オトコノコ★ナイトin大阪

大阪でのイベントは初の試みなので、お客さん来てくれるといいが…
前回日記でも触れたイベントはこんな感じです↓

                                                                                                  • -

女装総合専門誌『オトコノコ時代』(『オトコノコ倶楽部』)presents企画

「オトコノコ★ナイトin大阪」

新宿歌舞伎町ロフトプラスワンでこれまで4回行い、5月には女装ニューハーフ プロパガンダと合同開催で盛り上がった「オトコノコ★ナイト」がついに関西上陸!

オトコノコ★ナイトは、オトコノコ雑誌編集部&関係者によって繰りひげられる、トークあり、ショウ&ライブあり、エロあり、マジメあり、なんでもありの女装に関するバラエティイベントです。
他にはない唯一のイベントだということは、自信を持って言えます!
みんなで飲んで騒いで盛り上がりましょう!

■場所
大阪のディープなスポット、千日前味園ビル2Fの飲み屋街に、新たに誕生した日替わりライブシアター「なんば紅鶴」
http://benitsuru.net/

■料金
男性2000円/女装・女性1500円(※それぞれワンドリンク付き)

■出演
しのざき嶺エロマンガ家)
掘骨砕三エロマンガ家)
鶴岡法斎(マンガ原作者)
東京ディスティニーランド(女装ひとり芝居)
ケイト(GIDシンガーソングライター)
大阪JAIL(老舗SMショーパブ)
リリィ&すばる&ATA(オペラ狂言
ぽんぽん丸(エロかわSEX&ヘルス講座)

                                                                                                                    • -

ほとんど無償で東京からの参加を表明してくれた、しのざきさん、鶴岡さん、東京さん、広島から来てくれる堀骨さんに感謝。
イベントを盛り上げてくれるだろう大阪からの出演者にも感謝。

大阪に行くたび飲みに行く味園。
そもそも味園に行ったのは新宿ゴールデン街の縁だったなぁ。
規模は違うけど同じような雰囲気の飲み屋街があると、お客さんが教えてくれたのだった。
ついつい居心地の良いマンティコアと白鯨ばかりにとどまってしまうが、時間があれば他の店も開拓したい。

ホモ映画とホモストリップの原点

気まぐれにはてなを開いたら、またまた約1年ぶりだった。
めまぐるしく身辺状況が変わっていくので、日記を書いておきたいなと思った。今度こそ続けばいいけど…

大事な話題をひとつ。先週、大阪に4日間ほど行った際に、梅田ローズ劇場の閉館を知った。ちょうど6月26日の最終日、大阪JAILの15周年イベントを取材するため堂山近辺にいたので、ほんの30分ほど立ち寄ってきた。上映していたのはアジアのホモ映画だった。

劇場に「ぴんくりんく」というチラシの号外があった。

一部、引用したい。

 そして1981年(昭和56年)、日活を退社された駒田氏は劇場運営に専念。その頃に“ホモ映画”という新しいジャンルに目をつける。新東宝が配給権を持っていた(のちに東映セントラルが権利を買収)邦画のゲイポルノ『薔薇と海と太陽』、『薔薇の星座』、『白い牡鹿たち』の3本を東梅田シネマにて上映。するとこれが大ヒット!
 薔薇族映画は当たると確信した駒田氏は、1983年(昭和58年)8月、今度はビル地下2階にゲイポルノ専門上映館・東梅田ローズ劇場をオープンさせる。これこそが駒田氏が日本映画史において、ホモ映画館のパイオニアになった瞬間である。
 ローズ劇場は連日長蛇の列、東宝東映など大手映画会社の幹部連中がこぞって視察に来たほど隆盛を極めた。しかしながら流行りすぎて上映作品がすぐに不足することに…。「ないなら作ればいいじゃないか!」ということで、駒田社長プロデュースの元でホモセクシャル映画の製作・配給も開始した。(1983年『巨根伝説 美しき謎』中村幻児監督が第1作目。2003年までに約90作品を配給。廣木隆一滝田洋二郎ら今では日本映画界を代表する監督たちの作品が並ぶ。)
 やがて1988年(昭和63年)、3階の東梅田シネマと地下2階の東梅田ローズ劇場を入れ替え、現在の3階・ローズ劇場という形になった。翌、平成元年の頃には、“東梅田ローズは日本一収益率の高い劇場”として全国的に有名になっていた。
 2003年11月、館名をより分かりやすくするために、それぞれ梅田日活劇場、梅田ローズ劇場と名称を変更して、現在に至る。

この劇場では、いつからか薔薇族ホモショーというストリップが、映画の合間にイベントとして行われてもいた。そして、そんな伝統が4、5年前に摘発。僕自身、摘発の何ヶ月か前に、偶然知人から誘われて、一度そのステージに出演したことがあった。自らステージの照明や舞台装置を操作する駒田社長と、連日通ってストリップを観に来るお客さんたちは熱かった。良い思い出だ。

今週末も大阪へ。味園ビルで初イベント。ディープ大阪文化万歳。

イベントのお知らせ【音人(おとな)のおもちゃ】

日記が年記になってしまっている。ここをちゃんと活用するのを今年の目標にしよう。
ところで、いきなりイベントの告知から。ちゃんと告知&宣伝をしてないのに開催日が迫っているので。

【音人(おとな)のおもちゃ】
ライブとアングラパフォーマンスのイベントです。

■場所
新宿URGA
http://www.urga.net/

■料金
前売り3000円(ドリンク込み)
当日3500円(ドリンク込み)

■日時
6月19日(土)24時〜5時

■出演
〈ライブ〉
ヒノエウマ(歌謡&ロック)
ギャランティーク和恵(歌謡)
虹色のフラリ(フラダンス&音楽ユニット)
F.L.Y(エレクトロニカカンタベリー系)
鶴岡法斎BUND(サイケロック)
内山沙千佳&ゆの(レズビアンショー)
TAIZO[AV監督]&ちはる[M女]&佐藤えりか[即興ベース](SMショー)
ISSEI[AV監督]&水朝美樹[ニューハーフ]&フラメンコギター(ニューハーフSMショー)
mitsuharu(メンズストリップ&ダンス)
〈DJ〉
スナックwell歌夢

■お問い合わせ
井戸まで
takai@sanwa-pub.com

ログイン、1年ぶり

tido2009-04-30

使い方を忘れかけている!


大学時代の先輩が「はてな」に入って、昨夜ひさしぶりにさしで飲む。
九品仏(おっ、携帯の変換では出ないが、PCはさすがに一発変換!)の洒落たハイブリッド・カフェバー→自由が丘の侘しさが最高なオヤジ居酒屋。

1年半ほど前に新宿ゴールデン街で週2日だけロックバーのマスターをやり始め、1年少し前にエロ雑誌の編集者をやり始め、根本は変わらずとも生活はずいぶんと変わってきた。
がむしゃらに清純系M女雑誌や変態熟女雑誌や女王様雑誌を作ったりしては酒を飲み、いろいろな人たちと知り合い、仕事をし、いつの間にか自分でやりたい雑誌をやりたいようにつくる機会を得て、とうとう来月発売にこぎつけた。


『オトコノコ倶楽部』


女装美少年専門のアダルト雑誌である。
本当に私的な動機でつくった雑誌だが、とにかく繰り返し読んでも面白い「エロ本」にしようと、実用的だとかオタクだとかサブカルだとか関係なく、何でも女装にかかわるものをぶち込んだ。さんざん自分の身を削った。DVDもすべて撮り下ろした。こんなつくりのエロ本は最近ないだろうと思えるところまでいこうと、ひたすら詰め込んだ。面白いものになったと確信している。足りない部分は次号さらに詰め込んでいく。楽しみだ。

雑誌は5月12日に発売だけど、翌日5月13日には歌舞伎町ロフトプラスワンにてイベントを開催することに。
以下宣伝。


「オトコノコ★ナイト」


○日時
5月13日/OPEN18:30、START19:30

○料金
一般2000円、女装1000円(飲食代は別)

○会場
新宿ロフトプラスワン
http://www.loft-prj.co.jp/PLUSONE/
※地図はこちら
http://www.loft-prj.co.jp/PLUSONE/access.html

○出演者
しのざき嶺(漫画家)
館淳一(SM官能作家)
鶴岡法斎漫画原作者・評論家)
浜野さつき(女声ボイストレーニング講師)
二村ヒトシ(AV監督)
本に出演した女装子たち。
(司会:みゆぞう)

○当日ブース
衣装、化粧ブースなど用意します、女装OK
女装美少年系同人誌販売etc。

アングラ衝動鎮魂歌

「天王洲猥談」のDVDを観ながら書いているというのに未だ冷めやらぬこの気分。26日、DX歌舞伎町、レズビアンショー初日。魂を揺さぶられる衝撃的な舞台だった。レズビアンショーやSMショー中心に、意識してストリップ小屋に通い始めてもう1年以上になる。そのきっかけになった、生涯でも忘れることのできないステージの衝撃を上回る体験だった。
出演者と演目は次の通り。

  • オープニング
  • 花洲×しの
  • 京×夏川明
  • ゆの×内山沙千佳
  • フィナーレ
  • エンディング

演目の間にはポラロイド撮影タイム。出演者は少なめだが濃密な時間が流れる。1日3ステージのうち、ぼくが観たのは26日の2回目、3回目。(27日も最後だけちょっと観た。)コンビによっては奇数回と偶数回で演目が異なる。
花洲嬢&しの嬢の3回目は着物姿の花洲嬢登場から始まる。紙風船をポンポンとはじいて、時おりお客さんにもトスを出す。しばらくしてしの嬢が同じく着物姿で登場し、「♪うそつき…」とチャーミングな演歌が流れ、指先中心の舞踊を始めると、強い磁場が発生したかのようにぐいぐい引き込まれる。ぼくはこういった雰囲気が無条件に好きなのだ。岐阜で美的SMの公演を観たときの一条さゆりさんのステージには本当に魅了された。ちょうど今、小沢昭一の『本邦ストリップ考』という本が出ていたので読んでいるところなのだが、戦後ぐらいからのストリップ史をたどり、様々なエピソードが語られるのを追体験し、かつてのストリップと今のストリップの狭間で心地良いトリップ感覚に浸る。
京嬢&夏川嬢の『不思議の国のアリス』の翻案ヴァージョンは可愛くてエロくて、メルヘンチックな感じも衣装やら音楽やら立ち振る舞いやらに世界観として強固に反映されていて、じっくり楽しめる内容。夢のごとき性体験をする京嬢アリスが最後に観客に向って指先を口にあてて秘密のお願いをするという可愛らしさで締められるとくれば、ああ良い時間を過ごせたなと薄暗い地下のストリップ小屋にて思ったりしてしまう。夏川嬢の貫禄に魅了された。「歌ベッド」も好きだ。
ゆの嬢&沙千佳嬢は2回目、コミカルな演目を提示してきた。部屋でくつろぐゆの嬢がおもむろにオナニーをはじめたところ、ピンポーンと妨げのチャイムが鳴り、『ドラゴンボール』のチチ(子供ヴァージョン)の衣装みたいな宇宙人沙千佳嬢が訪問してくるというトンチキステージ。二人の脱力な掛け合いがまったり心地良く、また『撲殺天使ドクロちゃん』的なSF設定でもあるから、違和感もなく楽しめる。
フィナーレはチームショー、総出演者での「真夏の世の夢」。紅薔薇座のハーレムベッドを思わせる豪華な総合的ステージであり、たっぷり美しい裸体を堪能できる。エスニックなコンセプトが妙に健康的で淫靡なエロといった感じはない。
初日の3回目のステージ。最後の演目は「ゆの×内山沙千佳」だった。2回目でコミカルな内容だったため、いつも奇数回と偶数回で演目を変えるこのコンビだとシリアスな内容が予想された。ぼくは彼女らのシリアス演目が大好きなのだ。前日の疲れやおよそ6時間の鑑賞に少しだれてしまっていた気分をリセット。幕間の舞台準備を眺める。シンプルな舞台。今回はどんなステージなんだろうか? 冒頭に、そして以前のエントリにも書いたように、かつての衝撃的体験が忘れられず、彼女らのステージをなるべく欠かさず観てきて、これまでもいろいろな希有な体験をさせてもらった。コミカル路線、シリアス路線、どちらも他のメディアでは味わえない、個性的な舞台ばかりで、しかもエロくて可愛くて面白くて時に胸をしめつけられるほど哀しいのだから、見逃すわけにいかないのだ。そして……再び打たれた。すごかった。涙が流れた。呆然とした。そんなステージの記憶を留めるため、詳細を書かねばならないと思い立ったのだ。

  • ゆの×内山沙千佳

薄暗い舞台に用意されているのは、盆の上に何かを包んだらしき布と、梁から垂らされたSM用の金具に取り付けられた紫の花。幕が開く。町娘といった感じの赤い着物をラフに着たゆの嬢が登場。ゆっくりと盆まで歩み、吊るされた紫の花を手に取る。それを髪に結わえる。突然、うめき声をあげて苦しみ悶える。しゃがみ込んで頭を抱えて煩悶する。
♪あたしは アバズレ メス豚で〜す すぐさま おまたを おっぴろげ〜る
ミドリの「あばずれ」が絶妙に鳴り響き、苦渋のオナニーが繰り広げられる。唖然。もうこの時点で一気に引き込まれる。「鏡」の時も一緒だった。せつないオナニーと気分に合った絶妙な曲。その構成の上手さは彼女らの舞台のゆえんである。ようやくその淫乱花を外したゆの嬢は元の場所にそれを戻し、禁断に触れてしまったおののきと共にしずしずと舞台を去ってゆく。入れ替わりに沙千佳嬢が登場。白い着物姿に傘をさし、とても優雅な佇まい。彼女は傘が似合う。レースクィーンの時もそうだった。そして、反復。やはり花を手に取る。彼女はそれを口にくわえる。反復とずれ。レズショーの場合、基本的にいくつかの要素を交互に反復することにより構成されているように思う。彼女らのように絶妙なコンビだと、それぞれの特質が自然に反復の「ずれ」として現れるから、それぞれの存在や振る舞いの印象がより強くなる。
盆の上で紫の花をくわえ、やがて沙千佳嬢は淫靡に狂乱する。その刹那、閉じていた傘をバッと開き、髪を振り乱し、立ち上がる。ナンバーガール鉄風 鋭くなって」が響き、ブラックライトの妖艶な照明を浴びる沙千佳さんはもうどうしようもなくかっこいい。すでに冷静に目の前の舞台をあれこれ考えながら観る余裕などなかった。すべてを浴びるように体感していた。
再びゆの嬢登場。狂乱の沙千佳嬢に対峙。当然、呑み込まれる。そういう段取りというんじゃなくて、もうそうなるしかないのだ。そんな空気が完全に舞台上に出来上がっている。組み伏せられ、執拗な攻めを受けるゆの嬢。盆の中央で上半身をはだけ、腰を据えたまま淫らに攻める沙千佳嬢はアングラ的な「重さ」とでも表現しようか……強い重力を抱え込んでいるかのようで、そんな彼女に攻めれるゆの嬢をも呑み込んでしまいそうだ。アナル、乳首に針貫通、双頭ディルド。感情というよりそれ以上に互いの存在がぶつかりあうかのような絡み。いつもそうだ。彼女らの絡みには心を揺さぶられる。時に悲哀だったり淋しさだったり情愛だったり、存在まるごとの赤裸々な絡み。
ようやく攻めから解放されたゆの嬢は沙千佳嬢の口から花を奪い、逆に自分がくわえる。ここでも反復はずれ、過剰に増幅される。狂気というよりは思いを爆発させるかのようなゆの嬢の攻めを今度は沙千佳嬢が受けとめる。ゆの嬢の手が首にかかる。手に力が込められる。沙千佳嬢の動きが止まる。そして……
音楽と照明が変わる。花の魔から放たれたゆの嬢が目前の動かなくなった沙千佳嬢を揺さぶって、とりかえしのつかない事態に泣き崩れるあたりで黄と白の淡い照明が彼女らを包み、ミドリの「POP」の冒頭のアイロニカルな詩がかぶさると、そこに奇跡といってもいい舞台空間が出現する。涙が落ちた。休日にストリップ小屋でレズビアンショーを観ているという意識はその瞬間これっぽっちもなかったと思う。ただただ感動していた。もう力のない沙千佳嬢の手をとり、それを自分の大事なところにあてて、それでもつながりを結ぼうとあえぐゆの嬢。その哀しく切なくも愛らしい交わりを終えて裸体が交錯したところで暗転。拍手喝采! 日曜日の22時過ぎ。見知らぬ他の観客とそんな空気を共有した感じが拍手の後の静けさの中に生じたような気がした。生の舞台ならではの余韻。
当分はこの素晴らしい体験を頭の中で反復しよう。そして今後もさらに彼女らの活躍に期待しよう。日常の些細なことはすべてこの舞台の前に一掃されてしまった。ますますストリップ通いはやめられない。