灰銀猫『王女殿下を優先する婚約者に愛想が尽きました:もう貴方に未練はありません!』

 まあ、タイトルそのままのスタートからいろいろ巻き込まれていくお話。
 王女の護衛となって以来、まったく連絡が取れず、誕生日パーティにも来ない婚約者と婚約を解消したら、隣国の第三王子エセルバートに求婚される。しかし、王族に嫁入りは恐れ多いと、遠慮しているうちに、国内の政治の乱れに巻き込まれて…
 グローリア王女とその近辺、エグいな。まともそうに見えて、短絡的な思考をする王女。そして、その王女を守ると称しつつ、敵国と内通したり、密輸した媚薬でやりたい放題する取り巻き連中。壊れ気味の王妃に、無駄に王女を甘やかす国王。エセルバードを狙うグローリアの悪意をうけるヴィオラ
 結果として、正式な婚約がのびのびになってしまう二人。
 最後は、公開の場でエセルバードに求婚して、大国の面子を潰して失脚してしまう王女。その状況で、更にやらかして罪人になったあげく、王妃にぶっ殺されるというのが。王妃は王妃で、異常に厳しい教育を行って娘の情緒を破壊、か。


 媚薬を盛られて既成事実を作られそうになっていたエセルバードを介抱して、たまたま持っていた解毒剤を与えて、惚れられたヴィオラ。で、求婚中は、ヴィオラを気遣ってセーブ気味だったのが、実際にラファティ国に移動したあとは、箍が外れたように。ラファティ王家の人間は愛が重い。で、その愛を貫くための片手間で国を繁栄させているというのがなんともw
 王族の配偶者の最大のストレスは、伴侶からの愛。他からは全て守られる。

ケイ『最終決戦前夜に人間の本質を知った勇者:それを皮切りに人間不信になった勇者はそこから反転攻勢。「許してくれ」と言ってももう遅い。お前ら人間の為に頑張る程、俺は甘くはない』

 パーティメンバーを寝取られたあげく、国王に故郷を滅ぼされた勇者は、魔王城に走り寝返る。そして、勇者の「加護」でもって、人間側を追い込んでいく。人間の側が外道で、滅ぼされていくお話はちょくちょくあるけど、本作は加護の効果がエグいな。勇者の加護を外されると、まともに服も着られない、知恵も無くなるって。人間の社会生活そのものが加護で成り立ってたのか。
 そして、人間戦力を叩き潰しながらも、意外と生き残りがいるけど、どうするつもりなんだろう。
 あとは、わざとゴツゴツした文章にしているんだろうけど、ちょっと読んでいて文法的に気になるところがちょくちょくと。


 パーティメンバーと国王の裏切りを知った勇者アレンは、出奔、単身魔王城に乗り込み、魔王に忠誠を誓う。勇者による加護を失った人間勢は弱体化し、逆にモンスターたちは一気に力を得て鎧袖一触。魔王軍は一気に進軍していく。
 他の加護をもつ人間、剣聖クリス、龍騎士ラグーン、賢者マーリン、盗賊長ギルダーク、湖騎士ランスロット、神弓士メリウスらと対峙、退けていく。うち、剣聖は見方になり、湖騎士は人間側からの攻撃で倒されるが、何らかの救命処置がモンスターたちによって行われる、と。で、他の救いようのない連中は消されていく。
 こういうタイプの作品の醍醐味は黒幕たる国王の末路だから、続きが気になるところ。

南野海風『凶乱令嬢ニア・リストン 1』

 全巻買っているわりに、今まで読み終わってなかったシリーズに手を付ける。
 とりあえず、転生バトルジャンキー幼女。


 死にかけというか、すでに魂が旅立った幼女の体に、反魂の術で下ろされた魂は、戦いのなかで逝きたいと望んだバトルジャンキーだった。そして、肉体だけでも助けるには最適の存在だった。
 「気」の力で病を克服したニア。一方、ニアを助けるためにリストン家はテレビのような魔法映像(マジックビジョン)に多大な出資をして、情報を募っていた。最初は、その報告のため、そして、後々はマジックビジョンに入れ込みすぎて長期的にヤバそうなリストン家を守るために出演するようになり、テレビアイドルの道を進むニア。
 そうこうしているうちに、王都で劇の子役としてお呼ばれ。これから売り出す女優の空回りを受け止められる度量のある幼女を求めていた劇団。徐々に、シャロと仲良くなり、劇も大成功。
 一方、裏ではニアをさらって金をせしめようとマフィアが暗躍。しかし、マフィアの誤算は、ニアが圧倒的に強かったこと。「早く構えないと蹂躙するわよ!」ってヤバいな。数十人単位の不良少年を蹂躙して、マフィアの主要メンバーの足を洗わせるとか。
 正当防衛ならぶん殴っていいです、か。


 そういえば、兄がニア以上の美人でファンレターが一度しか出演してないのに、根強く送られてくるというのがなんとも。
 浮島に人々が住んでいて、飛空艇で行き来するという世界観もいいなあ。

狭山ひびき『幽閉令嬢の気ままな異世界生活:転生ライフを楽しんでいるので、邪魔しに来ないでくれませんか、元婚約者様?』

 断罪エンドを避けられず、結局卒業式のプロムで婚約破棄されてしまった主人公。しかし、実際、「ヒロイン」をいじめてなどいない。最終的に冤罪であることが確定するが、一度王族が発言したことは取り消せないと、遠隔地の離宮になんちゃって幽閉されることになる。
 で、配所で悠々自適生活かと思いきや、最寄りの町の代官が不正していて住民が飢えていたり、幼馴染みの公爵令息が移住してきたり、お飾りの正妃にするために王子がよりを戻しに来て追い返されたり。


 「ヒロイン」の浅はかさがすごいな。王子の婚約者へ冤罪をかけて論破されて、王妃教育はヤダヤダで周りから呆れられて、最後はアドリアーナを襲撃させて、炭鉱送り。徹頭徹尾乙女ゲームの主人公気取りだった…


 そして、言いがかりで住民を見せしめ処刑しようとする悪徳代官をとっ捕まえて、主人公は代官代行から、周辺地域を治める辺境伯に叙されて、思い人と結婚してめでたしめでたし。


  婚約破棄王子が改心するのは珍しいなあ。一応、善人ではあるわけか。だからこそ、「弱者」に過剰に肩入れして、バランスがとれなかった。改心して、自分の高慢さを自覚した後も、頼りない感は変わらないようなw


 あと、領地振興の策として学校設立というの、割とこの手の異世界恋愛系の作品に共通するアイデアだなあ。識字教育への信頼感が興味深い。

熊本博物館へ

 本日は、熊本博物館の「資料保存の世界」と「遺跡発掘速報展2023」を見学にお出かけ。グズグズしていると、今年は天気が悪い期間が長くて、どうしても遅れがちになる。とりあえず、写真をガンガン撮る。


 その後、新町の近くまで出かけたということで、6月に休業するという長崎次郎書店まで行く。品揃えはおもしろいんだけど、やはり売り場面積が少なめかなあ。大正年間に建設の歴史的建造物の書店というのもすごくいいのだが。新町が、熊本市全体の人の動きのなかで取り残され気味なのかなあ。
 とりあえず、お布施的に、買おうと思いつつお値段的に躊躇しそうな本をサクッと買ってきたけど。



 出かけるのが遅くなったので、お昼は博物館に入る前にすます。いなり寿司のテイクアウト専門店で調達。一つは小さめだけど、ぎゅっと汁気の多い揚げが美味しい。古京町の駐車場の東屋で食べる。桜の季節に来たかったなあ。

 しかし、リュックに入れて、自転車の籠に乗せていたら、汁が漏れてしまっていた。今後買うとしても、輸送に気を使いそうだなあ。あとは、最近できた生ドーナツのお店も入る。最近気になる店チェック完了。
 おいなりさんからこぼれた汁、なぜかカメラの保護ケースに集中的にこぼれてくれてなあ。写真撮るにも、電源スイッチがベタベタするし、おいなりさんの匂いがするし。帰ってから水拭きしたけど、まだ匂いが残ってるなあ…
 なんか意気阻喪して、割とそそくさと帰宅。新刊調達のために下通の書店を回る。


 今年初めてのアイス購入。

移転した内藤濯文学碑

 こども本の森建設で移動を余儀なくされた「星の王子さま内藤濯文学碑」、工事の初期に県立図書館正面入口の側に移されていたのは気付いていたけど、ここが正式な設置場所なのか。まあ、人の目に触れる機会は増えるのかなあ。

図書館へ

 本日は、返却期限が迫ってきた本の返却に、県立図書館へ。ついでに、ブックオフで本を処分したり。動物園にも行こうと思っていたのだが、曇り空だし、風は冷たいしで断念。気温が上がると見越して半袖を出したのに、なかなか寒かった。自転車で動いている限りは、それなりに発熱するから、まあ耐えられるんだけど。


 しかし、ブックオフ、渡鹿店がなくなって不便だ。
 久しぶりに、県立図書館でそれなりの時間を使って、3階も覗く。雑誌もたまには楽しい。文学・歴史館のマンガ展示コーナーで、『薬屋のひとりごと』のスクエニ版コミカライズを4巻まで読む。特別展の木簡がらみで、同書が紹介されていて気になったので。


 今日は久しぶりにケンタッキーフライドチキンでテイクアウトして、江津湖で食べる。ケンタにしろ、マックにしろ、セットでドリンクが付くのが邪魔くさいなあ。自転車で運ぶ場合、ドリンクがこぼれる危険しかない。後始末にも邪魔だし。店はドリンク売りたいそうだけど…


 深夜近くになって、豊後水道で地震。携帯で地震警報が久しぶりになって、凍りつく。すわ、南海トラフ地震かと思ったけど、違った。よかった。
 熊本市は遠かっただけにたいした揺れじゃなかったけど、M6規模だと、最近の熊本地震の余震と違って揺れが長くて緊張する。途中、揺れが強まっていっただけに。
 四国側では、震度6弱かあ。建物に被害が出なくても、家財が飛び散ってぐちゃぐちゃになるレベルだよなあ…


 こども本の森、外観。久しぶりに通れるようになったので、裏手側を回ってみた。ずいぶんあちこちいじられた感じだなあ。