本読む

 アレクシス・ド・トクヴィル「旧体制と大革命」を途中まで読む。

お、面白い。そして読み易い。


 この本が言いたいのは

つまり封建主義、権力一極集中、君主制のフランスにおいて、

実は後の民主主義や自由の萌芽があった、である。


 それじゃあ銀河英雄伝みたいに、

有能な君主の元で自由が謳歌できたら

いいじゃんという突っ込みも可能だが、

トクヴィルは、人民が民主主義的な自由に飽きても自由を手放さず

自由に目覚め回帰できるところが民主主義の良い点だ、述べている。

なるほどぉ。

僥倖って滅多にないよなぁ。


 では、今の日本はどうかな?

徐々にアメリカのような鉄の三角形ができつつあって、

護送船団方式から事前チェック、事後チェック型の社会の流れも

経済界の強い要望と、政治家がつくった借金のせいで加速している。

とても市民が自らの自由に目覚めてやってるようには見えないな。

野分

 夏目漱石の「野分」を読む。

文学に生きるということを端的に記した名著だと思う。

作中の人物は文学に生きるので

当然、一生名誉や富と無縁という可能性が高い。

さらに漱石の文学は救えない終わり方が大半なので何を云わんやである。

でもね、かっこいいのです、文学に生きている登場人物が。

 この本のミソは、誰でも文学的に生きられるが

その覚悟はあるか、である。


 もう一ついうと、彼の生きた明治の40年は不況が35年、

好景気が5年という絶不調の景気状態であった。

 現代も10年の不況が過ぎ、景気が上向いても

富むものは富、落ちるものは落よの世界である、救えない。

新たな文学の天才に必要な時代の風は吹いているかなと考えている。

英文法と倒立

 朝起きてヨガ体操して、お茶を飲んで勉強。

先日までtoiec対策の勉強ばかりやっていたので

気分を変えて文法を遣った。


 ちょうど「動詞と時制」のところをやったのだが

The plane leaves at 11:45.

現在形でも、変更の可能性のない未来ならば表現できる、

とか時間に対するお約束が多いと思った。

西洋の哲学者が日本語で哲学できるか!

みたいなことを言っていたのはそうなのかもと思う。

大森荘蔵とか凄い人もいるのだけれど。


 倒立と逆立ちの違いを知る。

倒立はピーンと一直線で、逆立ちは弓なりになる点が違う。

結果として倒立時に足に下向きの力を加えられても崩れない、

しかし逆立ちは倒れてしまうのである。

 テレビではここまでだったけど

恐らく逆立ちは下に力を加えられることで

体の外に重心点が移動して倒れるのだと思う。


 んで、何の因果か私は倒立がしたくなったので

その下準備として「肩入れ」を行うことにした、

これはイスラムの礼拝のポーズみたいな状態から

肩甲骨を押してもらい肩を柔らかくすものである。

昨日からやっています。

やるぜ、倒立!





 

ひび

 きょうは取り立てて書くことがないので、

湯飲みがぶつかった話を書く。


 夕食後、緑茶を淹れようと湯飲みと湯飲みをくっつけて並べていた。

するとふとした拍子に湯飲みの口同士がガチリと鈍い嫌な音を立てた。

すぐに調べてみたが飲み口は欠けておらず、傷もついていない。

湯飲みは先ほどと同様に泰然とつやつやとしている。



 「表面的に傷がなくてもダメージは蓄積されているんだよ」

とは以前同じケースを見ていたTの発言である。

 彼とは学生時代もっとも時間を共有したにも関わらず

友人になれなかったまれな関係である。

 金輪際に彼と会うまいと極めたのには、分かりやすい衝撃があった。

しかし、これが亀裂を生んだのはやはりTが言っていたような

微細な傷があちこちにあって最後の衝撃は分水嶺に過ぎなかった

のではなかったかと、手切れをして数年経ってから考える

ようになった。


 省みると今の人間関係にも微細な傷は無数にあるのだと思う。

その一つ一つを顕微鏡で覗いて修復するわけにはいかない。

 いつかは割れるときが来るという不安はあるが、

不安がってもいられないので精々無用な傷はつけまいと思う。



 
 

祖母を背負う

 昼ごろまで勉強して、その後病院から一時帰宅の祖母を背負って

墓参りに行く。


 たかだか30分の小旅行であったが、40kgの祖母を背負うと

汗を掻いてしまった。今度は車椅子を病院から借りてきてもらおう。

 墓参りで線香をあげてから、田んぼの辺りをぶらりとまわった。

そこは田舎のこと祖母の知り合いが次から次に話かけてくる。

「稲が風で倒れましたな」とかの時候の挨拶みたいな会話が多かった。

 そこから祖母も元気をもらったとみえて小旅行の終わりごろには

自分から歩くといって、半歩ずつ歩いていた。前向きになってよかった。


 これから弟と風呂屋に行って、その後ルパンを見る予定。

明日から勉強を再開する。

掃除

 きょうも日がな一日掃除した。

棚に本を詰めていると、最近とんとご無沙汰していた

哲学の本が目に入る。

 コツコツと英語とドイツ語を勉強して原書を

読んでみようと思う。


 卓球をしている友人が来る。彼は中学で卓球を教えており、

生徒に練習用のラケットを貸している。

しかし余剰のラケットが底をついたので、私のラケットにも

お呼びがかかったのである。

 品物を渡しつつ生徒の特徴や性格について話を聞く。

なんでもこの前部内試合で優勝したMくんは意外と精神にムラがある。

一方気が弱いと思っていたTくんのほうが安定しているらしい。

 卓球は0.5秒でラリーが展開され、人間の反射神経は0.7

秒ぐらいだから残り0.2秒を縮めるために練習をする。

 意識的に何度も練習して、無意識的に体が動くように鍛えるのである。

もちろん、その場合精神力が大きく作用する。

 見た目は明るく、人当たりの良いMくんよりも、ストイックで

下向いてぶつぶつ言ってるTくんが技術的に安定しているのは面白い。

スポーツでは内面的な人が向いているのかしらと考えた。

 今度試合してみよう。


 夜祖母の肩を一時間ほど揉む揉む。

疲れたが腰が軽くなったそうでよかった。


 晩御飯は団子汁。かぼちゃとのコラボがナイスだった。