EURO2008レビュー
さて、6月7日にEURO2008が開幕して、昨日で大会7日目を消化。
どのチームもコンディションが良いようで、攻撃ではしっかりとつなぐ
パスサッカー、守備も硬いとどの試合も非常にハイレベル。
スイス、オーストリア、ポーランド、ギリシャ、トルコといった
苦戦が予想されたチームも、自分のカラーを存分に打ち出して、敗れはしたものの
いい試合も見せてくれる。
特に印象に残った選手を何人か上げてみよう。
・モドリッチ(クロアチア)…来期からトッテナムホットスパーでプレーする
期待の若手。クライフの再来といわれるだけあって、
クロアチア攻撃陣の中心として君臨。初戦はおちついて
PKも決めたし、やわらかいタッチも魅力。
・ビシャ(スペイン)…すでに実績がある選手だけど、ロシア戦でのハットトリック。決定
力がすばらしい。トーレスとのコンビも問題なし…
・ロボント(ルーマニア)…堅守のルーマニアを支えるGK。アヤックス時代に何回か見たことがある
選手だけど、フランス戦、イタリア戦ともにスーパーセーブ。
今大会はほんとキーパーのレベルが高い。
・モウティーニョ(ポルトガル)…ポルトガルといったら、ロナウドをはじめとするウイング陣だけど、
この新鋭もすばらしい。特に攻撃に切り替わったときのスイッチと、 パスの鋭さ!
・スナイデル(オランダ)…初戦のイタリア戦は3点取ったオランダだけど、好調オランダを牽引するのは、
スナイデル。マドリーでの好調をそのままキープして大会に入ってる感じ。
・ウィファルシ(チェコ)…今回チェコは正直どうかと思ったんだけど、ポルトガルに負けはしたが内容は
いい。ロシツキー不在でも崩れないのは、チェフ、ガラセクそして、このウィフ ァルシと核になる選手がしっかりしているからだと思う。
「ウェブ時代をゆく」
ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか (ちくま新書)
- 作者: 梅田望夫
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2007/11/06
- メディア: 新書
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最近は、新しい本を読むよりも、過去に読んだ本でいいなぁと思った本を
なるべく読み直してるようにしてるんだけど、今日読み終えた本が、この
梅田さんの「ウェブ時代をゆく」。
前作「ウェブ進化論」も感銘を受けたんだけど、それよりもインパクトが
あったのが、この本。梅田さんの著書の中では、一番好きな本で、これから
社会に出て生きていかなければならない僕にとっては、バイブルともいえる本。
「ウェブ進化論」が、グーグル、リナックス等をはじめとしたIT技術の進歩によって、
近未来、我々の生活、社会、産業がどのように変化していくのかが述べられているのに
対して、本書では、実際に大変化がおこるであろうこれから、我々がウェブを活かして
、個人としてどうサバイバルしていけば良いのかが書かれてある。
どの章も参考になるのだが、とくに印象をうけたのが、3、4、6章。
第三章は「高速道路」と「けものみち」ということで、前作でも紹介されていた、
羽生善治さんの「高速道路とその先の渋滞」論を巡る考察。ウェブ進化で、どんな道でも
急速にレベルアップしていく道路が整備された一方で、その先では大渋滞。つまり、その分野
で突き抜けようと思ったら、本当に「好き」を貫いていくしかない。
一方で、では渋滞を抜けられなかった人はどうするのか?という問いに対し、梅田さんは
「けものみち」を歩むことを推奨している。遠山雄亮4段が例としてあげられていたが、
「無限から有限のマッピング」を通じて、自分の興味・関心・志向性・専門性の複合から、
サバイバルしていく。
自分がどっちを歩むか?と問われれば、「けものみち」と答えたい。高速道路を進む可能性を
放棄する訳ではないけれど、どちらかといえば、あるゆる方向に興味・関心がある、少し悪く
言えば志向性が散漫な自分にとって、あらゆるスキル・専門・能力を身につけながら、人間力
もふくめて総合的に勝負していくことの方が向いているのではないかという気がした。
第四章はロールモデル思考法。これは、自分の「好きなもの」「やりたいこと」を外界の情報
から求めて、お手本=ロールモデルを収集していく思考法。
梅田さんは、20代読書を通じて、ロールモデルを探し出し、自分の将来を構築していった
ようだったが、 僕が大学にはいって本をよく読むようになったのも、実は無意識のうちに
「ロールモデル」を探していたからなのではないか、という気がする。
「生きるために水を飲むような読書」という言葉には本当に共感できる。
読書、そしてネットを通じ、ロールモデルを探し出し、自分の志向性を模索していきたい。
第六章は、大組織VS小組織。就職活動が、遠くない先に迫った自分にとって、これは割と身近な
テーマ。僕としては、成長のピークを迎えた大企業よりも、これから成長・発展していくだろう
小さな組織の方が魅力を感じる。ただ、この問題が個別の組織がどうのような企業風土・文化・組織
なのかってこととも関連してくるテーマなので、一概にはいえないと思う。
ただ、自分の性格上、大組織の「駒」になることは、どうしても避けたいことなので、(そういった
意味で、公務員など、がちがちの官僚組織もダメ)、「小さな組織で働き、少しでもいい場所に移ろう」
という梅田さんの提唱には頷くことができる。
この章を読んでいて、ふと思ったのは、僕のロール・モデルでもある中田英寿さんと、ジョゼ・モウリーニョ。
サッカーが好きなことから、この2人のカリスマのことはよく知っているのだけど、この2人こそ、
「小さな組織で働き、少しでもいい場所に移ろう」を体現した2人だと思う。
「鼓動」という本を読んでよく分かるんだけど、中田英寿さんも小さな組織から出発して、
見晴らしの良いところへ移った人。高校からその才能を評価され、Jリーグの11チームから
もオファーを受けた中田。その中で彼が選択したのは、必ずしも強豪とはいえないベルマーレ。
自分のサッカーをやらせてもらえるという理由からの選択らしいが、彼がここから、オリンピック、
W杯、そして今でこそ当たり前となったが、当時はまだ日本人は道が険しかった海外移籍。
小さな組織から見晴らしの良いところへ立った良い例。
モウリーニョ監督もそうで、現役時代にはプロになれなかったモウリーニョだが、
その後監督への道を志す。大学で体育学を学ぶ、数カ国語をあやつり、コーチとして、
サッカーを学んだあと、満を持して監督へ。ベンフィカでは不本意ながら解任の憂き目にあう
が、その後、小さなクラブ、レイリアで大活躍。そのポルト、チェルシーへ移りわたり、
「良い場所」へわたっていく。
- 作者: 小松成美
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2000/08/01
- メディア: 文庫
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- 作者: ルイス・ローレンス,ジョゼ・モウリーニョ,フットメディア(西竹徹)
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/02/28
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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さて、この本の「病的なまでに心配性な人だけが生き残る」と「オプティミズム」を両立
させることで、サバイバルできる確率が上がると書いてある。まだ社会に出たことのない
自分にとってこの言葉の本当の意味というのはまだつかみかねるところがあるのだけれど、
この言葉で、ポジティブなエネルギーが沸くのも確か。
ともかく、自分の志向性を追求して、けものみちを歩むのは確かに困難なことではあるけれど、
オプティミズムな気持ちを持って、アンテナを高く広く張って、自分の志向性の核を模索
していきたいと思う。
「生物の無生物のあいだ」
- 作者: 福岡伸一
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/05/18
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「生物とは何か?」をテーマに分子生物学の研究を平易に書き記したベストセラー。
「研究者っていいですよね。自分の好きなことをしてお金がもらえるんだから」(p83)
僕もホントその通りと思っていたけど、研究の世界も、2番手は無意味といわれるような
競争社会なんだなと、この本をよんで納得した。
とくにDNAを巡る、ワトソン・クリックと、Rフランクリンの話は興味深い。
それに、分子生物学という、初心者には高度で難解な分野を、わかりやすく、
それに詩的に書き記す筆者の文章にも感嘆します。
「脳を活かす勉強法」
- 作者: 茂木健一郎
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2007/12/04
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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「プロフェッショナル・仕事の流儀」でおなじみの茂木健一郎さんの著書。
本やテレビで拝見して、いつも「多彩・多忙」だなぁと感じる茂木さん。
そんな茂木さんがどのように勉強しているのか、脳を活かした勉強方法を紹介。
・ドーパミンによる強化学習
・喜び・突き抜け…簡単すぎても難しすぎてもダメ
・集中力…「鶴の恩返し勉強法」
①速さ…「タイムプレッシャー」
②分量…圧倒的な勉強量
③没入感…ステュディオス
・細切れの時間を活かす、すぐ始める→断片的なインプット
・記憶はモダリティ(五感)をフルに活用
・朝は脳のゴールデンタイム
・記憶した知識をどう使うかが重要
・インターネットは最高学府
・「一回性」…その後の人生を変えてしまう出来事
・「偶有性」…意外性があるほど脳は楽しむ
脳科学に裏付けされた勉強法だけあった、参考になる点が多い。
ただ、「○○勉強法」とか「△△術」なんて本を読んでいつも思うのが、
これらの本を参考に自分流にアレンジしてみること。
とにかく、実践してみることが大事で、試行錯誤を繰り返しながら
自分流の勉強法を編み出していくことが重要。
「ところがいまは、勉強したいという気持ちがあるなら、大学へ行く必要はありません。
そのくらい、膨大な知識がインターネット上にはあるのです。僕は、インターネットだけ
で勉強してノーベル賞を取る人がそのうち出てくると思っています。」(茂木健一郎/p112)
おまけ↓
ルイ・コスタの引退について思うこと
http://sports.yahoo.co.jp/hl?c=worldsoccer&a=20080512-00000029-jij-spo
ついにルイ・コスタも引退してしまうのかと思うと残念。
ぼくが本格的に海外サッカーを観るようになったが、日韓ワールドカップ後の2002・2003シーズン
のチャンピオンズリーグ。このシーズンを優勝したのが、ACミランで、主要メンバーではカカーが加わり、
シェフチェンコがチェルシーへ移籍した程度で、今とそんなに顔ぶれは変わっていない(今シーズンのミラン
の低調さはズバリここから来ていると思う)。
当時のミランは、近年の黄金時代の初期に当たり、基盤を作っていた時代。
そんな中、チームの中心にいたのルイ・コスタ。
トップ下のポジションで文字通り、「司令塔」の役割を果たし、「針に糸を通す」ほどの、
時に何十メートルものスルーパスを通すプレーはまさにエレガント。
ミランに来てから得点が取れずずいぶん批判されもしたが、パスセンスはまさに一級品。
その後、ミランにカカーが入団して、カカーの台頭とともに、だんだんポジションがなくなって、
ベンフィカに移籍するようになってからプレーを観る機会はほとんどなかったのだけれど、
好きな選手が引退してしまうのはほんと寂しい限り…