「元ジャリズムまつり」＠ルミネtheよしもと
1998年、ジャリズム解散。今田耕司がその年の重大ニュースとして挙げるほどの衝撃であった。ちなみに原因は山下しげのりが「吉本の社員になって若い奴らの面倒を見る」と妄想したことがきっかけであった。
その後、渡辺鐘は構成作家となり、何本もの番組を抱える売れっ子作家となりベンツを乗り回す。また、単独ライブや千原兄弟とのユニットなども行うという精力的な活動を見せる。
それに対して山下しげのりはピン芸人として活動。ルミネでは主に新喜劇に登場。現在の正式な芸名は、松本人志命名による「鼻油千右衛門時定 〜後の〜」である。また、友野英俊と「ガリッパナ」を結成したりもした。しかしお世辞にも“売れた”とは言えなかった。そのことは、このライブに送られた花輪のほとんどが渡辺鐘宛てであり、山下しげのりのみに対して送られたのは東京ＭＸＴＶの「５時の魔法使い」からのみであったことが物語っている。
そんな二人が「元ジャリズム」としてライブを行う。チケットは即日で売り切れ。話によると販売開始して５分ほどで完売したという。そのことが物語るとおり、立ち見も多数。約６００人の客をルミネいっぱいに詰め込んだ。ルミネの外には「チケットを譲って下さい」というボードを持った女性ファンも現れるほどであった。
このライブがどういう物か、そして今後どうなるかは全くわからなかった。ゲストも秘密。ただ、雑誌などに「元ジャリズム」としてインタビューを受けて意気込みを語っていることもあり、もしかしたら再びコンビ活動を再開するのかもしれない、と心の中で思っていたことは事実である。
と真面目っぽい前置きはこのあたりにして。何とか上野のＡＢＡＢのぴあで取ったチケットを持って、友人と一緒に参戦しました。満員の観客が拍手をする中暗転。
- オープニング
進軍ラッパが鳴り響く中、兵隊姿の二人が敬礼。「恥ずかしながら帰って参りました！」と横井昭一ギミックを。この時点で、二人が並んで立っていることに会場のボルテージがいきなり上がるのがわかった。
- コント「オペラ歌手」
道路工事の警備員をしている山下のところにやってきた謎のオペラ歌手。実はその正体は…
いきなりの新作コント！相変わらずの言葉のセンスだなぁ、と感服。そして山下のツッコミが生きるなぁ、と感心したり。ドーミーソードー！
コントとコントの間のブリッジは「すんげー！Best10」や「ＰＵＳＨ！」といった懐かしい映像が。合わせ技漫才やらテントやらの映像がー。
- コント「かわいい弁護士」
弁護士の杜撰な弁護により冤罪のまま獄中死した父親の無念を晴らすために、山下が弁護士と話をしようとするけれどもその弁護士がちょっとアレな人で…
渡辺得意の気持ち悪くてかわいらしいキャラが炸裂！キティちゃんやら王蟲やら、不謹慎さと紙一重の笑い。途中山下がネタを飛ばすシーンがあったり。後で「１３年やってネタ忘れるなんて初めてや…」と。
- コント「ママはアスリート」
学生の山下の父親が突然再婚、その相手はロシアの砲丸投げ選手（オリンピック３連覇）で…
普通のコントかな、と思いきや実はお昼のドラマ仕立てのコント。わざわざチープなオープニング映像まで用意してあったり。もうバカバカしさ満載。
- 重大発表
再び進軍ラッパが鳴り響き、兵隊姿の二人が。渡辺が敬礼しながら「３本ほどコントを見てもらいましたが、これからまた、こんな風に続けていって良いでしょうか！」と。観客からはもう割れんばかりの大拍手！床を踏み鳴らすひとも、歓声を上げる人。正直自分も涙が出そうになりました。おそらく、このイベントに来たほとんどの人が期待していたこと、それを本当に実現したことはすごいことで。本当に、歴史的なところに立ち会えたのではないかと…。
- コーナー「先輩に聞こう」
ここからはコーナー。一度は解散してしまったという過去（ｗを踏まえて、どうすれば上手く行くかと言うことを先輩に聞いてみようというコーナー。
ゲストに来たのは、雨上がり決死隊！宮迫ですも付いてきた。
一つ目の相談は「ギャグがほしい」。以前に渡辺が作ったギャグは２つで、「興奮してきた！」と「ガッカリ」というなんとも言い様がない物。そんな中「宮迫です」はどのように生まれたか、など。また蛍原の「平等にしてよ〜」という謎のギャグなども。
二つ目の相談は「実家が貧乏じゃないけどいいんですか」。ジャリの二人はどちらも普通の家庭育ち。それに対して雨は、父親手作りの蛍原家の話や、よく話に上がる宮迫妹の話など。宮迫妹の今の理想の結婚相手は魔神英雄伝ワタルらしい…
最後の質問は「アニソン好きはダメですか」。宮迫・渡辺はアニメ・アニソンが好きだが蛍原は全く興味を持っていないと。北斗の拳もほとんどしらないらしい。そして、アニソンを歌おうじゃないかという流れに。宮迫は「摩訶不思議アドベンチャー！」、渡辺は「マジンガーＺ」を歌う。そしてマジンガーの歌を歌い終わった後、モノマネ歌合戦のようにまた曲がかかり、もしかして…と思ったら何と水木一郎登場！正直こんなところで見るとは思わなかった！そして何のために出て来たのか意味がわからない！おそらく洒落で出てくれって言ったら本当にＯＫが来たんだろうなぁ…
- コーナー「同期さんいらっしゃーい」
ジャリズムの同期を呼んで、二人の印象についてのトーク。ゲストで来たのはメッセンジャーと水玉れっぷう隊！後藤秀樹単独ライブのような顔合わせ。ちなみにメッセ黒田は仕事が詰まっていて９時前にはルミネを出なくては行けないという突貫スケジュール。
黒田は「渡辺→無茶苦茶しよる、山下→」会原は「渡辺→思い通りの人生、山下→ダメ親父」ケンは「渡辺→お好み焼き、山下→」アキは「渡辺→鈍くさい、山下→」。山下イメージはほとんど忘れちゃってます。というのもどれも「人間性がヒドイ」という共通した話ばかり。渡辺エピソードは、メッセ黒田のマウンテンバイクを川に沈めたとか、メガネを天ぷらにしたとか、ガラスにぶつかったりとか。
- コーナー「キャラウォーズ」
コーナー前のブリッジが、スクールウォーズの映像を使ったもの。渡辺鐘はキャラ・個性・芸名が欲しいという…。そこで、渡辺が考えてきたキャラクターを実践することに。山下が無理、と感じたらギブアップもあり。キャラ説明の時の音楽が清家千晶の「スミレ」でワロタ。
- １・芸名「ステキ Fallin' Love」
- 新しい笑いのパターンを産むこのキャラ、自転車で舞台に颯爽と登場。トークはオチのない話をするだけ！結局途中でギブアップ。
- ２・芸名「静千代ちゃん」
- ミステリアスだけどちょっとシャイな静千代ちゃん、顔面がほぼ包帯で覆われています。かなり殺人に興味があるようで、「べっぴんさん、べっぴんさん、一人殺してべっぴんさん」とかのミステリアスな感じ。かなり面白かったけれどもさすがに恐ろしいと言うことでギブアップ。
- ３・芸名「横山ムック」
- 子どもに人気の愛らしいルックス…というより赤い布をかぶったというか。目玉垂れ下がっているし。しかも話は全部下ネタ！ロード・オブ・ザ・リングのオチはソープランドに行って一発抜いて指輪をソープ嬢に渡す話しだそうな。さすがにアレなのでギブアップ。
- ４・芸名「フリーウェイ・シンフォニー」
- リュック・ベッソンもビックリの未来型芸人、というか完全に物体！ラジコンの上に角柱があって、その上に渡辺の顔写真が貼ってある立方体が…。出た瞬間にギブアップ（ｗちなみに中にはペッツが山のように入っています。
と、結局どれもよくない結果に。ただ、渡辺は本気でキャラ・芸名変更を考えていたようで、そのことを言うと客席から「え〜？！」の声。渡辺「そんならひどい名前にしたろうかな。…『カウパーin the sky』とか」。
- エンディング
渡辺はカウパーin the sky気味で登場。変な感じのメガネを、エンディングに出る前に元誉の遠藤敬に「これかけろって！」的な感じに渡されたそうな。エンディングには全員が出て来て告知など。幕が締まるときには渡辺だけが胴上げをされてました（ｗ
というわけで最初で最後の元ジャリズムまつり。終わったのは２１時４５分。大幅に時間オーバー、でもその分だけ幸せになれた。まだ二人とも本格始動ではない感じ。山下はネタ飛ばしてたし、渡辺は何度か言葉に詰まったり噛んだりするシーンが多かった。でも、そう言う問題もこれからまたジャリズムとして活動していけば解消されることなんでしょう。
この再結成で何気にＭ−１出場条件も満たしていたりします。こんなに夢の広がるコンビはそうそういないですよ。他の若手も危機感を持てばこれ幸い。
兎に角、本当に貴重な瞬間に立ち会えたことがとても幸せです。
八木ちゃんの怪獣大図鑑
関西ローカルの「陣内・ケンコバ４５ラジオ」の１コーナー。お笑いコンビ「サバンナ」のツッコミ・天然担当の八木真澄、彼の趣味である「オリジナル怪獣大図鑑作り」。その中から怪獣を紹介し、その名前を当てるというコーナー。昨年のオールザッツ漫才で騒然となったアレですが、いやはや凄い。面白すぎる。http://mbs1179.com/45/yagi/
で見られます。今週のはまず怪獣じゃないし。道具だし。
