しれっと捏造を再開したりしている。
最近ものの置き場所がちょっと本格的になくなってきて、ネットとたわむれている場合ではないのだが、それだけに現実逃避として穴埋め作業が進むといいなと思っている。
3年以上前の積読を未だに読んでいなかったりするのには笑いも起きない。真顔である。

津原泰水『少年トレチア』 集英社文庫
298円。序盤の不穏な空気、中盤で解き明かされていく謎、終盤での幻想的展開。と、引きこまれているのか突き放されているのかよくわからない長篇。たいへん面白かった。

竹本健治『キララ、探偵す。』 文春文庫
420円。ロボメイド探偵キララ(セクサロイド機能付き)が事件を解決したりする。有能なメイドロボと駄目な主人公、なのにまわりには女の子が寄って来る。という実に漫画的というかそれ系のゲーム的なお膳立てなんだけど、竹本健治が描くとさほど嫌味を感じない。読んでいる自分の問題なのか、実際に他とは違っているのか。


以下100円。
サラ・パレツキー『サマータイム・ブルース』 山本やよい訳 ハヤカワ文庫
『レイクサイド・ストーリー』 山本やよい訳 ハヤカワ文庫
そうねえ。女性探偵が主人公だからって高く評価しなくちゃいけないというわけじゃないと思うんだよね。脅されても殴られてもめげない意に介さない女性探偵という人物像は、確かに出てきて不思議のないキャラ設定なんだけど、別に殴られたから話が面白くなるわけでもないしね。キャラクタ推しということで言えば現代的なのかなあ。

このへんの将棋の本もバラバラに買ったはずなのだがメモがもうメモとして機能していないということもまれにあるわけでまあしょうがない。値段は250〜350くらいと思う。ちなみに古いので現在役に立つかはビミョーなところ。
名人中原誠『中原の急戦将棋』 池田書店

飛車先を交換させてくれないと定跡通りにいかないという、開始4手くらいで使えるかどうかが決まってしまいかねない戦型について教えてくれる本。タテ歩取り。から、ひねり飛車で、飛車先切ったほうへ美濃ぽく玉を囲う。ある程度思惑通りに行っても急戦は攻め切らないと大概負けるので無理だったということがわかる。ヘタな指し手にはオススメできない。

有吉道夫八段『急戦振飛車破り』 弘文社

舟囲いにしておけば勝てるという本。舟囲い自体が上からにも横からにも別に強くないということを除けばなかなか。ただ相手が囲いを放棄して超急戦で来たとき結局どうしようもなくね? 一応三間四間中飛車向い飛車それぞれ対策があるので、どれかが苦手で秒殺されてしまう、という場合は大なり小なり対策できる。ただし急戦は以下略なので以下略。八段のころの本だが、79年に九段昇段で、2010年に引退。

田中寅彦八段『田中流鉄壁居飛車穴熊』 筑摩書房 一手決断将棋戦法

急戦に十分な対応が取れないので指せない戦型穴熊。ちゃんと藤井システムとかも把握してないととてもじゃないけど無理。これはそれ以前のものですね。無理矢理矢倉という、相手が拒否しようが急戦しようが矢倉で指す戦法もある田中寅彦による穴熊なので、読んだだけで穴熊組めそうな気にはなる。囲うまでも難しいが、囲った後にどうやって攻めるか、という問題もあって指しこなすのは大変だが、いろいろと書かれているので参考になるかも。ちなみに九段になったのは94年。それより前の本なのね。

神林長平『グッドラック 戦闘妖精・雪風』 ハヤカワ文庫JA
480円。雪風の二作目。分厚い。その上、主人公のうち人間のほうは前半越えてもまだ寝ているという恐るべき長篇。しかし、戦闘機で宇宙人と闘う話がこういうふうに面白いなんて、読む前は考えつきもしなかったなあ。なお映画化は架空戦闘機フェチがいないとどう転んでも成功しないと思うし、いても商業的にはコケると思うんだが。まあいいか。

京極夏彦『巷説百物語』 角川文庫
200円。こちらのシリーズ未読だなーと思ってはいた。けど、いろいろ読んでから考えてみると伊右衛門にも出てたんですかねシリーズキャラクタ。文庫本を持っているはずなのに自分では確かめないという横着ぷり。


以下100円。
ニーチェ『この人を見よ』 手塚富雄訳 岩波文庫

訳者で。

サルトル『悪魔と神』 生島遼一訳 新潮文庫
戯曲のもよう。違うんだおれがほしいのは聖ジュネなんだよ。見たこともないけど。

小林泰三『奇憶』 祥伝社文庫
120円。うん? のちに角川ホラー文庫のほうで再録されているらしい。ババアが出てくること以外は忘れたので角川版も見つけたら買っておこう。

エルネスト・サバト『作家とその亡霊たち』 寺尾隆吉訳 現代企画室

うっかり新刊購入。この時期わりとうっかりしがちであった気がするが定かではない。何しろほとんど読んでな……あ、いや、まあ、どうでもいいか。

ヴァジニア・ウルフ『波』 鈴木幸夫訳 角川文庫リバイバルコレクション

300円。うーむ。新しい訳でも読みたい。というか、ヴァージニア・ウルフは、自分で何か考えるときに頭に普通に浮かぶような語彙やリズムで読まないと、どうもいまひとつのようにも思う。考えとか感じかたの流れとか連想とか見たものが描写されていく順に目に入ってくる感覚であるとか。まあつまり訳が古かったわけですね。


以下100円。
倉橋由美子『ポポイ』 新潮文庫

薄かったという記憶はある。内容じゃなくて本がね。ところで著者名で検索したところ、ぼくを探しにという絵本の翻訳が倉橋由美子だったということに今気づいた。そうだったのか。

黒川博行『切断』 創元推理文庫

殺人の後死体損壊で、倒叙もので、動機で引っ張るという変わった話。だったような気がするが、あまりはまらず忘れてしまったので定かではない。

トマス・ピンチョン『競売ナンバー49の叫び』 志村正雄訳 ちくま文庫

競馬かと思っていたら競売だった本。とにかくたくさんの情報の中に嘘を紛れ込ませつつ、ノリで突っ走るような。スローラーナーでは感じなかった疾走感があって気持ち良い。ピンチョン読んだことなくて読みたいってひとに薦めるとしたら間違いなくこれですね。全小説はぽんぽん巻が増えたけど、重力の虹すぐ出るのかと思ったらなかなか出なくて旧版の古書価格が変動しているのでうまいこといけばチャンスかもしれない。ていうかキンドル版やっすいなー。あ、でもIIのほうしかないのか

『ノヴァーリス作品集 第三巻 夜の讃歌・断章・日記』 今泉文子訳 ちくま文庫

某大手ネット書店で品切れていたのであわてて購入したものの在庫が復活することってあるよね……。全三巻手に入ったので読んだけど、良いねノヴァーリス一巻二巻が偶然古本で手に入ったのはとってもラッキーだった。と数年越しに気づくのであった。

竹本健治『ウロボロスの純正音律』 講談社ノベルス

やったーノベルス化きたーばんざーいばんざーい。でも内容的には前二作のほうが……。

ポール・ヴァレリー『精神の危機 他15篇』 恒川邦夫訳 岩波文庫

がっちり評論集なんでしょうか。読めるんでしょうか。理解とかできるんでしょうか。