平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震

 最初にM8を示した緊急地震速報の端末を見たときには、まさかここまでの現象・被害になるとは思っていませんでした。

 東海・東南海・南海地震は、生きているうちに経験するのだろう、と漠然と考えていたけれど、今まさにそれに匹敵する地震津波を目の当たりにして、想像を絶するとしか言いようがなくて…。もちろん、東北地方でこれほどのものは想定されていなかった(むしろ、これまでの経験から東北地方は津波に対する意識は高いはず)ので、被害が大きくなった面もあります。

 大阪でもしばらくは特別な対応をとることになりそうです。今日もお手伝いしてきました。

 今後、M7程度の地震の発生が3日間で70%という確率で予想されています。余震域が広いので、関東〜東北の太平洋側では、強い揺れを感じた時にはすぐに身を守り、海岸の近くにいる場合は高台へ逃げられるようにしてください。また、比較的遠く離れた東海地方や近畿地方などでも、3月11日14時46分や15時15分の地震と同じ程度の揺れ(大阪では最大で震度3でした)となる恐れは十分に考えられますので、落ちやすいものを落ちにくいところへ退避させておくなどの対策が有効です。

 …ところで、今日、マグニチュードを再び修正しましたけど、今このタイミングでなぜ修正したのでしょうか…。学術的には重要ですが、防災対応上、どのような効果があるのか、個人的には見いだせていません。

近況2011

 この時期になるとなんだかやっぱりセンチな気分になるのかどうか、去年もこの時期に一度きり更新していましたね。改めてご無沙汰です。

 さてこの4月には東京へ異動することになりました。某有名なシステムに関する管理や調整なんかを任される立場(と言ってもヒラですが)になるようです。ううむ。

 日々のお仕事ではとりあえず目先の懸案を片付けることに意識は集中してしまいますけど、たまーに事業の全体を俯瞰して考えてみると、戦略とか大方針とか、いろいろと思うところが出てくるものです。もちろん、働き始めて3年間の経験も、そう考えさせるのでしょうけれど。

 またこれから、何か書いていければいいなと思います。

近況

 久しぶりにダイアリーの編集画面を開きました。ご無沙汰しております。


 大阪で働き始めてもうすぐ1年、どうやら4月の異動はなく残留のようでホッとしているところであります。お仕事としては引き続き管理部門なのですが、いよいよ5/27から始まる市町村警報にも絡むことになりそう。新しく始まることには問題もきっといろいろとおこってしまうでしょうから、気を引き締めてガンバリマス。


 月一回くらいは更新したいなー。

読む気がうせるメルマガ

こんな目次から始まるメルマガは、嫌いなのです。

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[0] 目次
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[4] 新着ニュース
[5] 編集後記

どういう風に配列されているのかはわかったけど、具体的な内容がぱっと見で表示されないので、結局一番下までスクロールせざるをえず、大変面倒なのです。最低限、その項目ごとの今回のキーになるようなことが書いてあれば、自分の興味のある内容なのかそうじゃないのかぱっとわかるのに…。

税金から作られる,天気予報よりずっと大切なモノ

 以下,あくまでも個人的な見解であるけれども,ちょっぴし話題になっているので書きたい。


 気象庁やその下部組織である気象台が発表している天気予報が,国民全体にとって重要なものであるというのは間違いありません。「税金」を投入した天気予報ですから,より手に入れやすい手段・形式で伝達されることが望ましいでしょう。しかし,2つの意味において,気象庁はそこだけに全力投球していくわけにはいかないのです。今回は,そのうちの1つについて書いてみます。


 実は,気象庁・気象台のお仕事の本分は,天気予報ではありません。国民の生命や財産を守るべく,防災・減災に役立つ気象情報を出すことが,最も大切なお仕事なのです。「税金」が投入されたスーパーコンピューターによる数値計算結果や,予報官の知見を用いて,気象*1変化を予測し,また実際に起きている現象を監視して,社会的に影響の大きい現象について予め注意や警戒を呼び掛けるという,大事な仕事です。こういった情報を作成する段階で,天気予報が副産物として生み出されるとも言えます。


 したがって,天気予報をさまざまな形式で伝達することよりも,防災気象情報の発表・伝達・改善力を注ぐことが優先されますし,優先されなければならないでしょう。「税金」の使いみちも,当然後者に優先されて使われていくはずです。限りあるリソースを,有効に活用していかなくてはなりませんから。


 天気予報も重要だけれども,より重要な防災情報を提供しているよ,ということを意識してもらえるとうれしいな,ということでした。

もう1点については

 また明日(もう今日か)にでも書ければ。

ところで

 気象業務支援センター日本気象協会が「天下り官僚による組織」である情報のソースはどこにあるの…? どれくらいの人間が下りてるの? 実はよく知りません。

*1:地震や火山の現象も含んでいます。

有村さんはもうちょっと考える必要があるんじゃないかと思った

 【ぼくの描いたこなかが絵がニコニコ動画に無断転載された話 - E.L.H. Electric Lover Hinagiku】を読んで。このエントリのブックマークに次のように書いたんですが,具体的に言語化してみたいと思います。

著作権がらみの意識が限りなく薄いであろう」→自分の二次創作に対する立場をこの場で(既に表明しているならリンク貼るだけでも)表明しておかないと,両手どころか四肢が落ちてしまっている気がする。

 先に挙げたエントリでは,“自分の二次創作は「好意的に黙認」されたものである”ということが暗黙の前提となっています(あるいはそう読みとれるため,違和感があります。)。しかし,これはよろしくないと思います。なぜなら,「自らの二次創作が無断転載されるということによって,一次創作者の著作権をさらに侵害することになるのではないか」という視点が抜けているからです。つまり,もし有村さんの二次創作を一次創作者が快く思わなかった場合,二次創作の無断転載はその二次創作が広く流布されるという点で一次創作者の不快感を増す行為であり,したがって有村さんの無断転載を「好意的に黙認する」という行為は,一次創作者の権利をさらに侵害することになりうるということです。有村さんが一次創作者だった場合は,「好意的に黙認する」という判断だけで終わりますが,この一件をややこしくしているのが,二次創作の転載である点なのです。

 また,有村さんは次のようにも述べています(強調は引用者id:zoniaによる)。

もちろんこれは「好意的な黙認」であり、権利者が何らかの理由で看過できないと判断すれば、いつでも二次創作者の活動を制限することができる。しかしながら、もし二次創作イラストや同人誌を描いてアウトになるというのなら、それは二次創作者と権利者という二者間の問題なのである。本来、外野が口を出すべき筋合いはない。

二次創作物にもそれを描いたひとの著作権は発生する。無断転載は二次創作者の権利を侵害しているのである。そのことと、二次創作者が一次創作の著作権者の権利を侵害していることはまったく別個の問題であり、前者の主張に後者の主張をぶつけて相殺できるような性質のものではない。
と述べていますが,

この引用部分から,おそらく有村さんは無断転載者と二次創作者という二者間だけの問題ととらえていらっしゃるのではないかと思います*1が,決して二者間だけの「別個の問題」ではなく,一次創作者も十分に関係してくる問題であると思います。

 有村さんは次のポイントを考慮して表明する必要があると思いました。 ← 結論

  1. ご自身の二次創作が,どういった理由で許容されると考えているのか
  2. ご自身の二次創作が(無断)転載されることは,その理由に矛盾しないか

*1:これはあくまで推測なので違っていたら申し訳ありません。

防災情報と統計情報と報道

 具体的なお仕事について3カ月,最近は気温の高い日が続くので,当番に入る日はほぼ毎日のように報道機関の方たちから問い合わせをいただく。大体の情報はweb上で公開していて,そっちをまず参照してもらった方が間違いがなくて*1嬉しいんだけど,まあ,その話は次回に譲ることにしようかな。

 確かに気象観測の結果を統計にまとめることは,法律でも定められている仕事なので,当然聞かれたことにはできるだけ答えようとする。でも,たとえば今日もそうだったんだけど,熱雷*2が発生してて強い降水エコーがレーダーで観測されてて,注意報を出したところに,県内観測所の気温の状況などを聞かれると,ちょっと複雑な気持ちになる。

 よくよく考えてみれば,全国の気温の状況なんかはよく報道されるけど,注意報や警報が発令されただとか,そういった報道がされるのは少ないように感じる。まあ,この時期,雷注意報や大雨注意報なんてのはそう珍しくもない*3からかもしれないけど,地方局のローカルニュースであっても,「今日は○○地区で○○の時間帯に大雨注意報が出されました」なんてことは聞かないなあ。

 もうちょっと,報道機関の方たちや一般の方たちにこういった防災情報にも興味を持ってもらえるようにしていかないといけないのかもなあ,と思う今日この頃でした。具体的なことは一切思いつかないので,とりあえず草の根でここに書いたけど。

*1:電話だと聞き間違い・言い間違い・書き間違いが起きやすいので。

*2:いわゆる夕立ちに伴う雷現象。

*3:強い日射や南から流れ込む暖かく湿った空気の影響で,それだけ激しい現象が起きるポテンシャルがあるし,実際に起きる時もある