鳥語花香録

Umiyuri Katsuyama's weblog

最初にして最後の紫蘭

紫蘭(しらん)

公共部分に植栽された紫蘭(シラン。ラン科)が咲いていた。紫蘭は日本に自生する野生蘭の一種。名前の通りに紫の花が咲くが白い花もある。
まえに読んだ園芸書に「野生蘭を育てたいがうまくいかないという人にはシランをおすすめする。土も日当たりも選ばず、植えっぱなしでも毎年よく花を咲かせる。これがダメなら育てられる野生蘭はない」というようなことが書いてあったのを紫蘭の花を見るたびに思い出す。
丈夫なので公園や庭によく植えられているし、軒下に置かれて何年も植え替えしていない、亀裂の入ったプラ鉢でも咲いているのを見る。紫蘭が育たないなら野生蘭は無理と断言されていたが、そういう人は園芸そのものに向いていないような気がする。
(野生蘭……エビネやアツモリソウ、クマガイソウは難しい。セッコクは庭に相性の良い木があればなんとかなりそう。ネジバナは丈夫なほう……という印象)

シリコンバレーのドローン海賊

ジョナサン・ストラーン編『人新世SF傑作選 シリコンバレーのドローン海賊』(中原尚哉 他訳、創元SF文庫)をご恵送いただいた。ありがとうございます。

パンデミック、世界的経済格差、人権問題、資源問題、そして環境破壊や気候変動問題……未来が破滅的に思えるときこそ、SFというツールの出番だ。

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はるこん終了、英文法は大事

川崎市国際交流センター(神奈川県)を会場に開催されたはるこん2024、無事に終了いたしました。参加者の皆さま、はるこんスタッフの皆さま、ありがとうございます。
ユキミ・オガワさんにお話を聞く「英語の自作を海外誌に投稿する方法」にもお運びくださいましてありがとうございます。
お話しいただいたオガワさんには貴重な体験談をありがとうございました。投稿の歴史が郵便で始まり、電子メール、投稿プラットフォームと変遷するさま、不採用通知の文面からどのあたりまで進めたかがわかるようになったとか、大変興味深かったです。
英語で創作をしようとする人は、短いものを書き上げるところから始めるのがいいかと思いますが、オガワさんは、「英文法は大事、高校三年生程度の英文法でいいので文法を理解すること、おろそかにしてはいけない」と言っていました。英語文芸は正しい文法でないと読んでもらえないし評価もされないけれど、それは英語が第一言語の人もそうでない人も同じ……。厳しいけれど公平でもあります。

チェルシーとくらりさん

(画像はくらりさんとチェルシーのバタースカッチ。チェルシーはオガワさんへの差し入れ)

いろいろな幽霊

ケヴィン・ブロックマイヤー『いろいろな幽霊』表紙

解説を書いたケヴィン・ブロックマイヤー『いろいろな幽霊』(市田泉訳、東京創元社 海外文学セレクション)の見本をいただいた。四月十九日発売予定。
素敵なカバーのイラストは原書と同じものでアーティストは Kelly Blair。
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Kappo 仙台闊歩 vol.129

『Kappo 仙台闊歩』vol.129(プレスアート)をご恵送いただいた。ありがとうございます。
特集「そこにカフェがある理由」、第七回仙台短編文学賞大賞受賞作の千葉雅代「川町」とプレスアート賞受賞作の水戸洋子「S市の謎」掲載。
kappo.machico.mu

被災学 vol.1

『震災学』がリニューアルした『被災学』vol.1(東北学院大学発行、荒蝦夷発売)をご恵送いただいた。ありがとうございます。

被災とは何か――。被災から何を読み取り、未来に向けて何を学ぶべきか――。
〈被災〉について考え、私たち自身の〈生〉を考える雑誌です。

第七回仙台短編文学賞受賞作の選評と、東北学院大学賞受賞作の浅井楓「擬態」仙台市長賞受賞作の湯谷良平「ポリエステル伝導」、河北新報社賞受賞作の郭基煥「声の場所」が掲載されている。
(例年河北新報賞は『河北新報』に掲載されるのだが、郭基煥氏は東北学院大学教授でもあり、「声の場所」の主人公が関東大震災に被災した東北学院に籍をおく朝鮮人学生でもあるため、本誌にも掲載するとのこと。古い河北新報に、仙台に向かった息子から連絡がない、九月一日は東京にいたはず……と朝鮮半島から親が探しに来たという記事を見つけたのが執筆のきっかけだそうだ。震災の恐ろしさと人間の愚かさ、生きることの苦しみ、優しさが誠実に詰まっていた)

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