたのです。私は確かに見ました。でも、その数日後にはそのページは削除されていたのです。なぜだ???
担当者のフライングだったのか、助成費の拡充は先延ばしになるのかしらんなんて思っていたのですが、府政だよりを見て、やっぱりあるんやん、なんで大阪市のページにないのか、大阪府は拡充するけど、大阪市はしない? そんなことはないと思うけどな〜。
後日、大阪市のページにも掲載されるかもしれませんけれどね。該当される方は担当部署に問合せしてみてくださいね。
あってはならない事故「不妊治療 別患者の受精卵で妊娠、人工中絶」
「不妊治療 別患者の受精卵で妊娠、人工中絶」
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/natnews/223861/
昨日、「とくダネ!」でこのニュース解説を見ながら、涙がでてきました。
不妊治療体験者として、そして数度の流産経験者として、涙がでてきました。
あの記者会見は何?? 命を何だと思ってるの? 妊娠初期の人工中絶は身体的な負担が少ないからたいした問題じゃないっていうの??
言いたいことはいっぱいあります。でも書き出したらきりがないので、いまいちばん言いたいことだけ書きます。
今回の患者さんのことをなんて呼べばいいのかわからないのでAさんと呼びます。
Aさんの身体的な負担は確かに少ないかもしれません。でもいちばん問題なのは精神的な負担、精神的な苦痛です。
私は妊娠初期の流産を、自然妊娠で2回、体外受精での妊娠で3回経験しています。
流産と人工中絶は、一度芽生えた命が途絶えてしまうという点では同じです。自然に途絶えるか、人工的に途絶えさせるかという点で違うわけですが。
流産した妊婦さんは多くの場合、自分を責めてしまうのです。せっかく授かった命をダメにしてしまったのは自分のせいじゃないのか、この世に産んであげられなかった、自分が悪いんだと。
人工中絶の経験はないので経験者としては語れませんが、おそらく流産以上に自分を責めるでしょう。人工的に命を絶ってしまうのですから。
Aさんのことを考えたとき、複雑です。
病院側の説明としては「取り違えた可能性があります」、ということは取り違えていない可能性も少なからず残っているということでしょうか。
Aさんは何も悪くないのに、人工中絶を選択せざるをえない。
でも、万が一、受精卵がその夫婦のものであったら、そうでなかったとしても、どんな命であっても、一度芽生えた命を自分が断ち切ってしまう選択をしてよかったのかとAさんが自分を責めてしまったら...そう考えるとやりきれません。
「その子にはその子の事情があって、すぐに天国に帰らなければならなくなったんだ。その子の事情をうけとめてあげよう。」何度か流産を経験するなかで、私はそう考えることで自分の気持ちを整理してきました。だから、同じように苦しんでいる人がいたら、そう言ってあげたいです。「その子にはその子の事情があったんだ」と。
人工中絶も喜んでする人はいない、苦渋の選択であって、そういう意味では、やっぱりその子に何か事情があってこの世に出てくることを拒んだ結果なのだと解釈してもいいんじゃないかと思ったりします。
Aさんの場合は、それ以前の苦痛がありすぎて、通常の流産や人工中絶と同じには語れませんが、もしも、もしも、Aさんが自分を責めて苦しんでいるとしたら、「その子にはその子の事情があったんだ」と言ってあげたいのです。
もし、Aさんの周囲の方がこのブログを目にしてくださったなら、ぜひAさんにそう伝えてあげてください。お願いします。