鋼鉄の奥に
■アクトトレーラー
何も捨てることなく大切なものを守ること。
それは誰にできることだと言うのだろう。
私はとても弱く幼くちっぽけで。
ほんの小さな宝物のため、他の全てを捨て去った。
もう守られるばかりの子供ではいられないから。
優しかった母さんも、
強かった父さんも、
憧れていたあの人も、
二度と私を抱きしめてはくれないから、だから。
たとえこの先に破滅しか待っていなくとも。
たとえこの心が救われることはけして無くとも。
冷たい鋼鉄の体と共に、走り続ける道を私は選んだのだ。
けれど、この頃ふと思う。
ワタシハ、イッタイ、ナニヲマモロウトシテタンダッケ……?
トーキョーN◎VA The Detonation
「鋼鉄(はがね)の奥に」
――少女の小さなその腕に、運命の扉は重すぎて。
■ハンドアウト
●『フェイト』
シナリオコネ:沢木あゆみ 推奨スート:ハート(生命)
キャスト間コネ:『クグツ』
君には古い友人がいた。彼、沢木勇はイワサキに勤める研究者で、その娘であるあゆみも、君にとっては本当の娘か妹のような存在だった。
だが、2年前のある日、勇は事故死。あゆみとその弟妹たちも、遠方の親戚の元へと引き取られていったという。
そして今、君の元には差出人不明の奇妙な依頼がある。『もしも沢木あゆみを覚えているのならば、どうか彼女を救ってやって欲しい』――君の瞳の奥に、少女の儚げな微笑みがチラついた。
●『クグツ』
シナリオコネ:"ハヌマーン" 推奨スート:クラブ(感情)
キャスト間コネ:『イヌ』
それは屈辱の記憶だった。2年前、イワサキからひとりの研究者を企業亡命させようとした君は、"ハヌマーン"と呼ばれる老人に打ち倒され、目の前で護衛対象の命を奪われた。
それから月日は経ち。君は今、社命によりイワサキの軍用完全義体開発プロジェクトを追っている。そしてその影でうごめく者の姿を見た。忘れ得ぬその顔、その姿――再戦の機会に、君の胸は震えた。
●『カタナ』
シナリオコネ:"機械仕掛けの"メルキオール 推奨スート:ダイヤ(外界)
キャスト間コネ:『フェイト』
君は誰かの飼い犬となることをよしとせず、自らの力だけを頼りに生きるストリートの住人だ。だがここしばらく、君と同じような境遇の者たちが何者かに襲われミンチにされる事件が相次いでいる。
そんな折、やはりフリーランスのカタナ、メルキオールが君のもとを尋ねてきた。なんでも、犯人を見つけだし返り討ちにするための撃退チームを有志で組んでいるのだという。
群れるのは趣味じゃないが、凄腕の襲撃者には興味がある。君はひとまず、彼の手を握ることにした。
●『イヌ』
シナリオコネ:千早冴子 推奨スート:ダイヤ(外界)
キャスト間コネ:『カタナ』
君はブラックハウンド機動捜査課の一員だ。近頃ストリートで多発している連続殺人事件の捜査が今回の任務となる。
被害者はみな、特定のバックを持たずしたたかに裏社会を生き抜いてきた者たち――フリーランスの荒事屋だ。そんな海千山千の彼らが、まるで力無い小市民のように次々と死体に変えられていく。今回もまた、一筋縄でいかない事件であることは間違いない。
■注意事項
キャストには以下の設定が付属します。
『フェイト』:沢木勇という古い友人がいた。
『クグツ』:イワサキ以外の企業の工作員である(基本は千早を想定していますが、それ以外でも構いません)。
『カタナ』:特定の組織のバックを持たない荒事屋である。
『イヌ』:ブラックハウンド機動捜査課の一員である。
・最大達成値は25とします。しかし、他者の達成値をあげる特技などにおいては
この上限を突破できるものとします。
・キャストが神業だけで即死することを防ぐために2つ以上の防御系神業が必要となります。
【N◎VA】殺人鬼が多すぎる
■アクトトレーラー
「四宮を敵に回してはいけない」
それは裏社会に住まう者たちにとっては常識だった。
あえて口にせずとも誰もが承知している不文律のはずだった。
けれど、始まりはとある静かな夜のこと。
四宮に連なるひとりの娘がその姿を消して。
そして、その直後に、それは始まった。
それは凄惨。それは陰惨。それは無惨。
殺人鬼たちに次々と襲いかかる謎の刺客。
最初に倒れたのは一族の末娘。幼い肢体はストリートの夜に切り刻まれた。
これは戦争だ。これは戦乱だ。これは虐殺だ。
敵も味方も死で死を洗う、僕らの皆殺し戦争が始まった。
どちらかが全滅するまで終わらない、長い長い悪夢の始まりだ。
トーキョーN◎VA The Detonation
「殺人鬼が多すぎる」
運命の扉のその先に、殺戮の荒野が横たわる。
■ハンドアウト
『キャスト1』
・コネ:“戯”四宮みだら 推奨スート:ハート(生命)
・キャスト間コネ:『キャスト2』
君は殺人鬼だ。
四宮みだらは君の血縁で、やっぱり殺人鬼だ。キワモノ揃いの一族のなかでも一際タチが悪いというか行動が読めないというか、要するにまあクセモノな娘だが、君は開けっぴろげに懐いてくる彼女のことがそれほど嫌いではなかった。
だがそんな彼女が、ある晩に姿を消した。最後に話したのは君。思えば、あのときの通話でも彼女の様子はどこかおかしかった。放っておく訳にもいくまい。なにせ、これは家族の事件だ。
『キャスト2』
・コネ:“死”四宮くびき 推奨スート:ハート(生命)
・キャスト間コネ:『キャスト3』
君は殺人鬼だ。
“殺人集団”四宮家のメンバーに刺客の襲撃が相次いでいるという。そしてついに現れた最初の犠牲者。それは一族の末娘、四宮くびきだった。
治療担当であり若い世代の姉代わりでもある殺人鬼、四宮睡蓮の経営する診療所。そこの粗末なベッドで、傷ついた少女は眠り続けている。幼い胸を刺し貫いた刀傷が、目に痛々しい。その姿を見ながら、一族の一員たる君は考える。
――報復が必要だ、と。
『キャスト3』
・コネ:“サザンクロス” 推奨スート:スペード(理性)
・キャスト間コネ:『キャスト1』
君は殺人鬼だ。
四宮家と正体不明の敵との闘争。前触れもなく始まったそれは、君にとってはひとりの男との邂逅という形で現れた。黒のテンガロンハットに黒のコート、時代がかった口振りで振るうは無骨な西洋剣。
一目見たときにはっきりわかった。彼こそは生粋の殺人鬼。人をコロすという概念そのもの。いつか必ず君と殺し合う、徹頭徹尾の気違い沙汰だ。
決戦の時を待つ君のもとに、一族の双子の兄妹が訪れる――反撃の狼煙を上げる、そのために。
■注意点
キャストは全員、四宮家(http://urawa.cool.ne.jp/yagami00/nova/chara/shinomiyake.htm)の一員であることを前提とします。
なお、四宮家に関しては、解説本文に書いてない部分の設定などは自由に付け加えて構いません。
また、全てのキャストはこのシナリオ中に限り〈社会:四宮〉1レベルを無経験点で取得できるものとします。
最大達成値は25とします。しかし、他者の達成値を上げる特技などではこの上限を突破できるものとします。
ゲストの即死系神業のみでキャストが死亡するのを防ぐために、2個の防御系神業が必要です。ただし敵でないゲストを救うためにはさらに1個必要となります。
【N◎VA】もう歌しか聞こえない
■アクトトレーラー
もうどこにも行けない物語。
最悪の選択(バッドチョイス)ばかりが重なって、
当たり前みたいな最悪の結末(バッドエンド)。
もう誰にも救えない。
もう誰にも戻せない。
だから、どうか。
どうか子供たちを責めないで。
あの子たちはただ、幸せになりたかっただけなのだから。
あの子たちはただ、笑っていたかっただけなのだから。
だから、どうか。
どうかあなたが、あの子たちを終わらせてあげて欲しい。
トーキョーN◎VA the Detonation
「もう歌しか聞こえない」
運命の扉は、あの虹の向こう。
■ハンドアウト
『カブト』
シナリオコネ:ヴィルヴェリア・マーティン 推奨スート:クラブ(感情)
ドジを踏んだ。
君はカーライルに拘束されていた。奴らの目的は取り逃がした――君がなんとか逃がした――依頼人の行方。うんざりするような拷問にそろそろ嫌気が差してきた頃、君を逃がしてくれたのは奴らの仲間のはずの少女だった。
理由は分からない。だが、それからしばらくの時間が経った今、彼女が組織を抜け出して逃亡中だという話を聞いた。あの時の恩を返すのも悪くないだろう。君は愛用の得物を手に、立ち上がった。
『カゼ』
シナリオコネ:ジュディ 推奨スート:スペード(理性)
思えば、奇妙な依頼人ではあった。
年端もいかぬ少女ひとり。栗色の長い髪に、どこか小悪魔じみた笑顔。運ぶ荷物は小さなトランクひとつ。そして明らかに相場を無視した高額の報酬。怪しいと思ってしかるべきだった。
案の定、君は“仕事”の最中殺し屋どもの襲撃を受けて死にそうな目にあった。トランクの中にはみっしりと詰め込まれたガラクタ。囮に使われたのだ――落とし前はつけてやらなくちゃならない。たとえ相手が子供でも、だ。
『レッガー』
シナリオコネ:“ワイズマン”ヴィクター・マーチ 推奨スート:スペード(理性)
彼は殺し屋集団マーダーインクの一員であり、河渡連合に属する君にとっては宿敵に当たる人物だ。奴と奴の鍛え上げた兵隊たちは一個の生物のように動き回り、敵対するもの全てをうち倒す。蛇のように狡猾で、騎士のように誇り高い、まさに君のライバルに相応しい存在だ。
そのヴィクターたちが、巷を騒がせる連続殺人に呼応するかのように動き出したという。放っておいてはいられないだろう。君と彼らは“宿敵”なのだから。
『カタナ』
シナリオコネ:音羽南海子 推奨スート:ダイヤ(外界)
ストリートを騒がせている連続殺人犯がいる。目的も思想も何も感じさせず、当たるを幸いと言わんばかりに殺していく天災のような連中だ。
この街でもっとも幅を利かせるヤクザ、河渡連合の構成員だって知ったこっちゃないとばかりになぎ倒されていく。君のもとに南海子から依頼が舞い込むまで、それほど時間はかからなかった。
『トーキー』
シナリオコネ:九条政次 推奨スート:ダイヤ(外界)
ニュースこそが君の最良の友人にして最愛の伴侶、そして大事な大事な飯の種だ。最近ストリートを騒がせている連続殺人犯も気になるが、それと同時に君は九条から耳よりな情報を手に入れた。
なんでも、殺人事件の頻発に呼応するかのように、カーライルの兵隊もまた動き出したというのだ。これは調査に値する事実だろう。君は早速、事態の解明に向かうことにした。
■注意点
このシナリオでは、キャストに以下の設定が付属する。
カブト:ボディーガード、護り屋などの仕事を持っている。
カゼ:運び屋である。
レッガー:ヴィクターとその部下達のライバルである。
カタナ:特になし
トーキー:特になし
年齢・性別などは原則として自由に決めてもらって構いませんが、カブト枠は拷問に耐えられる(簡単に吐いてしまわない)キャストを強く推奨します。
最大達成値は25とします。しかし、他者の達成値を上げる特技などではこの上限を突破できるものとします。
ゲストの即死系神業のみでキャストが死亡するのを防ぐために、4個の防御系神業が必要です。ただし敵でないゲストを救うためにはさらに1個必要となります。
またカブト枠とレッガー枠には、シナリオ中で神業の増える可能性があります。
また必須ではありませんが、GF10-4収録の「Neuro Beat!! 第三回」の追加ゲスト、映画『オズの魔法使い』劇中で使用された楽曲“Over the Rainbow”に事前に触れていると、よりイメージの共有がスムーズにいくかと思われます。