やくもとうずしおをがっつりと

ほぼ毎日19時更新。「映画鑑賞感想」は配信やDVDなど自宅で見た映画、『映画「タイトル」感想』は映画館で観た映画の感想です。稀に旅日記をやっています。

映画「ハンテッド 狩られる夜」鑑賞感想

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2024年3月日本公開

監督:フランク・カルフン

オリジナル脚本:ダビ・R・ロサダ、ルベン・アビラ・カルボ

脚本:グレン・フライヤー、フランク・カルフン

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あらすじ:深夜の長距離ドライブで立ち寄ったガソリンスタンド、運転手の彼に頼まれたものを買おうとしたが、店の外から狙撃されて重傷を負った。異変に気付いた彼が店内に入った瞬間頭を撃ち抜かれてしまった。店内には店員の遺体、そしてトランシーバーがあり、そこから狙撃手の声が聴こえてきた。生きる方法を探るが、果たして。

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 神はいない。

 面白かったです。店内に入ってきた夜勤男の場面が特に最高でした。ドキドキがたまりませんでした。そのドキドキが最後まで持続したかというと、ちょっと足りないというのは正直なところです。ただ、それもちょっと足りない程度ですからね。

 95分という上映時間ですが、監督は短くするための努力をしているそうです。ここに神がいました。100分を切ると本当にすばらしいですね。神ですね。

 犯人がしゃべりすぎるという批判が多い本作ですが、しゃべる内容と本作の帰結がつながるのでおしゃべりは必然でした。犯人の言っていることに同情の余地はないとは言えないけどだいぶ同情できないし、社会への怒りを無関係の人々にぶつけているのも質が悪いやつです。遠距離からの狙撃なので、犯人の言っているように安全なネットの世界で文句を垂れるやつと同じです。

 狙撃されるアリスにも悪いところはあるのですが、他人に迷惑をかけるような悪事ではありません。他人に迷惑をかける悪事だったとしても狙撃していいわけないし、ネットで誹謗中傷していいものではありません。

 トランプ支持派やら反ワクやらの連中は無関係の人物を殺す狙撃手と同じというわけでございますよ。おーこわ。

映画「劇場版名探偵ホームズ」鑑賞感想

 ・・・宮﨑駿が手がけた劇場アニメ「名探偵ホームズ」のデジタルリマスター版が全国で順次上映された。劇場版は、84年に風の谷のナウシカとの同時上映として公開された第1作「青い紅玉の巻/海底の財宝の巻」はテレビシリーズ放送以前だったため声優がテレビ放送時と異なる。86年に天空の城ラピュタと同時上映された第2作「ミセス・ハドソン人質事件の巻/ドーバー海峡の大空中戦!の巻」はテレビシリーズとほぼ同じ内容であり、声優も同じだ。脚本として片淵須直や作画監督美術監督近藤喜文や山本二三などが参加している。・・・

 とのことでございます。(映画.comより一部抜粋)

 テレビシリーズ全26話から4話分がこの度公開されました。40周年記念です。

 当時、めちゃくちゃ好きでした。青い紅玉の巻は記憶にないのですが、他3本は記憶がよみがえりました。ドーバー海峡の大空中戦はワトソンのセリフ「ほんと」なども覚えていました。40周年ということは、私が見ていたのは本放送ではなく再放送だったわけですよ。上映が終わって、明るくなった劇場内で「なつかしい」の声が聞かれました。

 いやー、懐かしいです。

 名探偵ホームズにも宮﨑駿が参加していたのですね。存じ上げませんでした。そもそも名探偵ホームズが上映されていることにも気づきませんでした。現在絶賛上映中の名探偵コナンのタイトルに埋もれていましたよ。

 音楽に羽田健太郎の名前がありますね。私の中では西部警察の方です。別件ですが、wikipediaを読んで驚いたのはイタリアの国営放送から依頼を受けて作られたアニメだったということです。そうなの!?

 青い紅玉の巻と海底の財宝の巻は今回の上映ではオープニングがありません。当時もなかったということでしょう。エンディングの最後には、「コナン・ドイルとは無関係である」という文がありました。ホームズという名を冠しておきながら無関係というのは無理がありますよね。一番の衝撃は、この2本でのモリアーティ教授がモロアッチ教授という名前になっていたことです。

 後半の2本、ミセス・ハドソン人質事件の巻とドーバー海峡の大空中戦!の巻はオープニングもありました。

 よく動くアニメーションです。ワクワクが止まりませんね。

映画「貴公子」鑑賞感想

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2024年4月日本公開

監督、脚本:パク・フンジョン

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あらすじ:コピノという差別的な呼び方をされている韓国とフィリピンの混血児、そのひとりであるマルコはフィリピンで地下格闘をしながら日銭を稼いでいた。病気で伏せっている母を救うために父を探していたが、ある日、父のほうから会いたいと連絡が来た。突然韓国へ飛ぶことになったのだが、その途上で奇妙な男と出くわす。笑みを浮かべながらおかしなことを言う彼に不信感を抱きつつ、到着した韓国でも彼に会った。だが、再び現れた彼はマルコの周囲の人間を次々と殺害していく。恐怖したマルコは咄嗟に逃げるのだが、執拗に追いかけてきた。果たしてマルコの運命は。

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 面白かったです。

 何を言ってもネタバレになりますが、追いかけてくる男はプロの殺し屋です。ただ、殺し屋にはどうやら重大な弱点があるようで。そういったところも含めて設定が面白いですし、逃げるマルコもボクサーだから簡単に捕まることもありませんし、最後までワクワクしました。雑な描写は多いので決して名作ではないけれど面白い映画です。

 愉快痛快です。出てくる奴らがどいつもこいつも悪党です。悪党どもにはヒトの心なんかありゃしません。そんでもって悪党には悪をぶつけるといった感じです。

 悪対悪に翻弄されるマルコ、そして、本作の着地はなかなかの宙返りでした。

 スタッフロール途中にもおまけがありますのですぐに鑑賞をやめようとしないでください。どうやら続編がありそうです。犯罪都市シリーズのような2作目、3作目を期待していいですか。