鳥が羽ばたいているのを見て「自由だなあ」と思ってしまうのは、
空という場所が人に所有しきれていないからなんだろうなあと思った。

飛行機を見て自由だと思えないのは人が空にも道を作ってしまっているからで、
結局人は空を手に入れたところで自由になんてなれないんだろうなあと思った。

「頭痛い」「吐き気がする」「自転車なんてとてもこげない」と嘘にならない程度に母に伝え、
薬を適当に体に放り込んで学校を休んだ。
たぶん今の状況は不登校になる直前の子みたいな感じ。
確実に逃げだが、行こうとはとても思えなかった。
あのゼミの教室にはいれば押し潰されてしまう。
どうすればいいか考えている。

ぼんやりとすわっていると体が45度後ろに傾くような感覚に陥ることがある

すると内側から何か ぐるぐると渦を巻きながら湧き上がるものがあって

「ああ、さよなら さよなら」と茫然と思う


目をつむるとそのまま私は逆さになって

頭がふたが開くようにぱっかりと開く

ぼろぼろと私の中身がこぼれおちて

力なく瞳を開けるとまっしろになる


結局私は椅子に座っていて

体の中も無駄なものがいっぱい詰まっている


さよならしたいね

そうすれば静かにきれいに消えるのに

正しいというの?
導かれるままその道を進めばそれが正解なの?
そうする勇気が無ければ私は堕ちていくしかないの?


「一歩踏み出さなければ何も進まない」


知っていることだけど、どうしてかな。
その進み方、踏みだし方に疑問を抱く。
結局はわがままだから、逃げ道を探しているだけなのかもしれないけど。

とある一枚の絵を見て朝と夜の中間の光の美しさを感じてしまって
世界が青に沈めばいいと思ってしまった
光というより影かもしれない
青い影が世界に落ちてそのまま動きが止まればいい


瞳にその青色が映って飲み込むように瞼を落としたい