いままでは年末年始に振り返りの記事を書いていましたが、業務が完全に年度区切りになったため、年度末に振り返ることにします。今年度は大学教員の3年目でした。まだ3年とは思えないほど、大変多くの経験をしています。大学着任が遠い昔のことのように思える・・・。
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研究室運営
卒業した4年生は2期生で、私が着任してから通常フローで配属された最初の代です(昨年度卒業した1期生は私の着任前に配属が決まるというイレギュラーな配属でした)。5月に新型コロナウイルス感染症が2類から5類に移行し、昨年度まではできなかった様々な活動ができるようになりました。限界を決めずにやれるところまでやってみようと思い、学内外の研究室イベントもたくさん企画し、蒼天祭や展示会にも出展しました。6つの研究会・シンポジウムで16件の研究発表を実施し*1、いくつか賞もいただきました。
研究活動の内容は研究室Webサイトにまとめましたので、ぜひご覧ください。
個人研究
研究室としての成果は上述のとおりですが、研究室を持ってからも暦本(@rkmt)先生や宮下(@HomeiMiyashita)先生のように、主著の論文を出し続けようと思っています。国内のデモ発表でも良いのでなるべく毎年出せればと思っており、1,2年目は発表できたのですが、3年目の今年はついに出すことができませんでした。ただ、手を動かして何かを制作する時間は、わずかながら取ることができました。
- 農業IoTセンサ(後述する学内共同研究)
- くだものプール | ProtoPedia
- 北海道179市町村をイメージしたキャラクターをDALL-Eに描いてもらった - yumulog
授業
前年までとほとんど同じ科目だったのでやりやすかったのですが、 - ビギナーズセミナー I・II(1年生のクラス担任) が増えました。また、学部以外の授業として
- 大学院 (1コマ)
- 通信教育部 (1科目 × 4期 /担当教員4人)
が今年から加わりました。コマ数的にはもうわりといっぱいなのですが(学生が履修するコマより多いのでは・・・🤔)、来年度はさらに大学院の授業が2コマ増える予定です。大丈夫かな。
その他の学内活動
農業IoTセンサの開発
学内共同研究として、ドローンと地上センサのデータを用いた小麦収穫適期を実施しました。そのための地上センサを制作しました。記事がとてもわかりやすく、基本的にはこのとおりに制作しました。
SORACOMの機能を初めてきちんと使いましたが、可視化機能などとてもよくできていますね。利用料はそれなりにかかるのですが、それでも自前で作成・管理する手間を考えるとありがたいです。
システム情報学科佐藤隆雄先生、栗原先生、情報メディア学科柿並先生と共同で行っている小麦収穫量予測研究プロジェクトF-WHEAT、江別市内の小麦圃場に地上センサの設置を行いました。雨量、気温、湿度、照度を10分おきに計測してサーバに送信します。 #johodai pic.twitter.com/BAknOI6wTY
— 北海道情報大学 湯村研究室 (@yumulab) June 8, 2023
小麦畑センサの値をSORACOM Lagoonで可視化した。(中身はGrafanaなので簡単) pic.twitter.com/1iCrTdfdLY
— 湯村 翼 Tsubasa YUMURA (@yumu19) July 10, 2023
フィンランド滞在
サバティカルの代わりのプチサバティカルとして毎年夏休みに学外で過ごすようにしようと思っていて、昨年度は公立はこだて未来大学に行きましたが、今年度はフィンランドのヘルシンキとオウルに1.5週間ほど滞在しました。そういえば大学に着任してから初めての海外出張ですね。短期滞在というよりは訪問でしたが、アアルト大学、オウル大学、オウル応用科学大学を訪問しました。
アアルト大学デザインファクトリーを見学しました。カッコ良すぎる😳 pic.twitter.com/Pgbextzg9L
— 湯村 翼 Tsubasa YUMURA (@yumu19) August 18, 2023
Aalto University博士課程在籍のアーティストJuan Duarte Reginoさんを訪問しました。作品紹介と学内案内をしていただきました。以前、IAMASにも滞在していたそうです。 https://t.co/mJhnD9PSRA pic.twitter.com/gzoxWkPTNS
— 湯村 翼 Tsubasa YUMURA (@yumu19) August 19, 2023
オウル大学 pic.twitter.com/rwojFAeBsG
— 湯村 翼 Tsubasa YUMURA (@yumu19) August 22, 2023
MCCファブ整備
3Dプリンタやレーザーカッターを集約したファブスペース(MCCファブ)を学内に整備しています。今年度は仮運用のような形で走りながら運用してきましたが、来年度からはもう少し本格的に運用して行く予定です(引き続き走りながらにはなりますが)。また、その参考にするため、ファブラボ栗山の方々をお呼びしたり、国内外のファブスペースも見学させてもらっています。今年度は、北大テックガレージ、京都産業大学ファブスペース「RE:DIRECTION」、フィンランドのアアルト大学デザインファクトリー、FabLab Ouluなどを訪問しました。
ファブラボ栗山の土山さん、岡さんにお越しいただき、情報大のMedia Creative Center(MCC)内に設置を進めている #MCCファブ の運用についてアドバイス頂き意見交換を行いました。参考になる話がたくさんあり、これからいろいろ連携していけるとよいなと思います。 #johodai pic.twitter.com/c2GJUIrnk8
— 湯村 翼 Tsubasa YUMURA (@yumu19) February 20, 2024
平♯(@shigeyuki_hirai)先生にご紹介頂き、京都産業大学ファブスペース「RE:DIRECTION」を見学させていただきました。運用や資材管理の話など、情報大でのファブスペース運営に非常に参考になりました。ありがとうございました! pic.twitter.com/YkcUEJGZwN
— 湯村 翼 Tsubasa YUMURA (@yumu19) March 19, 2024
学内業務
大学から任命された正式な委員としては
- アントレプレナーシップセンター運営委員
- 図書委員
- DX推進センター委員
- 大学院教務学生委員
を務めました。表に出る仕事としてはアンプレが一番多く、アンプレトークでゲストを呼んだり、ビジネスプレコンのアイデアのプロトタイピングを行うイベント「コネクト2024」を開催しました。表に出ないアンプレ委員の仕事としてアンプレ入試の受験生メンタリング、入試試験官などもあります。
#アンプレトーク はじまりました!伴野(@about40man)さんー! #johodai pic.twitter.com/oXeQ3OhGDd
— 湯村 翼 Tsubasa YUMURA (@yumu19) January 18, 2024
昨日今日の2日間で開催した #コネクト2024 無事終了しました。ビジネスプレコンのアイデアを元に2日間で開発を進める学内イベントで、昨日の朝にはアプリの影も形もなかったものが、今日の発表会では3チームともきちんと動作するデモを披露していました。素晴らしい👏お疲れ様でした〜😇 #johodai pic.twitter.com/vf3l64Q2ko
— 湯村 翼 Tsubasa YUMURA (@yumu19) February 7, 2024
正式な委員の他には、昨年度の学生委員の名残で年度初めの新入生オリエンテーション(今年度からクラス担任の制度が大きく変わるので大変だった)の取りまとめを担当したり、卒業研究発表会インタラクティブ部門の準備を担当したりしました。
学外業務
主に学会関連ですが、以下のものを務めました。
- 情報処理学会エンタテインメントコンピューティング(EC)研究会委員
- 情報処理学会ユビキタスコンピューティングシステム(UBI)研究会委員
- 情報処理学会論文誌編集委員(EC特集号、UBI特集号)
- EC2023実行副委員長
- EC2024実行委員長
- インタラクション2024実行委員
- ICMU2023 Poster and Demo Co-Chairs
- 北海道 Society5.0 推進会議 データ利活用WGメンバー
プライベート
ほぼ仕事がプライベートみたいなものなので分けて書くようなこともあまりないのですが、ふりかえってみると以下のものがあります。
2024年度に向けて
いままでもこれからも、学生の成長を最優先にして、研究室運営に最も優先的にリソースを割いていくつもりなのです。今年度は限界を決めずに思いっきりやってみたところ、やっぱり限界も見えてきました。時間的な制約も大きいですし、私のリソース的を考慮すると持続可能とは言い難いところです。ノウハウの蓄積によってリソースを削減しても同じように活動できることもありそうですし、この3年間で、ゼミの配属から卒業サイクルまでのライフサイクルというのが徐々にわかってきたので、何を優先するか鑑みて活動していきたいと思います。学会以外の発表の場(Maker FaireやNT、ヒーローズリーグなど)への出展も考えていければと思っています。来年度は初の大学院生を持つことになりますし、引き続き新しいことにもいろいろ挑戦していきます。また、研究室運営に関する情報を研究室内のScrapboxに書いているのですが、だいぶ蓄積されてきたので、若手PIの参考になるように公開していければと考えています。
研究室活動以外では、2024年度からセンター長に就任するMCC(メディア・クリエイティブ・センター)の整備も優先度高くおこなっていきます。ファブスペースを使いたいと言っている学生はとても多いので、彼らが存分に活用できるように基盤として整備していきます。
学外では、情報大で開催するEC2024の準備が一番大きな仕事になります。シンポジウム自体の成功に加えて、せっかく情報大で開催するので本学の学生・教職員が学術シンポジウムにふれる良い機会にできればと思っています。
それでは、2024年度もよろしくお願いします
*1:卒業生、配属前学生含む