研究のスタイル

一年間、一日の休みもとらず、図書館の蔵書の一冊一冊から、吉松は中国の地震の記録、
オーロラの記録を拾い上げた。そして、その資料が、吉松の畢生の労作だと言われる論文の支えとなった。

高橋治著『名もなき道を』より引用。

こんな研究スタイルだってある。他人と競って新しい方法論や流行のテーマに身と時間を費やすよりも、
自分の興味の赴くままに、根気づよく資料を調べ、集め、自分で計算を重ね、一つの分野を切り開く。
「やり遂げる」という根気。自分以外に誰もやっていないのだから、「不安」に負けそうになるかもしれない。
孤独と恐怖に打ち勝ち、畢生の論文を後代に残すのだ.....。このような研究のスタイルを突き詰めていくと、自分の「型」ができるのかもしれない。

人間をみる

「焼物なんてものはだな、品物だけをみてはいけない」
「人間さ。人間が生きている限り、作品は作れる。そこが肝心な点だ。
だから技を磨く。同時に人間も磨く。」

高橋治著:「紺青の鈴」より引用。

研究にも同様だろうか。
「焼物」を「研究」に、「品物、作品」を「論文」に換えてみると。
論文なんて、生きていれば書ける。将来をみるには、その人間がどういう姿勢で
論文を書いたか、その後どういう論文が書けそうか、人間が見られているのだ。
上辺だけでなく、魂の籠めて論文を書け。

師匠を超える

「弟子に師匠の欠点が見えなくなるってことは絶望的です。なにしろそうなったら、
永久に師匠を追い抜くことが出来ませんからね。」

高橋治著:「紺青の鈴」より引用。

師匠の欠点は何か。自分はそこを補える研究者になるのだ。
行け!自分!

論文書きの心得

「・・・・なあ、生真面目なのはいいが、真面目すぎても手がすくむ。
・・・・今の君は、それだな」

高橋治著:『紺青の鈴』より引用。

間違いを恐れるあまり、論文が書けないことに通じるだろうか。
とにかく一度突き抜ける必要がある。

  1. 何を満たせば最低ラインの論文だろうか?(自分が許せるラインは?)
  2. とにかく我武者らに書く
  3. 何カ月に何本か書くというペースで、最低ラインを満たす

知恵

事の道理や筋道をわきまえ、正しく判断する心のはたらき。
事に当たって適切に判断し、処置する能力。
「―が付く」「よい―が浮かばない」「―をはたらかせる」「―を貸してくれ」

(goo辞書より引用)

今、
自己カイゼン法で、仕事がうまくいく!
自己カイゼン法で、仕事がうまくいく! [柴田 昌治著」
というのを読んでいます。


トヨタ式とは...知恵を誘発し活かすための仕組みである

とのことです。

新しい物を得る為には古い物を捨てなければならない

一人の人間の人生にとって与えられた時間は有限で, 与えられた空間も有限である.
それ故に, 新しい何かを得る為には古い何かを捨てなければ.
「捨てる」
あまり良い言葉ではないから
「選ぶ」
にしよう.

古い何かを選ぶのをやめて, 新しい何かを選ぶのだ.