M-1

今年は今までで一番面白かったと思いました。というのも、大阪吉本のメンツばかりだったから、ネタも濃厚で粘っこくてどちらかというと関西向けだったからかも知れません。関東の人はどうだったんだろう。

笑い飯
「最初のチェンジアップはただのスローボールや」とは紳助が言ってましたが、確かに一番目に持ってくる漫才師ではないですね。それに他の漫才コンクールでもそうですが、一番目に漫才するコンビは勝てないというジンクスもありますから、やっぱりこのコンビは力はあるけど運はないなと思いました。でもこのネタは違う番組でも一度見たんですけど、これを選んだのは良かったと思います。「なくせ」って何だよ。というか、一つ一つは実は大したこと言ってなかったりするけど、ハイテンポで観客に考える暇も与えず、更にその中でいきなり飛躍させたすごいボケを挟んでくる事があるから、その後ちょっと落としても勢いで笑ってしまう、空気で笑ってしまうという、それも二人でボケ合うからそれも成立することであって、そう考えてみるとこれは凄いことです。でもこれほど理屈に合ったことを、何で今まで誰もやらなかったんだろう。

1番目ということもあって多少の力押し。最後の方に見ると逆に疲れたかも知れません。


・アジアン
初の女性コンビですか。大阪では人気があるみたいですが、俺はなかなか好きになれません。というか女性漫才コンビのすべからくがそう。いくよくるよ、ハイヒール、海原やすよともこその他諸々。考えてみるとほとんど笑った事がない。女性の笑いは面白くないという何かしらの先入観があることも否定はしませんが、そもそもああいうお笑い独特の濃密さを女性が身に纏うこと自体に何かしらの違和感を覚えます。で、話を戻しますが、アジアンって前から見てるんですが、何で太ってる方はいじらないのか。ツッコミの顔をいじってもツッコミしか返ってこないんだから・・と何となく勿体無さ、じれったい気持ちになります。そうすることが正解かどうかは果たして分かりませんが、何となくお互いもうちょっとフェアでもええんちゃう?とは思います。

来年どうなるのかしら。


南海キャンディーズ
今年はめちゃめちゃ面白いネタを見たことがなかったので厳しいかなと思ってました。バラエティの見すぎで慣れたとかそういう観客に委ねる問題ではない気がします。それを言うなら笑い飯も十分慣れましたから。そうやって見てみると、やっぱり負けるコンビっていうのは端からテンポがおかしいですね。何か気持ちよく進んでくれないというか、自分の中にあるメトロノーム通りに事が運ばない。そうなると疑問を抱いてしまって起きるべき笑いも起きなくなってしまう。難しい。

来年の方が期待できそうな気がします。逆襲に燃える芸人はなりふり構わずだから怖いんです。


チュートリアル
以前のこのコンビは、まずツッコミの福田が顔しか横に向かないという何とも動きの悪い下手なツッコミに目が奪われて、結果ボケにあまり集中して耳が傾けられないというイメージでした。でも何となく最近は動きを付けれるようになったのか、今回も割とすんなり俺も入っていくことが出来ました。やっぱりツッコミは、言わされてるんじゃなくて、自分から先導してツッコミ入れてると思わせないことには何も始まりません。

バーベキューネタも初めて見ましたが好きです。ただ、徳井のボケ方が松本とかぶって仕方ありません。初めて見た時からそれは拭えません。


ブラックマヨネーズ
全く予想すらしてませんでした。そもそも今年一年ネタも見てませんでした。何となくどうでもいい存在でした。だから今回観たときはこんなに面白かったっけ?とちょっと吃驚しました。ただ、ここまで来てもまだ優勝するとは思ってませんでしたが、それはまぁ感性の問題でしょう。「上本町から難波まで」は大阪人はもちろん大笑いですけど、多分このネタは他の地方でもウケてると思います。観客は頭で理解してなくても、その場に立つ以上は普通のことは言わないだろうという感覚上の認識の中で笑ってるはずだから。それまでの話の持って行き方、力の見せ方、それとM-1という空気がそうさせた筈。

それにしてもあの顔は見れば見るほどだなあ。キッツイなあ。



ちょっと疲れたので、また後ほどその気になれば書きます。

一旦思ってることを頭からどっと吐き出すと、しばらく何も出てこなくなることがしばしば。それは次に繋がるものが見出せいからか、それともある一定の基準まで溜まらないと一気に放出できないからか、発想を生産する脳のスタミナがないからか。とにかくこの斑気を何とかしたい。継続は力なり。全くもってその通りです。

今更ではある話かも知れないですけれど、大喜利でよくある「写真で一言」で使用している写真は、大体が有名所から引っ張ってきた写真なんですよね。これってつまり、良い写真が良いボケを生み出すことに通じると思うんです。ボケが優れてても写真がよくないとダメだし、その逆も当然のこと。たとえその写真の中に人や動物が居なくてもその写真自体が非常に優れたものであると、その空間にあるものからだけでもボケる側はなんらかの発想を得る事が、確信に近く可能だと思います(ただし、写真が芸術である以上、相性というのも必ず存在しますが)。面白い発想を得るには、まずは優れた環境に身を置く事から始めるのが最上なのかも知れません。実に当たり前の事言ってますけど。

褒められて勢いが点くのは自分に対する自信の欠如の表れではあるけど、そういう人間は褒められれば褒められるほど表現を自由に解放する事が出来て、尚且つ更に褒められようと尽くすなら、これほど強い人間はない。そしてそういったタイプの人間は、決して人を切り捨ててはいけない。人を通じて今の自分が居るということを中心に据えて置くことが肝腎。

言葉は知れば知るほど何かに対する表現方法が多岐に拡がり、しかしそれを感情的に使いこなすではなくあくまで論理的に使いこなすことが出来れば面白いと思う。感情先行で使ってしまうとそれは気持ちはいいものではあるけど決してそれは自分だけの快楽であるから他人にどう思われているか分からない。それは人から所謂無神経だと言われたりする所以になったりすると俺は思う。つまり言葉に自分が左右されるんではなくてこっちから弄べるぐらいの無邪気さであったり論理的に加虐嗜好であってもいいぐらい。何が言いたいのか上手くまとまらないけど言葉一つ一つは多く覚えていて損はないし、何かを表現したいと思うなら言葉は絶対手段であることは間違いない。人間は最初に火を使った事よりも言葉をあみ出した事の方が凄いと思う。

欲しい。金が欲しい。発想が欲しい。判断が欲しい。表現が欲しい。筋が欲しい。瞬発が欲しい。冷静が欲しい。胆が欲しい。忍耐が欲しい。語彙が欲しい。聡明が欲しい。寛大が欲しい。欲しい。足りないものが欲しい。来年23歳。1つでも欲しい。出来ると思い込める力が欲しい。