初勝利
http://d.hatena.ne.jp/odgisan/20040811
「青天白日」のおぢさんがおっしゃっているのですが、日本女子サッカーがオリンピックで勝利したのは初めて。
というか、そもそも女子のサッカーがオリンピックの種目となったのは1996年アトランタ大会。
このときはドイツ、アメリカ、ノルウェーというとんでもない組に入れられ3戦全敗。シドニー五輪は予選(ワールドカップ)で敗退。
つまりは日本は2度目の出場にして初の勝ち点だったと言う事。
仮に92年バルセロナ大会以前に五輪種目であったとしても日本女子代表にとってそれらは「澤以前」の時代(澤の代表デビューが93年)もちろん、高倉麻子、野田朱美、山木理恵など素晴らしい選手はいたが残念ながらサッカーの質は低かった。(女子サッカー全体にいえることではあるが)
しかしまぁ、W杯にしても五輪にしても4年に一度という大会は経験をつむにはとてつもない時間がかかるのだなとあらためて思うわけです。一度チャンスを逃すと次に同じ状況になるまで何年かかるかわからない・・・
今回、既に一つの壁を破り、さらに高い壁を突き破る大きなチャンスが来たわけですから重ねがさねがんばってほしいなと・・・
レギュレーション確認
さて、このアテネ五輪女子サッカー種目は決勝トーナメントへの進出に関しては非常にゆるいレギュレーションとなっている。
なにせ10チーム中8チームが決勝トーナメントに進むのであるから、落ちるのはたった2チーム。
1)4チームあるG組は1位から3位、3チームのE組、F組の1位から2位、E,F組の3位の成績上位。
日本はE組だから2位までなら確定、3位でもF組の最下位より上回れば通過。F組は中国がドイツにいきなり0-8の敗退。つまり日本は次の試合で中国が大勝し、メキシコがドイツにさらに大勝するというありえない展開に加え、日本がナイジェリアに大敗しナイジェリアがスウェーデンに勝つというさらにありえない場合のみ予選敗退となる。
ということでベスト8は決定です。
が・・・問題は決勝トーナメント。その組み合わせは( )は予想される対戦相手
E組1位-G組3位(オーストラリア世界16位Orギリシャ世界53位)
E組2位-F組1位(ドイツ世界1位)
E組3位-G組1位(アメリカ世界2位)
なんと1位通過以外はお味噌じゃないですか・・・
まぁ予選で両チームが同組にいないからしょうがないわけですが、世界5位の中国を8-0で下すようなお化けとは決勝まで戦いたくありません。
で、実は1位抜けで勝利すると準決勝はE組2位(スウェーデン)-F組2位(中国)の勝者となるのです。
勝てる相手とはいえませんが、2強よりはよっぽどまし。これはなんとしても1位通過せねばというわけです。
ということで14日は日本の結果とともに、オーストラリアとギリシャの結果にも注目しましょう。ホームアドバンテージで勝ってくれ!ギリシャ!
女子サッカーの頂き
スウェーデンに勝ってしまった。正直、今回の五輪では決勝トーナメント進出どまりかと思っていた。
もちろん「なでしこJAPAN」の実力が足りないというわけではない。澤穂希の離脱、山本絵美の故障が痛く響くと思っていたからだ。
実際、澤の動きは良くなかったし、山本のいない左サイドは守備的な小林弥生が押し込まれ、再三のピンチを作ってしまっていた。
上田栄治監督は山本の役割を安藤梢に託し、相手右サイドの選手を押し下げようとしたがこれも失敗に終わっている。澤は後半存在を感じないほどに重い動きになり、守備に奔走して中盤のつなぎもままならなくなっている。
心配は的中していた。
しかし、それ以外の選手たちの成長は予想を大きく上回っていた。
山岸靖代の危なっかしくも見事なおしゃれディフェンスはことごとく成功し、磯崎浩美と下小鶴綾の連携は予選の頃が数年も前かのように円熟味を増していた。
川上直子の一人スルーパスは成功こそしなかったものの相手のラインを下げる効果を発揮し、フリーキックの際の相手ディフェンスの混乱を招いた。
中盤は、とにかくボールサイドに走り回り、プレスを切らせることなく動き回る。それでいて宮本ともみがゴール前にも顔を出す。明神かお前は・・・
小林のアクロバティックな右足アウトサイドでのスルーパスも素晴らしかった。
そして2トップ。荒川恵理子は突破突破突破!あそこまで徹底すればラインを上げづらい。
逆に裏を狙う大谷未央。結果的に流れからの得点は生まれなかったがこの2人のコンビはこの後も日本の中核になるだろう。
おそらくストッパーとして投入された丸山桂里奈は試合の流れに入り込んでしまった感じ。持ち味は出せないままだったがスウェーデンのディフェンス相手にあたり負けはしていないので次戦は問題ないだろう。
最後に投入された柳田美幸はチームを活性化させてはいたが、最後のシュートを打たせてしまったのが残念。
このチームはおそらく日本女子サッカー史上の頂点に位置すると思われる。その頂が何色のメダルなのか、それとも五輪の勝ち点で終わるのか。前者にするためには次戦が非常に重要となる。