同人誌印刷トム出版 田沢湖の思い出 (その3)  僕ちゃんの宝物

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車に乗り込むと、後部座席から身を乗り出し、この道を左に、とか、ここがよっちゃんのおうち、とか、全く臆する風もない。
よほど育ちの良い家庭に育ったとみえる。

それはそうと、僕のうちはどこ?
彼はそっちの方を気にし始めた。早く家に届けなければ、、親御さんが心配するといけない。

僕ちゃんはにっこり笑って、
「僕〇〇旅館の子!」

むむ、、じゃ私たちが今夜泊まるあの〇〇旅館の子か?

「うん、そうだよ。」

ひゃー、なーんだ、それならそうと早くいえばいいのに、
おじちゃんたち、どこまでいかなきゃならないのかって、心配してたんだぞ。

「フフフ、おじちゃんたち、とてもいい人のようだから、
今夜、晩ご飯すんだら、僕の宝物見せてあげる。」



二人は風呂からあがって、冷たいビールと熱燗のチャンポンでご馳走をいただいた。
昼間の疲れもあって、縁側の籐椅子でうつらうつら、、、とその時。

「おじちゃーん、入っていい? 」
外の廊下であの子の声がした。



つづく


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