花粉症ガール外伝・コンパーニュ記

会話リプレイ形式の「精霊少女や仲間たちの趣味雑談ブログ」。お題はTRPGを中心に特撮・怪獣ネタ成分が濃厚。現在は、ソード・ワールドのミストグレイヴ妄想リプレイ「魔神ハンター」を終了に向けつつ寄り道迷走気味。

ウォーハンマー・キャラメイク10(4版その4)

勇気が俺を呼んでいる

 

NOVA「それなりに長かったウォーハンマー・キャラメイク大会だったが、今回で終わらせなければいけなくなった」

晶華「ねえねえ、NOVAちゃん」

NOVA「何だ?」

晶華「これ、私たち年少組で作った嘆願書。せっかく作ったキャラクターで冒険の旅に出たいなって」

NOVA「晶華。お前は自分が何を言ってるのか分かっているのか? そんなこと有り得ないだろう?」

晶華「有り得ないって?」

NOVA「お前のカリーナと、リウ君のジンは初版。翔花のディアと、シロ君のグスタフは2版。ゲンさんのエリオンと、俺の今回完成予定のオッサムは4版。ゲームシステムが違うのに、いっしょに混ぜて遊べるわけがないだろう」

晶華「同じウォーハンマーなんだから、何とかなるって。%ダイスを振って、能力以下の出目を出せばいいんだから、細かいルールの違いはあっても、本質は変わりないでしょう? 無印ソード・ワールドと、2.0以降は世界まで違っているから無理なのは分かる。でも、ウォーハンマーは版が変わっても、同じオールドワールドのエンパイアが舞台である以上は、混ぜて遊ぶのも支障ない。私たちはソード・ワールド2.5のシステムで、2.0のシナリオをやって、いろいろ混ぜて遊んでいるんだから、できないことはないはず。違う?」

NOVA「説得力があるようで、ないな。お前の言い分は、クラシックD&Dと、AD&D2版と、D&D3版と、4版と、5版が同じD20を振るシステムだから、混ぜて遊べると言っているに等しい。D&Dに詳しい人間なら、そんなの無理と言うはずだ」

晶華「やりもしないで諦めるなんて、勇気が足りないと思わない?」

NOVA「そう、その勇気なんだ。勇気が俺を呼んでいるから、早く帰らないといけないんだ。昨日、スパロボDDにブレイバーンが時空転移でやって来たんだからな」

NOVA「大体、ドンブラ映画とゴジラのために、今週中にケリをつけないといけないのは最初からの予定どおりじゃないか。キャラメイクの後でオールドワールドへの冒険に出たら、いろいろな物を犠牲にしなければいけない。スケジュールを乱すような無理は言わないでくれ」

晶華「ううっ、NOVAちゃんの意地悪。クスン(涙目)」

NOVA「意地悪って言われてもなあ。ヒノキ姐さん、何とか言ってやって下さい」

ヒノキ「どうして、わらわに振る? ここはこう言ってやればいいではないか。『今は無理でも、時間を作って何とかする』と」

NOVA「そんな空約束は、迂闊にできませんよ。こっちがやりたいことならともかく、キャラ作りだけで終わる予定のお遊びに、それ以上の余分な時間を費やすほど酔狂な自分は……下手にいるだけに厄介だな。ウォーハンマーの初版と2版と4版を混ぜる遊びは、公式が絶対に推奨しないだろうし、たぶん他にやった人は誰もいない前代未聞、前後不覚のネタだ』って。まともなウォーハンマーファンなら誰もやらない、混沌に取り憑かれて狂気を発症したような企画案だって。そうすると、それを実践してみたらオンリーワンに輝けるのではないか、と悪魔の囁きが聞こえるのです」

ヒノキ「それは妄魔時王の誘惑じゃな。あるいは、ゴブスレ世界の覚知神。オンリーワンは間違いないかもしれぬが、輝くことはなかろうて。せいぜい、バカだなと軽くあしらわれて終わる程度かと」

NOVA「いやあ、TRPG業界ではバカって名誉称号の一つなんですよ。少なくとも、俺の師の一人である友野さんはそう語って(騙って)おりました」

バカバカRPGをかたる (Role&Roll Books)

ヒノキ「師の一人……って何人ぐらい師がいるんじゃ?」

NOVA「『我以外みな我が師』って言ったのは誰かなあ? 確か、作家の吉川英治氏が『宮本武蔵』に言わせた言葉だと記憶しますが、とにかく自分より優れた何かを持つ者からいろいろ学んで己を磨く糧にする心構えですな。まあ、向こうがこちらを弟子と思っていることはないと思いますが、友野さんもいろいろな人にいろいろと語って(騙って)おりますので、俺が数多い師の一人として崇め立ててもいいでしょう。さもないと、俺もここまでウォーハンマー好きにはなっていなかったかもしれませんし」

ヒノキ「まあ、日本でウォーハンマーの話題を出すには、友野リプレイも重要なガイドブックであることは間違いないか」

NOVA「で、そんな友野さんも、もしウォーハンマー初版と2版と4版を混ぜるのはどうか? と尋ねられたら、バカだなあ(笑)とおっしゃるはず。つまりは、褒め言葉です」

ヒノキ「おい(苦笑)」

NOVA「だから、ヒノキ姐さん、GMをお願いします」

ヒノキ「おいおい。どうして、わらわがそんなバカな企画に乗らないといけないのじゃ?」

NOVA「だって、俺はこれからキャラを完成させますからね。この中で、キャラを作っていないのはヒノキ姐さんのみ。だったら、ヒノキ姐さんがGMをしてくれると、6人のキャラを無駄なく使うことができるというもの。道理ですな」

ヒノキ「そんな、無理矢理な道理があってたまるか!」

NOVA「では、俺はハーフリングのオッサムを完成させますので。ブレイバーンが俺を呼んでいる」

ヒノキ「人の話をちゃんと聞けえ。身勝手に、面倒な役割を押し付けるなあ」

 

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ウォーハンマー・キャラメイク9(4版その3)

年少チームの前置き雑談

 

翔花「なかなかキャラクターが完成しないね」

晶華「NOVAちゃんがキャラ作りに専念しないで、マンガとか浮世絵とか嬉々として寄り道脱線蘊蓄に走ってるからよ」

シロ「おかげで、思いがけない勉強になる。こういうのを何て言ったか、ええと掘り出し物がどうこう……」

晶華「セレンディピティ?」

シロ「そう、それだ。TRPGのキャラ作りから、雑学知識が得られるなんて……」

ジュン「さすがは時空魔術師さまですぅ。古今東西の生き字引みたいな博学ぶりがお見事ですねぇ」

晶華「おかげで関係ない話に脈絡なく飛んで、追っかけたり、まとめたりするのも一苦労よ。とっ散らかり放題というか」

翔花「まあ、それがNOVAちゃんの良いところなんだから」

晶華「整理できないところが?」

翔花「発想力の広がり具合とか、いろいろ調べる好奇心とかじゃない?」

ジュン「ところで、時空魔術と言霊魔術の弟子のアッキーさんに質問がありますぅ」

晶華「何? 知っていることなら答えてあげる。知らないことなら、NOVAちゃんを召喚するわ」

シロ「というか、普通は魔術師が精霊を召喚したりするもんだろう? 何で、精霊娘が魔術師を召喚するんだ? 普通は逆だろう」

晶華「NOVAちゃんは普通じゃないからね。それより、質問は何?」

ジュン「リウのジン・スターチェイサーなんですけどぉ、オールドワールドって人間社会はドイツ語圏内なんですよねぇ。だったら、スターチェイサーは英語よりもドイツ語の方がいいのではぁ?」

晶華「まあ、そういう風にこだわるなら、ドイツ語で『星を追う者』って言葉を調べたらいいと思うわ。でも、フランス(ブレトニア)出身のムッシュー・クロワッサンなんて公式キャラもいたんだし、オールドワールドに英語が混じってもいいんじゃないかしら。元々はイギリス産のゲームなんだし、そもそもオールドワールドやエンパイアだって英語でしょ」

シロ「確かにそうだな。もしもドイツ語にこだわるなら、アルトヴェルトとか、カイゼルライヒと呼ぶべきだろうし」

翔花「シロちゃん、ドイツ語が分かるの?」

シロ「いや。今、ネットで調べた。スターチェイサーはドイツ語でシュテルンフォルガー(Sternvolger)かな?」

ジュン「すると、ジン・スターチェイサーと、ジン・シュテルンフォルガー、どっちがいいと思いますかぁ?」

晶華「ドイツ語の方が格式張っているというか、響きが重い感じね。英語の方が分かりやすくて軽妙感がある。自分のキャラに欲しいのが重厚感か、それともポップな感じなのかで選んだら? 実際にプレイするのに音の響きって大事よ」

ジュン「だったら、若者っぽくスターチェイサーで行きますぅ。元々、家名じゃなくて、個人の二つ名みたいなものだから、星追いにスターチェイサーってルビを振る感じなのでぇ。もしも、貴族みたいに家名を残すようになったら、シュテルンフォルガー家としますぅ」

晶華「英語のストライダーを、和名の馳夫(はせお)にするか、それとも同じ意味の古代語を王家の家名にしたテルコンタールにするかって感じね」

翔花「何の話?」

晶華「指輪物語。こちらを参照するといいわ」

ジュン「ついでに、ジンの出身地も2版の背景表で決めたいと思いますぅ。(コロコロ)0の5だと、ウィッセンランドの農村ですねぇ」

翔花「どこそれ?」

シロ「エンパイアの南東にある州だ。北西のノルドランドとは、真逆に位置するな」

晶華「エルフの出身地表は19でアルトドルフ市。つまり、エンパイアの首都生まれの私は都会人ってことで」

翔花「アキちゃん、ズルい。わたしのディアトルドは最果て山脈の田舎出身よ」

晶華「あ、これ、初版のルールブックに載ってたマップね」

翔花「あっ、カラザ=カラク(カラ・ザ・カラク)って、こんなところにあったんだ。キスレフ方面じゃなくて、エンパイア南のボーダー・プリンスの東の果て。わたしの届け屋ドワーフちゃんはロシアと関係なかったんだね」

シロ「2版のルールブックの地図では、分からなかったな。やっぱりエンパイアの外の国は、初版の方が詳しく描かれていたみたいだ」

翔花「ボーダー・プリンスって、現実世界ではどの辺になるのかな?」

シロ「西のティリア市国がイタリアだから、ボーダー・プリンスはギリシャとか東欧と黒海周辺のトルコ辺りだと思う。一つにまとまった国じゃなくて、各地に小国が分立した辺境地域だから、現実の国になぞらえるのが難しいかと。強いて言えば、東ローマのビザンツ帝国が1000年間持続することなく、あっさり滅亡した仮想世界の該当地域がボーダー・プリンスっぽい」

晶華「リアルの中世世界で考えるなら、エンパイアのモデルのドイツ人の神聖ローマ帝国と、キスレフのモデルのキエフ大公国が国境を接しているのも変だって話になると思うし、キリスト教会みたいな影響力を持った一神教教団が存在しないし(オールドワールドは多くのファンタジーRPG世界同様に多神教世界観)、リアル世界史と比べて、いろいろデフォルメ改変されているのよね」

翔花「いろいろややこしいけど、それなりのモデルはある。でも、細かい違いを言えば、いろいろと差異があるってことね」

ジュン「でも、ジンがエンパイア南東のウィッセンランド出身ってことは、届け屋さんの故郷の山とはご近所さんってことになりますよねぇ」

翔花「そっかあ。じゃあ、ジン君とディアトルドは知り合いってことにしましょう。いっしょに首都アルトドルフを目指さない?」

ジュン「遠い旅になるかもしれませんが、カヌーに乗って川を渡ると、いつかたどり着けるかもぉ」

翔花「そうして、届け屋ディアトルドと罠師ジンはアルトドルフに到着したのです。続きの話は、アキちゃん、GMをして」

晶華「どうして私が? NOVAちゃんに頼みなさいよ〜」

翔花「頼めば引き受けてくれるかな?」

シロ「いざとなれば、アリナ様に頼むという手もある」

晶華「そうね。ここにいる4人で嘆願状を出しましょう。でも、まずはゲンさんとNOVAちゃんのキャラが完成するのを待たないとね」

 

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ウォーハンマー・キャラメイク8(4版その2)

キャラ作り休憩前置き

 

ヒノキ「前回は、種族とキャリアが決まったのじゃが、かたやゲンブは『人間の兵士』というこれ以上ないほどの地味キャラに比べて、対する新兄さんは『ハーフリングのマンガ家』という色物ネタキャラを作り出してみせた」

ゲンブ「いやあ、さすがは新星どの。中世ヨーロッパ風のオールドワールドで、マンガ家を出して来るとは思いも寄らず。そもそも、ファンタジーRPGにマンガ家なる職業が存在するとは前代未聞。この発想力には感服仕った」

NOVA「たまたま偶然だがな。芸術家(アーティスト)がダイスで出て、キャリアの紹介イラストは普通に画家なんだ。でも、芸術スキルはいろいろとあって、前にソード・ワールドで小説家の魔法使いを作ったこともあったから、今回も小説家は作れないかな、と説明文を読んでいたら、筆記業も芸術家にはなる。小説家や劇作家は古代からいるのは分かっているので、物語作家はありだと思ったが(俺個人の夢でもあったし、なりたい自分になるのがTRPGの醍醐味でもあるからな)、ただ小説家キャラは二番煎じなので、もう少しひねろうと考えた結果がマンガ家だ」

ヒノキ「しかし、ファンタジー世界にマンガ家を登場させるのは違和感ではないか?」

NOVA「自分でもそう思ったから、奇抜な発想に説得力を与えようと、持てる知識と、改めて調べたマンガの歴史を総動員した。まあ、1コママンガによる風刺画をマンガの始祖(広い意味で)と位置づける言説とか、紙ではなく壁画や土器などに刻まれた絵にもマンガに通じる絵物語があって古代からマンガの原型はあったという説、それを言うなら平安時代末期の『源氏物語絵巻』などの絵巻物も日本のマンガの源流と言えなくもないなど、いろいろだな」

ゲンブ「現代マンガ(コマやフキダシ、擬音つき)と形式は異なるが、絵でストーリーを表現したという意味では広義のマンガの一種でござるな」

NOVA「あと、小学校の国語の教科書にこういう説明文があったからな」

NOVA「最近の国語の教科書は、文章だけでなく情報社会に合わせたメディアミックス的な論述も時々見られて興味深いんだが(子どもに情報リテラシーやコミュニケーション上の注意を喚起するような説明文とか)、以前も『まんがの方法』という説明文が小5の教科書にあって、そういう時代なんだな〜と思いながら内心嬉々として授業したこともあるわけで(ゼロ年代の雇われ塾講師時代)」

ヒノキ「ウォーハンマーの世界には活版印刷がある。ならば、印刷されたマンガがあってもいいという説得力は十分ということか」

NOVA「日本の浮世絵師、葛飾北斎もこういうのを遺しているからな」

NOVA「日本では、北斎といえば『富嶽三十六景』の風景画が有名なんだが、海外では『北斎漫画』も高く評価されていて、海外で評価されて初めて、日本人が自国の文化の意義を理解するという類例の一つだ。どうも、日本という国は自文化への謙遜が過ぎるというか、ガラパゴスと称して周りの国に遅れてるなんて思いがちで、『ガラパゴス=他にない独自性、特別天然記念物みたいな希少性』という評価にはなりにくい。

「そのくせに、日本人はオリジナリティがないなどという自虐的な言説を主張する者もいるけど、オリジナリティがないのではなく、オリジナリティの発芽があっても、それを潰そうとする同調圧力が強い国なんだよな。だから尖った先鋭性を惜しむことなく摘むんだけど、海外の芸術家や文化人の方がその尖った可能性を見出しては高く評価するわけで」

ゲンブ「しかし、海外の文化人が日本文化を批判することもあるのでは?」

NOVA「そりゃあるさ。持ち上げる者もいれば、酷評する者もいる。言論界において、どちらか片方の言説しかないということはないだろうから、いろいろな言説がある中で、紹介者が自分の主張に噛み合うものだけを意識的にせよ、無意識にせよ選別して、『外国人はこう言ってる』と自説の補強材料に使っているんだ。

「まあ、実際のところは、褒めている者もいれば、貶す者もいるわけだが、面白いのは『褒めている者の外国の友人は、友達の国の文化を褒めてくれる良い人』が多くて、『貶している者の外国の友人は、友達の国の文化の悪口を面と向かって言いまくる、それって本当に友達なのか?』って傾向になりやすいってことだな。『外国人はこう言ってる』って悪口をばらまく人間は、その文化に所属している自分が友人(実在しているかどうかは知らんが)からバカにされていると公言しているに等しいと俺は思うね」

ヒノキ「そういう人間は、自分には外国の知人がいっぱいいて、広いコミュニティーに属していると示したいのじゃろうが、そのコミュニティーで自国の悪口を言われまくって、さぞ鬱屈した生活をしているのじゃろうな」

NOVA「社交辞令で褒めることは普通に文化人としての振る舞いだが、彼(彼女)のコミュニティーではそういう社交辞令も持たない、歯に絹着せぬ無作法な輩が多いらしいということかな。それはともかく、北斎はエロイラスト(春画)の大家でもあるので、そういうジャンルも芸術の国フランスで大人気という事実もあって、人体の美を芸術として高く評価するのはルネサンス以来のヨーロピアン・ヒューマニズムの特徴でもある(近年では、諸事情で排他的傾向が高まっているとも聞くが)」

 

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ウォーハンマー・キャラメイク7(4版その1)

改めてキャラメイク開始

 

ヒノキ「前回は、新兄さんの寄り道脱線話で、『今のフィクションでは日常的な背景と、冒険や事件解決のための役回りの複層構造が大事』だと結論づけられた」

晶華「私はメガネシルバーとして、弥生ちゃんの出ているキョウリュウジャーを応援する」

翔花「わたしは桃井タロウ様に忠誠を誓っているから、ドンブラザーズを応援する」

Wショーカ『だから、このキャラメイクは来週までに終わらせないといけない!』

ヒノキ「まあ、わらわはTRPG好きな女の子じゃから、こういう話は歓迎じゃが、さすがに新兄さんの寄り道脱線に付いて行くのは疲れるのう」

晶華「こういうのが、我が家の日常茶飯事よ。時空魔術師にして、言霊魔術師だから、話がどこの時空に転がり込んで複雑な言葉の糸が紡がれるか知れなくて、こんがらがるの。もう慣れたけど」

翔花「脳みそが躁状態とかで変な方向に活性化すると、そうなりやすいって聞いたわ。だから、アシスタントガールの仕事は、話をうまくコントロールして、適度にツッコミ入れることね」

晶華「そう言うお姉ちゃんがボケて、余計に話をこんがらかすこともしょっちゅうだけどね。ボケ役が2人もいると、ツッコミが追いつかないこともしばしば」

翔花「大丈夫。わたしがボケると、NOVAちゃんが正気に戻って、ツッコミ役に回って軌道修正することもあるんだから、ボケる役も大事ってことね」

ヒノキ「……まあいい。後はゲンブに新兄さんの相手を任せて、わらわたちは観戦モードに移るとしよう」

シロ「新星さまのキャラメイク奥義をしっかり見て学習させてもらいましょう」

ジュニア「伝説の技をこの目で見ることができるのはワクワクものですぅ」

 

NOVA(何だか期待が重くてやりにくいな^^;)

ゲンブ「では、新星どの。ご教示よろしくお願い致す」

NOVA「俺も初めてのシステムなので、基本に則り、4版のキャラ作りを開始しよう」

 

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ウォーハンマー・キャラメイク6(4版準備編)

いよいよクライマックス……かな

 

NOVA「さて、2版のキャラメイクでは、北方の蛮族狂戦士(バーサーカー)を作った(ダイス目でできた)ヒノキ三獣士のビャッコことシロ君が、翔花のドワーフ届け屋ガールよりも面白くインパクトあるということで、勝利を収めたわけですな」

ヒノキ「これで、我がコンパーニュ・チームの1勝VS新兄さん父娘チームの1勝で、勝負の行方はいよいよ第3戦に委ねられることになったわけじゃが、勝った方はどんな恩典が与えられるのかの?」

NOVA「そうですな。このコンパーニュでは『続・マッスル太郎の魔神ハンター』リプレイが最終エピソード目前で止まっています。一方、我が空想妄想タイムでも『妖精女王ズ』リプレイが中途半端なところで止まっているので、『勝った方の記事を俺がキリのいいところまで優先して書く』ってことで、どうでしょうかね?」

晶華「つまり、NOVAちゃんがゲンブさんに勝てば、『妖精女王ズ』の続きが再開する?」

NOVA「まあ、翔花がシロ君にGMをお願いしたそうだからな。シロ君は『魔神ハンター』のプレイヤーだから、二足の草鞋を履くのは大変だが、どちらかを優先するということが決まれば、そっちに専念できるだろう」

ゲンブ「マッスルG太郎のプレイヤーとしては、負けられない理由ができたと思うが、対戦相手が新星どのである以上、審判役はどうするでござるか? アリナ様と新星どのの合議というわけにも行くまい」

NOVA「そうだな。ここは前の2戦の勝者である晶華とシロ君とヒノキ姐さんの合議制でいいんじゃないかな?」

晶華「ということは、『妖精女王ズ』を優先して欲しければ、私はNOVAちゃんに一票を投じればいいのね」

シロ「ボクは立場上、ゲンブを応援すべきだが……」

翔花「シロちゃん、お願い。わたしたちの味方になって」

シロ「うっ、それは悩む」

ヒノキ「シロがわらわたちを選ぶか、粉っちゃんを選ぶかはともかくとして、最終的な裁定はわらわが発言力を有する、でいいな。まあ、純粋に誰の目から見ても面白いキャラを作ればいいわけで。本当なら、これを読む読者にも投票権を与えるのも一興じゃが、そこまで意見を待ってもいられんのでな。もちろん、後からでもコメントで感想をもらえば、配慮はしたいところじゃが」

NOVA「ともあれ、ここから俺とゲンさんの4版キャラメイク対決なんですが、その前にここまでの総括をしておきたいと思います」

ヒノキ「今回は、準備編みたいなものじゃな」

 

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ウォーハンマー・キャラメイク5(2版その3)

友野リプレイの思い出

 

NOVA「キャラ作りは2版ですが、最近、初版のこれを読み直しているんです」

ヒノキ「うむ、それで?」

NOVA「改めて読み直すと、ドワーフのナイが初版のメイン翻訳家の高山浩さんかな、と思うんですが」

ヒノキ「確か、角川から出た文庫版ロードスRPGのデザイナーじゃったな」

NOVA「シンプルなルールのロードス島コンパニオンから、スキルがいっぱいの緻密なロードスRPGに発展したきっかけは、ウォーハンマーに影響されたという説が挙げられるわけですが、当時は水野さんがロードスから発展したクリスタニアのリプレイをメインに展開し、一方でロードスRPGのサポートはコンピューターゲーム版のシステムを担当していた高山さんがメインになって、90年代前半はSNEのRPGサポートが角川関連(角川のロードス、富士見のソード・ワールドメディアワークスクリスタニア)を中心に、ホビージャパンメガトラベラーや、アスキーウィザードリィRPGなど、非常に広がりを見せていたわけですな」

ヒノキ「しかし、TRPGの発展に反して、ゲームブックの方の売れ行きが悪化して、社会思想社が突然にFFシリーズやT&T、ウォーハンマーおよびサポート雑誌のウォーロック誌の展開を中止する決断を下したわけじゃな」

NOVA「ウォーロック誌は92年3月の63号で休刊。これで一番割を食ったのがウォーハンマー初版ですな。友野リプレイは幸い93年4月に連載分の完結編まで単行本で出版されたわけですが、出版予定だった混沌サプリメント『レルム・オブ・ケイオス』はリプレイ中に友野さんがいっぱい宣伝してましたし、高山さんも『ウォーハンマーがよくわかる本』を出版する予定があったにも関わらず、出版元の急な展開中断により出版されなかった。また、シナリオ集『内なる敵(エネミー・ウィズイン)キャンペーン』が全6巻のはずなのに、日本語で翻訳されたのは2巻止まりという不遇な形に」

ヒノキ「つまり、ウォーハンマー初版のサポート寿命は、たったの2年足らずということか」

NOVA「で、友野さんはリプレイ中に、オールドワールドの極東にあるニッポンを登場させ、『本国でニッポンサプリがまだ出ていないようなので、可能なら自分でサムライやニンジャを交えたオリジナルのニッポンガイドを作ってみたい』的なことを書いてあるのですが、実現しなかったその時の想いを後に『GURPSルナル』の続編のカルシファード編などで昇華したのかなあ、と今ごろ思ってみたり」

ヒノキ「友野氏と言えば、デビュー作がソード・ワールドのパロディ版『コクーン・ワールド』ということも失念しておらんか?」

NOVA「コクーン・ワールドの小説は91年に出版されていますから、ウォーハンマー・リプレイとほぼ同時並行ですな。元々はホビージャパン社のRPGマガジンに掲載されたソード・ワールドリプレイから発展した企画なんですが、作品の誕生経緯を知らない小説のみの若手読者は『ファイブリアはフォーセリアのパクリ』と言っちゃったりもするそうで」

ヒノキ「ソード・ワールドはSNE製作で、友野氏もSNEの社員であるから、自社の製品を使ってもパクリとは言えんのう」

NOVA「じっさいには、友野さんのソード・ワールド・リプレイが原典の枠に収まらない独自性を発揮したために、社長から『これはソード・ワールドではない、友野オリジナルの世界として展開した方がウケる』という判断で、本家のフォーセリアと違う地底世界コクーンと地上のファイブリアがユーモアパロディ世界として誕生した、と」

ヒノキ「おまけに、ソード・ワールド富士見書房なのに、コクーンの方は角川スニーカーから出ておるからのう」

NOVA「初出がホビージャパンで、ゲームが富士見で、小説が角川という、会社の枠を越えて展開した作品なんですな。当時(90年代)の業界は、D&Dの新和という一部孤立した会社を除くと、横のつながりが濃いというか、共にTRPG業界を盛り上げようという同胞意識、流動性の高さが特徴でした。ある会社の雑誌に、別の会社のゲームの広告が載ってあったり、RPGマガジンのM編集長がSNEに召喚されたり、とあるSNE社員が富士見書房に出向したり、人員の動きも活発だったりしたわけで」

ヒノキ「今もたまにあるじゃろう?」

NOVA「今の話ではありませんが、FEAR社のアリアンロッドのリプレイに、ソード・ワールドのリプレイ著者がキャラとして出演したり、ゼロ年代はFEARさんの方が業界の枠を越えた企画に熱心だったと思います。まあ、SNEが自社の出版ルートを持たず、安定した商品サポート(大手出版社の都合にかき乱されない立場)を模索していた時期があって、社会思想社からの打ち切りや、その後のTSR社の事情による文庫D&Dの展開終了(予定していたルールブック4と5の翻訳は完成していたのに)で痛い目を味わった経験から、ようやく自社のサポート誌にこぎ着けたのがGMマガジン(現GMウォーロック)でしたからな」

ヒノキ「GMマガジンは2017年夏からじゃったな」

NOVA「ソード・ワールド2.5の紹介はこの雑誌でしたな。その前の2.0はRole&Roll誌で、そちらはアークライト社から2003年6月出版でしたが」

ヒノキ「今のアークライトは新紀元社の子会社になっておるのか」

NOVA「この辺の会社の吸収合併とか統合で、サポートゲームの改訂版が出たり、展開が終了したり、雑誌の形式が変わったり、いろいろなドラマがあるわけですが、そのドサクサで打ち切られてしまうゲームが一番残念です。海外の翻訳ゲームだと、ウォーハンマー同様の悲劇を味わったのが、文庫D&Dであり、アースドーン

ヒノキ「それはまたマイナーなゲームを」

NOVA「シャドウランの過去という裏設定があった古代のファンタジーRPGで、その設定の一部(ホラーという敵の名前)が雨宮監督の牙狼シリーズにも影響を与えたということで、俺個人としては非常に重要な作品なんですな」

ヒノキ「ちょっと待て。話が二転三転しておる気がするが、友野氏の話ではないのか?」

NOVA「ええ、友野さん絡みですよ。あの人は、GMマガジンおよびウォーロックの重要な編集スタッフですし、アースドーンでは異界魔術師のキャラをプレイしていましたが(頭にドクロをかぶった怪しい呪術師で、そういうのが好きな御仁だったわけで)、そのキャラはリプレイに登場せずに(というかリプレイは発売されなかった)、企画のメインを務めた柘植めぐみさんの描いた小説のみにしか登場していないと記憶します」

ヒノキ「ずいぶん、詳しいではないか」

NOVA「ええ。俺はそのゲームの翻訳スタッフの1人でしたから。展開が打ち切られさえしなければ……(今さらながらの悔し涙)」

 

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ウォーハンマー・キャラメイク4(2版その2)

2版のキャラの背景

 

翔花「前回、わたしとシロちゃんは、ウォーハンマー2版でなかよくキャラ作りを始めました」

シロ「翔花は、まさかのドワーフになって、ボクは人間になったんだけど、年齢はまだ決めていないんだな」

翔花「2版は初版とちがって、年齢がキャラの技能数には関係しないので、決める必要がなかったんだけど」

シロ「一応、背景データをいろいろ決める表が用意されていて、身長、体重、髪の色、瞳の色、容貌の特徴、兄弟姉妹の数、星座、年齢、出身地、名前なんかをランダムに決められるようになってるんだな」

翔花「ドワーフの名前表をとりあえず振ってみます。(コロコロ)13は女性がアストリド、男性がディムザドって言うんだけど……」

シロ「アスト……リド? どこかで聞いたような響きだな」

翔花「何だかウルトロピカルっぽい名前なので、そのまま使うのは避けて、二つを混ぜてディアトリドにしました」

シロ「ディアトリドか。微妙にハイエルフっぽい名前になったな。いい感じだ」

翔花「ドワーフの女の子ディアトリド。略称はディアね。生まれ故郷は(コロコロ)最果て山脈のカラザ=カラクだって。どこなのか、さっぱり分からないんだけど」

シロ「2版ルールブックの地図によれば、最果て山脈はエンパイアの東の田舎だな。エンパイアはヨーロッパ中世の神聖ローマ帝国がモデルで、現在で言うところのドイツ周辺地域。そして、その北東にあるのがキスレヴって国なんだけど、そこがキエフ(現在のウクライナ首都キーウ)を首都にした当時のキエフ公国、後のモスクワ大公国がモデルなんだ」

翔花「それって、今のロシアってこと?」

シロ「ロシアとウクライナが敵国になるまでは、キスレヴは単純にロシアがモデルって言えば良かったんだ。そこの住人がコサッル族という蛮族戦士の集団だし(モデルは中世の同地の武装階級コサック)、コサッル族の土地を占拠した東方部族の貴族がツァーリを名乗ってキスレヴの支配者に収まったし、完全に中世のロシア史をなぞっているな」

翔花「それと、わたしのドワーフに何の関係が?」

シロ「最果て山脈はエンパイアの東からキスレヴに達するんだ。そして、そのさらに東は文明から外れた混沌勢力の支配下にあるそうで、要するにキスレヴと最果て山脈は文明と非文明の境界線を築き、混沌との戦いの最前線に位置づけられている地域の一つってことになる」

翔花「つまり、ディアトリドの出身地は戦場近くってことなのね」

シロ「現実のヨーロッパだと、最果て山脈はヨーロッパとアジアの境界線のウラル山脈になぞらえられるかも」

翔花「ディアトリドは、ロシア風味のドワーフってことね。あ、年齢は(コロコロ)55歳。人間換算だと23歳みたいだけど、(コロコロ)豚/牛飼育場で生まれたみたい。家畜農家のある集落かな」

シロ「どんどん決まっていくな」

翔花「髪の色は黒で、瞳の色は薄灰色。身長は4フィート3インチって、どれくらい?」

シロ「約1メートル28センチってところかな。現代日本の8歳児の平均身長っぽい」

翔花「ドワーフだから仕方ないわね。体重は……秘密。星座は……56を振ると、愛と魅力の踊り子座だって」

シロ「ナイスだ、翔花」

翔花「ホント、いい目を出したと思う。オールドワールドには、踊り子座なんてあるんだね。わたしたちの世界だと、乙女座みたいなものかな。わたし自身は牡羊座だけど」

シロ「ボクも3月21日生まれだから、同じ星座だな」

翔花「あれ、そうだったの? だったら、おめでとうを言わないといけなかったのに、ちっとも知らなかったや。今度から覚えておくね」

シロ「ありがとう。だったら、ボクの人間も決めるか。あ、性別は男だからな、念のため」

翔花「シロちゃんは、女だけどね」

シロ「体は女だけど、心は……って感じだな。それはとにかく……(サイコロを次々と振って)身長は5フィート11インチで約178センチ。髪の色はとうもろこし色で、瞳は淡褐色。年齢は29歳で、アラサーの大人だな。出身はノルドランドの繁栄した街。ノルドランドはエンパイアの北西部だな。北の鉤爪湾に面している。名前はグスタフになった。星座は……踵炎のヤギ座、拒まれた愛を象徴する……ってガーン(涙目)」

翔花「失恋しちゃったの?」

シロ「ボク……じゃなくてグスタフは……星座占いなんて……信じない」

翔花「別にルールブックの背景表は、絶対的なルールじゃないから。プレイヤーが自由に設定してもいいんだし、名前なんてそれこそオールドワールドの代表的な名前を載せてるだけってルールに書いてある」

シロ「とっさにNPCの名前を考えるときには便利だな。でも、自分でファンタジーっぽい名前を考えたければ、参考にはなるってことで」

翔花「グスタフかあ。調べると、こんなのが出てきたけど」

シロ「モビルスーツかよ。歴史人物だと、三十年戦争で活躍したスウェーデングスタフ・アドルフが有名で、グスタフって言葉にはスウェーデン語で『神の助け』って意味があるらしい」

翔花「日本人名だと、『神野太助』さんってところね」

シロ「わざわざ日本人名にする必要があるか?」

翔花「まあまあ、ちょっとした小ネタにマジツッコミしないで。それより、ディアトリドとグスタフのコンビがどんな職業につくか、ここからがデータ作りの本番よ」

シロ「いよいよ、キャリア決めだな」

 

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